魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
「ぅ――ぁ――」
アレ?………ココ………ドコ?
――………ん?……………か?!
ダ……レ……?
――………ん!……ここ……わか……か?!
………スコシ、はっきりしてきた―――
「―――――ス」
……ウマクこえがデナイ。
――みなさん!………さんが目を覚ましました!!
ア……ココ……かんりきょく……
意識がハッキリとしてきた。
それでもなぜここに運ばれたのかがいまだに不明だ。
先ほど俺に呼びかけたリニスは誰かに連絡を取った後、背中に手を入れてゆっくりと起してくれた。
「―――――」
「あ、待ってください。今お水を持ってきます」
どうしたのか聞こうとしたが声が上手く出ない。
リニスがベットの傍にあったコップに水を注いで、ゆっくりと飲ませてくれた。
「あー……」
声が出るようになった。どうやら喉が渇いてただけみたいだな……
「怪我の方はどうですか?」
「ケガ…………あ~」
今の自分の状態を確認した……
見える範囲で全身に包帯が巻かれていた。
「……どういう状態だ?」
「えっとですね。全身の約3割りが瓦礫で潰れていて、骨が内臓を突き破ったり、長時間の発熱、その他諸々で3日間眠っていました。その間に治療は殆ど済んでいます」
3日も眠っていたら喉も渇くな。
「何かあったか覚えてないんですか?」
「全く……瓦礫から出たあたりまでは覚えているが……」
確かカートリッジを噛み砕いて魔力を取り込んでその後………
――ドドドドドドドドドドドドドドドド………
「何だこの音は?」
「ついさっき、フェイト達に目を覚ましたって連絡をしたので恐らく―――」
――バンッ!!!
「「「コダイ(君)!!!」」」
扉が開くと同時になのは、フェイト、アリシアが俺に向かって飛びこ―――
「コラッ!!」
――ガンッ!!!
「「「にゃっ!!」」」
……む直前でリニスの出した障壁に頭からぶつかった。
「心配だったのは分りますけど怪我人に飛び込んだらいけません」
「「「は~い……」」」
障壁に激突した頭を摩り涙目になる3人。
その後、リンディ、クロノとゾロゾロとやって来た………
「つまり、コダイ君は瓦礫の下敷きになった前後の記憶が無いんですね」
医療スタッフの診断を受けた後、リンディに今回の戦闘について何度か質問されている。
「一切覚えてない」
「そうですか――――では、これを見せた方が良いですね」
そう言うとリンディは俺の目の前にモニターを出した。
モニターにはなのはとヴィータ、フェイトとシグナム、アルフとザフィーラが戦っていた………だが
――ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!
突然、巨大な虹色に光る柱が現れて、全員の動きが止まる……
その柱から一筋の光が走ると、その柱も消えてしまった。
そして映像が切り替わり、映っていたのは、本を持っている女…つまり四人目の守護騎士とその守護騎士にS2Uを突き付けてるクロノがいた。
だが、何処からか現れた仮面をつけた男のとび蹴りによってクロノはフェンスに叩き付けられた……
「貴方は……」
「使え」
「えっ……」
「闇の書の力を使って結界を破壊しろ」
「でもアレは!」
「使用して減った頁はまた増やせばいい……仲間がやられてからでは遅かろう……」
「……っ!」
仮面の男と守護騎士が何かを話し合っていると、上空からあの光が落ちて来た。
「っ!!………何者だ………」
仮面の男が光が落ちて煙が上がっている所に近づいた瞬間……
「グアッ………ガァッ………!!」
首を掴まれ持ち上げられた……そして煙が晴れるとそこには……
金色に輝いてる、装甲を纏った……………俺がいた。
「―――――――――――――――――――」
男を投げ飛ばす……………
「グァァァァァァァァァァァ!!!!」
仮面の男はビルに激突、そのまま貫通してもう一つ向こう側のビルに激突した。
ちょっと待った、全力で投げ飛ばしても貫通はしないぞ?激突はするだろうけど………
「この化け物が!」
叫び声と共に俺がバインドによって何重にも拘束された、その背後には仮面の男が…って、投げ飛ばされたんじゃ。
「―――――――――――――――」
「何ぃ!?」
仮面の男が驚愕の声を上げる……………バインドが突然煙をあげて………溶解した。
溶かされ意味を成さなくなったバインドは地面へ落ちると、四散して魔力に還った……
「―――――――――――――――」
「クッ……」
俺が後ろの仮面の男に気付き、突っ込むが仮面の男は上空に逃げた―――だが俺は更に上空にいた。
「クソッ!」
仮面の男は魔力弾を打つが、それも俺に触れた途端溶けて消えた。そのまま仮面の男の腕を掴み地面へ叩きつける………
「ガァッ!!」
休む間もなく、男を片手で掴み上げ、もう片方の手を男の眼前に翳して魔力を溜め始めた……アレはまだ試案段階の集束砲撃……
「やめろおおおおおおおおおお!!!」
突然、もう一人の仮面の男が魔力を溜めてる腕を蹴り上げる、二人いたんだ………
――ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
砲撃は蹴り上げられた直後に撃たれて、映像はそこで終わった………
「なにあれ?」
「正確には分りませんが、コダイ君が気絶した傍に壊れたカートリッジが落ちていました。おそらくレイが進化する機能『
「暴走か………」
正確にはその前にカートリッジを使ったんだが……あの後確かにExtendは発動した………
「後これを見てくれ、君が強装結界を突破した所だ」
クロノが新しいモニターを出す、そこには結界の一部が溶けて無くなった様な穴があった。
「君が突入した結界の後だ」
「さっきの映像からして……これは溶けているのか?」
「それも信じられない高温でな」
「………原因は?」
「全部推測でいいなら私が話しましょうか?」
今までフェイト達の傍にいたプレシアが来た。
「……その推測は?」
「貴方のデバイスの特徴、そしてカートリッジシステム。この2つが偶然に組み合わさった状態よ」
「デバイスの特徴?……心当たりがありすぎるのだが」
体にくっ付いている何てあり得ないらしいし……
「まず前知識として、デバイスというのは基本的には魔法の発動媒体。簡単に言えば魔法というソフトを起動させるハードね」
プレシアが全員に聞かせるように話す。
「高度な魔法の使用はデバイスに大量の熱を蓄積させてしまう、だから排熱機能が完備されているわ」
「常識だな」
「そう。私のクローンを通して見た時とベアトリス式の模擬戦……今までの戦闘を見て、貴方のデバイスにはその排熱機能が無いわ。恐らく元々の容量が普通よりも大きいから普段は問題無いと思うわ……けど今回はカートリッジと言うブーストを掛けたから許容オーバー、熱暴走を起こしてあの形態になったと考えられるわ。溶解する魔力はデバイスの熱暴走の副次効果ね」
納得が行くな。魔力変換資質何て物があるんだし。熱量を伴う魔法は聞いた事ある、クロノのブレイズカノンとか……
記憶に無いのが惜しいな、触れただけで魔法を溶かす形態なら、この面倒くさい体質も何とかなるのに―――
「コダイ君、駄目よ?」
「何のことだ?」
「今コダイ君、あの映像の状態になろうと考えてたでしょ?」
心読むなよ………
カートリッジの暴走と分っただけで良いとするか……
あ……今頃になって感覚がやってきた。全身に熱さと激痛が万遍なく襲ってくる。
――んー!………んー!!
ん?くぐもった声が……右腕?
そう言えば『
≪―――っぷはぁっ≫
包帯を取ると、まだ傷が残っている右腕に傷が一切付いて無い青い宝石に血管の様な金色の管が肘まで伸びていた。
一気に伸びたな……カートリッジが原因か?こう……何か勢いよく押し出される的な。
≪あ、コダイだ!おはよ~♪≫
「おはよう、レイ。2度目の守護騎士の戦いで何があったか覚えているか?」
≪ん…………と、私も覚えてないかも≫
やっぱりか。
期待はしてなかったけど……
「そうか。一応今回の『
≪OK♪……まずは総魔力量が上がったよ≫
「どれぐらい――――」
は?ちょっと待て。
「レイ―――」
≪うゆ?どうしたの≫
「―――少しだけ流暢になって無いか?」
≪え?そうかなぁ……変わんないと――――あ、本当だ≫
レイが少しだけ成長した様だ。
liqueur様、シーザス様、アキ様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~