魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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実際さ…動物の子供って基本反則だよねbyコダイ

 時空管理局本局、ミーティングルーム。

 現在、俺達はそこで今回の件について、リンディの説明を聞いていた。

 

「さて、私達アースラスタッフは今回ロストロギア、闇の書の捜索及び魔導師襲撃事件の捜査を担当する事になりました…ただ肝心のアースラが暫く使えない都合上、事件発生時の近隣に臨時作戦本部を置く事になります」

 

 リンディは全員を見回し言葉を続ける。

 

「分割は、観測スタッフのアレックスとランディ」

「「はい」」

「ギャレットをリーダーとした捜査スタッフ一同」

「「はい!!」」

「司令部は私とクロノ執務官、エイミィ執務官補佐、フェイトさんの以上三組に分かれて駐屯します。因みに司令部は――なのはさんの保護を兼ねて、なのはさんの家のすぐ近所になりま~す♪」

「「「あ…」」」

 

 なのはとフェイトとアリシアが顔を見合わせる。

 

「「「やったあああああ!!」」」

 

 三人が大喜びではしゃいでる。

 テンション高いな、さっきは落ち込んでいたのに。

 

「プレシア達はどうするんだ?」

「勿論フェイトと一緒よ、私達は管理局に入ってないもの。それに、今は貴方の元で研究してる方が良いと思ってるし………」

「そうか。けどアノ笑いはフェイトの前ではやめた方が良いぞ?」

「何のことかしら?」

 

 自覚なし?…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それで翌日………

 

「わぁ~♪本当に近所だぁ♪」

 

 なのはの家の近所のマンションのベランダから外を見ながらなのはが言った。

 それにしてもかなり広いマンションだ……こっそり調べてみたら物凄い金額だった。そんな金をポンと出せるなんて流石管理局。

 

「ホント?」

「うん。ホラ、あそこが私の家だよ」

 

 なのはが自分の家を指さす………

 ん?視界の端に何かが………

 

「ユーノ?」

「あ、コダイ」

 

 ユーノは何故かフェレット状態だった。

 

「ユーノくんもフェレットモード久し振りぃ!」

「なのはの友達の前ではこの姿だったし………」

 

 俺の肩に乗ってくるユーノの頭を撫でる。それに気付いたなのはが駆け寄ってきた。

 

「アルフちっちゃい!どうしたの!?」

「かわいい~♪」

 

 突然、フェイトとアリシアが黄色い声が聞こえて、なのはと同時にその方を向いた――

 

「あ―――」

 

 なのはが声を漏らす…………そこには。

 

「ふふ~ん♪」

 

 半年前とは違う―――子犬になってるアルフが…………

 

「お、コダイ、なのは、どうだいこの姿?」

「アルフさん!?かわいい~♪」

「フフフフ――名付けて!新形態、子犬フォ――」

 

 その瞬間、アルフはなのは達の前から姿を消した………

 

「アレ!?アルフは!?」

「ど、どこに!?」

「あ~っ!!」

 

 三人は辺りを見まわして、アリシアが最初に気付き、指を指す。そこには………

 

「うぅ~………コダイ~やめておくれ~」

 

 俺が子犬のアルフを撫で回している。

 

「や………アルフが子犬なのがいけない」

 

 いやさ、動物の赤ん坊とか子供とかさ………反則だよね?後、小動物も――

 

「うぅ~」

「肉球小さい………」

「ひゃうっ」

 

 取り敢えず小さい肉球を触る……プニプニだ。

 

「えっとさ………もしかしてコダイって動物好き?」

「うん、ユーノ君の時もあんな感じだったよ」

「あ、あの時ね………家にいた時『暇だから』って言って撫で回されたよ」

「アルフいいなぁ………」

 

 フェイト、なのは、ユーノ、アリシアはこちらをチラチラ見ながら話していた……聞こえてるぞ?

 

「4人とも、友達が来たぞ」

 

 アルフを弄っているとクロノがやって来た。どうやらアリサ達が来たようだ。

 フェイトにアルフを渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちわ~」

「来たよ~」

「アリサちゃん、すずかちゃん!」

 

 玄関に行けばオシャレ(女装じゃないぞ?)をしたアリサとすずかの姿がいて、なのはは笑顔で2人を出迎える。

 アリサとすずかの2人はフェイトとアリシアの2人に目を向けた。

 

「初めまして、ってのも何か変かな?」

「ビデオメールでは何度も逢っているもんね」

「うん、でも逢えて嬉しいよ、アリサ、すずか」

「私も~こんにちわ~!」

 

 恥ずかしいのか少し顔が赤いフェイトとアリシア。

 

「フェイト、アリシア、お友達?」

「「こんにちは!」」

「こんにちは」

「こんにちは、アリサさんにすずかさん――よね?」

 

 奥からプレシアとリンディがやって来て2人に挨拶をして、それに二人も返事を返した。

 

「え?……は、はい」

「何で私たちの事……?」

「ビデオメールを見させて貰ったの」

「後、コダイから話を聞いてね」

「「そうですか!」」

 

 疑問に思っていたアリサとすずかだがリンディとプレシアが理由を話した。

 

「よかったらみんなでお茶でもしてらっしゃい」

「あっ!じゃあうちの店で!」

「そうね。せっかくだから私もなのはさんのご両親にご挨拶を――ちょっと待っててね?」

 

 そう言うとリンディは自分の部屋に戻って行った――これは面白い予感。

 

「悪い、ちょっと忘れ物したから取ってくる」

 

 そう言って俺はリンディの部屋に向かった………

 

「リンディ」

「な、何かしら?」

 

 後ろから突然呼ばれたのか少し驚いてるリンディ。

 

「――何か企んでるな?」

「バレた?」

「――まずは勘、後そこの箱にフェイトとアリシアの名前が書かれているのに2人の部屋に無いという事は、恐らくサプライズ的な物だろ?」

「実はね―――」

 

 リンディのサプライズを聞いた瞬間――閃いた。

 

「リンディ、こういう時は現地の協力者にも頼むんだ……」

「現地の協力者?」

「リンディも一度会っている人間だ………」

 

 俺は携帯を出してある人物に掛ける………

 助っ人からの返事は『OK♪』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翠屋に着いた時、なのはが事前に桃子に連絡した為直ぐにジュースを用意していた。

 リンディとプレシアは桃子と士郎に引っ越しの挨拶を、なのは達は外でお茶会をしている。

 ちなみに俺は挨拶側にいる、何故って?その方が面白そうだから。

 

「そんな訳で。これからご近所になります、宜しくお願いします」

「私も……って家は同じなのですけど、親子共々宜しくお願いします」

「ああ、いえいえ……こちらこそ」

「どうぞ、ご贔屓に……フェイトちゃん、アリシアちゃん、三年生ですよね?学校はどちらに?」

「はい、実は―――」

 

 リンディの言葉を遮り扉の開く音が聞こえた。そこにいたのはフェイトとアリシアだった。

 

「リンディてい……リンディさんコレ」

「はい、なぁに♪」

「コレ……………もしかして」

 

 フェイトとアリシアは開封された箱をリンディに見せた。そこには聖祥大付属小学校の制服だった………

 

「二人とも転入手続きは取っといたから♪」

 

 リンディのサプライズとはフェイトとアリシアの俺達と同じ学校への転入だった。

 

「明日からはコダイ達と同じクラスよ、フェイト、アリシア」

 

 え?クラスまで決まってるのか?

 プレシアの言葉を聞いたフェイトとアリシアは。

 

「「あ、ありがとう………母さん、リンディさん」」

 

 赤くなりながらお礼を言って、箱を大事そうに抱きしめた。

 その後、二人の声を聞いてやって来たなのは達に転入の事を話すと、物凄く喜び合っていた…………

 

 

 

 

 

 

 

「フェイト、アリシア、どうせなら此処で制服に袖通してみたらどうだ?(桃子用意は?)」

「そうね♪着る練習にもなるし、翌朝になってサイズが合わないなんて事になったら困るものね♪(バッチリよ、リーダー♪)」

 

 なのは達がこれから通う学校はどんな感じなのかをフェイトとアリシアに教えている時に、俺は桃子とアイコンタクトをして言った。

 

「いいわねそれ、私も二人の制服姿見たいわ≪コダイ…貴方もしかして何か企んでる?≫」

「ただ着るだけなんだ、問題無いだろ≪あ、バレた?≫」

 

 プレシアが念話で入って来た、鋭いな………

 

「≪これでも、大魔導師よ♪≫」

 

 ……もしかして、これから始まる事を分ってて楽しんでないか?プレシア。

 まさかの同類?コレは後で握手せねば。

 

「じゃ……じゃあ/」

「着てみます……」

 

 恥ずかしいのか照れてる二人。

 

「私が手伝って上げるからから行きましょうフェイトちゃん♪アリシアちゃん♪」

 

 すっごい嬉しそうに桃子が二人を引き連れる…………さてこっちも準備を………

 

~数分後~

 

「うぅ~」

「えへへ~」

 

 数分後、俺達の目の前には。

 顔を隠して俯いてる制服姿のフェイトと、こちらも顔は赤いものの嬉しそうに笑っているアリシアが出て来た。

 

「フェイトちゃん、アリシアちゃん、可愛いの♪」

「うん♪とっても似合ってるよ」

「サイズも丁度いいじゃない」

 

 3人娘は手放しに褒めている。

「「あ…ありがとう」」

 

 同時に真っ赤になってお礼を言うのは流石双子だな………

 

「ん~とっても可愛いわ♪じゃあ今度はこのメイド服を♪」

 

 桃子は何処からか、紺色のミニスカタイプのメイド服を2着取りだした。

 

「えぇっ!?制服の着る練習じゃなかったんですか!?」

「あっ!それカワイイ~」

 

 突然の事にフェイトは驚き、アリシアはメイド服を物欲しそうに見ていた。

 

「え?だってその方が面白そうだから♪」

 

 全く持って桃子の言う通りだ。

 

「フェイト!着てみようよ!」

「ね、姉さん!?」

「そうよフェイトさんきっと似合うわよ?あっもしかして色が嫌いなの?だったらこの可愛いピンクのメイド服で♪」

「リンディさん!?」

 

 リンディも何処からかミニスカタイプのピンクのメイド服を二着取りだした。やっぱり乗って来たか………

 

「か、母さん助けて!」

「はぁ……全く二人とも――」

 

 フェイトはプレシアの反応に少しホッとする………が。

 

「フェイトとアリシアには黒色が似合うのよ!」

 

 プレシアもこれまた何処からか、ミニスカタイプの黒のメイド服を二着取りだした。

 やっぱり桃子と同じ同類だった。と言うか母親全員こんな感じ―――あ、忍はまだだった。

 

「って、母さあああああああああああああああん!?」

「流石、母様♪」

 

 お?フェイトがノリツッコミ。アリシアは嬉しそうだ。

 

「≪コダイ~助けてよ~≫」

 

 フェイトから念話が来た………何でワザワザ?

 

「≪別にいいだろ?似合いそうだし≫」

「≪コダイにそう言ってくれるのは嬉しいけど………恥ずかしいよ≫」

 

 別に着替えるだけだし恥ずかしい事は……あ、そう言う事か。

 

「≪分った≫」

 

 そう言って、どれが似合うか言いあってる桃子、リンディ、プレシアに近寄る。

 

「おい、桃子、リンディ、プレシア、貴様らは何をやっているんだ」

「コ、コダイ………」

 

 あ、フェイトが涙目だ……

 

「………ここはオーソドックスにロングスカートだろ?」

「「「さすが、リーダー♪」」」

 

 コートの中からロングスカートタイプのブラウンのメイド服を取り出した。

 勿論、フェイトとアリシア様にサイズはバッチリだ。

 

「これでいいだろ?フェイト」

「私の話聞いてた!?」

「勿論、ミニスカートだから恥ずかしかったんだろ?」

「何か違う意味で伝わってる!?それよりコダイってこういうのは止めるタイプじゃない!?」

「何を言っている?止めない方が面白いに決まっているからだ」

 

 と言うかタイプって何だ?

 

「なのは!アリサ!すずか!助けて!「「「ごめんなさい!」」」即答!?」

 

 仕方ないだろ、この3人は常連だから本能的に気付いたんだろう、これが俺が仕組んだ事だって――

 

「コダイ君♪他のロングスカートタイプのあるの?」

「当然だ桃子、紺、ピンク、黒、全て取り揃えてある」

 

 俺は、コートから服紺、ピンク、黒の三色のロングスカートタイプのメイドを取りだした。

 その後、フェイトとアリシアのコスプレ会が行われ………当然、ミニスカタイプのメイド服も着せられて……

 

「あぅあぅあぅ……」

「えへへ~♪」

 

 終始、フェイトは顔を赤くして俯き、アリシアは嬉しそうに乗っていた。

 けどフェイト…………あのバリアジャケットの方が恥ずかしいと思うが………え?それは言ってはいけない?空気読め?………俺は空気を読めないのではなく読まないだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜。フェイト達の家のリビングでクロノと宙に浮いてるいくつものモニターを見ていた。

 

「ロストロギア『闇の書』の最大の特徴はそのエネルギー源にある。闇の書は魔導師の魔力と魔法資質を奪う為に、リンカーコアを喰うんだ」

「リンカーコアを喰われた魔導師はどうなるんだ?」

「個人差はあるモノの暫くは魔法が使えない、リンカ―コアは僕達魔導師の力の源だから………」

「そうか、昨日の資料によると闇の書はリンカーコアを喰うと蒐集した魔力や資質に応じて頁が増えていく。そして、最終頁まですべて埋めることで闇の書は完成する……………完成すると何が起こるんだ?」

「少なくとも碌な事にはならないよ………」

 

 ジュエルシードの時の様に今度は何回死ぬのか……

 

「一応この資料以外にも情報あるか調べてみるか?」

「頼む」

「分った、レイ」

≪うん!シードてんかい!≫

 

 レイからシードが数個飛び出した。

 シードは2組に分かれ、シード同士が線で結ばれて、1つが大型のモニター、もう1つが扇状に展開したキーボード。

 そのキーボード操作してモニターに情報を映す事が出来る。

 

「まずは簡単に『闇の書』っと」

≪シードけんさくちゅう...ふぇっ!?いちまんけんいじょう!?≫

 

 コレの弱点はどうでも良い物や、同じ様な物や、同名の情報まで入って来るから欲しい情報を探すには根気が必要。

 と言うかコレは多すぎ……

 

「どれも資料と似た事しか書いてないしダブってるのもあるし……ん?」

 

 取り敢えず仕分けしていると、ある一人の男の映像に目に入った………

 

「クロノ、この男に見覚えは?」

「何だ―――っ!?」

 

 俺はその映像をクロノの前に持っていくと明らかに動揺を見せた。

 黒髪の男、闇の書関連で現れたとなると被害者……それも故人か?

 

「知っているのか?」

「知っているも何も…………彼はクライド・ハラオウン、11年前の闇の書の事件で死んだ僕の父親だ」

 

 クロノは静かに話し始めた……

 11年前、『闇の書』の輸送中に、その闇の書にクライドが指揮していた艦……エスティアの制御を奪われ、クルーは全員脱出したがクライドだけが残り…………当時の上官のギル・グレアムに嘆願しエスティアと運命を共にした。

 

「……一応、もっと調べてみる」

「頼む」

 

 だから過去話は嫌いだ。

 

「もうそろそろ帰るか………あ、ユーノは?」

 

 そう言えば姿が………

 

「エイミィの所だ、デバイスがどうとか言っていたぞ?」

 

 そう言えば、今日中に部品が届くって言っていたな……

 

「ありがとう、クロノ」

 

 礼を言ってエイミィの部屋に向かう………

 

 

 

 

 

 

 

 

――コンコン

 

「入るぞ」

「「うわっ!!」」

 

 一応、ノックして入ったら驚かれた………

 

「ユーノ、エイミィ………どうした?」

「えっと、実はレイジングハートとバルディッシュにエラーが起きちゃったみたいで………」

 

 エイミィが落ち着きを取り戻して訳を言った。

 

「みたい?」

「うん、部品が足りないって………」

「部品は足りてる筈だろ?」

 

 2つとも珍しく無い部品を使ってる訳でもないし………

 

 

「そうなんだけどほら――」

 

 そう言ってエイミィがモニターを見せてくれた………

 そこに映っていた物を見た俺は………

 

「コレは随分と……面白いデバイスだな」

 

 

 

 

 

 

『エラーコードE203、必要な部品が不足しています。エラー解決のための部品“CVK-792”を含むシステムを組み込んでください』

 

 CVK-792……ベルカ式カートリッジシステムか………………

 

『『Please(おねがいします)』』




ゴンゴロ様、シーザス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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