魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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少数対多数の喧嘩は、とにかく背中合わせbyコダイ

 アースラと協力してジュエルシードを回収して数日後。あれから1個封印して、今は反応を掴むまで待機だ。

 俺はある場所に行くためにある人物を探している。

 

「いた―――クロノ」

「コダイか、どうした?」

 

 そう、クロノだ……最初はやや強く当たる所があったが、話してみると案外面白い。リンディがアレだからツッコミに鋭さがある……ユーノとはまた違う感じの面白さだ。

 

「実は、魔法関連について調べたいんだ」

「魔法関連?」

「魔法の歴史とか論理とかな。そう言うのが置いてる場所とかを聞きにな」

「それなら一般に公開されている、今端末に資料室と一応閲覧禁止リストを送る」

 

 その直後、情報が端末に送られた。

 コレは協力する時に貰った通信機の様な物。本来ならデバイスで済む話だが……

 

≪ありがと~クロノ~≫

 

 このデバイスを見て察してくれ。

 

「いや、構わないさ。それよりも………」

 

 クロノは俺の右手、正確にはレイを見ている。

 

≪ほぇ?≫

「ジュエルシードがただのデバイスに生まれ変わるとは……まさに奇跡だな」

「それ、ユーノにも言われた」

 

 精密検査した所どこにも異常は無く、ロストロギア反応は全くないと言われた。恐らくこれは、レイが『ロストロギアのジュエルシード』じゃなく『ジュエルシードから生まれ変わったデバイス』と言う事だ。

 後、稀少能力(レアスキル)だがこれはジュエルシードの干渉する特性が俺に備わったかもと仮設された。体質に関しては今だ不明だ……

 最初体質の話をしたら疑われたが、治りかけの右腕を見せてまた納得して貰った。

 

「後、そんな奇跡の集合体が魔法も使えないのも凄いな……」

「それは凄いのかは分からない。引き留めてゴメン、また後で」

≪おしごとがんばってね~≫

 

 

 その場を後に、早速資料室に向かった。

 

 

 

 

 

 

「―――良し、大体魔法について覚えたな」

 

 魔法は大きく分けて二つ。なのは達が使っている遠近取り揃えたオールラウンドのミッドチルダ式、そして次元世界を二分する勢力を誇っていて、現在衰退している一対一の個人戦に特化したベルカ式――これらを総称、魔法体系と言う。

 

「俺は一体何の魔法体系が使えるんだ?」

 

 近接戦闘が主体だからベルカ式か?いや、ベルカは血統やらで極少数。そんな大層な物を持っている筈がない。ただでさえデバイスを手に入れたのも奇跡だというのに……

 魔法が使えない事を言ったらクロノが『その資質で魔法が使えないのはおかしい』とかなり驚いていた。

 

「ミッド――ベルカ――ミッド――ベルカ――」

 

 ランクも十分、資質もある、魔法はデバイス無しでも出来るので何かが俺に足りない物は一体何だ?……………………今日のご飯何にしよう……

 アースラーの食堂はかなりレベルが高い、特に艦長の趣味か日本食に力を入れてる。

 

「昨日は刺身定食だったし天丼にしようか……でもあそこの揚げ物は揚げ方がなって無いしな――ただ揚げれば良いと言う物じゃないしな……」

 

 料理作りたいな……食堂の何時でも同じ物が食べれると違って、その時ある材料を確認して、そこからメニューを決めないといけないしそういう時間がかなりす…………?

 

「いや待て、今何かが引っかかったぞ?」

≪さかなのホネ?≫

「昨日取れた……………じゃなくて」

 

 材料を確認してそこから――

 

「そっか……別に使えなくても良いんだ、使えるの使えばいい。そうと決まれば此処の資料を片っ端から読み漁っ「コダイ君、ジュエルシードの反応があったわ」――リンディ」

 

 端末からリンディの通信で出鼻を挫かれた。ジュエルシード空気読め。

 

「至急ブリッジに………………ってあら?機嫌悪そうね?」

「まさにクシャミが出そうで出なかった気分だ」

「要するに物凄く機嫌が悪いのね、分るわその気持ち」

 

 ストレス解消に暴走体を半殺しにするか。

 

 

 

 

 

 

 ブリッジに付くとクロノが既にバリアジャケットを着ていた。

 

「クロノ、場所は分ったのか?」

「とある廃棄工場だ……でなのはとユーノは?」

「特訓で気絶、ユーノはそのお守」

「あの特訓か――」

「アレね――」

「なのはちゃん、よく生きていたね――」

 

 クロノ、リンディ、エイミィが苦笑していた。

 アースラでなのはとの特訓をしようとした時、今後のためとか見物した三人だが感想が『それは訓練じゃない』と声を揃えていた。

 だが問題無い、死ぬ一歩手前で押さえてるから。

 

「今回は俺とクロノの二人か」

「よろしく頼む」

「コダイ君が可愛いからって襲っちゃだめだよ♪」

「エイミィ!」

「あらあら良いじゃない♪コダイ君みたいな綺麗な子がお嫁さんでも」

「艦長!コダイは男です!」

「クロノ、コダイ君は男じゃなくて男の娘よ♪」

 

 リンディもニュアンスがおかしい……桃子と忍と同じ言い方だし。

 それと、周りの反応から分かる様にもう俺が男と言う事は知られている。リンディが桃子と忍と同じ反応してたな……やっぱり同類か。

 

「コダイ、もう行くぞ!」

「え?もう良いのか?と言うか何故引く?」

 

 クロノに引っ張られて現場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何これ」

「僕に聞かないでくれ」

≪こ、こわいよ~≫

 

 俺達の目の前に広がる光景――

 瓦礫の山の上に大量のマネキンが所狭しと動いている……

 人形が動くと言うロマンを全く感じさせず、ただ不気味としか言えなかった。

 こんな感じに実物との忠実度がほぼ一歩手前上昇すると、途端に嫌悪感を抱く様になる現象を『不気味の谷現象』と言う……

 

「これ全部ジュエルシードが?」

「恐らく思念体となって操っているんだろ」

「全部壊せば本体が出てくるって事か?あれを?全部?」

 

 壊しても動きそうだぞ?

 

≪なのはをつれてこなくてよかったかも………トラウマになってるよぉ~≫

 

 俺達はトラウマになっても良いと?

 

≪コダイ……こわくてバリアジャケットかいじょしたらゴメンね?≫

「おい何、危ない事言っているんだ」

「被害が広がる前に此処で封印するぞ」

「そうだな……行くぞ」

≪ふぇ!?まだこころのじゅんびがぁ~!!≫

 

 レイの悲鳴を無視して起動。マネキンの大群に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

≪ひぃぃぃぃっ!!ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!≫

「ロストロギアに念仏が効くか。こんな物は頭を飛ばせばいい」

 

 俺は助走を付けて跳び、一番近くのマネキンの頭を蹴り飛ばした。

 

――バキャッ!!

 

 気味の悪い音を立てて頭は遠くへ飛んで行った。

 

≪ひ、ひとごろし!≫

 

 いやいや、そもそも人じゃないし……………

 

「廃棄されてるだけあって、強度は脆いな。これなら…………」

 

 その瞬間―――

 

――カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 首の無いマネキンが腕を振り回して襲ってきた。

 

「――あれで動けるのかよ」

≪こ、こわいよおおおおおおおおおおおおお!≫

「なら、これならどうだ」

 

――バキャッ!!!

 

 今度は上半身を蹴り飛ばす、これなら――

 

――カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 今度は下半身のみで走って来た……人形だしな、痛覚なんて無いものな。

 

「もう動くな」

 

 下半身を蹴り倒し、粉々になるまで踏み潰した。

 

≪と、とまった?≫

「ここまでやればな……」

 

 どうやら、粉々にしないとダメみたいだな。

 

「クロノ、如何やらバラバラにしないと動くぞ」

「何!?道理で手応えが無いと―――ッ!」

 

 クロノはスティンガースナイプでマネキンの胸や頭を的確に貫いていた。

 それでもマネキンは襲ってくる。

 

「常に粉々にしないと行けないとは――骨が折れる」

 

 近くのマネキンを掴み、他のマネキンに叩きつけ、粉々に砕く。

 

「一気に消し飛ばすぞ、S2U!ブレイズキャノン!」

 

 クロノの水色の砲撃が射線上にいるマネキンを消し飛ばした。

 

≪コダイ!うしろ!≫

「この――――何だ?」

 

 蹴り飛ばそうとしたが、足が動かない……………

 

「瓦礫の中にマネキンが……」

 

 マネキンの群れで見えていなかった、瓦礫から飛び出たマネキンが足を掴んでいた…………防御が間に合わない。

 

「スティンガースナイプ!」

 

 次の瞬間、水色の魔力弾が何度もマネキンを貫き粉々に砕いた。

 

「よそ見をするな!」

「ゴメン、だが………」

 

 俺は足を掴んでいたマネキンを掴み。

 

「そのセリフはソックリ返すぞ」

 

 クロノに向かって投げ飛ばす。

 

「ッ!?」

 

 マネキンはクロノの頭上を掠めすぐ後ろにいたマネキン数体巻き込んで壊れた。

 

「―――って!わざわざギリギリを狙う事無いだろ!?」

「それはこっちのセリフだ。どうせなら足を掴んでるマネキンを壊せ」

「僕は君の体質を考えて足の方はやめようと判断したからだ!」

「そんな暇あったらおまけに2、3個壊していけ」

「何だよそのおまけって!大体前回の封印もそうだ、戦闘中ほとんどレイと話していただろ!少しは黙って真面目に戦ったらどうだ!」

「俺が真面目に考えるのは弄る事だけだ」

「威張るな!」

≪コダイ~クロノ~マネキンがぁ~マネキンがぁ~!≫

 

 は?……うわ、物凄い数のマネキンが俺達を囲んでるよ……………

 

「これ本体叩いた方が楽だろ?」

「その本体が分れば苦労しない!」

 

 それはそうだった。

 

「もう数とかどうでもいい………全部壊せばいいだろ面倒臭い」

 

 俺は近くにいる倒れてるマネキンを武器にして振り回す。

 

「こうなれば出し惜しみは無しだ!スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!」

 

 クロノは無数の魔力刃を展開した。

 

 

 

 

 

 

 

「これで………」

「終わりだ!」

 

 最後のマネキンを同時に粉砕する。

 

「これでマネキンは全部片づけたか?」

「ハァハァ……みたいだな…………」

 

 クロノは大技を使ったからか肩で息をしている。俺は魔法が使えないから消費するモノはあまりないからな。

 

「ハァ……後は……本体を封印だな………」

「その肝心の本体がさっきから見当たらな……ん?」

 

 今何か動いた様な―――

 

「どうした?」

「いや、あそこ」

 

 俺が指したとこには………………

 

 

――ヒョコ♪

 

 

 小さい妖精サイズの生き物が。

 

≪ふぇ?≫

「おい………あれって……」

「本体だ………」

 

 俺とクロノの答えが一致した……………

 

「どうやら、マネキンを操るために力の大半を使ったみたいだな」

「というよりクロノ、あんな小さい物体に俺達は振り回されたのか?」

「………そのようだ」

≪ものすご~~~くっ!こわかったんだから~!!≫

 

 如何してくれようか………

 

――ピュ――――ッ

 

 思念体は逃げ出した。

 

「逃がすか」

≪こわかったんだから~!!≫

 

 バーニアを展開して、思念体を握り潰す様に掴み上げる。

 

「貴様は生きたままこの万力で潰す……」

「待て待て落ち着け!!そんな事をしたらこの世界が崩壊するぞ!!」

 

 万力を取り出した所でクロノに取り上げられた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、一体なんで思念体がマネキンを動かしたんだ?」

 

 あの後、思念体を叩きつけてから封印して。アースラでクロノと食事中の時、クロノがそんな事を言い出した。

 

「恐らく、廃棄されたマネキンが自分が動けると思っていて、そこにジュエルシードが漂流して、そこにあったマネキン全部の願望を叶えた見たいだな……見境なく」

 

 多分、しばらくマネキン見られないかも。レイが怯えて

 

≪ガクガクブルブル≫

 

 封印が終わった後からずっと震えているレイ。

 最近怖がってばっかりだな……

 

「ジュエルシードはこっちが2つでフェイトの方が1つ回収したんだよな?」

「そうだな、これでコッチは7つ、アッチの数は分らないが君達の話しからすると4つ以上はある」

「レイを除いて、後9つか………………しかし何でフェイトは誰の為に集めているんだ?」

「そうね~あの位の年頃の子は親に甘えていたい頃なのに……」

「リンディ……何時から?」

 

 いつの間にかクロノ隣にリンディがいた、気づけよクロノ。

 

「ジュエルシードについて話してる時よ♪」

「そうか――でどう思う?リンディ」

「ん~そうね~こればっかりはフェイトさんに聞いてみないと分らないわね」

「その事なら、なのはに任せておけばいいだろう。クロノもなのはの砲撃喰らいたく無かったら割り込むなよあの時みたいに」

「ぐっ――分った。あの砲撃は喰らいたく無い」

「同感だ、コッチは塵すら残らないかもな」

 

 俺以外でも非殺傷設定でも死ねるぞアレは。

 

「うふふふ♪さっきの戦闘もそうだけどこうして見るとクロノとコダイ君って息ピッタリね♪」

 

 クロノが頭を押さえてるとリンディがそんな事を言い出した。

 

「「どこが?」」

「どこって!ププッ……」

 

 突然リンディが腹を抱えてテーブルを叩いていた。

 

「「?」」

 

 俺達は顔を見合わせて同時に首を傾げた。




不屈の心様、NACHT様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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