魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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最初に言って置きます……コダイ以外シリアスです。



世の中大きければ良いと言うモノでは無いbyコダイ

 第101番無人世界。文明レベルE、魔法文化有り、生息しているのは原生生物のみ。自然に溢れ太古の地球を思わせる世界で。遺跡もある事から、かつて人が文化を築いたのでは無いかと仮説もされている。

 現地をなのは、フェイト、アリシアと飛びながクロノとはやて同時にモニターを開いて通信している。

 

「所で何で今更こんな世界の調査を?特に何もなかった筈だが……」

「そうなんだが最近の情報だと微弱なロストロギアの反応が見つかったらしくそれの調査らしい……」

「一瞬?気のせいじゃないか?」

「装置の故障とか考えられへん?」

 

 ロストロギアにしては微妙な情報に俺とはやては似たような答えを出した。

 

「1度だけならそう思うさ、だけど何度も発生したら調査するしか無いだろ……」

「そうなるとそのロストロギアも調査した方がええかもな……先日のロストロギア強奪の件もあるし」

「と言うかその反応が本物だとしたら随分と小心者のロストロギアだな……」

「あ~……何か納得。そう聞いたらそうとしか思えへん」

「とにかくロストロギアの調査は僕とはやてが受け持つから、コダイ達は救助を最優先だ」

「了解。全員言われた通りこちらは救助優先だ」

「「「了解!」」」

 

 並走して飛んでいるなのは達に確認を取る。

 

「こちらがロストロギアを発見次第即時連絡をするから通信は開けておいてくれ」

「分った」

「了解や」

 

 強襲隊に命令できるのは同じ強襲隊のみだからな。

 

「そうだ、聞きそびれた事があるんだが。管理局が襲撃された時の被害者の中で1人だけ死んだのがいたよな?」

「そう言えば言って無かったな」

「そいつについて教えてくれないか?死因とかその時の状況とか」

 

 管理局に襲撃掛けるなんて事しているのに死亡者が1人だけと言うのも何か腑に落ちない……

 

「―――爆死だ、それ以上は分らない」

 

 クロノから返ったのはその一言だけだ。

 

「それだけか?この事件の担当になったんだ、他にもあるだろう」

「言い方が悪かった……爆発で死んだのでは無く、局員が爆発して死んだんだ―――」

「人間が爆発した?」

 

 その言葉に立ち止り、なのは達とモニターを囲むように集まった。

 

「他の局員の話だとその局員は駆け付けた時は犯人の足元で倒れていた。それを犯人が投げて寄越したと思ったら目の前で爆発した……現場にいた意識がある局員の話を統合するとこうなる」

「人が爆発ねぇ………一応やり方はいくらでもあるけど、爆発の規模は?」

「跡形も無く吹き飛んだ、現場を見たが焦げ跡しかなかった……負傷した局員はその爆発に巻き込まれた」

「容赦が無いと言うよりは命知らずだな……そんな爆弾を至近距離で使うなんて」

 

 威力を極力弱めて内臓とか骨とか残る様にしてお仲間さんに見せつける方が精神的にも効果的なのに……

 とにかくあいつらがその局員に爆弾らしきものを埋め込んだのは分った。

 

「爆発の原因は一切不明で………すまない、サクラが部隊を発見したようだ。切るぞ」

「あ、こっちもシャマルが見つけたみたいや……ほな後で」

 

 クロノとはやてが通信を同時に切る。

 

「コダイ!こっちも見つけたよ!」

 

 丁度こっちもアリシアが見つけたようだな。

 

「………急ぐか」

 

 久々のスタイル・ブレイザーの機能『バーニア』の出力を上げて目的地へ向かう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時空管理局です!!」

 

 反応があった場所に降りると、フェイト達は真っ先に近くに倒れている局員に向かった。

 フェイトが声を掛けると、気が付き此方を見てきた……見たところ気を失っていただけで大した事はなさそうだな。

 支えなくても立っているみたいだし。

 

「この状況をみると、何かに襲われたか」

 

 周りを見回すとここ一帯だけ何かが爆発した様に焼け焦げていた。

 

 負傷した局員……焦げ跡……ロストロギア………

 

「まさかな……」

 

 大方誰かがでかい砲撃でも使った位だろう。

 

「コダイ、ここにはこの人しか居ないみたいだよ」

「そうか……俺はクロノに連絡するから、フェイトはリンディに転移の準備を」

「分かった」

 

 俺はクロノに連絡を取った……

 

「クロノ、局員を1人見つけた」

「1人だけか?」

「そうらしい……派手な爆発の跡に延びてた。そっちは」

「こっちも何人か……はやても同じぐらいだ、だが調査に行った人数と合わない」

 

 クロノの後ろには怪我をしている局員がいた。

 確かにロストロギアを探すのにこれ位では足りないな。

 

「コダイ、引き続き救助の方を頼む」

「分かったよクロノ、もう少し調査範囲を広げる」

 

 クロノとの通信を切る。さて……ここに居て1人しかいないと言う事は無いだろ、吹き飛ばされてどこかに―――

 

「「フェイト(ちゃん)!後ろ!」」

 

 何が起こったのかは今のなのはとアリシアの声で分かった。フェイトの後ろで腕を振り上げている救助した筈の局員がいた。

 取り敢えず顔を蹴り飛ばしておいた。

 

 

――ゴシャッ!!

 

 

 局員は避けたり防ぐ素振りも見せず蹴りを顔に喰らい数メートル後ろに飛んで頭から落ちて行った。

 

「何だ?あの感じだと脅しとか性質の悪いイタズラには見えないな」

「フェイトちゃん、大丈夫!?」

「う、うん、大丈夫だよなのは……コダイが助けてくれたから」

「ちょっと!私の妹に何するのよ!!」

 

 なのはがフェイトの前に立って声を掛けて。アリシアは俺の隣でハルバートを局員に突きつける。

 蹴り飛ばされて、頭から落ちた局員は何事も無く立ち上がってこっちを見てくる。

 

「……………」

 

 局員は無言で見ているだけだ……

 

「ちょ……ちょっと!何か言いなさいよ!」

「逃げ腰で言っても説得力無いぞアリシア」

 

 その不気味さにアリシアが一歩引いていた。

 局員はただこちらを無言で見ている、その眼に違和感を感じた。目はこちらを向いているのに見られている様な感じがしない……ただ開いているだけの様な感じだ。

 

「コダイ君、あの人何か様子おかしくない?」

「なのはも気づいたか?」

「うん。教導とかやっていると人の動きとか観察するからかな?あの人がコダイ君の蹴りを受けた時の動きが何か……しっくりこないと言うか噛み合って無いと言うか……」

「………人間らしくないと言いたいのか?」

「そう!それ、無防備に蹴られたとしても倒れる時に受け身とか手を付いたりする筈なのにしていなかったの」

「それだけ分れば上出来だ。これは救助は無理そうだな……吹っ飛ぶ位蹴られても平然と立ち上がってくるこれはもう操られてるな」

「洗脳?!でもそれらしい反応は無かったよ?操作系は対象に一定範囲に居ないと使えないし」

「アリシア言う条件だとしたらどこかで高見の見物してそうだが………探す暇は無さそうだな、フェイト」

「うん、みんな円陣を組んで。囲まれてる……」

 

 フェイトの言葉になのはとアリシアと4人で背中合わせの円陣を組んだ。

 周りから複数の気配……数は20か?物陰から次々に局員が……全員似たような感じだな。

 

「≪これだけの人数が出待ちとはな。人気者は辛いねエース様≫」

「≪茶化さないでよコダイ君!今はそれどころじゃないよ!≫」

「≪どうする?操られたとしても相手は局員だよ?拘束……出来る?≫」

「≪下手に止めようとすると局員に負担が掛かるかも………もしかしてはやて達やクロノ達も同じ様な状況に?!≫」

 

 念話でなのは、アリシア、フェイトと話し合う……

 拘束……して大人しくなるような相手ではなさそうだな、操られているし。

 あの2人と同じ状況なら連絡は出来る状況ではなさそうだな。

 

「≪だったら、やる事は1つだ。非殺傷設定で操れない程動けなくするだけだ≫」

「≪………それしか無いよね≫」

 

 意を決してなのはがレイジングハート構えた。

 

「≪大丈夫だなのは、お前の得意分野だろ?≫」

「≪私そんなの得意にした覚えはないよ?!≫」

「≪ゴメンなのはチョット納得しちゃった≫」

「≪フェイトちゃん?!≫」

「≪それの被害者だもんね~フェイト≫」

 

 フェイトとアリシアの言い分に納得いかないと言う感じで俺を睨むなのは……

 ここにヴィータが居れば間違いなく首を縦に振っていただろうな。

 

「さて、こう駄弁っている間に全員出て来たかな?」

 

 周囲を見回すともう茂みから出てくる局員はいない。数は24人か……

 

「≪全員、一斉に上に飛ぶぞ≫」

 

 念話で伝えて3人が小さく頷く。

 局員はまだ動かない。遠隔操作だとしても精度は低いから行動に条件があるはず―――定番はこれだな。

 

「合図はド派手に―――っと」

≪スローナイフ・二重(デュオ)!≫

 

 2つ重ねたスローナイフを固まっている局員の集団の中に放り投げて爆発させる。通常のスローナイフの文字通り倍の衝撃と音を周囲に響かせる。

 その瞬間、弾かれる様に局員が一斉に飛びかかって来た。

 

「来たぞ」

 

 4人で一斉に上空へ飛ぶ。囲む状態から飛びかかった局員は中心でぶつかり合った。

 

「コダイ、あそこ見て!」

「何だ?」

 

 フェイトに言われ指した方を見ると炎や雷、魔力光が飛び交っている場所が2か所見つかった。

 

「どうやらフェイトの予想は正しかったようだな……」

 

 この程度の相手ならクロノ達やはやて達も遅れを取る必要は無さそうだな。突っ込んでくるだけだし。

 無言で立ち上がってくる局員を見下ろしていると。局員の手から杖や槍などのデバイスの武器が次々に展開されていき。空を飛んでこちらに迫って来た。

 

「あ~……そうだった。操られても局員だった。付かず離れずお互いにフォロー出来る距離を保って散らばれ」

「「「了解!」」」

 

 全員別方向に飛び相手の戦力を分散する。俺のところに来たのは6人……もう少し多い方が良かった。

 

「コダイ、はやて!応答してくれ!!」

「ごめんクロノ君!今手が離せへん!」

「取り込み中だ手短に―――と言っても大体予想は出来るな」

 

 突然クロノからの通信が届きはやても通信を開いた。

 後ろから聞こえる音で戦闘中だと分る。

 

「救助した局員だが誰かに操られたようにこちらを襲ってきた。投降に応じず止むを得ず交戦中だ」

「やっぱりな……」

「こっちもや!拘束しても無理やり破ろうとするから局員が壊れてまうし。だからと言って魔法で叩いても起き上がって―――ああもう!バルムンク!!」

「何か非殺傷設定というのが裏目に出てるな……っと」

 

 槍を構えて突進してくる局員に拳で顎先狙いのカウンターを当てる。だがその手を掴まれて槍を捨ててこちらに組み付いて来た。

 

「脳を揺らしても駄目か……ん?」

 

 ここで初めて局員の顔を間近で見た……血色が悪い、血が通って無い様だそれにこの感触……まさか。

 

≪コダイ後ろから魔法がいっぱい来る!≫

「せめてどんな魔法か特定してくれないか?」

 

 バーニアを反転させて組み付いている局員ごと上下逆になる。反転した視界に数人の局員が魔力弾を形成して発射していた。

 組み付いている局員を前に蹴り飛ばし、飛んでくる魔力弾の盾にする。

 

「クロノ、はやて……どうやら俺達は罠に嵌ったみたいだ」

「罠?」

「え?それってどういう……」

「ここにいる局員はもう手遅れだって事だ―――」

「………そう言う事か」

 

 クロノが苦虫を噛み潰した顔をしている。

 

「それってまさかここに居る局員たちはもう……」

 

 はやても理解して青ざめている。

 掴まれた時の冷たさと血色の悪さ……局員はもう死んでいる事がわかった。

 

「そう言う事だ。でどうする?もうこの際殺した方が良いだろ」

「…………それしか案が無いみたいだな」

「……了解や」

 

 クロノとはやてとの通信を切った。

 

「よし……殺せるならこっちのものだ……って、通信中も殴ってるのに、いい加減倒れろって……?」

 

 何だ?……この局員の首の後ろにある金属パーツは………もしかして。

 

「これか?」

 

 裏拳をそこに向かって振るう、バキンと割れる音が聞こえると局員の体勢がガクンと崩れた……これで操っていたのか。

 

 

――ボコボコボコボコ!!!

 

 

 その瞬間だった、局員が泡立つように膨れ原型を崩し、皮膚が張力の限界を超えて破れた直後。強烈な光が視界を埋め尽くした―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――イ―――ダ――――コダイ!!!」

「?………フェイト?――――っ」

 

 何が起こったんだ?今、分かってる事は俺は装甲が大破したボロボロの状態でフェイトに脇に腕を通して抱えられている。体がうまく動かない……

 

「あの時何が起きた?」

「コダイの方から凄い光と音がしたと思ったらコダイがこっちに吹っ飛んで来たから……」

「受け止めてこの状況か……ありがとう」

「うん、けど動ける?」

「痛いが問題無い。レイ」

≪リコール≫

 

 装甲を再構成してフェイトから離れる。

 

「その話を推測すると……俺が局員を操っている装置破壊したら、爆発してその周りにも連鎖して爆発、俺はここに飛ばされたか」

 

 意識が飛んでいたという事は1回死んだわけか。

 どうりでうまく動かない訳だ……爆発を全身で浴びた訳だし。最悪でも骨は折れてるなこれは。

 

「それよりも予想以上に最悪の状況だなこれは……」

「それってどう言う―――」

「フェイト!コダイ!」

「2人とも大丈夫?!凄い爆発したけど!」

 

 フェイトが何か言いかけた時、アリシアとなのはがこっちに飛んで来る。さっきの爆発で駆け付けたみたいだな。

 

「俺がそれで吹き飛ばされた以外はな……それよりも状況は思った以上に最悪な展開になった」

「それさっきも言ってたよね?どういう事?」

「……俺達は釣り餌に見事に引っ掛かったって事だ。今回の事件は先日の管理局を襲撃した犯人と同一犯だ」

「つまり誘い込まれたって事?でも局員まで操ってまでここに呼ぶ理由って……」

「ロストロギアだろうな。管理局なら最優先するべき事項だし……」

 

 アリシアの言いたい事は分る。一瞬しか捉えなかったロストロギアの反応以外なのも無いこの世界を舞台にするのはかなり環境が悪い。

 

「ああそれと、下手に魔法は使うな。もれなく局員が爆発するぞ。首の後ろにあるパーツを破壊すると爆発する仕組みだ」

「爆発?!まさかさっきの爆発って―――」

「その通りだなのは。さっき体験してきた……犯人がそれで判明できた。先日の事件で唯一死亡した局員の死因は爆死だ。焦げ跡しか残さない規模、それに先程救出したはずの局員の近くにも焦げ跡があったからな」

 

 あの犯人達がロストロギアの反応を調査した局員全員を殺害、そして操り救難信号を送り、俺達をここに呼び寄せた。

 無理やり合わせるとこんな感じだが……まずはここの操られている局員をどうするかだ。あの装置が爆発と操りの原因なら引き剥がせばいいがそれなら絶対爆発するだろうな、経験上……

 現時点で出来るのは爆発の範囲外での殺害のみか――――

 

≪≪≪≪超巨大な反応を確認!!上です(だよ)!!≫≫≫≫

「次から次へと……もう満席だぞ」

 

 突然のデバイス達からの警報に全員上を向いた……

 

 

 

 

 

――ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「「「「……………………え?」」」」

 

 思わずなのは達と間抜けな声を出してしまった。

 遠くからでも大きいと分かる……それ位本当に大きいのが物凄い速さでこっちに降りて来てる。

 問題はそこじゃない……何て言うか……うん。ツッコんだら負けだなこれは……

 

 

 

 

 

――ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ………!!!

 

 

 

 

 

「車……か?あり得ない色だけど」

「車……なのかな?あり得ない位大きいけど」

「車……だよね?何か物騒なの付いてるけど」

「車……なんだよね?飛んでるけど」

 

 俺、なのは、フェイト、アリシアでお互いに確認を取る。

 降りて来たのは現実からかけ離れた(魔法の時点で離れているだろうと言うツッコミは無し)、赤……と言うか紅の色をした巨大な車だった。

 

 

 

――ガキィン!!!

 

 

 

「「「「え?」」」」

 

 その車は近くまで来ると速度を落とさず耳に残る様な音を立て始めた。

 

 

 

 

――ガキィン!!ガキィン!!ガシュン!!ウィーン……ガシィィィン!!!

 

 

 

 

「「「「……………」」」」

 

 言葉にすると上記のような音を何度もしながら部位が変化?……変形するのを茫然と眺めていき………

 

 

――ガキイイイイイイィィィィィィィン!!!

 

 

 

 えっと………変形し終えると車だったのが超巨大の人型に変形して?ポーズ何かを決めだした…………うん、何だこれは?

 

「車から人が!?」

 

 なのは……それを言うなら『車から人が』でなく『人が車に』だろ?

 

「アレ何!?デバイス!?」

 

 あんな次元の壁をブチ破ったデバイスがあるかアリシア。

 

「何だろう……エリオ喜びそう…」

 

 フェイトの言う通り、エリオの歳なら喜びそうだな、実際に―――

 

≪カッコイイ~♪≫

 

 中で目を輝かせてるだろうレイが居るし……とにかく言いたい事は1つ。

 

「………これとは絶対に関わりたくない」




※ふざけていません真面目です。

桜日紅葉雪様、更識 天様、アルクオン様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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