魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
「これで人類は……フフフフフ……アハハハハハハハ「何の研究をしている」はっ!グハッ!!」
取り敢えず始めから暴走しているプレシアに踵落としで目を覚まさせる。
「ハァハァ……資料を目と通していたらつい」
「ここ司法機関だぞ」
クローンごと葬った方が良かったか?
前回から2週間ちょっと。相変わらず進まない……いや、爆発は無くなったが、それでも維持は出来ない。
ここが資料室で無いのは。新魔法体系の事を知ったクロノとリンディが『研究するならここの方が良い』と一室スペースを貸してくれた。
「資料が少ない、そう言っても一般に公開されてる資料はこれで全部か」
「この際管理局に入るのはどうかしら?嘱託魔導師でもかなり強い権限を持っているわよ?」
「面倒臭いしそんなのに時間を割いてる暇は無い、故に断る」
後、自分よりクズの下に着きたくないし。
「何としても一段階に到達しないと」
実はなのは達には『何週間か用事で家を空ける』と言っておいたので大丈夫だが、開けすぎたら厄介な事に鳴りそうなので今月中に一回戻るつもりだ。
「嘱託魔導師か――フェイトも受ける筈だよな?」
「そうよ、嘱託魔導師になれば異世界の行動がかなり自由になれるから」
そうなれば、なのは達とも会えるしな。
「聞いた限りではかなり有利らしいな」
AAAランクに使い魔のアルフに電撃の変換資質、どれも万年人手不足な管理局では金の卵って訳だし。
「はぁ…………それにしてもあの子遅いわね」
「ユーノか………何をしているんだ?」
ユーノは忘れ物をしたと言ってから戻って無い。
「迷子にはなってはいないだろ」
「ゴメン!資料を探すの手間取った!」
噂をすればと……ユーノが資料を抱えて戻って来た。そして――
「あら~?この子がそうなの?」
「誰だ?」
「私は唯のおばあちゃんよ~」
ユーノの後ろにのんびりと話す自称おばあちゃんがいた。
「ユーノ君が探し物をしていて私が手伝ったのよ。それでね~――」
初老の女は終始、微笑みながらこれまでの経緯を話していた。
「≪おいユーノ、何で話した≫」
「≪えっと……ゴメン!あのおばあちゃんのペースに狂わされてつい≫」
「≪別に隠している訳では無いがそこまで――≫」
そんな中ユーノと念話でこうなった経緯を聞いていた。
「それで……その新魔法体系の名前はな~に?」
「確か―――」
こっちに振られてので思考を戻す。
新魔法体系の名前は――――あ。
「決めてなかった」
「「そう言えば………」」
作業の事で忘れていたが名前が無いと言いずらいしな、新魔法体系は。
「だったら今決めたらどう?」
自称おばあちゃんの言う通りだな。
でも名前か………どうせなら地球の言葉から取った方が良いな、魔導師――魔法使い――魔女――魔女ベアトリーチェ――よし。
「ベアトリス式だ」
「ベアトリス式ね~カッコいいわ~」
評価は良いみたいだ………
「で、そのベアトリス式は上手くいってるの~?」
「ソレが全く、情報が少ないし一般公開のだけでは少々難しい所だ」
バレてしまったなら隠す必要は無いので素直に話す。
「そうなの~?一般公開の出なければ成功するの~?」
「確証はないが可能性は上がるだろう」
「ん~ちょっと待ってね~」
自称おばあちゃんは紙に何やら書いてそれを封筒にしまいこっちに渡した。
「これで、見れる筈よ~」
「こんなのでか?」
「勿論、これでも偉いのよ~」
本当なのか?説得力が皆無なのだが……
それから自称おばあちゃんに何問も質問された後、自称おばあちゃんは去ってしまった。と言うか自称おばあちゃんとか言いにくい、名前ぐらい教えろよ。
「こんなので本当に入れるのか?」
「大丈夫よ、通るわ」
自称おばあちゃんの代わりに答えたのはプレシアだった。
試しにと資料室に向かい半信半疑でこの封筒を管理人に渡してみた―――
「どどどどどどどどうぞご自由にご覧ください!!」
あの封筒を見せたら血相変えて許可して貰った―――え?本当?
「本当に見れたよ」
「あのおばあちゃん一体」
「さ、早く目的の物を探しましょ」
これに驚いていないのはプレシアだけだった。
もしかして誰か知っているのか?
――ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
「「でかい」」
資料の量が嘗て無いほど多い。本局もアースラより多かったがこれは多すぎる。
「これで成功しなかったら洒落にならないぞ」
俺の呟きに、ユーノとプレシアが頷いた………
「コダイ!これ見てよ!」
「ん?」
ユーノがやたら古い資料を持って来た……あ、これは。
「これなら今まで上手くいかなった所が解消されるな」
「でもかなり古いし結構重要そうだよ?」
「そうだな……紙に必要のとこだけ書き写すか」
「それが良いかも。じゃあ早速写してくるよ」
ユーノが作業に取り掛かった。
俺も探すか……あ、アレが良さそうだな。
本を取ろうと手を伸ばすが、ギリギリ届かない……
「っ――仕方ない、大人しく台を探すか」
この際椅子でも良いかと手ごろな物を探していると。やたらオーラを発しているプレシアが……
「見つけたわ!これで……フフフフフ………………アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
「だからその笑い方やめろ」
数時間後、戻って来た部屋には大量の書き写した資料が………
「欲しい物があり過ぎたから………全部持って来た」
だが、これなら出来る。
新しい魔法体系――ベアトリス式。
「アクセス」
更に2週間が過ぎた。
再び訓練場での実践。今回はユーノ、プレシアの他にクロノ、リンディ、エイミィ――更にはあの自称おばあちゃんもいた。
「レイ行くぞ」
≪うん!≫
意識を集中し、六角形の魔法陣を展開する、それと同時に手の中に虹色のスフィアが形成された。
ここまではいつも通り………後は維持するだけ。
一分―――
二分―――
五分―――
十分―――――――
スフィアには何も変化は無い…………維持できてる。
「成功した」
異常は無い、出力も問題無し、しっかりと安定している。
≪やったあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!≫
俺の代わりにレイが叫んだ。
「やった、成功だ!!!」
「フフフフフフフ―――アハハハハハハハハハハハ!!久々に研究者としての血が騒いだわ!」
喜ぶのはいいけどプレシア、その笑い方やめた方が良いぞ?
「基礎はこれで完璧。後は、ここから魔法を製作して実戦に使えるかを確認してから――」
簡単に完成出来るとは思ってないから、防御を今は無視して攻撃魔法に集中するか。でも問題は相手がだな……
「模擬戦なら僕が付き合おうか?」
突然名乗りを上げたのはクロノだ。
「新しい魔法がどんな物か見てみたいし、君も相手が必要なんだろ?」
「……そうだな」
一瞬で解決したよ。
「成功して良かったね~コダイ君」
自称おばあちゃんが嬉しそうに微笑みながらこっちに「「「クローベル本局統幕議長!?」」」は?今クロノとリンディとエイミィ、何て言った?クローベル?
「クローベルって………………ミゼット・クローベル?」
「そうよ~ミゼットおばあちゃんよ~」
≪ふぇえええええええええええええええええええ!?――――――ってミゼット・クローベルってだれ?≫
――ズゴシャァッ!!!!
俺とミゼットと呼ばれた自称おばあちゃん以外全員すっ転んだ。
取り敢えず叫んだだけかよ。
≪ねぇねぇコダイ。だれなの?≫
「凄く偉い人だ」
≪ふぇ~すっご~い!≫
「あら~随分と可愛いデバイスね~」
≪レイだよ!≫
「よろしくね~レイちゃん」
空気が一気にほのぼのに。
「あの伝説の三提督の1人が何故?」
「散歩していて落ちていた紙を拾って見たら、そこに『新魔法体系』って書かれたからこれを考えたのはどんな人だろうと思って会って見たら子供だったからびっくり、だからおばあちゃんチョットお節介しちゃった~♪」
そのお節介で職権乱用するか普通…………?
「そして成功した君にご褒美~」
ミゼットが渡したのは一枚の紙、そこに書かれていたのは。
『新魔法体系ベアトリス式。特許権』
うん…………なにこれ?
「ベアトリス式の特許権よ~君の名前で申請したわよ。勿論、レオーネもラルゴも推薦してくれたわよ~『こんなこと面白い事考える子供は見た事無い!』って~」
三提督の推薦じゃあ許可が下りない訳ないな……………
「でも、特許があれば無暗に悪用され――」
起き上がっていたプレシアが話している途中で倒れた。
「大丈夫!?プレシアさ――」
駆け寄ろうとしたユーノも途中で――
「二人ともどうし―――た」
あれ?……………意識が……………
倒れた原因は寝不足による過労だった…………
不屈の心様、龍賀様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~