魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
前回のあらすじ………
何か次元の壁を破って来たような物体が目の前に現れた。
どう反応すべきかと言うよりどう無視していいか……
「「「「………………」」」」
なのは達は口を開けてアホ面になっているし。
≪わぁ~!ロボットだぁ~!≫
1人だけテンション高いのがいるが。
≪ねぇねぇ!一緒に写真撮ろうよ!≫
「ダメ」
≪ぶ~≫
不貞腐れているレイを無視。
「敵なの?……味方なの?」
――グポーン……
なのはの呟きに反応したのかロボットの目が光り、右腕が拳を作りゆっくり持ち上がって行く。
「どっちも嫌だけど……取り敢えず逃げた方が良いか」
その右腕は俺達目がけて振り下ろされた。
――ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
全員上昇して回避、ロボットの拳は地面にめり込み。その衝撃で巨大なクレーターが出来ていた。
それだけで無くそのクレーターを中心に地面が割れ、空気が震えて大地を揺らした。一撃でこの威力か……
「全員アホ面してる暇があったら動け、局員がこっちに来ている。後、局員とあの物体には攻撃するな前者は爆発するし後者は関わりたくもない」
一瞬、ハッとしてアホ面から戻ったなのは達は即座に散開した。
取り敢えず他の奴にも連絡するか。そっちにも来てるかもしれ無いし。
「クロノ、はやて」
――ザザ―――――――………
通信を繋げても帰って来るのはノイズだけだった。
「妨害?……だとしたらあのロボットか」
右腕を地面にめり込んだまま微動だにしないロボットを見下ろす………局員がそっちに向かって無いという事は……例の仲間か?
「っと……しつこいな」
次々と襲ってくる局員を避ける。カウンター狙って爆発してまた荷物になりたくは無い。
「爆発に巻き込まれるのは嫌だし……だったら」
≪バーニア!≫
魔力を噴出して一気に急上昇、それに局員が続いてくる。出来るだけ速度を出して、人数を絞る……っとこれぐらい離れれば大丈夫だな。
≪バニシングバスター!≫
追って来る先頭に向かって砲撃を放つ。
その時先頭が動きを止めて、後に続いた後続がたどり着き1つに集まっていく。
何をするつもりかと思ったら局員は一斉に障壁を展開してこっちの砲撃を防ぎ切った……
≪うそぉっ?!≫
「操られているからこそ連携は得意って感じだな……」
≪コッチ来たー!しつこすぎるよ~!≫
「さすが高ランク魔導師」
本当に厄介だな。攻撃すれば爆発して遠くから狙えば魔法で防がれる。
次に、周りの様子を見てみる………なのはとアリシアは防御主体で、フェイトは機動力で突っ込んでくる局員達を回避している……
≪ど、どうしよ~これじゃあ助けに行けないよ~≫
「…………要はあの装置を壊さず局員を動けなくすればいいんだな」
なら………やっと使う時がだな。
「レイ………落ちるぞ」
≪OK♪………うゆ?落ちる?≫
突っ込んでくる局員を状態を逸らしてギリギリで躱して。同時にバーニアを切り、重力に従って真っ逆さまに落ちていく……
――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……
≪ふぇえええええええええええ??パラシュート、パラシュート!≫
「落ち着け、とりあえず集束砲撃やるぞ」
≪うゆ?!……そう言えば完成して1回も使ってないよね?≫
「使う状況が無かったからな」
だがまだ集束はしない。よし、来てる来てる……
アリシアが言う様に操られているならどこか遠くで見ている筈だ……なら遠目からでもチャンスと思わせる状況を意図的に作れば……
逃がさないために俺を囲う様に追ってくる局員……この位置ならやり易い。
体勢を整え、胸の前に両手を置き魔力を一気に集束を行う。両手の間からベアトリス式の魔法陣が現れその前方に収束した魔力がスフィアを形成して風船の様に膨れ上がった。
「見敵……全殺……」
≪ジェノサイドォォォォ………ブレイカアアアアアアアアアアアア!!!!≫
限界まで集束した魔力は人1人を包める程大きく膨れ上がり。それを両手で相手に向かい押し込むと風船が破裂する様に弾け――――
――キュイン!キュイン!キュイン!キュイン!キュイン!キュイン!キュイン!
無数の虹色の閃光になり縦横無尽に飛び交い局員を四方八方から閃光が貫き、腕や脚、体を抉り飛ばしている。
あのパーツが爆発の元ならそれ以外を消し飛ばすまで………
「これで……最期。あとはこれを―――逃がすだけ」
視界を覆うほどの虹色の閃光は捻じれ1つの巨大な砲撃になって上空へ昇り四散した。
跡に残ったのは光に反射して光るあのパーツのみ。
「パーツのみ残すのに意外と神経を使ったが……誤差も暴発も何もない」
どうやら、あのパーツは壊れる事で爆発する仕組みだったようだ……対策の1つが分った。
≪やった!!成功だ~!!!――――って落ちるうううううううううバーニアァァァァァァァァァァァァァァ!!≫
あ、そうだった、現在落下中だった。
地面と結構ギリギリでレイの殆ど絶叫見たいなバーニアが起動してなのは達の上空へ向かう。
「コダイ何あれ!?なんか凄いのが一杯飛んでたけど!」
戻ってくるとアリシアがテンション高めでこっちにやって来た。
「あれはジェノサイドブレイカーの完成形だ」
「ジェノサイドブレイカー……って闇の書の防衛プログラムの時に使っていたって言うアレ?」
そう言いながらアリシアに追いついたフェイト、その次になのはがやって来た。
「ジェノサイドと言うなら全滅させる様な集束砲撃しようして考えて、さっきの様に広範囲殲滅型と最後の閃光を一点に集めた一点集中型を両立したこれが完成形。数は多いが誘導制御はそれほど苦労はしなかったな。ディレィスペルの慣れで」
今回は特例で、普段なら普通に狙いを定めれば良いだけだし。
「でもそれって集束の必要無いと思うよ?コダイ君の総魔力量なら十分普通の砲撃魔法でも余裕だと思うの。並列処理得意なんだし」
なのはから砲撃魔導師らしい意見がでた。
「一応可能だけどそれだとプロセスがややこしいんだ、放出に圧縮に誘導制御やら……その分集束なら魔力は勝手に溜まるし自分の魔力は発動と誘導だけに割ればいいからこっちにしたんだ」
「なるほど、ただ消費魔力の補強だけで無くて発動までのプロセスの略式化にもなるんだ」
………納得した様に手を叩くなのは。こいつ魔法関連だと本当に理解速いよな。
集束砲撃としては燃費が悪いけど性能を考えればプラマイゼロだな。
これでここは片付いたし、この有様では犯人はもう逃げてそうだな……ここは他と合流してロストロギアの捜査にあたるか………
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
突如として発生した大きな揺れ。さっきの物体が出した物でなく本物の地震の様だ。
≪うゆっ!?何これ?地震!?おへそ隠さなきゃ≫
「だからそれは雷だって。それよりもあの物体は何をやっている?」
「コダイ君、上!」
――ゴオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ……
なのはの指す上を見ると。あれはいつの間にか車に戻って(?)俺達の頭上を走り去った……
「……何がしたかったんだ?」
地面殴って終わりだったよな?
≪コダイ!リンディから通信≫
通信?と言う事は妨害が解除されたのか?
「リンディ?どうした」
「ようやく繋がった!」
展開されたモニターにはリンディの後ろに慌ただしくしているクルーがいる。
「緊急だから手短に話すわ。今この世界に大規模な次元震が発生、次元断層も確認されました、このまま収まる気配は無く更に大きくなると予測……至急帰還してください」
「クロノとはやては?」
「今、エイミィ達が伝えています」
「ん、分かった」
もしかしてあの物体の目的って……次元震の時間稼ぎか?
「聞いた通りだ、全員帰還する」
「「「了解」」」
そう言えばこの世界にロストロギアの反応があるんだよな?
「≪レイ、ロストロギアの反応があるか分かるか?≫」
念話でレイに聞いてみる。
≪うん―――あっ!………うゆ?≫
「≪どうした?≫」
≪うゆ~あった様な無かった様な……≫
確か反応も一瞬って言っていたな。
「≪この規模の次元震と次元断層ならロストロギアも飲み込まれるだろうな≫」
ならもうここに用は無いな。俺達はアースラに帰還した………
アースラに転移をしてすぐにリンディの元に向かうと。俺達が今までいた世界がひび割れて地割れで陥没したりしている映像が映し出されて、アースラのクルー達が慌ただしく動き回っていた。
一応装甲は解除していない解いたら血まみれだからな、頭部の装甲だけ取っている。
大規模の次元震と次元断層……ロストロギアの暴発………だが反応は一瞬だけだった。
「クロノ分隊!八神分隊!同時にアースラ転移を確認しました!」
「急いで離れるのよ!このままでは次元震で発生する余波に巻き込まれるわ!!」
「了解!」
リンディの指示のもとクルー達は迅速に行動を開始した。
「全員無事か?!」
「皆大丈夫?!」
そこにクロノとはやて達が駆け込んできた。
「俺以外はな……装甲の下が結構大変」
「シャマル、コダイ君を!」
「はい!コダイ君装甲を解除して。応急手当てをここでします!」
シャマルの指示に従い装甲を解除して、シャマルの治療を受ける。
「コダイ、そのまま聞くがその怪我は?」
「局員の爆発を間近で受けた」
「爆発……と言う事は」
「そう言う事だ……」
「これは……相当厄介な奴がいる見たいだな」
治療を受けながらクロノに簡単に報告する。
これで局員の謎の爆発については判明できた様だな。
「――――ああっ?!」
1人のクルーの叫び声に全員の視線がモニターに集まった。
全員がアースラに帰還して数10分後、第101番無人世界は崩壊した。
頭翅様、アルクオン様、桜日紅葉雪様、ミラ ランドラス様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~