魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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やっとコダイが前線復帰です。


未知にも限度があるbyコダイ

 レイが元気になり(そしてまた籠って)、それを追う様に周りも何時もの調子を取り戻し始めた。

 

「コダイ、これでどう?」

「………ん、正解」

「私のは?」

「……正解。俺が教えなくても2人なら出来るだろ」

 

 そして俺はアリサとすずかが保護されている客室でテーブルを囲って前々から約束していた勉強を見ている……が特に教える事なくただ答えの確認をしているだけだ。

 

「それはそうだけど、自分の為と言うよりなのは達……正確にはアンタを除いた4人よ」

「なのは達………つまりあれか。今後忙しくなりそうななのは達のためにと」

「けど、学校行ってないから不安なのは本当だけどね」

 

 アリサの隣にいるすずかが照れくさそうに笑っていた。

 

「………聞くけどそれだけヤバイの?」

「「うん」」

 

 うわ………親友にここまでハッキリ言われるとか。

 

「すずかちゃん、アリサちゃん入るで~」

 

 噂をすればと言うか、件のはやて、なのは、フェイト、アリシアがゾロゾロやって来た。

 

「コダイ君も来てたんだ、レイちゃんは?」

「ここだ」

≪すか~すぴ~≫

 

 右腕を見せると宝石から間抜けな寝息が規則的に聞こえる……

 

「もう大丈夫なの?」

「トイレに籠るのは減ったそうだが、いまだに痛いらしい」

「にゃははは……仕方ないもんね」

 

 なのはが苦笑いを浮かべている………だが9割自業自得で体を壊したらな。

 

「あれ?アリサ達勉強してるの?」

 

 フェイトがテーブルに開かれている教科書やノートに気づく。

 

「学校行ってないから一応……俺が教えるまでも無いけどな。それよりもそっちは勉強しているのか?」

「えっと………仕事とか……今も事件で忙しいし」

 

 目が泳いでいるフェイト……と言うかその反応はヤバイらしいな。

 

「後、今度のテストは助けられないわよ?アタシも学校休んでいるんだから」

 

 それを聞いたバカ4人組がバッっとこっちを見た。

 

「そうだ!今回はアリサとすずかはこっちに居るんだった!どうしよう!?」

「いや、勉強しなさいよ」

 

 頭を抱えているアリシアに呆れた感じにツッコミを入れている……俺に関してはもうツッコむ気も起きない。

 

「別に助けないとは言ってないわよ、だからこうやってコダイに教えて貰っているんだから」

「コダイ君の教え方、すっごく分かりやすかったから」

「ま教師もそれぐらいできれば聞いてやるのに」

「そうじゃ無くても聞かないとだめだよ……」

 

 すずかから呆れた声が返ってきたが。それに関しては仕方ない、性分だし。

 

「と言うか、勉強出来る時間あったでしょ……リンディさんから聞いたわよ」

 

 その言葉に4人が一斉に固まった……………まさか。

 

「まさか……その時間さえ管理局関連に宛てたとか言うんじゃないだろうな……」

 

「「「「…………………」」」」

 

 いや、目を逸らすなよ。

 

 

――プチン♪

 

 

 ………今、隣から何かが切れる音が。数秒後、隣のアリサがバーニングした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ギャー!!ギャー!!

 

 

「主コダイ、緊急です!今すぐっ――――」

 

 突然入ってきたアインが俺達を見て固まっている……

 現状を簡単に言うとキレたアリサが4人組を追い回し、俺とすずか止めようとして全員でなぜかベットの上で揉みくちゃになっている……

 その時なのは達に盾にされて間に挟まれた状態である。

 

「えっとその………こういう時は…………わ、私も参加します!!」

「「「「「「ちょっと待って!色々と待って!!!」」」」」」

 

 何を決意したのか、顔を真っ赤にしてメイド服を脱ごうとするアインと止める6人娘、と言うか何が良しだよ。

 取り敢えず揉みくちゃの状態から抜け出した。

 

「…………アイン一体どうした?」

「そうでした!!総員直ぐに集合との命令です。ロストロギアを発見しました!!」

「ロストロギア……まさか一瞬で特定できなかったロスロギアか?」

「はい、一部一致する所があり恐らくはと………とにかく急を要するとの事です!」

「ようやく戦線復帰の初仕事だな……」

 

 レイは………後で起こすか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったな……何があった?」

「それは話すと長いかつどうでもいいから無視の方向で」

 

 アインに連れられ集合場所に着くとまずクロノが俺達に気づいた……

 

「分かった、そうする………全員揃ったな」

 

 前回のに加えマテリアルズも参加……かなり危険の様だな。

 

「エイミィ、目標は」

「発見場所からずっと動いていません、けど徐々にエネルギー上昇中!」

 

 上の大型のモニターに映っているのは巨大な黒い岩があるだけの映像だった。

 

「クロノ君、ロストロギアはどこにあるんや?」

 

 はやての言う通り、そこにはロストロギアらしきものが一切無いただの岩を映しているだけだった。

 

「目の前にある」

 

 クロノは映像から目を離さずこう答えた。

 

「目の前にあるのが………ロストロギアだ」

「は?―――ってデカ?!闇の書の防衛プログラム位あるやろ!?」

 

 その大きさに一瞬呆けてしまったはやて。

 無理もない黒い岩の周囲に茂る木々や遠くに映る山から目測する辺り嘗ての闇の書の防衛プログラムと同等の巨大さだ。だがそれ以前に――――

 

 

「待って!あんな大きさのロストロギアが何で今まで……」

「そうだよ!これだけ目立ってたら管理局が気づかない訳無いよ!」

 

 そう、フェイトとアリシアが言っていた様にあれだけのロストロギアが何もせずに放置はまず有り得ないだろうな、管理局だから。

 

「このロストロギアは初めからここには無かった、やって来たんだ……」

「やって来た?……クロノそれって……」

 

 言葉は途中で止まった、俺達全員が目の前の映像に釘づけになった。

 黒い岩が動いた……それは岩とかでは決してなかった。

 

 

 

 

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

 

 

 

 

 

 鉱石――水晶に近い様な体を持つ、巨大な黒い竜が立ち上がり翼を広げて咆哮した………

 

「ロ……ロストロギアが……生きてる?」

 

 なのはが唖然としていた……しかし命を持つロストロギアか……

 

「あれは一体なんだ?命を持つロストロギア何て……管理局の情報にも無かったぞ」

「それを今、無限書庫で探して貰っている」

「クロノ!あのロストロギアの正体が分かった!!」

 

 龍の映像の近くに今度はユーノが映っているモニターが現れた。

 

「そのロストロギアの名前は星の核『ユグドラシル』。しかもこのロストロギアは歴史上まだ数回しか現れて無いんだ」

 

 ユグドラシルは地球の神話では世界を体現して別名『世界樹』とも言われている樹のはず……

 

「その理由としてユグドラシルが創られ方。このロストロギアは自然現象であらゆる条件を経て物凄い低い確率で創られるんだ、皆ブラックホールの原理は知っているよね?」

「「「「???」」」」

 

 その言葉にリインやヴィータ、エルの他になのは達学生組も首を傾げた。

 

「あ~………簡単に言えば俺達が立っていられるのは重力と圧力が釣り合っているおかげで、それが重力の方が強すぎてとか、星の寿命にとかで重力崩壊を起こして光とか全部飲み込む星になる事だ」

 

 簡潔に教える、詳しく話すと時間がかかるし理解が出来ないだろうし。

 

「永い時を経て崩壊した世界、そのブラックホールの中心で出来るのが『ユグドラシル』。その特性はブッラクホールに似ていてあらゆる物を魔力に分解して取り込むんだ、しかもその特性無しでもかなりのエネルギーがあるとみて良いかも」

「ちょっと待ったそれだと今まで一瞬しか反応しなかった理由に説明が着かないんだが?」

 

 それほどの膨大なエネルギーを蓄えているのなら反応を捉えられないと言う事は無いはずだ。

 

「それについては少し視点を変えれば簡単だよ。以前、皆が調査した崩壊した世界で一瞬しか反応しなかったのは。ロストロギアになる前だったからだよ」

 

 ロストロギアになる前?………星の核……まさか。

 

「つまりあのユグドラシルはあの崩壊した世界から生まれたって事か」

「そういう事」

 

 そうだよ、そう考えると納得だよロストロギアなんて大層な名前だから『何処かに有る』とばかり考えてた。

 

「何だよそれ~!そんなの勝ち目とかあるの?」

 

 最後まで聞いてエルが文句を言う。ここまで聞くと流石に絶望的としか言えないな。

 

「いや、対処法はある。ユグドラシルは生きたロストロギアだけど、魔力を取り込んで形を作っている魔力の塊……だから以前、闇の書の防衛プログラムに使った作戦が有効だと思う。最も賭け率は以前の倍は低いと思うけど」

「成程……つまりあの龍は魔力で形成されている。だから全力の魔法攻撃でそれを剥がしてユグドラシル本体を捉えて破壊……は危険だな。次元の狭間に放り込むって事か」

「良し……その作戦で行こう」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 クロノが皆に確認を取ると皆敬礼をした。俺はしてないけど。

 

「ユーノは今回の事件で忙しいし、アルフとリニスも手伝っているから呼べない。アリアとロッテも仕事があるから前回のメンバーをそろえるのは無理だが、その代わりマテリアルズ達が居るから火力には問題ないか」

「リインもいるです~!」

「そうだな」

 

 作戦メンバーが準備中の中、人数を指折り数えているとリインが目の前に飛んできて手を挙げていた。

 

≪ん………みゃ~……おはよ~≫

「レイちゃんおはようです♪」

≪にゅ~……おはよ~リイ~ン≫

 

 朝から寝ていたレイがようやく起きた。

 

「レイ、早速だが仕事だ……調子はどうだ」

≪………よし!顔洗ってスッキリ、まだお腹痛いけど大丈夫!≫

 

 ………何か凄い不安。

 

「アイン、今回はユニゾンするぞ」

「え?あ、はい!」

「「ユニゾン・イン」」

 

 アインとユニゾンをする。姿は闇の意思と似ている、身長は俺に合わせている……何故か性別も女になるのは未だに謎何だが、特に問題ないか。

 

「とーさまがちいさいねーさまになりましたぁ~♪」

「ちっこいアインや!何やこれメッチャ可愛いやん♪」

 

 リインには顔に抱き着かれ、はやてには後ろから抱きしめられている……そう言えばユニゾン姿見せたことなかったな。

 

≪レイ、今回は説教とか怒りはしないが……部屋はしっかり片づけろ≫

≪うゆ~………ゴメン……≫

≪……主、少しお時間を≫

「そのために今ユニゾンしたんだ、手伝ってやれ」

≪はい、申し訳ありません……≫

 

 こっちはこっちでいつも通り、何かもう慣れた……

 

「えっと……コダイ君それがもしかして」

「そうだシャマル、コレがユニゾン後にある恒例のアインの掃除(クリーン)作業だ」

 

 さて、アインがクリーンしている間に祝風の書で使えそうな魔法を厳選でもしておくかな?




湖月 秋博様、アキ様、アルクオン様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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