魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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アリシアは資質はあるけど、リハビリとかでデバイスは貰ってません。


説明回って結構面倒くさいbyコダイ

 あの襲撃の後、俺達は本局に向かい比較的に軽症だったなのはとフェイトはそのままデバイスの修理の為デバイスルームへ、ユーノも修理を手伝うために向かった。

 そして俺は………

 

「はい、右腕全体に罅が入ってるけど、治療魔法を掛けていれば三日以内に治ると思うよ。罅もそんな深い物じゃないし」

 

 あの砲撃の反動で右腕の骨に罅が入っていた………包帯でグルグル巻きにされてる。

 

「コダイ。バニシングバスターは実戦では使わない事って言わなかったかしら」

 

 プレシアが頭を抱えて溜息をついた。

 

「――ハッタリ?」

「私に聞かれても」

「あははは………アレってばなのはの砲撃より凄いんじゃないか?」

「いや、凄いのは飛距離だけ……威力何てなのはの砲撃よりはるかに劣る」

 

 苦笑いして聞いてきたアルフに答えると、更に顔が引き攣った。

 

「で――どうだ?結果は」

「スローナイフとガンブレイズ、ディレィスペルは今の所問題無い。バニシングバスターは勿論、ウェブバインド、プラス・ブレイクは改良する必要があるな」

 

 クロノに今回の結果を言った。

 

「さて、なのは達の所に行くか」

 

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!

 

 

「嫌な予感」

 

 予感は的中、壊れそうなほど扉が開かれた先には……

 

「アリシ「コダイ~!!」ア」

 

 丁度腰を浮かせていた所にアリシアのタックルが胸に入りそのまま押し倒されてしまった。

 付け加えるとアリシアはフェイトと同じ身長にしたので背は俺よりも高い。

 

「ん~!久しぶりのコダイの匂い~」

 

 そんなアリシアに覆い被され、馬乗りの状態で腕を首に回され頬ずりされてる。

 

「アリシア、何故ここに?」

「あっそうだった!コダイに会うためにだよ!」

 

 夢心地だったアリシアが我に返る………その体勢のまま。

 

「本局にいるのにいっつもいっつもリハビリと被って逢えなかったからさ~こうなったら一日でも早く歩けるようになって、こうやってスリスリ~ってしてやるぞ~って!」

「何だよその執念」

 

 不純じゃないか?どうでもいいけどさ。

 

「アリシア、急いで何ッ!!何をやっているんですか!?」

 

 あ、リニスが来た、これで――

 

「何を羨ま………いえ!破廉恥な事をしてんですか!?」

「最初何言い掛けた猫娘」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 取り敢えず、アリシアを引き剥がして皆でデバイスルームへ向かった。

 

「改めて久しぶりだなフェイト」

「コダイ!」

 

 フェイトは俺を見つけるや抱き付いてきた、双子は行動パターンまで一緒だな。

 

「で、なのは怪我はどうだ?」

 

 フェイトを引き剥がしながらなのはに聞いてみた。

 

「うん、結界を壊す時に突然胸から手が出たけど直ぐに引っこんじゃった」

 

 手?……俺が砲撃を当て損ねたもう1人の仲間か。

 

「診て貰ったら、少し怪我しただけで異常無しだって………だけど………」

 

 

 なのはが悲しい顔をして、向こうを見た。

 そこには罅割れている、待機モード状態のレイジングハートとバルディッシュだった。その前にはユーノがコンソールを操作していた。

 

「主思いの良いデバイスだったな……」

 

 2つのデバイスに向かい合掌する。

 

「コダイ、まだ死んでないから」

 

 ユーノがコンソールを操作したままツッコんで来た。

 

「冗談だ――で、状況は?」

「正直、あんまり良く無いよ。今は自動修復をかけてるけど基礎構造の修復が済んだら一度再起動して部品交換しないと」

「修復の目安は?」

「部品とか取り寄せも考えて………一週間ぐらいかな?」

 

 しばらくは待機か………ちょっと不味いな。

 

「そう言えばさ………あの連中の魔法って何か変じゃなかったか?」

「アレは多分ベルカ式だよ」

 

 アルフの疑問にコンソールを操作しながらユーノが答えた。

 

「ベルカ式?」

「かつては、ミッド式と魔法勢力を二分した魔法体系だ」

 

 俺が忙しそうなユーノの代わりに答えた。

 

「ミッド式を遠近に適した汎用性の高い魔法体系だとすると。ベルカ式は対人戦闘、つまり一対一の戦闘スタイルを得意とする魔法体系。優れた術者はミッドで言う大魔導師と同じように騎士と呼ばれている」

「確かにあの人ベルカの騎士って言っていた」

 

 俺の説明にフェイトが頷く。

 

「そのベルカ式の最大の特徴はカートリッジシステムで特殊な儀式で圧縮した魔力を弾丸に込め、それをデバイスに組み込み弾く事によって瞬間的に爆発的な破壊力を得る者だ」

 

 コートから取り出した、シグナムとの遭遇の時使われて持ち帰ったカートリッジを皆に見せる様にした。

 

「なのは達を襲った連中から出て来た弾、これがそうだ。確かカートリッジシステムを組み込めるパーツがあるって聞いた事がある」

「え?じゃあなんでそのパーツをデバイスに入れないの」

 

 アリシアの尤もな意見になのはとフェイトが頷く。

 

「ミッド式と相性が悪いからだ」

「それと制御が難しく、ミッド式どころかベルカでもこのシステムの扱いづらさがベルカ式魔法の衰退の一原因に挙げられている」

 

 俺の答えにクロノが付け足してくれた。

 

「あっ!!魔法で思い出したんだけどコダイ君の魔法は何なの?アレもベルカ式とかなの?」

「そう言えばそうだよ!コダイって魔法使えなかった筈だよね!?」

「あ~なのは、フェイト、一先ず落ち着け。あれはベアトリス式だ」

「「「ベアトリス式?」」」

「何だいそれは?」

 

 なのは、フェイト、アリシアが首を傾げ。アルフが質問してきた。

 

「俺が作った俺が唯一使える魔法体系だ」

 

 

「「「「「ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」」」」」

 

 俺、ユーノ、クロノ、プレシア以外が叫んだ――

 

「つくったの?」

「創った」

「コダイ一人で?」

「ユーノとプレシアとで研究して……模擬戦にクロノの…主にこの三人と一緒に」

「アンタ魔法使えなかったんじゃ――」

「ミッドもベルカも使えないから使える奴を創っただけだ」

「それだけ?」

「他に何がある?」

「たった半年で魔法体系を完成させる何て……」

「いや、まだ実戦投下に至らない魔法もあるしさっきの魔法だってまだ試作段階だ」

 

 なのは、フェイト、アルフ、アリシア、リニスの矢継ぎ早に来る質問に即答で返す。五人の口が開いたままだ………

 

「で、でもそのベアトリス式があの連中を追っ払ったんだろ?十分完成してるんじゃないかい?」

「確かに、アルフの言う通り。ベアトリス式はあの三人に通用した――」

 

 実はもう一人いるけどそいつには狙いが外れたから意味無い。

 

「それは、このベアトリス式を知らなかった事と相手側が俺の力を見誤ったからだ。次はこうは行かない、お互いに力量を知っているしカートリッジシステムも使っていなかった…………」

「つまりそれは、次は負けるかも知れないって事?」

「フェイトも実際に対峙して分るだろ?………あいつらは恐らく今のなのはとフェイトじゃあ絶対に勝てない」

「うん………だからコダイ!」

 

 フェイトが俺の手を両手で握り締めた。

 

 

 

「なのはにした様に………私にも訓練してください!」

 

 

 

「にゃっ!!フェイトちゃん!?」

 

 フェイトの言葉になのはが過剰に反応する。

 

「デバイスなしでも出来るのがあるから別に構わないぞ?」

「ホント!私頑張るからね!」

「フェイトちゃん!!」

 

 突然なのはがフェイトの腕を掴んで部屋の隅に移動する。

 

「今からでも遅く無いの!コダイ君の特訓を断るの!」

「え?何で?」

「コダイ君の特訓はとん――――――――――――――――――っでもなく厳しいの!」

「ありがとうなのは、心配してくれて。でも…強くなる為にはどんな厳しい特訓にも耐えて見せる!」

「そういう次元じゃな「≪ナノハ……O☆SHI☆O☆KIスル?≫」何でもありません!」

 

 聞こえていたので念話で黙らす………対シグナムとしてはアレしかないな。

 

「フェイト、意気込んでいる所悪いがそろそろ面接だ」

「え?……うん、分った」

「なのは、君もちょっといいか?」

「?」

 

 なのはに一緒に来てくれと伝えるクロノに対し、なのはは頭に?を浮かべていた。

 

「コダイ――君はどうする?」

「パス、ベアトリス式を改良しとかないといけないしフェイトとの特訓を組み立てるから」

「そうか、ならこれを先に渡しておく≪今回の魔導師襲撃事件についての資料だ≫」

「ん、確かに貰った≪――第一級捜索指定ロストロギア『闇の書』?≫」

「じゃあ、また後で。フェイト、なのは着いて来てくれ≪一応目を通してくれ≫」

 

 そう念話で伝えてクロノは部屋を出た、フェイトもなのはもその後に続いた。

 さて、フェイト達が面接の間どうするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そしたらアリシアったら、頭から突っ込んじゃって…」

「母様~その話はやめて~」

 

 特にやる事は終わっていたので、本局の休憩室で談話をしてる。

 で、さっきプレシアがしていた話は、アリシアがお風呂ではしゃいで湯船に頭から突っ込んだと言うよくある話だ。

 それでアリシアが真っ赤になってプレシアの口を塞ごうとしている。

 

「それを言うならユーノもフェレットの時湯船で溺れた事があるぞ?」

「コダイ!その話はやめてよ!」

「あはははっ!ドジだね~」

「アルフ、人の事が言えますか?シャンプーが目に入り転げ回って湯船の角に頭をぶつけて」

「リ、リニスだってお湯と水を間違えて」

「それは――」

 

 何故かいつの間にか風呂の失敗ネタになっている。

 

「やっほ~、今暇?だったら私とお茶しな~い?」

 

 使い古されたナンパの常套句に後ろを向くと書類を挟んでるボードを手にエイミィがやって来た。

 

「レイジングハートとバルディッシュの部品、発注しておいたよ。明日には届くみたい」

「ありがとうございます!」

 

 ユーノが礼をする。

 

「でね、さっき正式に今回の件がウチの担当になったの」

「今回のと言うと魔導師襲撃事件のか?しかし聞いた所によるとアースラは整備中の筈だと」

「そうなんだよねぇ……あ、そうだクロノくん知らない?」

「クロノだったらフェイトとなのはを連れて面接とやらに向かったぞ?」

「確か、フェイトの保護観察官って言ったけど誰なんだろう?」

 

 アリシアは首を傾げる。

 

「何か管理局の偉い人って聞きましたけど……」

「ギル・グレアム提督よ」

 

 リニスの疑問にプレシアが答えた。

 

「あぁっ!」

 

 エイミィは今思い出したのか、納得の声を上げる。

 

「グレアム提督はクロノくんの指導教官だった人なんだよ、歴戦の勇士、一番出世してた時で艦隊指揮官、後に執務官長だったかなぁ」

「めちゃくちゃ偉い人じゃん!!」

「でも良い人だよぉ、優しいし」

 

 

 

「勇士か……」

 

 何か納得行かないんだよな、その英雄とか勇士とかさ――結局人殺してる事だろ?それなのに称えられるとか。どっかの誰かが言った『100人殺せば犯罪者だが1000人を殺せば英雄』――だったら世の殺人犯は英雄の卵だな。

 人を殺して褒められている奴を見ると殺したくなる………所詮人殺しなのにな。

 

――ベコッ!!

 

 持っていたスチール製の缶コーヒーが凹む………

 

≪コダイ?≫

「≪レイ?≫」

 

 レイに名前を呼ばれて意識を現実に戻す。

 

≪コダイだよね?≫

「≪急にどうした?≫」

≪なんかね、コダイがちがうひとにみえた≫

「≪半年も経つんだ少しは成長してるのだろう?≫」

≪そういうものかな~≫

「≪そう言う物だ≫」

 

 そう言って、缶コーヒーを飲み干す………そのコーヒーはホットの筈なのにやけに冷たかった。




シーザス様、アマデウス様、龍賀様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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