魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
レイの迷子が文字通り次元を超えた……と言うかなぜミッドに転移した……取り敢えず
「全員着いたな。3人は引き続きアリサとすずかの護衛よろしく」
「分かりました」
「よーし!イックゾー!!」
「馬鹿者!街で魔法を使うなと言っただろ!」
デバイスを起動して飛ぼうとするエルをアンズとサクラが足を掴んで止めた。
先程エルは飛ぼうとした、そこでいきなり足を掴まれると……
「へぶっ!!」
そのまま地面にダイブする結果になった。
「なんだよー!速攻飛んで探したほうがいいだろ~!」
「良くありません、マイナスです、むしろエルが迷子になります」
「貴様が迷子になったらレイ以上に探すのに手間取る」
エルは即座に起き上がり両腕を振り回して抗議する。サクラとアンズがそれを容赦なしにバッサリ斬る………
2人の言う様に迷子率はレイに次に迷子になるのはエルだからな。レイなら泣いて蹲るから良いが、エルは普通より精神年齢が高い分、自力で探そうと動き回るのでかなり厄介だ。
「……何かあの3人見てると小学生の頃を思い出すんだけど」
「3人とも昔のなのはちゃん達とソックリだもんね」
「何懐かしんでるんだ、そんな歳でも無いのに……」
騒いでいる3人を少し遠くで見ていたアリサとすずか。発言が年寄りだぞ……
「そう言えばレイと連絡はついたの?ここにいるんなら繋がるはずよね?」
「端末とか発信器とかは全て部屋にあったバックの中だ……」
アリサに要は八方塞と説明した。
「じゃあどうするのよ?行きそうな場所に心当たりとかは?そうでも無いと日が暮れるわよ?」
「果たしてそこに居るかどうか……迷子が次元超えているし」
「「あ~……」」
実際目の前で起きたからフォローが出来ない。
「さて……お~い。そろそろ探しに行くぞ~」
「「「は~い!」」」
取り敢えず3人を呼んでこっちに来させる。
今回は固まって行動した方が良い。
「取り敢えずレイが喰い付いてそうな場所を探すぞ。玩具屋とか食い物関連とか」
「姫、それなのだが……『シード』で探してみては?」
「それな、デバイスの機能はレイが居ないと使えないんだ……」
アンズの案が出来ればどれだけ楽かと……レイが居なくても魔法が使えるのが救いだ。
けど飛行魔法を作って無いからデバイスが無いと飛べもしないが。
「まずはいつも行くショッピングモールだ、あいつの事だから見知った場所に行くだろうし」
最初に向かった場所はここから近い総合ショッピングモールだ。
「凄い広い………!」
「中央が吹き抜けだから天辺まで見れるけど何階建てよ……!」
「確か20階建だったな」
中に入ると吹き抜けの中央を見上げ、見渡す限りの店舗の数に感嘆の声を上げるすずかとアリサ。まあ地球では耐震等で絶対建設できない構造と高さだしな……
ミッドの中央区画にあるこのショッピングモールは『ここに行けば全部揃う』と言う謳い文句の通り様々な分野の店舗が並んでいる。
俺とはやても常連の店だ……まあ、食材云々に関してはもっと安い市場に行っているが。
「フードコートのどこかにいるだろう調理工程が見れる場所には必ず引っ付いてるからな」
そう思い探し始めたが………見事に外れた。
フードコートを2週程したがレイらしき影は見当たらなかった。
「余分に回ったからすれ違いは無さそうだよな……」
「コダイ様、玩具売り場を見て見ましたがそこにもいませんでした……」
「報告どうもサクラ」
予めサクラに上の階を探させたが外れに終わった。
「ここには居なさそうだな……ってアリサとすずかは?」
「2人ならアンズと本屋の所にいるよ~」
迷子防止の為手を繋いでいたエルが手を引いて、本屋のコーナーを指す。
本屋の手前の雑誌コーナーで2人して読んでいるアリサとすずか、その隣にアンズもいた。
「お~いそこのサボり魔。何やっているんだ?」
「ご、ごめんねコダイ君。ちょっと気になった雑誌を見つけちゃって」
「気になる雑誌………ああ、それか」
すずかが見せたのはなのは達が表紙の管理局関連を乗せた情報誌だった。
「親友が表紙を飾っているから思わず手に取ったと……でも読めるのか?」
「うん。分らなかったらアンズちゃんに聞いたから」
「言語は英語だけどニュアンスとかが微妙に違うのよね………えっと?『恋人にしたい女性局員ランキング』?……ミッドにもこんなのあるのね~」
アリサが雑誌をめくっていると気になるコーナーに目に止まった様だ。
「へぇ~なのは、フェイト、アリシア、はやて同率4位なのね……学校じゃ持て囃されてるのに何とも微妙な順位ね~」
「えっと……『知る人ぞ知るエースだから』『仕事も真面目に熟して礼儀正しいとてもいい子』……やっぱりなのはちゃん達有名だね~」
「………でも『有名過ぎて高嶺の花』『まだ子供だから』ってあるぞ」
アリサ、すずか、俺がなのは達が載っているコメントを読む。
「そう言えばまだ15になる位だものね……えっと第3位は……『オーリス・ゲイズ』?」
「地上本部のトップの娘だ。良く地上部に行くから何度か顔を合わせた事あるぞ?有能ではあるが見た目も中身も堅物だな」
個人的なオーリスのイメージをアリサに教える。
「そうなの?でもそれだけじゃ無さそうね……」
「………あ!『迷子の子供にケーキを食べさせたり膝の上に乗せたりしてるの見た。ギャップ萌えで落ちました』って書いてる」
「ねぇ……あんた確か良くそこに顔出すって言ったわよね?」
すずかが見つけたコメントにアリサが答えを見つけてこっちを見る。
……人気が出た理由はレイの所為だった。レジアスとの裏交渉の後、地上部によるとオーリスが良くレイの世話を買って出る……特に不安要素が無いから良いが。
今度何か持って行こう。
「2位は………『ドゥーエ・フェリエス』。知ってる?」
「……会った事は無い」
次のページに載っていたのは青髪のロングヘアーの女性だった。
「えっと……『意外にも心安い』『気軽なボディタッチが多い』『目が合うと笑顔で挨拶してくれる』………何だこのコメント馬鹿な男ばっかりだな」
コメントを読むと何と言うか……こんなの
と言うかこの女何か違和感があるぞ……
「こうしてみると男って本当に単純」
「男のアンタが言うな!……言いたい事は分るけど」
「やっぱり男女の考えの違いかな~」
「あ~……結局そこに行きつくか……」
「コダイ様、思いっきりガールズトークになってます」
アリサとすずかと話し合っているとサクラに止められた。
こうしてみると2位3位は美人で有能、4位はアイドル的な理由だな。
「さーて気になる第1位は―――――――え?」
「え?」
「やっぱり………」
期待感に次のページを捲ったアリサとすずかが固まり俺はほぼ予想通りと言った感じだった。
「第1位『コダイ・T・ベアトリス』………名前と同じ新たな魔法体系『ベアトリス式』を開発した事と4位の高町なのは、フェイト・テスタロッサ、アリシア・テスタロッサ、八神はやてと同期に管理局に入ったと言う事以外詳細が不明。そのミステリアスな雰囲気と黄金比になぞられた美貌が人気を呼んでいる」
「コダイ君……ここでも女の子扱いなんだね……」
「まあ……身内にしか言って無いからな」
内容を読むアリサに苦笑いしてこっちを見てくるすずか……
特に何かした覚えが無いな………
「コメントは………『小さいのに何かエロい』『色気が凄い』『時々可愛い服を着ているの見かける』『ベアトリス氏とよく似た子供と一緒に歩いている所を見て子連れと確認』『未亡人最高です』『怒られたい』『罵られたい』って後半変態ばっかじゃない!!!」
「なんで母親扱いされるんだろう」
「そればっかりは仕方ないよコダイ君。日頃の行いだよ」
すずか、それは諦めろって事か?
「さ、気になる所は読んだだろ?さっさと馬鹿を探しに行くぞ。気になるのなら買ってやるから」
「え?!じ、じゃあちょっと待って!」
それに慌てたアリサ達が件の雑誌と本数冊を持ってきた。何時の間に厳選したんだ……
本を購入してショッピングモールを出て次の目的地に向かった―――――
「まさか見事に外れるとはな………」
――――が、あれから周辺のレイ達と良く行く店を探したが見つからなかった。
「こうやって探してもいないとすると俺達が知らない場所に1か所に留まっていると言う事だな」
動き回っていたら誰か見ている筈だ、あんな奇抜な恰好しているんだから。
「僕達が知らなくてレイが居そうな場所?」
「お店等はもう探しましたし……」
「うむ、だとすると…………公園なんかはどうだ?姫」
公園か……確かに見ていないな。
「もしかしたら遊具の中で泣きつかれているかもしれないな」
ここら辺で公園と言えば1つしかないな。
着いた場所は北区近辺ベルカ自治領にある大きな公園。遠くから聖王教会が見える。
「ほら、ただのお茶。味は地球とそんなに変わらないと思うぞ」
着いたのは良いがずっと動きっぱなしだったアリサとすずかが若干疲れ気味だったので、捜索はマテリアルズに任せて俺が護衛を変わることになった。
ベンチに座っている二人に自販機で買ったお茶を渡す。
「ありがとう。レイちゃん見つかると良いね」
「と言うか見つからないと困る」
また次元超えは無いと思う。俺が転移で失敗して極寒世界に転移してるから下手に転移は出来ないだろうし……
「ふぅ……でも今考えると物凄い迷子ね……」
一息ついたアリサがそう呟いた。
「1人で留守が出来ると思ったらこれだ……未だに漢字も読めないしな」
「え?まだ読めないの?」
「ああ、それに未だに箸とお椀だ」
「………そう言えばそう覚えてたねレイちゃん」
お茶を飲みながらレイのアホな言動を思い出しているだろうすずか。
始めの頃に比べたら喋り方が流暢になったけどな……だけど未だに馬鹿のまんまだ。確か2度目の『エクステンド』の後だよな?
そう考えるとかなり不思議なデバイスだよな。インテリジェントデバイスの様に賢いと言う訳でも無い、実体化したりと区別が難しいデバイスだな。
当事者の俺でもまだ全容を掴めない。
―――今に始まった事じゃないか。別に勝手に発動する訳でもないし使ったら魔力を溶かす程度だしな。今は………
「よし、十分休んだし再開するか。見つけ次第掴まえてシメる」
「そうね、見つけたら説教してやんないと!」
「なるべく、穏便にね?2人とも……」
すずか……多分無理かもしれない。
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「待ちなさあああああああああああああああああああああああああああい!!!」
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「うゆうううううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
アリサがキレて、変な悲鳴を上げる何かを追い回している……どうしてこうなったかと言うと。
夕方近くまで探しても見つからなかった頃にエイミィから通信、レイが帰っていると言う事で速攻で帰還。
アースラに戻ると帰っていたなのは達と一緒にレイが呑気にケーキを食べていた………
話によると。レイは公園で迷子になり偶々であった子と遊んでいて、しばらくして迎えに来た人にここの転送ポートまで連れてって貰ったと………今度友達を紹介する約束もしてある。
つまり杞憂に終わって訳で……それでアリサが説教をするためにレイを追い掛け回している。
「にゃははははは……皆お疲れ様」
丁度帰って来たなのはにこの事を伝えると苦笑いが返ってきた。
「ア、アリサ!もうその位にした方が……」
「そうだよ、無事帰ってきたんだから……」
「フェイトちゃんアリシアちゃん、キッチリ叱るのも子供のためやで?」
止めようとしたフェイトとアリシアをはやてが止める。
「今回ばかりは庇い切れないよ……」
「自業自得だしな」
レイが逃げ回るのを見てるだけのすずかと俺。
「リイ~ン!!」
「レイちゃん!人に心配を掛けちゃダメです!」
リインは腰に手を当てて頬を膨らまして、かなりご立腹の様子。
「サクラ~!!」
「少し……頭を冷やしてください」
サクラ………お前までなのはに似るなよ?いや、もう遅いか。
「エル~!!」
「レイのバカ~!心配したんだぞ!」
逆切れ気味で両腕をバタバタと振るエル。人の事あんまり言えないぞ?
「アンズ~!!」
「骨は拾ってやる……安心して逝くが良い」
合掌するアンズ………いや、殺すなよ。
「コダ「アリサ、殺しても構わん事故で済ます」最後まで言わせ「やだ」うゆううぅぅぅぅぅ!!」
レイは周りを逃げ回って5分後、アリサに捕まり説教+ウメボシ(こめかみに拳を当ててグリグリとするかなり痛いアレ)の刑を受けた。
アルクオン様、桜日紅葉雪様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~