魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
さて、許可を貰いミッドに転移したのは良いが……
「ぅ~………」
「おい、フォローしろよ。親友」
「あんたがしなさいよ。発案者」
現在、顔が赤いすずかを押し付け合う、俺とアリサ。
2人で後ろを振り返ると。
「レイ、気を付けてくださいね。今の貴女は目が悪くなっているのですから」
「分かってるよ~………ととっ」
サクラの隣でゆっくりとした足取りで歩くすずかの服を着たレイ。
すずかが貸した服はノースリーブのフリルが付いたVカットのブラウスにデニムのパンツ、靴は俺のローファーを貸した。
本来はブラウスとミニスカートの組み合わせだったが、服を貸した際にある問題が発生。
ブラウスは白く清潔感溢れる清楚な物だったが襟元のVカットも涼しげに感じる。すずかが着るとまさしくそれだが……
レイが着ると襟のVカットが胸元近くまで来てそれが巨乳で持ち上がり、裾も太ももギリギリの所で降りていた。そう…………身長差。
すずかはアリシア、フェイトに続いて背が高かった。それと1番背の低い俺と同じレイに服を貸した結果。何か際どいミニ丈のワンピースに早変わり。
それを見て、焦ったアリサが急いで自分の所からデニムのパンツ取り出してそれを履かせた。これで何とか健康的と言うラインになった。
まあ自分の服であんな際どくなるのを客観的に見せられたすずかは途端恥ずかしくなって現状に至る。
「何ですずかにしたのよ」
「体型と服の嗜好を考慮して安全牌を選んだつもりなんだが……はやて、なのは、アリシアは除外、フェイトやアリサはタイトなのが多いから下着必須だし……となるとある程度体型が隠せるすずかの服が良い………と思ったんだが」
最初の3人の服をレイが来たら……サイズオーバーではやての様に
「裏目に出たって訳ね……あんなに際どく」
「ああ、際どくなった……」
「2人して何度も言わないでよ!」
すずかが更に顔を赤くする。
「っとと―――うゆっ!」
突然レイが躓いて、変な悲鳴を上げて前につんのめり、俺に飛びつく様な形でしがみ付いた。
「うゆ~コダイ、ごめ~ん」
このままでは日が暮れる………なら。
未だに抱き着いているレイを引き、横抱えで持ちあげる。
「うゆっ!」
「これなら転ぶ事も無いし、このまま店に行くぞ」
「うゆ~?!」
鳴き止まないレイを無視して、そのまま目的の店に向かう。
その間もレイの変な鳴き声は止まなかった。
着いた先は以前訪れたショッピングモールの中にある洋服店。しかも隣にはランジェリーショップもある。服を一式揃えるならここが都合がよかった。
「いらっしゃいま―――――」
店員が出迎え、営業スマイルのまま固まった。
「お願いします!助けてください!!」
と思ったら、即座に土下座しだした。
「「何事?!」」
後ろで見ていたアリサとすずかがツッコミを入れてくれた。
土下座した店員……ではなく店長が涙ながらに語ってくれた。
最近に洋服の有名チェーン店オープンした。幅広いニーズに答えたお店で老若男女問わず客を呼び、こちらの客足が遠のいてしまった。
向こうはサイズも多く値段も安い。そしてこっちの店は女性服専門店で多少値は張るが品質は良いとの事………
何か打開策はと考えた所に俺達が来店。そして土下座である。
「……で、何をやらせるつもりだ?」
「モデルをやって頂きたいんです!オーバーSランクの美人揃い、貴方達ならトップも夢ではないわ!」
アイドルの勧誘になったぞ……
「悪いが、付き合っている時間が無い。これから下着と眼鏡も買わないといけないんだ」
「あ、それなら。隣のランジェリーショップと向かいの眼鏡店は親友が経営しているから、話しつけてここで揃える事も出来るし。モデルの際に着た服は70%引きでご提供しますよ」
「詳しく聞こう……」
「「変わり身早っ!」」
アリサとすずかが驚いているが無視だ。
大量購入予定だった服がモデルをするだけで下着も含め安く手に入るんだ。これほど美味しい話は無い……
「ただし、モデルは後ろの3人と腕の中のこいつだけな。ほかは一般人だから。それとこいつには―――」
店長にレイに対してある要望を耳打ちで伝える……
「―――はい、任せてください!モデルをしてくださるのなら……ってあそこの茶髪の子は―――」
「私ですか?」
店長が後ろにいる3人の内の1人、サクラに声を掛けた。
「ええと……もしかしてあの高町なのはさんの妹さんとか―――」
「ああ………いえ、彼女とは血の繋がりはありません。ただ似ているだけです」
「あ!すみませんでした。良く似ていたのでてっきり―――」
「構いませんよ。歳が近い所為か、子供の頃はよく間違われました」
慌てて頭を下げる店長に手で制し止めるサクラ。
子供の頃って言ったって
確かに、エルやアンズに比べるとオリジナルとの共通点が多いからな……
「………なら、眼鏡を掛けてみるのはどうでしょう?それだけでも大分変りますよ?」
「眼鏡ですか?……生憎ですが私は其処まで目は悪くないですよ?」
「伊達ですよ。度の入っていない眼鏡ですよ、よく有名人が掛けたりしているので間違われる事は少なくなりますよ?それに落ち着いた雰囲気の貴女ならとても似合うと思いますよ?」
「そうは言われましても………」
サクラが不安そうに俺を見る………あ、もしかして。
「金の事なら気にするな。それぞれの通帳から払うから、実質自腹だ」
「そうですか……でしたら、貴女の裁量に期待します」
「任せてください!ピッタリのコーデを取りそろえます!」
出費を気にしてた様だ。
その後、ランジェリーショップ、眼鏡屋………挙句の果てに靴屋(店長の親友)も出てきた。
臨時のモデルの筈が大事になって行く………まずは下着だがこれに関してはモデルはしない為、売値はそのまま。
何故ここまでするかとランジェリーショップの店長と店員達に聞くと――――
『貧・美・巨・爆と綺麗にサイズが揃って、しかも全員スタイル良し………腕が鳴るわ!』
と、どこぞのセクハラ狸の様に手をワキワキさせていた。
服屋の真ん中で仕切りを作り、その奥で下着を着けられて行く4人。
「貧……ええ、分かってましたよ。私がそれだって事……ハハハハ……いっその事、燃焼させてやろうか」
「大丈夫よ!お客様見たいな人はスレンダーと言って。それも女性が羨むスタイルよ、それに胸だって脇とかの肉を全部ブラに押し込めば谷間位つくれます!」
「これがいわゆる寄せて上げる補正ブラと言うもの………しかし、これを着けてしまったら負けた気が―――」
「何言っているのよ!女の子はね、見えない所でもがいて、抗って、逆らっているのよ!白鳥のバタ足なの!負けちゃダメです!」
「っ!…………そうでした。私はいつの間にか諦めていたんですね……なら抗いましょう!運命に―――!」
店長の叱咤で変な燃え方をするサクラ―――
「う~ん………水色の方が好きだし……でも黒の方が見た目もいいし……」
「では、思い切ってこれはどうでしょう?」
「え?何これ、レース?……でも僕、白は少し――」
「お客様……世の中には『勝負下着』なるものが存在します。好きな男性に見られる前提で相手を落とす最終装備です!」
「え?でも僕の服はいっつもコダイに洗って貰ってるから、何時も見てるよ?」
「違います!単品と本体とのセットでは破壊力が違うのです!!」
「なるほど~………じゃあ買っちゃおうかな、名前がカッコイイし!ねぇ、ほかにも勝負下着ってのあるの?」
エルはぶれないな………
と言うかされるがままの3人と比べても自分から着て行ってるよな……最初の時もそうだった。
「むぅ………着ては見たものの。我に似合うのか?」
「とってもお似合いですよ。綺麗な形してますし?」
「胸はこの際いい。我はもっと身長が欲しかった……これでは背伸びした感が―――」
「大丈夫です。お客様はとても可愛いです、小柄でバランスの良いスタイルですから、どんなものでも似合いますよ?」
「可愛い?!我が?!」
「ええ、こんな可愛いフリルでもセクシーなシースルーでもお似合いですよ」
「可愛い……我が可愛い………そ、そこまで言うのなら試してみよう」
「何事も挑戦です!」
案の定、乗せられるアンズ……もうこれ忍の時の二の舞だな。
「こうして……回して……手を……んしょっ……よし、どうかな?どうかな?」
「はい!完璧です。それにしてもお客様はとてもお綺麗ですね。お人形さんみたいですね」
「えへへ♪ありがとう!」
「っ~!よ、よければ。ガーターベルトも着けてみてはどうでしょう?」
「うゆ?がーたーベルト?」
「ええ。ストッキングを止めるベルト状の下着の事です。これが色々便利で脱ぎ着が楽で、パンストと違ってお尻を覆わないのでムレにくく。着けるだけでセクシーな大人っぽさが出るんですよ。お客様はあまり難しい着方は苦手そうなので、着けやすく脱ぎ易いこれがよろしいかと」
「そうなんだ~……えっとどうやって着るの?」
レイは………問題無さそうだ。
店員が馬鹿をやらかさなければ………疑う事知らないからな。
俺とアリサ、すずかは店で用意された紅茶を飲みながら休憩中。
そんな4人の様子を聞きながらアリサが恐る恐る聞いてきた。
「ねぇ、アンズってもしかして、結構チョロイ?」
「子供組は大体ああだぞ?アンズの服が少女風なのは忍が終始、煽てて着せ続けたからだ」
「お姉ちゃん………」
すずかが呆れた様子でため息を吐く。
その光景が容易に想像出来るからな。
「でも、意外なのはエルちゃんだよね?こう言う女の子みたいなのは苦手だと思ったけど、ほかの子と違って自分から色々着てるよね?結構オシャレさん?」
「すずかも?アタシも……無頓着と言うより、男の子見たいな物が好きだと勝手に思ってた」
「1番服装に疎いのは機能優先のサクラだな。エルはリンディとプレシアが代わる代わる色々着せてたからな。それで興味を持って3人の中では1番、女子力はある方だな。逆にサクラとアンズはそれで若干トラウマを持ったけどな」
「ああ………だから、服を買いに行くときに怖がったのね」
今度はアリサがため息を吐く。
因みにアンズは普通。ある物を大事に使うタイプだ……
後、新しく服を新調する際には、サクラとアンズは桃子達ヒエラルキー組が来ないのか聞くぐらいトラウマになっている。
「1番の問題はレイの相手をしている店員ね……あれ、絶対悶えてるわ」
「見た目は1番大人びているのに中身は1番、天使だもんね……ギャップがすごいもん」
「一応俺が局員なのを伝えたから下手な事はしないだろう」
2人も問題視しているレイの相手をしている店員。
あからさまに息の荒い不審者について行こうとしたりとする程の警戒心の無さだ。
子供の時は色々躊躇するものがあった物が、今の姿だとそれが無くなるしな……レイの前ではセクハラしないと宣言したはやてが(無意識で)やらかしたしな……
……やらかしそうなのが身近に多すぎる。特にデバイス技師の2人、顔合わせで抱き着いたしな。
「…………所で、サクラにはノータッチか?」
「「あれは、同性でもデリケートなゾーンだから」」
「あ、やっぱり?」
そろった答えに何も言えなくなった。
――パシャパシャ!!
「ああ、いいわ!みんな最高よ!」
そして……無事、とは言いにくいが4人のコーデが終了し現在、写真屋のカメラマンが写真を撮り続けている。
「と言うかいつの間にカメラマンも……」
「事情を話してカメラを貸して貰おうとしたら人と機材ごとついて来ちゃったの♪」
服屋の店長が教えてくれた………ああ、何か安く手に入るからと横着したツケかこれは?
どうやらランジェリーショップの時と同様に。モデルの件を話す際に自前で撮ったレイ達4人の写真を見せた所プロ魂に火を付けた様だ。
「眼鏡と言うものは良いですね。身が引き締まります……」
上部のフレームがない逆ナイロールの赤いフレームの眼鏡をかけているサクラ。
現在服装は襟がやや広い、薄い桃色のセーターの上から裾がひだになって広がっている濃い桃色のチェック柄のキャミソール。下はデニムのショートパンツ。靴は黒のローファー
「モデルってポーズ取ればいいんだよね?イェーイ!」
意気揚々とポーズをとるエル。
現在の服装は薄い水色のシャツの上から紺色の薄手のカーディガン、下は青系と緑系を混ぜたチャック柄のプリーツスカート。靴は茶色のローファー。
「うむ、次は横に振り返った感じにだな…………何っ笑顔だと!?そんなもの急に出来ぬわ!」
黙々とカメラマンの指示に従うが、無茶振りされて驚くアンズ。
現在の服装は薄い紫の7分丈のブラウスの上に黒白のボーダー柄の丈の短いカーディガンを肩に羽織り、下に縦にボタンが付いたベージュのボタンダウン・スカート。靴はキャメルのローファー。
「みんな可愛い~♪」
そんな3人を見て暢気でいるレイ。
現在の服装は白のオフショルダーの上に袖にダメージの様な穴が開いた黒のワンピース。首にはレースの黒いチョーカー。靴はひざ下まであるロングブーツ。眼鏡はフレームレスの物かけている。
「あ~取り敢えずもう少しで休憩入るから。それまでカメラマンの指示に従っておけプロだから」
「「「「は~い」」」
元気に返事を返す4人。
それから何回か服を変えて休憩に入る頃には4人ともだらけ切っていた。
「やはり……服選びと言うものは体力を消費しますね―――ハムッ」
「疲れた~……でも楽しかった~!またしたいな~。あーん………ぱく」
「……我としては勘弁願いたい。笑顔のままでいたから顔が痛い………ムグムグ」
「モグモグ――」
顔に出ないが疲れが滲み出てるが、3個目のエビカツサンドを食べる手を止めないサクラ。
口ではそう言っても、5個目に差し掛かるカレーパンを齧りながらこの状況を楽しんでいるエル。
凝りを解す様に顔を揉み、4個目のピロシキを服に零れない様に丁寧に食べるアンズ。
無言で6個目の焼きそばパンを口に詰め込み、頬袋を作るレイ。
全部、モデルに協力してくれた店長と店員からの差し入れ。俺も半分出した、でないとあの4人じゃ足りない……
事前に10個ぐらい買っておけと好き嫌いを教えたので問題は解消した。
差し入れのパンと飲み物はここに居る全員に行き渡り。参加してない俺、アリサ、すずかにも配られた。
因みに俺はハムチーズ、アリサはアンパン、すずかはポテサラサンドを貰った。
――パシャパシャ!!
「いいわ、この自然な表情……これは個人的に飾らせて貰うわ!」
その4人の様子を取り続けるカメラマン。
「カメラマン、その写真は……」
「ええ店長、もちろんここに居る皆さんに焼き増ししてお渡しします!」
「「「「っしゃぁ!」」」」
カメラマンの言葉にスタッフとアリサとすずかがガッツポーズを取り始めた。
これ、全員纏めてふん縛る方がいいか?
「あ、お客様。少し宜しいでしょうか?」
「ぅ?…………ゴックン。んと……なぁに?」
纏めて締めようか考えていた時、店員の1人がレイに声を掛けた。
レイは口に詰め込んだ物を呑み込んで店員に聞き返した。
「撮影とは違ってお客様に1度来て頂く服があるのですよ」
「うゆ?写真撮らないの?」
「ええ、その服は着る人に合わせて調節するので、1度着て長さを調節する必要があるんです。休憩中の所、失礼ですがこちらに来て頂けませんか?」
「えっと……その服は私が着るんだよね?いいよ!それに全然疲れて無いよ。可愛い服とかいっぱい着れて嬉しいんだぁ~♪」
「~っ!で、ではこちらへ!」
少し身震いしながらも店員がレイを連れて奥に向かう。
「え~レイだけ?いいな~」
その様子を見て少しふてくされるエル。
「お前ら3人には後で発注しておくから待ってろ」
「3人……と言うと我等もか?」
「レイと私達が別々と言うのも気になりますね……」
俺がそう言うとアンズとサクラが考え込む。
「あのな、前は子供だったから良かったけど。今は成人扱いされる歳なんだ、3人は管理局勤めだから貰えるけど、レイは違うから普通に買わないといけないんだよ」
「管理局?貰える?ん?」
俺の答えに首を何度も傾げるエル。
「あ、アタシ分かったかも。どうなるのかしら?」
「うん、確かに必要だもんね。ちょっと楽しみかも」
アリサとすずかは俺の言いたい事が分った様だ。
「お待たせしました~♪」
そして、奥に入った店員がレイを連れて戻ってきた。
「「「「―――――――――――――――――」」」」
全員が息を呑む。
視線がただ1点、レイに向かっている。
「ん~…………うゆ?」
その視線が意味が分からず首を傾げるレイ。服は全身ほぼ黒一色だった。
飾り気のない白のブラウスにボタンが縦2列に並んだダブルブレストの黒のジャケット、襟元は白の短めのスカーフを青いリングで留めている。
下は膝上丈の黒いタイトスカートに黒のストッキング、黒のローファー。
まあ、簡単な話スーツだ。
見た目はもう15だし1つ持たせないとと思い、モデルの際に事前に店長に頼んでおいた。
髪もフェイトよりやや上の腰あたりでリボンで緩くまとめている。
あどけない仕草とは裏腹に、スーツ越しでも分かる大人顔負けのスタイルに、人形の様な端正な顔立ちを一切邪魔しないフレームレスの眼鏡。
その姿は、穢れを知らない無垢な人形から。どこか落ち着きのある知的な美人に変貌を遂げた。
「この服、さっきのと違うね?何かなのは達が着ている制服見たい」
「それはそうだ、今の見た目じゃスーツは必要だしな。局員でもないから制服はダメだし。前は子供だから許されてたけど、今の見た目ならそのスーツじゃないと行けない所も出て来るんだ。それも一応バリアジャケットとして登録しておけ」
「は~い♪」
元気に手を挙げて応えるレイ。
いくら利発そうに見えても中身はレイだしな……そこら辺は変わらないか。
「お~……何か今のレイって先生っぽい!」
「えへへ……そうかな?」
エルが率直な感想に照れくさそうに笑うレイ。
「レイが先生………男子の人気独り占めね。黒髪で美人で巨乳で眼鏡で天然で天使で…………」
「それにドジと腹ペコに馬鹿を追加しとけ……俺はそんな教師は御免蒙るが」
「それはちゃんと授業を受てる人が言える事だよ?コダイ君」
顎に手を添え思案顔のアリサにツッコミを入れていると。
隣ですずかが呆れた顔でツッコまれた。
「コダイ~♪」
突然、レイが抱き着いてきた。
まあ、何時もの事だ……
「ん~♪」
「あはははっ!レイは大きくなっても子供だな~」
「当たり前です、成長しても急に中身は変わらないのですから……モグモグ」
「ああ、貴様を見て我等も変わらぬと思う。サクラ、もう少し食べるペースを上げろ」
「良く噛んで食べる。これが私の食事のポリシーです、譲れません」
その様子見て、和んでいるエル、サクラ、アンズ。
エルとアンズはもうパンを食べ終え、サクラは最後の1個の様だ。
「ねぇねぇコダイ、これ似あう?」
顔を上げて俺と鼻が触れる位に顔を見合わせたレイが笑顔で迫る。
「見えないから落ち着け」
頭を掴み、引きはがす。
「うゆ~……で、どう?似合う?似合う?」
頭を押さえたのはほんの少しで、その後すぐに聞き直す。
「似合ってる」
と言うか女って自分の服の感想を聞きたがるよな?自分が似合うと思うから買う筈なんだが………………気持ちはわかるけど。
「似合うんだ………えへへへっ♪」
感想を聞いたレイは締りの無く笑う。
「あのねコダイ。この後も、モデル?を頑張るから!」
小さく拳を握って気合いを入れるレイ。
その顔は子供の時と変わらず期待に満ちた目………
「取り敢えず。カメラマンの言う事は守れよ?」
何時もの様に頭を撫でる。
「にゅ~♪えへへへ~おっきくなってもコダイに撫でて貰った~♪」
するとレイは、何時もの様に鳴いた………
「もう、我慢何て出来ないわよおおおおおおおお!!!」
「もうだめええええええええええええええええ!!!」
その絶叫と共に2つの影がレイに襲い掛かる………と言うか声で分かったけど。
「何よこの子。以前より数段破壊力増してるんじゃないの?!と言うか可愛すぎ!」
「う~~!はやてちゃんじゃないけど持ち帰っちゃう気持ち分かっちゃう!」
「え?え?」
アリサとすずかに抱きしめられ頬ずりされて、呆けるレイ。
「すみませんお客様!私ももう限界ですうううううううううううう!!!」
そしてあろう事かスタッフの1人がレイに抱き着いた。
「何ですかこの子!天使ですか?!爆乳で天使とか色々反則ですよおおおおおおおおおおお!!!」
意味の分からないスタッフの絶叫。
それを皮切りにか知らないが次々にレイを抱き締めたり撫で始め―――と言うか愛でられてる。
アリサ達と警戒していた事が起こった………
と言うかこれあれだろ。アリサ達が抱き着いたからこうなったんだろ……皆で渡れば怖くない精神で。
呆れて、マテリアルの方を見ると。デバイスを構えて出て行こうか迷っている……
「あ~……3人は待機な、ここは俺がやる」
そう伝えると3人は大人しくデバイスを解除した。
まあ事前通告はしたはずだし。それに発端はアリサとすずかだ、あいつら自分が護衛対象なの分かってるのか?
………つまり、この状況で俺が出来るのはただ1つ。
「よーしそこを動くなよ。現行犯で締めるから」
武力行使だ――――
その後、俺とモデルを除く全員の頭にタンコブを付けたまま撮影は進み、無事(?)終了。
服はここで着る以外と来るまで着ていた服と一緒にアンズにアースラに転送して貰った。
あ、モデルの写真だが当然、没も含めて焼き増した物を報酬として貰った。
マテリアルズの服はinnocentのお花見コンビのカードが元で。レイはDies iraeのマリィの私服(中の人ネタ)、スーツはToLOVEるダークネスのティアーユ・ルナティークの物です。
void0@抜け殻様、オンバット様、楽描筆様、ミラ ランドラス様、オタでなにが悪い様、感想を有難う御座いました。
~次回もお楽しみにしてください~