魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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予想外の出来事が連続で起きると叫ぶしか無いなbyコダイ

 前回のあらすじ―――

 プレシ「か、母さんが二人!?」……フェイト、言わせてくれ。

 

 

 

 

 

 

「どういう事!?母さんが二人いるよ!?」

「ふぇ!?もしかして分身!?」

 

 現在、二人がパニック状態に陥っているなのはとフェイト。

 

「な、成程――管理局の人を使うだ何て、コダイしかしないよそんな事」

 

 取り敢えず2人を無視して、最初に落ち着いたユーノに事情を説明した。

 

「本物のプレシアを見つけ無実にする方法。それは執務官のクロノが本物を見つけて俺達が今まで対峙していたプレシアが偽物だと証明させる事」

 

 俺が見つけるより『管理局員』の方が発言力がある。そのために俺が時間稼ぎに回った。

 封印の方は予想外だけど………

 

「そうなると、プレシアは犯罪者では無く被害者で、フェイトは母親を人質に取られて無理やりやらされた事になるから罪は軽くなる。そうだろクロノ?」

「罪は無い様なものだ――今回のケースで全てはプレシア・クローンが招いた事になる」

「さて、後は止めを――」

「コダイ…………でいいかしら?」

「ん?」

 

 あの腕のコードを見せられるかを考えてると後ろからプレシア………本物ね。俺は偽物の方はクローンって言っただろ?が声をかけて来た――あれ?この声もしかして……

 

「あの時、脱出する際に聞こえた念話の?」

「そうよ。あのクローンは私を完璧に複製してる………だからパスの様な物が通っていたのよ。それでクローンがフェイトにしてる事を嫌でも見せられて、死のうと思った時に貴方を見たのよ。傷だらけになってもフェイト達を守ったり、リニスの日記を見つけて正体を見破ったり……もしかしたらフェイトを救ってくれるのかも知れないと思って生きようと思ったの。でも、自分も助かるなんて思わなかったけど――」

「それはそっちに言うものだ」

 

 プレシアが俺の指した方を向くとフェイトが一人立っていた………

 

「フェイト………………」

「っ!………か、母さん……」

 

 今まで自分を虐待していた母親を目の前に少し怯えているフェイト。二人もいるし頭が追いついていない様だ。

 

「――フェイトっ!」

 

 プレシアはフェイトを自分の胸に引き寄せ思い切り抱きしめた。

 

「ごめんなさい……ごめんなさいフェイト!……貴女の母親なのに何も出来なくて!全部私の所為よ――本当に最低の母親だわ!本当にごめんなさい!」

「えっ――か、母さん?」

「そうよ!貴女は私のもう一人の娘のフェイトよ!貴女がどう生まれたか関係無い、貴女は私の娘何だから。まだ言いたい事は沢山あるけどこれだけは言わせて………私は貴女を……………愛してる!」

「っ!……母さん…………母さん!うわああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 やっと伝えられたプレシアの言葉に母親の胸の中で泣くフェイト。

 

「フェイドォ~ホンドによがっだよぉ~」

「あぁ~もうこんなに泣いちゃって………」

 

 アルフは号泣して、リニスがそれを優しく頭を撫でていた。

 なのはとユーノも誤差はある物の泣いていた………

 

「あれ?……クロノ?」

 

 一人を除いて………クロノはずっと後ろを向いていた。

 コッソリ前に回り込むと静かに泣いていた。

 

「別に隠す必要無いと思うが?」

「なっ!み、見るな!それに泣いてない!」

「泣いていただろ?ほら、涙の跡」

「何っ――はっ!」

 

 目を擦っていたが、自爆した事に気づいてこっちを睨むクロノ………涙眼で迫力ない。

 

「大体君は泣かないのか?」

「皆が泣いているから俺の分が無くなったんだ」

「そういうものじゃないだろ!?」

「ドウドウ、それより――後はアレを何とかしないと」

 

 俺が指す方に泣いていた全員が見る。そこにいたのは――

 

 

 

 

「もう終わったかしら?その三文芝居……………」

 

 

 

 

 

 服の所々焦げ落ちたクローンが起き上がっていた。

 

「そ、そう言えば何でプレシアさんが二人いるの!?」

「あっ!そう言えば!?」

 

 クローンを見たなのはとフェイトが思い出したように言った……………忘れていたのか。

 

「――俺が説明していいか?」

「え?…………いいわよ?別に」

 

 プレシアの許可も貰った………

 

「簡単に説明するとプレシアは2人いたんだ。本物がもしも時の為に作ったバックアップのクローン。今回の事件の首謀者はバックアップの方で本物は監禁されていた。以上」

「えぇ!?」

「そうなの!?」

「それで本物のプレシアは今フェイトを抱きしめている奴――と言うのは一目瞭然だろ?」

 

 フェイトは自分を抱きしめてるプレシアを見上げる。

 

「………うん!」

 

 フェイトは再びプレシアの胸に顔を埋めた………

 それをプレシアは優しく頭を撫でた。

 

「プレシア、貴女何言っているか分っているの?アリシアはどうするつもり?」

 

 若干、ふらついてるクローンがプレシアを睨みつけた。

 

「勿論、生き返らせる方法はこれからでも探せるわ………フェイトとリニスとアルフと一緒にね。死んだ人間を蘇らすのは神様しか出来なくても、それでも見つけて見せるわ」

 

 プレシアが優しくフェイトの頭を撫でる……

 

「フフフフフフフフ………………何を言うと思えば………私と大して変わらないじゃない!その人形を利用してジュエルシードを集めさせてアルハザートへ向かいその秘術を持ってアリシアを蘇らせる……貴女がその人形何かに現を抜かしているから。この私が代わりにやっているじゃないの!?」

「えぇ……変わらない…………だけど!私が本物のプレシア・テスタロッサの限り貴女なんかにフェイトを人形呼ばわりさせない!」

「本物ぉ?忘れたの?私は貴女の複製………本物と寸分違わない存在!つまり私が本物と言う事もあるし、貴女がその人形に私と同じ事をするのかも知れない!それでも本物と言い切れ「あら?私を誰だと思ってるの」は?」

 

 プレシアが不敵な笑みを浮かべた…………

 

「確かに貴女は私の完璧なクローン……だけど本物との区別を付かせないとでも思ってるのかしら?……腕を御覧なさい?」

「腕?…………何っ!?これは!!」

 

 クローンの袖が焦げ落ちて無くなって露わになった腕にはバーコードの様な模様が彫られていた。

 

「そう………それで定期的にチェックするための物よ………ほら私には無い」

 

 プレシアがクローンと同じ所の袖を破ると、そこには何も模様が無い腕だった。

 

「これでいいかしら?執務官?」

「あ、あぁ………」

「ん?クロノが考えたのか?」

 

 クロノに耳打ちをした。

 

「あ、いや………それを考えていたら『私に任せて!』と母さんの様な笑顔で答えたから…」

「反射的に頷いたと………」

 

 無言で頷くクロノ………

 相当鬱憤溜まっていたんだろうな……プレシア。

 

「それでどうだ?」

「問題無い………さっきの一部始終録画したよ。これで作戦終了だな」

「後は俺の自由にしていいよな?」

 

 俺はゆっくとクローンの向かって歩く………

 

「ちょっと待ちなさい!その怪我で」

「まだ4発しか殴って無いんだ………後一発殴らないと気が済まないんだ」

 

 プレシアの制止も聞かずクローンへ近づく。

 フェイトの為でもなく世界の為でも無い………………俺の為に。

 

 

「この身は魔となるモノ」

 

 

 一歩……

 

 

「血は魔に体は力に――命を贄に――」

 

 

 また一歩……

 

 

「このモノは、奇跡を掴むためにある」

 

 

 一歩ずつ近づく……

 

 

「奇跡を―――この手に」

 

 

 この拳を入れるまで……

 

「レイ・モモ・ブラット―――Access(アクセス)

Now Loading...Complete!!(ナウ ローディング...コンプリート)

 

 虹色の光が周囲に幾つも現れ、ソレらが漆黒の装甲のパーツの一つ一つを創り上げて、体に纏われて行く――

 そして完了した頃にはクローンの目の前に立っていた。

 

 

 

「クッ!!――――この死にぞこないがあああああああああああああああ!!!」

「うるさい―――失せろ」

 

――ゴスッ!!!

 

 技術も何も要らない拳がクローンにめり込んだ。

 

 

「グッ…………アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

 

 

 クローンはそのまま壁に叩きつけられた。

 

 

――ピキピキピキピキピキピキッ!!

 

 

 叩き付けられた壁は嫌な音を立てて罅が広がり――

 

 

――ガッシャァン!!!

 

 

 ガラスの様に割れ、その後ろには虚数空間が広がっていて。

 

 

「お………………おのれええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!」

 

 

 クローンはそのまま飲み込まれてしまった。

 

「レイ、バリアジャケット解除だ」

≪う~……ていっ!≫

 

 バリアジャケットを解除された……あ、掛け声が変わった。

 

「この馬鹿野郎!」

 

 突然後ろからクロノがデバイスで殴り掛った。

 

「いきなり何だ」

「好きにしても良いとは言ったが壁をぶち破るほど殴れとは言って無い!」

「仕方ないだろ、そうなったんだから」

 

 殴ってくるのを避けながら言い合っていた………

 

 

 

 

 

 

 

――ピキピキッ!!

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「えっ?……」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 何か――――とてつもなく嫌な音が………………

 

――ピキピキピキピキッ!!

 

 これ俺が開けた穴から広がっているのか?

 

「コレ…………もしかして崩れる予兆?」

「もしかしなくても………実際に崩れ始めているよ……………」

 

 モニターのエイミィが答えてくれた……………

 

「コ、コダイ君のバカアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「早く逃げないとおおおおおおおおおおおおおお!」

「僕が転移する皆急いで固まれええええええええええええ!!」

 

 パニックになっているなのはとフェイトに大声で指示をするクロノが若干パニックになっている……少しは落ち着いたらどうだ?

 

「クロノ、アリシアもだ」

 

 崩れ落ちる部屋の奥からアリシアが入っている生体ポットと持ち上げて皆の所に向かう。

 

「分った!……………よし転送!!」

 

 俺達はアースラに転移した…………………

 

 

 

 

 

「「「「「えええええええええええええええええええええええええ!!」」」」」

 

 

 

 

 

 アースラに着いた後、俺の言った事で全員が叫んだ…………いや何時からいたんだ、リンディとエイミィは。

 

「も、もう一度言って貰えないかしら?」

「何度も言わすなよプレシア………アリシアを蘇生させると言っただろうが」




シーザス様、不屈の心様、songben25様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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