魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

20 / 156
この状況を打破するには命懸けの覚悟が必要byコダイ

 フェイトのお菓子作りから数日、傷は丁度治り掛けの頃だ。

 ジュエルシードの反応があったが、なのはとユーノによって謹慎をくらった。

 

≪なのはとフェイトだいじょうぶかな~?≫

「俺に聞かれてもな……」

 

 問題は無いと思うが……

 

「≪コダイ!休ませて悪いんだけど今すぐ来て!!≫」

 

 謹慎の暇つぶしに台所の見えない所を磨いていたら、ユーノからかなり切羽詰まった念話が来た。

 

「≪どうした?≫」

「≪なのは達が大変なんだよ!君しかいないんだ!≫」

「≪そうなんだ!フェイトを止めれるのはアンタしかいないよ!≫」

 

 アルフ?なのは達と言うのは、なのはとフェイトの事か………フェイトを止める?

 

「≪少し遅れるが待ってくれるか?≫」

 

 今、頑固な焦げ付きと格闘中なんだ。

 

「≪来てくれるのならそれでいい!≫」

「≪出来れば早く来てくれよ!?≫」

 

 二人の状況からかなりヤバそうだな………早めに終わらせるか。

 

 

 

 

 

 取り敢えず台所は一区切り着いたので。急いでユーノ達の元に向かったんだが―――

 

 

 

――スガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

 

 

 

――ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

 

 

 目の前に広がるのは金色の無数の閃光に桜色の極大の光だった―――

 

「は?何これ?」

「コダイ!やっと来てくれた~」

「早くフェイト達を何とかしておくれよ~」

 

 ユーノとアルフが泣きついて来た。

 

「ユーノとアルフ、状況の説明を頼む……」

「えっと、ゴメン。実はなのは達がジュエルシードを封印した後フェイトがコダイがいない事を聞いたんだよ」

 

 

~ユーノ&アルフ回想~

 

「え?コダイまだ怪我が治って無いから来れないんだ……」

「あ、でも!治り掛けだからもうすぐ治ると思うの!ね、ユーノ君!」

「うん!そうだよ。コダイの頑丈さは知っているでしょ?」

 

 なのはとユーノの言葉にホッとするフェイト。

 

「まだ死んだ訳じゃないし、お詫びは今度にすればいいだろ?」

「お詫び?それってなんなの?」

 

 アルフの言葉に首を傾げるなのは。

 

「えっとね…………この前にコダイに会ってね、お母さんにあげるお土産を考えてくれてね。だったら作った方がいいってコダイの家でケーキの作り方を教えて貰ってね。後、御馳走までして貰って――」

 

 フェイトが理由を話していると、だんだんなのはに黒いオーラが………

 

「わ、私だって、コダイ君のおうちに泊まった事もあるもん!ご飯御馳走して貰ったもん!」

 

 何やら対抗して胸を張るなのは。

 

「なら、私はコダイに髪拭いて貰ったもん!」

「にゃ!私は、コダイ君をおうちに泊めたりしたもん!」

「私は―――無いけど……温泉の時コダイと一緒に入ったもん!」

「にゃあっ!!フェイトちゃん!!それどういう事なの!?」

 

 フェイトの爆弾発言になのはのツインテールが逆立つ。

 

「だってその時……夜遅くて片方清掃中だったから――」

「ずるいの!フェイトちゃん!私だってコダイ君と温泉一緒に入りたかったのに~」

 

 なのはが両手を上下にブンブンと振っていると、今度はフェイトから黒いオーラが……

 

「――いのは………ずるいのはなのはだよ!いっつもコダイと一緒にいて、朝は学校でその後は特訓でしょ!?なのはの方がずるいよ!」

「にゃ!フェイトちゃんはアノ特訓の怖さを知らないから言えるの!だからフェイトちゃんのほうがずるいの!」

「いや!絶対なのはがずるい!」

「フェイトちゃんがずるいの!」

「むう~~~~~~~!」

「うぅ~~~~~~~!」

 

 二人が頬を膨らまして睨み合う。

 

「なのは、落ち着いて!」

「フェイトもその辺に」

「「二人は黙ってて!」」

「「は、ハイ!」」

 

 二人の黒いオーラに気圧される、ユーノとアルフだった。

「じゃあ、負けた方がずるいって事でいい?フェイトちゃん」

「うん、絶対負けない、なのはの方がずるいもん―――」

「「ついでにジュエルシードを賭けて!」」

 

 二人は、同時に飛び立った。『ジュエルシードはついで!?』と言う、ユーノとアルフのツッコミは二人には聞こえなかった―――

 

~回想終了~

 

 

「……俺に止める理由は無いのでは?」

 

 俺が原因と言う訳では無さそうだし……ただ俺と居る時を話して何故臨戦態勢に?

 

「止める理由云々じゃなくて止められるのはコダイだけだよ!」

 

 ユーノ、俺の体質分ってるよな?あんな桜色の極太砲撃に金色の無数の閃光を片方でも喰らってみろ………塵すら残らない。

 

「暴れるだけ暴れたら落ち着くだろう」

 

 その後にジュエルシードの周りで暴れた事をしっかりO☆SHI☆O☆KIしないと…

 

「それまで、観戦してるか。お茶も茶菓子も無いけど」

 

 ついでだから持って来れば良かった……

 

「無いのかい?……ってそりゃあそうだね、アタシ達が呼び出したんだし」

「そういう問題かな?…………」

 

 残念そうなアルフと首を傾げるユーノ。

 話し合いの結果。何も出来ないので観戦となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ!あの子、フェイトのスピードに付いてってるよ!」

 

 急激な成長ぶりを見せたなのはに驚くアルフ。

 

「接近戦の対処法は色々死なない程度に叩き込んだ。だがフェイトもなのはの一瞬の隙を突いて接近してる――ほら、なのはの体勢を崩した」

 

 フェイトの奇襲攻撃で体勢を崩すなのは。だが、フェイトが止まった隙を付いてすかさず砲撃を放つ。

 

「お互いに才能は互角。経験は、俺がなのはに模擬戦をしているから差は無いと思う――」

「つまり、どっちが勝つか分らないって事?」

「そういう事。気楽に待とう……殺し合いでは無いのだから。むしろ今のあの二人の間に入るのは非常に危険だ」

「命がいくつあっても足りないよ……」

「あははは……アタシも賛成」

≪わたしも~≫

 

 ユーノとアルフとレイが苦笑していた…………その時―――

 

 

 

 

 

「ストップだ!時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ!此処での戦闘は危険だ!詳しい事情を聞かせてもらう!」

 

 

 

 

 

 なのはとフェイトの間に黒い魔導師が――――

 

「あ、馬鹿発見」

「「来ちゃったあああああああああああああああああああああ?!」」

 

 管理局?何だ?…………それよりもまず。

 

「あの魔導師を止めに行く」

≪はやくしないとしんじゃうよ!≫

 

 俺は、直ぐバーニアを展開する。

 

「アタシはフェイトを助けるよ!管理局に捕まったら色々マズイし!」

 

 管理局が警察みたいなものなら、ジュエルシードみたいな危険物を持ってる時点で事情徴収ものだな。

 

「とにかく、お互いに生きる事を考えよう」

「了解!」

 

 俺とユーノは魔導師の所………クロノだっけ?、アルフはフェイトの所に向かった。

 

「このまま戦闘行為を続けるの「そんなこと言ってる場合か」誰だ!」

 

 俺はクロノを抱えその場から急いで逃げた。

 

「コダイだ、とにかく逃げるぞ」

「なっ何をするんだっ…………なっ!」

 

 次の瞬間、俺たちの居た場所に桜色の砲撃が。

 

「フェイト!此処から逃げるよ!」

「いや!まだ決着付いてないもん!なのはの方がずるいのに!」

「あ~もう!強制転移!」

 

 視界の端にアルフがフェイトを羽交い締めをして転移をしていた。

 

「すまない、助かった。」

「礼を言うのはまだ早い、あれを何とかしないと助かった事にならない」

「あれ?」

 

 俺が指す方には――俺と同じ目(ハイライト無し)をしたなのはがいた。

 

「何で……邪魔するの?………折角コダイ君を手に入れられるのに……」

 

 いつの間にかジュエルシードの事は頭から消えているようだ…しかも俺の所有権に変わってる。

 

「ちょっと、O☆HA☆NA☆SHIしようか……」

「ヒィッ!!」

 

 あ、ユーノが気絶した。

 流石桃子の娘……桃子の『何も言わせない黒笑』と同じ位だな。表情は消えてるが……

 

「よし、話すのはいいが、まず杖を構えるな、そして何かをチャージするな」

「ディバイィィィィィィン―――」

 

 聞いてないな、この女………

 

「コレ逃げた方が良い?うん、良いな」

「バスタァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 自問自答しながら間一髪の所をかわす。何か前より力増してないか?

 

「あの子は君の関係者なんだろ!?何とかしろ!」

「無理だ、俺は魔法が使えない」

「威張るな!」

 

 だって、俺も何で使えないか分からないし……

 

「と言うか、あそこに割り込まなかったらこんな事にならなかったりして……」

「なっ!僕は執務官の仕事をしただけだ!」

「真面目なのはいいが、もう少し気楽に「バスタァァァァァァ!!!」あ、さっきより強そう」

 

 急いで射線上から離れる。

 

 

――ゴオオオオオオオオォォォォォォォォ……

 

 

「くっ――動きは素人みたいだがあの砲撃は脅威だな」

「魔法に関しては天才らしいからな」

 

 俺とクロノは飛びながら話し合った。止まると砲撃の餌食になるから。

 

「それよりあの子をどうやって止めるかだ」

「そうだな――前なら近づいて物理的に黙らせる事も出来たが。あの中に突入するのはまさに自殺だ」

「その点に関しては同意する。しかしどうすれば…………」

「私にいい考えがあります♪」

 

 突然前に現れたモニターには緑の髪の女がいた。それを見たクロノは驚いていた。

 

「かあさ、艦長!?」

「かあさって……母親?」

「この子の上司であり母親のリンディ・ハラオウンです。初めまして、コダイ君」

 

 俺の名前を知ってるってことは、一部始終見ていたのか……それよりもこのリンディっていう女がクロノの母親か……

 

「……全然似てないな」

「よく言われる………それで艦長、考えとは?」

「簡単よ、そこにいるコダイ君が―――って言えばいいのよ♪」

「そ……それだけですか?」

 

 あまりにも簡単すぎて顔が引きつってるクロノ。

 本当にコレだけで良いのか?

 

「一部始終見ていて、コダイ君にしか出来なくて、コダイ君だから出来る事よ」

 

 俺しか出来ないのか……仕方ない。

 

「やってみる………………」

 

 俺はなのはの方を向いた。はのはは俺が止まったので、再びチャージを始めた――

 チャンスは一度きりだ。

 

「なのは、これ以上暴れると―――当分口利かないぞ」

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!!」

 

 チャージをやめ、空中で器用に土下座した。

 

「ホントに止まった…………」

「でしょ?」

 

 隣に現れたモニターのリンディは嬉しそうに笑っていた。

 

「で?この後はどうするんだ?一応なのはが暴れた事は詫びを入れさせるつもりだが……」

「ん~そうね。ちょっとお話聞きたいからこっちに来てもらえます?クロノ、案内をしてあげて」

「分りました」

「ん、分った………ほら行くぞなのは」

「ふぇ!?許してくれるの?」

 

 ずっと土下座していたなのはがガバッっと顔を上げた。

 

「すぐやめたからな、許してやる」

「うぅ~~~コダイく~~~ん!!」

 

 なのはが泣きながら抱きついてきた。

 

「分ったから落ち着け」

「うえ~ん」

「クロノ………コレが泣きやむまでいいか?」

「あ~……構わない」

 

 なのはが泣きやむまで5分位掛った―――




NACHE様、不屈の心様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。