魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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レイ達が色々大変な事になります。


これは進化と言うのか?byコダイ

「……………あ~、結局殆ど覚えてない」

 

 意識が覚醒して目を開けると、見慣れた天井。無事アースラに運ばれた様だ。

 しかし………金色のあれになったわ良いが、ユグドラシルに突っ込んだ以降の記憶が無い……

 えっと、確かナナが残した予言に賭けて、カートリッジを使って此処に運ばれたって事は……ユグドラシルは取り込んだ様だな。

 とは言ったものの……取り込む条件がよく分からない。この前、レリックを思いっきり掴んだが何とも無かったし。

 

「―――っと。さすがに直ぐには動けないか」

 

 体を起こそうとするが、体が重い……取り込んだばかりだし―――ん?

 

「…………なんだこれは?」

 

 左側を見るとアリサとすずかがベッドに突っ伏して寝ていた。しかも左手をがっちり握られているらしい。

 さてどう起こすか………取り敢えず、握られた手を握り返すか。

 

「………ん………むぅ……」

 

 お、すずかが身動ぎした。

 

「ふぁ………私、寝ちゃったんだ………アリサちゃん、起きて~」

 

 寝ぼけ気味のすずかが、俺に気づかないでアリサを揺すり起こし始める。

 

「ん~……ぁ……やばっ!寝てた!」

 

 揺すられたアリサが一気に覚醒して起き上がる。

 

「おはよう、早速だけどその手を放してくれないか?」

「「は?」」

 

 起きた2人に声をかけると、まず2人は自分達の手を見る。そこから掴んでいる俺の手を辿りようやく俺の顔を見た………

 

「コダイ君?!」

「アンタ、目が覚めたの?!」

「ついさっきな………どのぐらい寝てた?」

「4日よ。昨日はサクラとエルとアンズとアインさんが、ほかはその2日前は目を覚ましたわ」

 

 アリサが細かく説明してくれる……俺が最後か。

 

「……で、先に起きた奴らは?」

「皆、1つに集まっているわ。今後の事で話し合い………の筈だけど」

「あはははは………ちょっと、いや、かな~り問題があって」

 

 途端、歯切れが悪くなるアリサ。すずかは苦笑いしている。

 

「…………俺関連?」

「3:7で正解よ……ちなみにアンタは3ね」

 

 え?なにそれ?何か面白そう。

 

「俺自身以外の俺関連だと身内か………っと、まだ起きるのがキツイな……」

「だったら上に乗ってるそれを退かせばいいんじゃない?」

「え?……」

 

 すずかに言われて、改めて右側を見る……そこにはシーツを人1人分盛り上がったいた……

 

「なあアリサ、俺以外全員別の場所にいるんだよな?」

「……そうよ」

「………じゃあこれは何だ?」

「コダイ君以外にまだ寝ている子って………あ」

「「あ~」」

 

 すずか少し考えて、小さく声を漏らした。

 それに続いて俺とアリサも声を揃えた。

 

「え?でも……それじゃあ」

「すずか、言いたい事は分かるが……多分予想通りだ」

「コダイ……もう、腹括って取ったら?」

 

 アリサに言われて、左手でシーツを掴み、一気に剥がすと――――

 

「ん~…………」

 

 女が寝ていた。髪は濡羽色で長い、寝顔はあどけないものだが。目、鼻、耳、唇等すべてのパーツが可愛らしさと美しさを極めていた。

 そんな女が世の女が羨望と嫉妬の視線を送りそうな豊満なスタイルを一糸纏わぬ姿で俺の右半身にしな垂れ掛かるに眠っていた。

 ……………と言うかレイだ、レイが成長している。俺に黒髪の同年代の魔法関係者はレイしかいない。

 シーツをレイの肩までに掛け直すことにした。

 

「………今の見たか?」

「ええ………胸はすずか並みだったわ」

「ふぇ?!」

「いや胸の話じゃない」

 

 アリサが若干悔しそうな顔をする……実際、子供に負けたって事だしな。

 

「ん………ん~?」

 

 さっきのすずかの悲鳴が聞こえたのかシーツの中でもぞもぞと動くレイ。

 これは起きる前兆だな………

 

「……………」

 

 レイがゆっくりと目を開ける。

 大きな青い瞳が、きょとんとした感じで俺を覗き込んでくる。そして見詰め合うこと数秒――――

 

「おはよ~コダイ~」

「おはよう……まず避けてくれ、そして服を着ろ」

 

 ようやく覚醒したレイにこの2つを告げた。

 レイに起きて貰い、俺もようやく着替える事に。着替えはすずかが持ってきてくれた。

 レイの服だが……今、持ち合わせが無いのでバリアジャケットを着て貰った。

 

「コダイ君、その腕……」

「腕?……ああ、これか」

 

 すずかに指された右腕を見ると血管の様な金色の管が右腕全体に伸びていた。

 どうやら取り込んだと同時にExtend(エクステンド)した様だな。

 能力を見るのは後だな……今は、アリサ達が言って居た面白そうな問題に首突っ込まないと。俺が関わっているから、俺が出ても問題ないしな。

 お互いの準備を確認し終えた所でなのは達の所に向かう。

 

「うゆっ!?」

「―――っと」

 

 

――ドンッ!

 

 

 後ろからレイの悲鳴が聞こえたと思ったら、後ろから軽い衝撃で前のめりで倒れてしまう。

 上に圧し掛かられる感じからレイに押し倒された様だ。

 それを傍で見ていたアリサとすずかが直ぐにレイを起こし。俺も起き上がる。

 

「どうした?」

「ぅ~……動きずらい」

 

 どうやら、急成長したための弊害が出たようだ。

 今のレイは身長は俺と同じ。スタイルは分かりやすく言うと『ロリ巨乳+美人』と言った所だ。

 

「今までとは視線が違うからな。宝石に戻るか?」

「ううん。ちゃんと皆に会いたいから良い」

 

 ゆっくり歩くがそれでもふら付いてアリサとすずかに支えられた。

 

「っとと――う~歩きづらい」

「じゃあ私達と手を繋いで歩こう?」

「そうね、その方が転ばないし」

「良いの?ありがと~」

 

 アリサとすずかの間で手を繋がれたレイがゆっくりと歩く。

 目的地に向かうペースが少し遅くなった………

 

 

 

 

 

 なのは達のいるアースラの会議室に着くと、中は騒然―――と言うか面白い状況になっていた。

 

「どう言う事ですか。どう言う事なんですか、何で私のが……オリジナル何ですか?それとも炎熱系ですか?炎熱系だから燃焼が速いからこの胸だと?答えてください高町ナノハ」

「そ、そんなこと言われても、私にも予測不可能だし………」

 

 自らの胸を押さえて、恨みがましい目を向けながら、後ずさるなのはにブツブツと呟きながらにじり寄る、()()()()()()()()

 

「お願い!お願いだから私と同じバリアジャケットにして!」

「私でもいいから!!」

「いやだ!せっかくオリジナルと一緒じゃ無くなったんだから、僕はこのままが良い!!」

 

 顔を真っ赤にしてエルを詰め寄る、フェイトとアリシア。

 それに頑なに否と答え、胸を張る()()()()()()()

 

「何故だ!我は姫の食事を残さず食べた!お代わりも3回以上もしている!なのに何故、オリジナルと一切変わらぬのだ!答えよオリジナル!!サクラやエルより低くては我の王たる威厳がかすむではないか!」

「あ~そう言えば、王様やったなアンズちゃん」

 

 肩を掴まれ問い詰めに苦笑いを浮かべるはやての目の前には涙目の()()()()()()()()

 

「………これが2人が言ってた、問題か?」

 

 この惨状を指しながら、後ろにいるアリサとすずかに聞くと2人は静かに頷いた。

 成程………つまり、マテリアル達が成長して、それに対して各オリジナル達に文句を言ったり言われたりしているって事か。

 3人とも案の定、バリアジャケットを着ている。

 

「………はぁ、仕方ない」

 

 止まりそうにも無さそうなので物理的に止める事に。

 スローナイフを3本、展開してマテリアルの頭を狙って投げる。当然非殺傷設定で。

 

 

――ストーン!!

 

 

「「「あうっ!」」」

 

 スローナイフは見事にマテリアル達の頭に刺さり、3人を倒れ伏す。

 

「不覚でした……」

「痛~い!」

「くっ……この遠慮のない容赦もない仕打ちはまさか――――っ!」

 

 刺さった所を押さえた、サクラ、エル、アンズはこっちを見る。

 それに続いて周りもようやく俺達の方を見た。

 

「おはよう……と言うか今何時だ?」

 

 聞こうとしたが俺を呼ぶ声で更に騒がしくなってしまった。これ以上収集が付かなくなるので――――

 

「次は貴様らか?」

 

 スローナイフを構えると一気に静かになった……

 そして直ぐにはやてが慌てて近づいて来た。

 

「そや!コダイ君大変や、マテリアル達が―――」

「成長したんだろ?さっきまで見てたから……それにあれもな」

「あれ?」

 

 俺が後ろを指すとはやてが俺から覗き込む様に後ろを見る……

 

「………え~っと、つかぬ事をお伺いしますがコダイ君」

「何だ?と言うか何で敬語になる」

 

 はやてが俺の後ろのある1点……レイを凝視している。

 

「アリサちゃんとすずかちゃんの間におる。けしからん巨乳をお持ちなナイスバディな美女はどなたですか?」

「………レイ、挨拶」

「うゆ?うん。えっと……レイ・モモ・ブラットです、背もおっぱいもおっきくなったよ♪」

 

 

――プルンッ♪

 

 

 小さくガッツポーズするレイの胸が大きく揺れた。それを目を見開いて凝視するはやて。

 

「はははっ……これがレイちゃん?ハハハハハハハ――――幾らなんでも胸にステータス振り過ぎやて……なんか詰めとるやろ?」

 

 はやてが虚ろな目をしてフラフラとした足取りでレイに近づき、その胸を掴んだ。

 

 

――ムニッ♪

 

 

「ひゃん」

「アハハハハハハハハハ………おっぱいや、ホンマもんのおっぱいや」

 

 乾いた笑いを浮かべながら再びフラフラとした足取りで今度は会議室の扉に向かう……

 

「あ、主はやて。一体何処へ………?」

「あ~大丈夫やシグナム、ちょっと外の風に当たりに行くだけや……」

 

 そのまま、フラフラと会議室を出ていくはやて、だが………

 

「外って……ここ戦艦内だよな?」

 

 この呟きに守護騎士達が一斉に動いてはやての確保に向かった。

 

「む~!」

 

 だが1人、リインはレイの目の前に立って剥れていた。

 

「リ、リイン?」

「レイちゃんばっかりずるいです~!リインもねーさま見たいにナイスバデーになりたいです~!リインにも分けてください~!!」

「わ、私だって分からないよ~」

 

 レイのスカートを掴んで、駄々っ子を発動させたリインにまだ足取りが覚束ないレイはアリサとすずかに支えられても揺られている。

 

「「「ま、負けた………子供に負けた?」」」

 

 そしてかなり重度のダメージを受けている、なのは、フェイト、アリシアが膝から崩れ落ちた。

 

「負けたって……サイズは変わらないだろう……」

「アンダー!アンダーとの差!それ以外が細くて羨ましいの!肉が欲しい所に来て、欲しくない所には来てない………うらやまけしからん」

 

 アリシアが悔しそうに床を何度も叩く。

 と言うか最後の言葉の意味が分からない……

 

「いや~ごめんな~。何かご迷惑掛けた様で……」

 

 そこに正気に戻ったのか、はやてが守護騎士に連れられて戻って来た。

 

「と言うか何でレイちゃんが成長してるんや?!あの、ちっこくて、巨乳で、アホの子な天使やったのに……せっかくのロリ枠が!」

「お前実はまだ正気じゃないだろ」

 

 意味不明な事を言い出すはやてだった。

 

「でもはやて、レイってばあの体に慣れて無くてフラフラなのに皆に会いに行くって、言って此処まで来たのよ」

「成長しても中身は天使やった――――――!!」

 

 アリサがここまで来る途中の事を話すと、はやてが天を仰いだ。

 

「取り敢えずさ、本題は言って欲しいんだけど」

 

 もう無視する事にした。

 1番奥にいるクロノの元に向かった。

 

「そうだな、まず何から話せばいいか――――」

 

 今まで黙っていたクロノと隅に移動して、他には聞こえない様に答えてくれた。

 

「まず、ユグドラシルについてだが。あの時の自爆で消滅した―――と言う事にした」

「した?………確かに危険だが、あれは天文学的な確率だぞ?」

「それもあるが。君はユグドラシルを確実に取り込んだ、それがどう作用するか分からない。もしそんな事が知られたら―――」

「……面倒臭い事になるな。誰がとは言わないが」

 

 管理局となのは達が……

 

「それで、こっちの被害は?」

「僕達は暫く戦闘不可能だ。リンカーコアが非常に小さくなっている、闇の書の蒐集の時の様に外部からの干渉で完全回復には数日掛かる。今動けるのは、マテリアルと君だけだ」

「それが1番痛いな……第一にあいつ等は護衛中だろ」

「それに僕達のデバイスもドロドロに溶かされて、修復と改修で更に数日………」

 

 もう絶望しか出てこない……

 

「それと……聞きたくは無いが、何であの3人が成長した?」

「僕も聞きたい……」

「―――おそらく、主がユグドラシルを取り込んだのが発端かと」

 

 いつの間にか、アインが俺の隣に来て会話に参加した。

 

「ご無事の様で……先程は声を掛けれず、すみません」

「それは良いが。アインは変わらない様だな」

「ええ、私は祝風の書を経由して、主と繋がっていますが。マテリアルは闇の書の闇を取り込んだ主と直接繋がっているので、強く影響が出たのかと」

 

 結局、俺の所為かよ……

 

「………だとしたら、俺達が考えるべき事は1つ―――」

「ええ、そうですね……」

 

 アインが苦い顔で頷く。

 

「それは?」

 

 クロノが固唾を飲む―――

 

「―――食費だ」

「食費ですね」

「唯でさえ大飯喰らいの4人が同時にデカくなったんだ、当然胃袋だって―――――冷蔵庫1個で足りるか?」

「―――帰還次第、発注しましょう、同じものを。ほかの家電ももう1つ追加しましょう……間に合いません」

「いっその事、魔法で地下倉庫作るか?結界張って地面掘って、補強して―――」

「ああ、いいですね。一々買いに行くことが減ると思います」

「そんな事ばっかり考えているから母親呼ばわり何だよ」

 

 うるさいクロノ。

 あの4人の普段の食事量を見てたら考えたくもなる……家事は好きだから苦じゃないけど。

 

「クロノ、俺とマテリアルの今回の特別手当の30%を経費に当てろ。出ないと食費で潰れるぞ。おそらく復活したレイと同じ位喰うぞ」

「分かった」

 

 分かりやすい例を挙げると即座に対応してくれたクロノ。

 

「それともう1つ。服です―――今のレイやマテリアルが着れる服がありません」

「……あ~それがあった」

 

 アインが出したもう1つの問題があった。

 こうなる事は完全に予想外だった。

 

「ずっとバリアジャケットのままと言う訳にはいかないし……同じ体型のなのは達も必要最低限の物しか持って来てないし」

「これは………仕方ありませんね」

「だな………クロノ、外出許可をくれマテリアルの服を買う。当然2人の護衛も継続だ」

「分かった。そう言う事なら仕方ない。だがその間アースラは防御力は無い。なるべく手短に済ませてくれ。女性の買い物は長いと言うからな」

 

 あれ?もしかして俺も女性(そっち)側?

 とは言え、許可も貰ったので早速伝えないと。

 いまだに騒がしいマテリアル達を招集、事のあらましを伝える……

 

「と言う事で、オリジナル組は予備の局の制服を貸してやってくれ。バリアジャケットは目立つ」

「もちろん良いよ!……バリアジャケットじゃないなら」

「私ももちろん良いよ~」

「ちゅーか、誰も一気に伸びるとか思いつかんし」

 

 3人は快く応じてくれた。

 特にエルの格好に再三言ってたフェイトの答えは早かった。

 

「それと、2人も護衛対象だから来るように。ついでに4人の服を選んでもいいから」

「いいの?!」

「良い事を聞いたわ!」

 

 最後を聞いて目が輝きだす、すずかとアリサ。

 

「「ひぃっ!」」

 

 服選びにトラウマ持ちな、サクラとアンズがすくみ上った。

 

「レイのは………背が余るがすずか、頼んだ」

「私の服を着せればいいんだよね?じゃあ行こうか、レイちゃん」

「うん―――うゆっ!」

 

 

――スッテーン!! 

 

 

 すずかの後をついて行こうとしたレイがまた転んだ。

 

「うゆ~」

「いくらなんでももう慣れただろ……」

「大丈夫?」

 

 フェイトがレイに近づいて起こそうとする――――

 

「う~……ありがとうアリシア」

「え?……私フェイトだけど」

「うゆ?」

 

 ん?……あれ?こいつもしかして……

 レイの前に回って顔を押さえて真っ直ぐ見させる。

 ………焦点が合ってない。

 

「これ何本に見える?」

 

 俺は3本の指を立ててレイから少し話して見せる……

 

「う~………8本?」

 

 手に指は5本ずつだ。しかし、これで分かったな……

 

「視力が下がってる。上手く歩けない理由はこれか、急成長が原因か?」

「じゃあ眼鏡も買わないと!」

「レイ位素材が良いと色々悩みそうね~」

 

 後ろのすずかとアリサは完全に買い物モードになっている。

 とにかく4人の服を買いに行く事になった……




コダイがユグドラシルを取り込んだ結果、レイとマテリアルズが15歳前後にまで肉体が成長しました。

void0@抜け殻様、オンバット様、悠畏様、ミラ ランドラス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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