魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
アレから数日、なのはとフェイトのデバイスが治ったらしく二人は本局に、俺とクロノ、リンディはハラオウン家のリビングで闇の書について話していた。
「で、どうだコダイ、何か掴めたか?」
「いや、情報が少なすぎて似たようなのしか」
闇の書、守護騎士、ヴォルケンリッター…これだけでは足りない。
「管理局に無いのか?もっと情報が」
「一応『無限書庫』があるが、中身のほぼ全てが未整理のままで手づかずなんだ」
「ダメじゃん管理局」
「後で、フェレットもどきに頼もうと思ってる」
「フェレットもどき?……あ、ユーノね」
本人聞いたらキレるな。いや、ノリツッコミか……どちらにしても反応が面白そう。
「スクライアー族の本業は探索や調査だから」
「つまり望む所か………」
「後、君のベアトリス式にも役に立つと思うぞ」
それは、ありがたい。
「所でリンディ、なのはとフェイトのはどうなんだ?」
「なのはさんとフェイトさんは今、デバイス受け取って今コッチに戻ってるって。説明はコッチでするつもり……二人とも驚くと思うわ~」
なんか楽しそうなリンディ。
2人のデバイスにはカートリッジシステムが積んでいるんだっけ?
≪いいな~わたしもきょうかとかできたらな~≫
レイが拗ねていた。
それ以前にこのデバイスは人の手で強化出来る物なのか?
「レイにはエクステンドがあるだろ」
「「エクステンド?」」
≪ふにゅ?なにそれ?≫
クロノとリンディが首を傾げている。と言うか当の本人が知らないのかよ。
「プレシア・クローンの時にレイとのシンクロ率が設定値を突破した時に発動したんだよ……そのお陰でジュエルシード封印出来たんだ」
「つまり、レイは進化するタイプのデバイスか…今まで見たこと無いな」
「使用者と共に成長するデバイス…まさに相棒って事ね」
≪よ~し!エクステンド~≫
――シ―――――――――――ン………
≪―――あれ?なんにもおきないよ!≫
「シンクロ率が設定値を超えないとダメだって」
その直後警報が鳴り響いた。守護騎士か………
「至近距離にて緊急事態!!」
警報と共にエイミィが映っているモニターが現れた。
「都市部上空にて、捜索指定2名の補足しました。現在、強壮結界内部にて待機中です!」
新しく現れたモニターには現場にいる魔導師だった。
「相手は強敵よ、交戦は避けて外部から結界の強化と維持を!!」
「はっ!!」
「現地には執務官とベアトリスさんを向かわせます」
流石提督、指示が冷静かつ的確だ………俺の出番か。
「コダイ、行くぞ!」
「分った」
俺はクロノの転移魔法で現地へ向かった。
転移した先には、下方には武装局員がヴィータとザフィーラを囲んでいた………
俺とクロノはデバイスを起動してそこに向かっていた。
「コダイ、下がっててくれ」
言われた様にクロノの後ろに移動すると、クロノは魔法陣を展開して無数の魔力刃が出現させた。それと同時に局員が離れる………
「スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!」
クロノが唱えると魔力刃はヴィータとザフィーラに降り注ぎ、着弾点は大量の煙が上がった。
「はぁ…はぁ…少しは、通ったか?」
「煙でよく分らないな…」
そう呟いていると煙が晴れる……
そこには魔力刃が三本程腕に突き刺さってるザフィーラと無傷のヴィータがいた。本当に少し通ったな。
「ザフィーラ!」
「気にするな、この程度でどうにか成る程………柔じゃない!!」
「上等!!」
ザフィーラは腕に力を込め、刺さっていた短剣を破壊する。たいした怪我を負っていないザフィーラを見てヴィータはほくそえむ………
「殆ど効いて無いのか……」
クロノがS2Uを強く握りしめた。
「次は俺の番だ」
「頼んだ!」
俺はバーニアを最大にして二人に向かって突っ込む。
「出力は維持、轢くつもりでだ………」
≪プラス・ブレイク!≫
プラス・ブレイクした状態でザフィーラに体当たりする。
「グッ―――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ザフィーラが咄嗟に張った障壁も簡単に破りザフィーラを突き飛ばした。
「まず一人」
「テートリヒ・シュラーク!!!」
背後からのヴィータのハンマーを左腕で受け止める。
――ビキビキッ!
受けた装甲に罅が入る。受けきれない、なら受け流す。
「って!ウワァッ!!」
ハンマーを外に流し、柄を掴みヴィータごと思いっ切り投げ飛ばす。
「一発で罅が……まともに受けるのは禁物だな。レイ」
≪リコール≫
左腕の装甲の罅が消える。
「エイミィ、なのは達はまだか」
「ゴメン!もうちょっと時間が「すまない、敵が来た」えっ!?」
通信を切り、上から来たシグナムの襲撃に対応する。
≪スローナイフ≫
目の前に魔力刃を数本展開してそれを持って投げる。
≪バースト!≫
「舐めるな!!」
爆風無視してそのまま突っ込んで来たか……
――ギィイン!!
振り下ろされたレヴァンティンを腕を交差して受け止める。
「確かに、貴様のその魔法は厄介だ……だがそれには最大の欠点がある」
「分ってる。試作段階故の…圧倒的な火力不足だろ?」
「それに火力があるあの砲撃もまだ完全には使いこなせていない」
「流石騎士一度見たらお見通しか……だが、それがどうした」
レヴァンティンを受け止めた状態のままで、シグナムを蹴り上げる………
「クッ!」
だが、すぐに後ろに飛んでかわされる。
「俺は魔法無い方が強い」
実際、魔法無くても戦ったし。
「来い、ベルカの騎士は一対一では負けは無いのだろ?」
「あぁ………確かにそうだ………だが」
ん………マズイ、後ろを。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
ザフィーラが何時の間に後ろに、防御を……ダメだ間に合わない――
「我らは……四人で戦っている!!」
シグナムの言葉と同時にザフィーラの拳が入った。
質量差であっけなく吹き飛ばされる上手く体勢が直せない………このままでは下のビルに激突する。
≪バーニア!≫
――ドガアアアアアアアアアアアアアアン!!!
ビルの屋上に激突する瞬間にバーニアを最大噴出して、直撃は軽減した………
「ケホッ……死にはしなかったが、肋骨の何本かが折れた」
「全力で行くぞ………レヴァンティン!」
≪
シグナムがカートリッジを1発ロードして、レヴァンティンの柄頭に鞘を差し込むとそれは大きな弓の形になった。
「アイゼン!こっちも出し惜しみは無しだ!全力でぶち抜く!」
≪
すでにシグナムのそばに戻っていたヴィータがカートリッジを2発ロードして、アイゼンを巨大な大槌に変形させる………それ質量の法則無視してない?
マズイな………両方とも回避を…………
「逃がすか!縛れ、鋼の
ザフィーラが魔法陣を展開と同時に俺の足元から何本もの条が俺の体を突き刺した…
「抜けない拘束魔法か…………」
刺さった所から激痛が走る。
「翔けよ、隼!!」
「轟天爆砕!!」
あっちは待ってくれない―――なら。
「真正面から突破する」
俺は現時点で込めれるだけ魔力を込める。
≪バニシング――――≫
バニシングバスター………反動で狙いがずれる欠点はまだ改善されてない、だが今なら関係無いだろ。
誰かさんのお蔭で俺の体は今しっかりと固定されているから。
≪
「ギガントシュラァァァァァァァァァァァァク!!!!」
≪バスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!≫
シグナムの放った矢とヴィータの振り下ろされた大槌が俺の砲撃とぶつかり合う………
だが、拮抗していたのは少しだけだった………
砲撃はあっさり押し切られ……
――ドスッ!!!
矢は胸に突き刺さり………
――ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
振り下ろされた大槌でビルごと叩き潰された………
――アクセルシューター!!
――プラズマランサー………ファイヤー!!
なのはとフェイトの声が聞こえる、戦っているのか?………
瓦礫の下敷きになって何も見えない。
「―――よし、殆ど潰れているがまだ動く」
速くここから出ないと。瓦礫で潰れてもう一回死にそうだ………
――ガガンッ!!
瓦礫を蹴り飛ばすと結界が発動した空が見えて。
なのは、フェイト、アルフらしき魔力光とヴィータ、シグナム、ザフィーラの魔力光がぶつかり合いまだ戦闘中だと分かった。
≪コダイ!?いきてるの!?≫
「一応な、しかし思いっきりやられたな、殆ど動けないなコレは」
≪ふぇ?でもコダイ動いているよ?≫
「そう言えばそうだな……」
確認のため現在の状況をウィンドウを目の前に開いてみる。
『疑似神経との伝達――危険』
『装甲強度状態――70%低下』
『装備者の状態――不明』
『機能の状態――以下使用不可能〈バーニア〉〈リコール〉〈シーリング〉』
おい、肝心な所が不明って何だよ。
そう言えば初めから不明だったよな?何か原因でもあるのか?
「魔力は?」
≪う~………うゆ~もうないよ~≫
バニシングバスターに全部使ったか。装甲が残っていたのが唯一の救いか―――罅だらけではあるが丁度ギブスの代役になっている様だ。
何か無いかと探してみると、何かが手に当たりそれを取りだして見ると空薬莢が出て来た。
普通こんな物は捨てる筈だが………それにしても大きい、コレは。
「シグナムのか………」
そう言えば拾ってそのままだったな。
≪う~……うゆっ?!あれれ~コダイ!それにコダイのまりょくがはいってる!≫
「カートリッジに魔力?」
使用済みのカートリッジだぞ?そんな訳………いや、有り得るかもな。
本来使ったら捨てられる筈のカートリッジを今まで持ち歩いていたんだ、制作方法は知らないが自然にこっちの魔力を取り込んで充電してたのか。
「ってあっても意味が無いな――あ」
そうだ、要は『魔力を取り込めば』いいんだ……
――バリッ!!!
もはや使い物にならない頭部の装甲を引き剥がす。
それは形だけ保っていた様なだけでゆで卵の殻を剥がす様に割れながら剥がれて行く。
「さて………一か八かの賭けだが、なに――悪くても死ぬだけだ」
魔力の詰まったカートリッジを半分ほど口に入れて歯で挟み込む。そして―――
――バキィン!!!
そのまま、歯で噛み砕いた。
≪――――『
最後に聞いたのは機械的な流暢な声だった―――
liqueur様、シーザス様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~