魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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戦隊モノってさ、顔は隠してるけど声でバレないの?byコダイ

「あ、あのさ――お前の名前を、教えてくれねーか?」

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと待て。これ3年前にも似た様な事があったよな?

 久しぶりになるが言わせて貰おう。どうしてこうなる。

 

「ダ、ダメか?」

 

 俺の目の前には赤い髪を三つ編みにした、俺より少し背が低い……と言っても俺は同年代より背がかなり低めなので一つ下だろうか――

 ヴォルケンリッターの一人ヴィータが不安そうな顔を赤くして上目づかいでこっちを見ている。

 取り敢えず回想どうぞ………

 

 

~回想中~

 

 

 フェイトとアリシアの転入から数日後、まだデバイスは戻って来てないので、何時もの様に過ごしてる。フェイトの特訓は転入で色々忙しいから落ち着いてからと言っておいた。もうそろそろ良いかな。

 

「さて、午後までどうするか」

 

 今日は休日、ユーノは用事があっていないし………あ。

 

「レイ、ちゃんとリミッター掛けてるか?」

≪ふぇ?………うん!だいじょうぶ!≫

「本当に大丈夫だろうな」

 

 リミッターを掛けてる理由は近くにヴォルケンリッターに気付かれないため。魔導師襲撃事件は俺達の世界を中心で行われてる、つまり此処に闇の書の主が居ると言う事。リミッターはプレシアに教えて貰いやって見たがイマイチ実感が沸かない、プレシアはちゃんと掛かっているって言うが。

 デバイスがコイツだからいまいち信用が出来ない。

 

 

 

 

「ねぇ、これからお兄ちゃん達といい所行こう?」

 

「きっと君も気に入るからさ」

 

 

 

 

「――ん?」

 

 俺の事……で無い様だな。俺と大して変わらない子を囲んでナンパしてる大人の男が二人……

 さっきの声は通り過ぎた時に聞こえたのか………

 

 

 まずはどう殺す?(もう殺すのは確定)

 

 1.肉体的に殺す

 2.精神的に殺す

 3.肉体と精神半々で殺す

 

 よし、全部だ。

 

 

「殺していいよな?答えは聞くつもりもない」

 

 

 ――キ―――――――――ン!!

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

 

 一番近くにいた男の股間を蹴り上げる。半年ぶりの股間打ちだ、背が小さいとこれがやり易くていい。

 

「このチビ!よくもダチのエクスカリバー「ロリコンの癖に何言っている、この爪楊枝」ギャアアアアス!!」

 

 もう一人の男の足を思いっ切り踏みつける。

 足を踏まれて尻もちをついてる男に『DEATH NOTE Vol.22』のあるページを見せる。

 

「なっ!何でテメーが知ってんだ!」

「こんな事していたんだな………もし、バレたら―――」

 

 二度と表に出られないかもな?

 

「今携帯の1と1と0を押して通話ボタンに指を置いてるんだ、もし力を入れたら「ヒィィィィィィィィィィィ!!スイマセンデシタァァァァァァァァァ!!」あ、逃げた」

 

 ナンパ男は俺が股間打ちした男を抱えて逃げて行った………

 

「連絡は嘘なんだけどね」

 

 こう言うのは弱みを握って色々利用するに限る。

 

「しかしもうこれで終わりか、詰まらないな……「な、なぁ……」ん?」

 

 声をした、方を見るとさっきナンパされた子がい……え?

 

「あ、あのさ………お前の名前を、教えてくれねーか?」

 

 そして冒頭に戻る………

 

 

~回想終了~

 

 

「コダイだ」

「私はヴィータて言うんだ!よろしくなコダイ!」

 

 さっきの表情と一変して満面の笑みを作るヴィータ。

 

 

「ところで……ヴィータは何でこんな朝から此処に?」

「え、えっと………散歩だ!散歩していたら変な奴らに絡まれたんだ!」

「気を付けた方が良いぞ?朝と夜は変態が多いから、後裏路地とか、人ごみの多い所とか……変な言い掛かりをつけて絡んでくるし。後――」

「やけに詳しくねーか?」

「体験談だから」

「あー……ナンパって奴だろ?こんなのされて何で嬉しいの訳分かんねーよな」

「そうだな……俺男なのに」

「だよな~―――――はぁ!?男かよ!マジで!?嘘ついてんじゃねぇ!!シグナムより美人じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ヴィータが胸倉を掴んできてガクガクと揺らしてきた。

 

「いや、正真正銘の男だし」

「その(ツラ)に説得力の欠片もねぇよ!!!」

「そうか……でも今日は何時もより男の恰好だし」

「ちょっ!今日『は』って言わなかったか?!普段は女みてーな恰好なのか?!」

「当たり前だろ?周りは似合っているって言うし。女装はオシャレだ」

「ちげええええええええええええ!!!!目を覚ませええええええ!!!」

 

 ヴィータは更に強く揺さぶった……

 

「ハァ……ハァ……」

「大丈夫か?」

 

 揺さ振りが終わったのはヴィータの体力が尽きた頃だった。

 

「何で……お前は平気なんだよ……」

 

 俺何もしてないし………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲートボールをやってるのか?」

 

 落ち着いた後適当のぶらつきながら話していた。

 

「じーちゃんやばーちゃんに褒められるぐらい上手いぞ!コダイは何かやってのか?」

「俺は家の事で忙しいから、主に家事とかで」

 

 本当はベアトリス式の研究だけど。

 

「かじ?」

「料理、洗濯、掃除や家でやる事総じて家事と言うんだ」

「へぇ………ようは、はやてがしている事と同じか…」

「はやて?」

「私達のある……じゃなくて世話になってる親戚だ。料理がギガウマだ!」

「ギガウマ?」

「ギガウマだ!」

 

 はやて………もしかして八神はやてか………今は考える事じゃないな。

 

「それに優しいし!後………あっ!」

 

 突然、ヴィータは何かを見つけ走り出した………その先にはゲームセンター前のUFOキャッチャーだ。

 

「このウサギのぬいぐるみをはやてがくれたんだ!」

「『のろいウサギ』?」

 

 UFOキャッチャーの中は何か死んだ魚の様な眼をして口が縫い付けられてるウサギのぬいぐるみが沢山あった……しかも大人気シリーズって。

 

「可愛いだろ?」

「そう言う物なのか……」

「お、新しいの出ているな」

 

 ヴィータはそう呟くと無言のままのろいウサギに釘づけになっていた。

 

「……ヴィータ?」

「……………」

 

 自分の世界に入ってるよ……

 そう言えばよく見て無かったけどヴィータのバリアジャケットの帽子にあのウサギが付いていたな。

 今後の女装に使えるかも。

 

「………よし」

 

 百円硬貨一枚入れてクレーンを動かす。

 

「ん?何やってるんだ?」

「何となく欲しくなったから取る」

 

 これでも動物は好きなんだ………あ、取れた……

 

「すっげぇ!2つ同時に取れた!」

「しかも………色違い」

 

 取れたぬいぐるみは同じのろいウサギだが、配色が正反対の青い目の黒ウサギだ………

 

「2つともやる」

 

 景品を取りだし2つともヴィータに渡す。

 

「え!?だって欲しいからっやったんだろ?」

「白いのが欲しかった……」

「ん~………二つもいらない!だから一つやる!」

 

 ヴィータが黒ウサギを一つ俺に渡した。

 

「俺があげたんだが………」

「私が貰ったんだから、誰にあげようと勝手だろ?」

「そう来たか………」

 

 素直に受け取る事にした。

 

「はぁ~カワイイな~この『こだい』」

 

 ヴィータが夢心地で黒ウサギを抱きしめる………って。

 

「俺の名前?」

「うん!何かお前に似てるから!特にこの辺!」

 

 とウサギの眼を指すヴィータ。

 そんな死んだ目をしているのか?

 

 

 

 

 

 

 

 それから、お互い暇だったので時間まで一緒にいたんだが……

 

「それでなコダイ―――」

 

 え?何この状況?周りの大人の視線が生温かい………

 俺の腕を抱きしめてるヴィータ、勿論黒ウサギ大事にしている。特に何もしてないぞ?

 

「あ――」

 

 何かに気付いた様に、腕から離れるヴィータ。その表情はどこか寂しそうだった。

 

「悪い、そろそろ帰らねーと………」

「ん?……そうだな、かなり時間が経ったし」

 

 携帯で時刻を見ると、結構な時間を一緒に居た事が分かった。

 

「何か色々とありがとな!」

「何かした覚えは無いが?」

「コレくれただろ~」

 

 上機嫌に黒ウサギを見せてくるヴィータ。

 どうやらかなり気に入った様だ。

 最初の時とまるで印象が違うな、目の前のヴィータは子供その物だ。

 演技と言う訳でも無い様だ……恐らくコレが本来の姿なのか……

 

「じゃあまたな、コダイ~!」

 

 そう言って元気に手を振って走り去るヴィータ………にしても。

 

「声は聞いた事あるのに何でバレ無かったんだろう……」

 

 あの形態は認識を阻害する機能が付いているとは思えないが……

 

「灯台下暗しとはこう言う事かな?」

 

 『闇の書』第一級捜索指定がされている、最上級に危険なロストロギア。

 破壊、改竄を加えても即座に修復する『無限再生機能』とエース級魔導師の戦闘力を持つ『ヴォルケンリッター』を発生させて『闇の書』本体や所有者を守らせる『守護騎士システム』そして何よりも、本体の消滅や所有者の死亡をトリガーにして新たな主たる資質を持つ者の下に転移再生する『転生機能』がある為、完全破壊は不可能。

 今までの闇の書の事件について調べてみても碌な事が起きないのが分かる。

 

「そろそろフェイトとの約束の時間だな――」

 

 今考えても無駄だな。

 

「ロストロギアと言う物は本当に面倒くさいな」

≪ホントそうだよね~≫

 

 いや、お前もロストロギア……あ、元か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わり海鳴市市街地ビル屋上。

 

「さて、今日から訓練だが……フェイト」

「?」

「ギャラリー多くない?」

 

 屋上の隅っこでは、なのは、アリシア、リニス、子犬形態のアルフがいた………

 

「フェイトちゃんが心配で………絶対碌な事が起きないの」

 

 苦笑いで返すなのは、最後の方は聞こえなかったが多分どうでも良い事だろ。

 

「私はどんな訓練かな~って」

「アタシはフェイトの使い魔だから。なのはが言っていた特訓ってのも気になるし」

 

 呑気に答えるアリシアの腕に抱かれている子犬フォームのアルフ。

 

「今後のアリシアのメニューの参考にと……」

 

 リニスは真面目な用らしいな……と言っても参考になるか分からないぞ?

 

「さてフェイト、前回あの騎士に負けた理由は分るか?」

「え?………パワー?」

「馬鹿がスピード以外全部負けているんだよ」

「ウッ!!」

 

 俺の言葉が刺さった様に胸を押さえるフェイト。

 

「力云々は新デバイスでどうにかなるのだろうが問題は経験だ。フェイトあの日から自主練していたらしいがどんな内容だ?」

「鉄の棒で素振りを――」

 

 そう言えばフェイトは近接戦闘が出来たんだな。それならなのは以上にしてもいいか。

 

「フェイトまず最初に言っておく。自分の考える限りの一番つらい訓練を思い浮かべてくれ」

「うん……思い浮かべたよ?」

「そうか、ならそれに対して言おう―――」

 

 俺は一呼吸置いて……

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなものは天国だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ふぇ?!」

「取り敢えず軽く廃人コース直行だが……気にするな、そのうち思考なんざ停止する」

「い、一体どんな内容なのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

 後に、1名除いたギャラリーはこう語った『本当に味方で良かった』と―――後、除いた1名はトラウマで気絶。

 

 

 

~おまけ~

 

 八神家で………

 

「ボ~」

 

 どこか上の空でソファーに座っているヴィータ、膝の上にはコダイから貰った黒ウサギが……

 

「む?どうしたヴィータ、そのぬいぐるみは?」

 

 シグナムがそれに気付き聞いてみたが…………

 

「えへへ~」

「なっ!?」

 

 突然、ヴィータの頬が緩んで驚くシグナム………

 

「シグナムどしたん?あれ?ヴィータそれ――」

 

 その声にはやても来て、ヴィータの表情のと膝の黒ウサギに気付き…………理解した。

 

――キュピーン!

 

「これは『恋』やな!ヴィータは好きな子が出来たんや!そしてそれはプレゼントや!」

「あ、主はやて何故そうと………」

「あのヴィータの表情……もうムッチャデレデレやん。あんな可愛いヴィータ見た事無いで!」

「は、はぁ……」

 

 いつも可愛いけどと付け加え力説したはやて。それにシグナムは曖昧に答えるしかできなかった。

 

「う~ん、人見知りの激しいヴィータやから……恐らく相手のタイプは少し年上系の中性的………女の子みたいな子やろな~」

 

 とはやてはヴィータの相手をイメージする。

 先程自分が言った条件に当て嵌まる人物を探すと………たった1人。図書館で会ったとびっきりの美人が浮かび上がった。

 

「あ~そう言えば図書館で会ったきり電話ばっかやな。そろそろ会いたいな~」

「えへへ~」

 

 考えが切り替わり再開を夢見るはやて。

 そして未だに頬が緩みきっているヴィータ。

 

「何だ……この状況は」

 

 このカオスな空気はシグナムを置き去りにしばらく続いたとか…………




龍賀様、liqueur様、シーザス様、不屈の心様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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