魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
コダイの過去が明らかになります。
「………マテリアルC?」
「そ。闇の書が蒐集した魔導師の過去を再現した物……2Pみたいなものだよ」
「凄いな闇の書……」
と言うか2Pって何?
「えっへん!……ってそうだ君の名前聞いてなかった……お名前は?」
胸を張ったり、首傾げたり忙しい奴だな。
「トキガワコダイだ「ホント!?」あ?」
名前を言った瞬間、一気にコッチに詰め寄って来た。
「君がボクのオリジナルなんだ……へぇ~キレイな顔~」
マテリアルCが顔を触ってくる……
「見えるのか?」
「え?……うん、この包帯は見たくない物隠してるだけだし、見たい物は見えるよ?」
自分の目を覆っている包帯を指して言う。
「ねっ!もっと見せて?」
マテリアルCが腕を引っ張る。
「こんな日陰にいないでさ、もっと明るい場所で見せてよ!」
日の当たる場所まで引っ張る………
――ドクン!!!
突然、激痛が全身を奔り、その場で倒れこんだ。そう言えばまた鎖が無くなって血が出てたな……
「ん………アレ?」
「わぁ~ビックリした~いきなり血が吹き出たと思ったら倒れてさ。ナニゴト~!?っと思ってたら気絶してさ」
「聞いてもいないのに状況報告どうも……」
上から聞こえたマテリアルCの声に……上?
「何だ?この状況……」
「ん?……膝枕の事?怪我人をそのまま寝かすのはどうかな~って思って…後、怪我の手当も……」
手当?……あ。
上の服は既に無く代わりに黒い包帯が全身に巻かれていた。
「手当と言っても血を止める程度だから、暴れたら開くよバックリと……後、包帯これしか思い浮かばなくてさ、これしか作れなかった」
マテリアルCが軽く手を挙げると黒い包帯が手のひらから出てきて、意思を持つかの様に手首に蔓の様に巻かれていった。
「作れなかった?」
「うん、私の能力でね。記憶にある物を引き出して作っちゃう能力……まぁボクの記憶はあやふやでこんなのしか作れなかったけど」
そうか、俺を元にしたのだからこの能力があってもおかしくないか………
「少し違う……」
今度は俺が手を上げると、手のひらには、白、黄、青、緑と色鮮やかな蝶の群れが突然現れ、飛び立った。
「わぁ……!君もこの能力使えるんだ……ん?あれれ?……あんな羽の色の蝶なんかいたかな?」
「能力じゃない……これは思っただけ………」
「え?………」
マテリアルCは首を傾げている。
「お前も使っているのは………想像したものをそのまま創造する事だ。名前は決めてない……ただ思った事をそのまま形にする事が出来る、形にするにはイメージしないとダメだが、その代わり制限も副作用もない……誰かを生き返らそうが、生かさず殺さず苦しめるのも自分の思いのまま」
「そんな能力だったんだ……全然知らなかった……」
ん?待てよ。
確か俺を蒐集して、その過去から生み出されたんだよな?だったら何で知らない?
「見た目も違うしな」
「それはそうだよ。いくら再現してもマテリアルはオリジナルとほんの少し変わるもんだよ「そうじゃない」うゆ?」
「確かに見た目の細部が違ってもおかしくは無いが、肉体年齢が違うのはどう言う事なんだ?」
俺を再現しているのなら、俺と同じ9歳位になってないとおかしい。
なのにこのマテリアルCはどう見て俺の5歳前後だ……
「そう言えば………」
「ん?……」
「チョット不思議なんだよね……確かにボクは君から再現されたマテリアルなのに………何故か君の記憶が全く無いんだよ」
全く無い?………蒐集失敗な訳は無いか、だったらこのマテリアルは産まれてこない……
「何故かボクの記憶ではえっと………『トモダチ』?って人と話していた所しかないんだよ」
「ぇ―――――?」
うそ………まさかそんな………こんな事って。
そっか――それはそうだよね。リンカーコアが半分割れていたのも……私が夢を見なかったのも―――
「闇の書が……吸収したのは俺じゃ無かったんだ……お前が再現されたオリジナルは……」
「
私が守りたくて守れなかった唯一大切な『トモダチ』…………
「私は『あの子』の能力で創られた……………ツキトの中にのみ生きていたトモダチって言う『想像』の存在………だから私は『あの子』の唯一の『トモダチ』だった………」
壊れる『トモダチ』を止める事が出来なかった………ただの
「ねぇ………教えて?……君の事も………ボクの事も」
「―――過去話は大嫌いなんだけど………」
この子なら良いだろ……ある意味自分の事だからな……
liqueur様、アマデウス様、桜日紅葉雪様、シーザス様、感想を有難う御座います。
次回コダイの過去編です。
~次回もお楽しみにしてください~