魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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前回に引き続きマジギレ&チート能力披露です。
マジ切れコダイはなろうの時とは全然違っていて(当時定まっていなかった為)、かなり楽しく書けました。


怒らせたんだから覚悟してね?お兄さん♪byコダイ

 ――その言葉聞くの何年振りだろう?

 吐くのも聞くのも嫌なその言葉。

 ただの正当化で、言ったもの勝ちで、薄っぺらくて、空っぽで、気が狂れて、笑えない言葉―――

 そんなモノを人は憧れ、敬い、慕い、目指し、貫こうとする、馬鹿馬鹿しく見っとも無い存在――

 

 何にも知らないからそんな事言えるんだよね~

 

 

 

 

――ザァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 

 

 

 噴水の水が暴発して降り注ぐ人工の雨が辺りを濡らす。

 

「何だコレは!?公園がまるで廃墟に!?」

「落ち着け!例えソレがコイツの力でも、こいつには今は魔力は無い!」

 

 あ、そうだった。

 

「はぁ~お兄さんたち~?あんまり下らない事言ってると、お口でお口塞いじゃうよ?」

 

 あ、仮面じャあキス出来ないか……

 

「確かに私は魔力をお兄さんたちに動けなくされてされちゃったけど………」

 

 レイに視線を送る。

 

≪すぅ……すぅ……すか~≫

「この子もお昼寝中で使えないけど……」

 

 

――ザァァァァァァ…………

 

 雨粒が空中で止まる

 

「いくら私が弱くても、別にお兄さんたちが強くなった訳じゃ無いよね?」

 

 雨粒は仮面の男達に降り注ぐ。

 

 

 

――ズガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

 

「クッ!!」

「こんな物っ!!」

 

 仮面の男が一人接近して来た。

 

「あら?久しぶりだから手物でも狂ったのかな?」

 

 

――ジャララララララララララ!!

 

 

 足を強く踏むと地面から突然鎖が生えて、接近した仮面の男を絡め捕る。

 

「鎖!?一体何処から……ぐぅっ!!」

 

 鎖の一本を引き、仮面の男を眼前へ引き寄せる。

 

「ちょっとがっつかないでよ~ちゃんと相手―――」

 

――ゴシャッ!!!!

 

「してあげるから」 

 

 鎖で宙づり状態の仮面の男の顔面にテレフォンパンチ、ただ力任せの拳を受けた仮面の男は鎖を引き千切りもう一人の男に向かって吹き飛んだ。

 

「「ガハッ!!」」

 

「飛んだ飛んだ新記録~♪何メートルぐらい飛んだかな?でもこんなに弱ければ前の世界の力使うまでも無かったかな~?」

「前の世界?」

「一体何の事を……?」

 

 ゆっくりと立ち上がる2人、1発じゃあダメージは期待……あ。

 

「何それカッコいい~これで見分け付いたね?」

 

 私が殴った男の仮面には罅が入っていた……

 

「でも……どうでもいいかな?」

 

 

 ――犯せ……犯せ…『現実』を犯せ……

 

 

 また鎖が……

 

 いや今度は何もない空間から突き破るように鎖が大量に現れ、束ね、数匹の鋼の蛇を創り……

 

 雨は時が停止したかの様に空中に留まり、形を変えて水の燕に……

 

 雨で濡れ泥になった土は一定の間隔を持って集まり泥の獣を数十匹創りだした……

 

 

「だって死体になれば見分ける必要もないじゃん」

 

 

 私の周囲には鋼の蛇、水の燕、泥の獣の大群が現れた。

 

「な……何だこれは?!レアスキル!?」

「コレが仮にレアスキルだとしても……強力な力にはリスクや条件がある筈。なのにあいつは無動作で発動している………」

「O☆HA☆NA☆SHI終わった?じゃあ――――殺っちゃえ♪」

 

 

――ジャラララララララララララ!!

 

 

――ズガガガガガガガガガガガガ!!

 

 

――オオオオオオオオオオオオン!!

 

 

 鋼の蛇、水の燕、泥の獣が一斉に襲い掛かる。

 

「よっと」

 

 次の瞬間、私が居たのは壊れた遊具の中で比較的無事なジャングルジムの頂上に立っていた。

 

「やり過ぎちゃった?……残念、色々聞きたかったんだけどな~……0.3%じゃなくて0.1%にすれば良かったかな?」

 

 

 ――犯せ『現実』を『幻想』で犯せ

 

 

「だったら使わせてやろう……」

「うゆ?」

 

 後ろから来た声に振り返ると仮面の男達が立っていた。

 

「生きてた~……何それ?『それは残像でした』って奴?」

「喰らえっ!!」

 

 罅なしの仮面の男は巨大な魔力弾を投げつけた。

 

 

――ドォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

 その爆発で辺りを煙が包む……

 

「う~……ちょっとは話を聞いてくれてもいいと思うの」

 

 爆発は周囲の空間に巻き付けた鎖の壁で防いだ。

 

「…………いない」

 

 辺りには人影所が気配すら無かった……逃げてはいないみたい、それだったらこの結界は消えてるし、だとすると隠れて認識阻害かな?

 

「鬼ごっこの次はかくれんぼ?童心に帰ったのかな~?……でも私だけ鬼って言うのは虐め?虐めはいけないってセンセーに教えて貰ってないの~……って私も教えて貰って無かった」

 

 ジャングルジムから降りる。

 この力を使うのは何年振りだろう?正直使いたくない………

 

「仕方ない……」

 

 ――『幻想』が『現実』を……

 

「アァッ――――!!」

 

 背中に激痛と共に血が噴き出した。

 

「アアアアアァ……」

 

 

――ブシャッ!!メキメキッ!!ゴキャッ!!

 

 

 背中を突き破って出来たのは『刃物』―――

 刃が背中から羽の様に大量に数十条にも及び背中から生え、一対の鉄の羽になった。

 

 

――ギィィィィィィィィィィィッ!!

 

 

 金属同士が擦れる特有の嫌な音を立てながら上空へ飛ぶ。

 そこには自分が創りだした廃墟があった………

 

「えっと……何処かな~?」

 

 右手で左手首を掴み…………

 

 

――グチャッ!!

 

 

 肩ごと引き抜き、それを掲げる。

 

 

――メキメキッ!!ボコボコッ!!

 

 左腕が不気味な音を立てて変異する

 

 

 ――『現実』を犯し『幻想』を……

 

 

 左腕だったモノは赤黒く肥大し、十メートルを超す巨大な剣に成った。けどこれって剣と言えるかな?

 風貌はまるで剣に血の滴る肉片が張り付いた様な物で、所々に目玉や口があり口からは不気味な笑い声が出ている。

 その剣を無造作に投げる………その剣は一度空中で止まり。

 

 

――アヒャヒャヒャヒャヒャ!!

 

 

 不気味な笑い声を上げながら、茂みの方に突っ込んだ。

 

「………へぇ」

 

 強烈な爆風から飛び出る二つの影……俺はそこの近くに降りて行った。

 

「見ぃつけた♪」

 

 影の正体は当然の如くお兄さんたち。

 所々血が滲んでいて多少ダメージを与えたようだ。実際の所そうなる様に加減した、こんなのを殺すのに『秒』もいらないし。

 茂みに突き刺さった剣を見上げると、それと同時に剣のにある口の一つが私に向かって私の左腕を吐き出した。

 左腕を受け取り、千切った左肩に断面を押し当てると、簡単にくっ付いてすぐに動かす事が出来た。

 

「ありがと♪」

 

――アヒャヒャヒャヒャ!!

 

 私のお礼に答える様に剣が笑った。

 

「じゃあ……」

 

 私はまだ倒れているお兄さんたちに近づいて……

 

「「次はお兄さんたち達が鬼ね?」」

 

 私は『2人』で覆いかぶさる。

 

「「?!」」

 

――ジャラララララララッ!!

 

 ついでに足も鎖で縛っておく。

 

「ふ、2人に……幻術?!」

「違う――実体だ!!生命反応もある……どちらも本物だ!!」

 

 あ、やっぱり気づいた?

 お兄さんたちに覆いかぶさっているのはどっちも私自身、どっちも本物の私。

 

「も~おにいさん、こ~んなキレイな子が遊ぼうって言っているのにチョットは乗ってよ~」

「そうそう♪もっと……いっぱい……タノシイ事……シヨ♪」

 

 私2人でお兄さんたちの胸板に頬擦りをして上目づかいに見る、もちろん背中の剣で傷つけない様に。

 

「クソッ!何だこのバインドは!?」

「いくら魔力を流してもバインドブレイク出来ない!?」

 

 お兄さんたちが私達から抜けようともがいている……楽しい♪

 

「それは無理だよ?」

「だって本物の鎖だし」

「この背中の剣も本物」

 

 私2人で交互に言う……

 

「さっきの獣も」

 

「さっきの燕も」

 

「後ろの大剣も」

 

「ここの廃墟も」

 

 

「「私も全部本物―――」」

 

 『幻想』が『現実』を犯す……そして私がここに居る。

 

「何だと!?ふざけるな!そんな強大な能力をリスク無しにそんな簡単に出せるはず無いだろ!?」

「大丈夫♪ちゃんとあるから心配しないで?」

 

 今もしっかり払ってるから。

 

「クソッ!!……我らを如何するつもりだ!この化け物!!」

「子供捕まえて化け物とかひっどーい」

「化け物じゃないもん………でも化け物ねぇ~」

 

 腕を首に回して更に密着する。

 

「人は化け物を殺すのが仕事って言うし……じゃあ化け物は…………人を食べちゃうのが本能(しごと)かな?」

「ね………食べても良い?」

 

 さ~ってまずは―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――と思ったけどや~めた」

 

 覆いかぶさっていた状態から2人で起きた。

 誰かが此処に向かってる。恐らくエイミィ辺りがこの結界を見つけたのかな?

 

「もう、お兄さんたちが逃げる所為で出来なかったじゃない」

 

 地を強く踏む………

 

 ――『幻想』が『現実』を犯す………

 

 次の瞬間、公園は何事もなく元に戻った。

 あの剣も、2人の私も、男を縛っていた鎖も……初めから無かった様に消えていた。

 

「ちゃんと管理局の皆さんにありがとうって言うんだよ?来なかったらお兄さんたち……私に食べられちゃったかも知れないんだよ?」

 

 白けたし………殺してもいいけど面倒臭いからいいか。

 仮面の男達はいつの間にか消えてるし、結界も無いし………

 

「私もか~えろっと」

 

――ギィィィィィィィィィッ!!

 

 金属同士が擦れる嫌な音を立て、この場から飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グッ………アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

――ブチブチッ!!グチャッ!!メキョッ!!!

 

 周りは静寂、響いてるのは何かを引きちぎる音だけ。

 俺が向かったのは家でも無く少し離れた誰も使われて無い廃工場だ。

 

「調子に乗って剣だけにしとけば良かった…………」

 

 そう愚痴りながら作業を再開する…………

 

――ブチブチッ!!グチャッ!!メキョッ!!!

 

 

 引き千切っているのは背中に生えた鉄の羽の刃、これを全部抜く以外解除方がない。

 

 

――ブチブチッ!!グチャッ!!メキョッ!!!

 

 

 刃は俺の手元から消える度に蜃気楼のように消えて行く。

 

 

――ブチブチッ!!グチャッ!!メキョッ!!!

 

 

「…………これで全部だな」

 

 死ぬ事は慣れてもこれだけは慣れないな……足元には致死量ともとれる血溜りが。

 

 

――~♪

 

 携帯の着信音が鳴った……えっと相手はクロノ?珍しいな、いつもは念話なのに。

 

「クロノ?」

「コダイか?実は頼みがあるんだが……直ぐ家に来れるか?」

「ん?5分もあれば……どうしたんだ?」

「…………仮面の男の正体が分った」

 

 返って来たのは普段より重苦しい声だった。

 

「…………分った、すぐそっちに向かう」

 

 電話を切る…………

 

「仮面の男の正体か…………」

 

 そう言えば地雷踏まれてついスイッチが入って遊んでばっかだったな。正体探ってない……

 

「クロノ所に急ぐか」

 

 とりあえず、この血まみれ状態では街を歩けないので屋根やらを伝って向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ふみゃ~………おはよ~≫

「もう夕方だ…………」

≪うゆっ!?≫

 

 目的地に着く頃にレイは目を覚ました。




liqueur様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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