魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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クリミナルは何時もこんなノリでやってます。
仕事はちゃんとやってますが大体執務室ではこんな感じです。


部隊はいつもこんなノリbyコダイ

「………………」

 

 

――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!!

 

 

「「「………………」」」

 

 

――ガタガタガタガタガタ!!

 

 

 皆に一言行って同窓会を後にして。そのまま本局にあるクリミナルの秘密の執務室に入ると。

 無言の上に笑顔で威圧しているクイントの前に正座してガタガタ震えているサクラ、エル、アンズがいた。

 

 

「状況報告を求む」

「此処であの子達が喧嘩してしばらくしたらクイントさんが叱っていたんだ」

 

 ティーダが簡潔に教えてくれた。要するに………

 

「何だいつも通りか」

「うん、いつも通り」

「ガタガタブルブル」

 

 レイは俺のコートの裾を握りしめて震えていた………

 絶賛クイントに怒られ中の3人と同じく怒られてるからトラウマ再発したか。

 

「主コダイ、レイ、任務お疲れ様です」

「アイン、そっちはどうだった?」

 

 今日は特に仕事は無くここに待機と言われたはず……

 

「いつもと変わりません」

「いつもとね――」

 

 3人が怒られるのを込みでいつも通り、何もなかった見たいだな。

 

「すまない待たせた」

「あ、クロノだ!」

 

 レイの言葉に反応して全員クロノを見る。

 

「ごめん、ちょっと遅れたかな?」

 

 その直後にユーノが無限書庫から極秘で中継してきた……アレ?

 

「ユーノ……ここに来るんじゃ」

「結構仕事溜まってるからね~軽い徹夜だよ」

 

 無限書庫の軽い徹夜は2.3日では済まないと耳にしたが………

 

「さて、全員顔を合わせた所でコダイ、今回の任務の報告を頼む」

「了解、まずはこれを見てくれ―――」

 

 俺が拡大して映した映像は、あの施設でのレイに録画させた戦闘映像だった……

 初見の敵だったので性能を見せる為にあえて長引かせて戦闘を行った。

 まず現れた白い敵の姿に全員が驚いた、情報保護のため頑強に造られてるデータベース素手を破壊する力とその後なのに傷1つ付いていない全身を覆う白いプレートの頑丈さ、そして訓練された人間染みた戦闘能力に痛みを感じていない機械の様な行動………

 更にデバイス用い高ランクに近い魔法を発動した。

 今までの敵は明らかに異端と呼べるべき存在を事を切れるまで誰1人として口を挟まず見続けた―――――――

 

「はぁ―――AMFの未確認体に続いて管理局の魔導師と同等の動きをする未確認体か………」

 

 白い敵が機能を停止した所で映像を終えて、初めに口を開いたのは深く息を吐いたクロノだった。

 

「体系は近代ベルカね~………う~ん、騎士の武器は大体槍とかのポールウェポンだものね、誰のモデルとか特定はしづらいわね」

 

 映像に映された魔法陣を見て難しい顔をしたクイント。

 以前ザフィーラに聞いたベルカの小話のオチで『和平の使者なら槍は持たない』と言われるだけあってベルカにとっては槍は基本的な武装だったのかもしれない。

 シグナムの剣やヴィータの槌やクイントの拳が変則中の変則見たいだな。

 

「映像を見るからにあの犬と似たような感じだけど、実際に戦ったコダイはどう思う?」

「ティーダの言う通り今までとは桁違いだが倒せない敵では無いな。人体の構造を模倣している分、首を集中的に攻撃すれば問題無いが逆にそれ以外は何の意味を持たない………だが1体だけだからこれで済んだが集団で陣形を組まれたら厄介だな」

「そっか、今までと違って人間染みた行動も出来るから陣形も取れるんだ……あの犬と違って精度は段違いだから。数はそんなに多くは作られてはいないかも……」

「あそこにあったのは1体だけだしな。アイン、ベルカの時代にコレに似た外法や禁忌とか無かったか?」

「そこまで記憶が明確ではありませんが……似た様なのはあります。ですが知能はそれほど高くはありませんでした」

「だとすると全く別物……ここ最近に出てきた新しい技術か。一応中身を調べたが、正直アホらしくて何も言えない」

 

 何と言うか誰もが考えそうで俺位しか実行に移そうとしない行為……

 

 

「コダイ君がそこまで言うなんて……あの白い奴の中身ってそんなにやばかったの?」

「―――見た方が早い………さてクロノ、ティーダ、クイント。この顔に見覚えはあるか?」

 

 再び映像を再生させる、そこに映っていたのは仮面をはぎ取った後の顔が映っていた。

 

「……あれ?見た事ある様な……ティーダ君は?」

「クイントさんもですか?俺もどっかで見た事があります……えっと確か―――」

「こいつは―――数年前に管理局が拘束した次元犯罪者!」

「「あ!」」

 

 映像見て、最初に分ったのはクロノだったそれに他の2人も思いだした様だ。

 

「そいつの他にもあそこの研究施設のデータにも生前のデータが載っていたが、まあ――――」

 

 俺は全員に見える様にそのデータ展開した。

 

「詳しく言えば公式に『処刑』された犯罪者のデータだがな」

「法の番人の管理局が法を外れた奴を利用する。確かに何とも言えないな」

「いやクロノ、この部隊も似た様なもん。三提督の公式犯罪組織だから」

「言うな。分ってて言ったんだ……」

 

 少し慣れたとはいえショックを隠せてないクロノ。

 相変わらずだけど、これ位の奴がいないとこの部隊は動かないしな。

 

「それにその施設にも戦闘機人のデータがあった、それに全員が1度も遭遇した犬型の未確認体がその施設の近くにあった。そしてクローンか本人か分らないが処刑された次元犯罪者。これらを結び付けて考えられるのが1つ―――管理局が『処刑』と処理した犯罪者を戦闘機人の人体に機械部品を埋め込む技術を応用して、あの犬型の未確認体と同じ事をして使い勝手のいい武器を造り出したと言う事だな……」

「局員と同等の動きが出来て高い資質、それなのに管理局が動かない事を考えると処刑された次元犯罪者はうってつけと言う事か……」

 

 クロノの言う通り、あれだけの動きが出来る人間を万年人材不足の管理局が戦力として表沙汰にしない理由は中身が元次元犯罪者だからだ。

 人造魔導師ならまだ色々理由は付けるが……

 

「確かにこの方法なら戦闘機人の欠点の『拒絶反応』や『長期使用における機械部分のメンテナンス』は死体を使えばそんな必要無いから解消されるし、パーツもあの機械に近いからコストも低そうだな。色んな所に知恵が回るな管理局って」

「……でもこれって出てきたの最近だよね?考えたくも無いけどコストも製作方法も聞いてしまえば簡単そうだし、何でこれをロストロギアの回収に使わなかったんだろう?」

「そんなの速攻で足が付くに決まってるだろ。考えてみろ?素材が処刑された犯罪者だ、処理とか後始末は管理局が秘密裏に行っているんだそんな物が戦力に使われたらまず管理局にバッシングが来る。人造魔導師ならそこら辺の技術系の犯罪者に押し付ければ済む話だしな」

「あ、なるほど………」

 

 ティーダの疑問に答えると納得するが何故か微妙な顔をしてきた。

 

「よく、そんなにスラスラと答えられるね……」

「小悪党の考える事は同類だからすぐ分る。ロストロギア回収についてはもう1つ理由があるけどな」

「………確かに犯罪者の遺体を横流しして施設に運んでも、死体の処理で済むもんね。処刑された犯罪者のその後なんて誰も考えたくも無しね」

 

 仕事に一区切りついたのかユーノが周囲にまた本を動かしながら話して来た。

 

「更にその手の犯罪者は決まって高ランクだしな、低くても後天的に資質を上げる戦闘機人の技術でどうとにでもなる。これほど鮮度の良い素材は無いという事……まさに産地直送だな」

「いやコダイ、上手く行ってる場合じゃないから」

 

 ユーノが呆れていた。

 

「………で、コダイ。さっき言っていアレがロストロギア回収に出なかったもう1つの理由は何だ?」

「………クロノ、これはあくまで仮定だ。今回遭遇した未確認体は大きく分けて2つに分けられる。今回ロストロギア回収に当たった性能の低い大量生産目的の円筒型の未確認体と足が付く事を度外視すれば高性能の犬と人の2種類の未確認体。さっきも疑問に上がったが後者の未確認体が回収に現れない理由だが………そもそも必要ないからだと思う」

「必要ない?ロスロトギアは次元犯罪や戦争の切っ掛けになる火種その物と言って良い程だぞ?それを必要ないって―――」

「理由は……まだ分らない。もし必要ならば未確認体が回収した所を横取りする筈だ。それ位の性能と知能はある、仮定として言える事は………今回の任務で遭遇した未確認体を製作した技術者は複数いる、それにお互いに関与していない」

「そうなると更に頭が痛くなるな。技術系の次元犯罪者が最低でも2人………しかも同時に起きている」

「まあ、ロストロギア関連はなのは達に任せるか。特にはやての奴、近い内にとんでもない事を言い出すぞ」

 

 同窓会で何か難しそうな事考えている顔してたしな。

 

「はやても指揮官研修の最中だから、この任務で色々考えているだろうな……ロスロトギアに関しては良いとして問題はあの屍兵器だ。これからどうする?」

 

 クロノが頭を押さえていた手を離してこちらに向いた。

 

「やれるだけの事はやるさ。ユーノは無限書庫で過去に似た事例が無いか調べてくれ。クイントとティーダはあれと同じ系統の施設の調査。残りは強襲隊として表から探りつつ揺さ振りを掛ける」

「要するにいつも通りだな」

「そう言う事………さて―――」

 

 さっきから静かな子供組のほうを見ると……やたらと青い顔をしている4人が居た。

 

「ゾンビイイイイイイイイイ!!!!○オオオオオオオオオオン!!!」

「ひぅっ!!」

「あれは幻あれは幻あれは幻あれは幻あれは幻あれは幻アレハマボロシアレハマボロシ――」

「きゅう――――」

 

 エルの悲鳴に似た叫びで、驚くアンズ、そしてサクラの自己暗示の様に呟き、最後にレイの気絶……

 

「何があったアイン……」

「あの白い敵が死体だと分った時にエルがゾンビだと言い出して」

 

 そう言えばホラー系全然だめだったな。

 

「そこで主、少しばかりお願いを――――」

「ん?どうした、改まって………」

「私を含め5人にRPG(ロケラン)の手配をお願いします!」

「怖がりの癖にホラーゲーム見るなよ。ゾンビならショットガンで充分だ」

 

 肩を掴み迫るアイン。そう言えばこいつもダメだった………なのに全員でエリオがやってたホラーゲームとか見てるしな……

 傍から見れば内容よりこいつ等のリアクションが面白くて殆ど画面見て無い。

 

「取り敢えずご飯にするからあいつ等を(こっちの世界に)蘇生させて来い」

「は、はい!」

 

 青い顔のままアインが子供組の方に向かった。

 さて、今日は魚系統にするか………

 

 

 

 

 

 

 

「コダイ君、ちょっと良い?」

 

 食事も終わり、クロノは仕事にアイン達は寝静まった頃、クイントに呼ばれた。

 

「どうした?」

「えぇ……まあ……」

 

 何か歯切れの悪い返し方だった……

 

「チョット長くなるけど良い?」

「問題無い……紅茶でも淹れるか?」

「ありがとう」

 

 淹れた紅茶を1口飲んで一息ついたクイント。

 

「ねえコダイ君………戦闘機人ってどう思う?」

「戦闘機人ね……それとクイントと何の関係が?」

「そうね、まずはそこから話さないと――――」

 

 ―――クイントが局員だった頃に戦闘機人関連の捜査の途上で姉妹の子供を養子に引き取った。

 だがその子供が普通では無かった、魔力資質が高いだけでなく子供が産まれてない筈なのに自分の遺伝子資質と一致した………

 検査の結果。何者かが自身の遺伝子を勝手に用いて製作された戦闘機人と判明した。

 そんな奇妙な運命もありクイントとその夫であるゲンヤ・ナカジマと共に娘として共に暮らしていた――――

 

「だから戦闘機人の話をした時に黙っていたんだな」

「えぇ…………コダイ君はどう思う?」

「どう思うって?」

「貴方は戦闘機人についてどう言う考えを持っているの?」

 

 戦闘機人ねぇ………

 

「ロケットパンチとか出るのか?」

 

 

――ガシャンッ!!

 

 

 あ、ソファーから落ちた。

 

「そ……その答えは予想していなかったわ」

「どんな予想していたんだ……」

「ん~『例え産まれ方は違っても、そいつらは人間だ』的な事を言うと思ってた……」

「そんな答えを聞きたければ聖者にでも問うんだな」

 

 と言うか俺にそんな耳障りな事を言わせる気だったのかよ。

 

「だって、コダイ君の家って特殊な出生の人達がいるじゃない」

「俺を含めて人外魔境だしなあそこは。それに俺はあいつらの事をそんな風に考えた事は1度も無いぞ?」

「そうなの?」

「戦闘機人とかクローンとかプログラムとか……人間と同じ様だが産まれ方が全く違う。確かに人だから人間として見て欲しいからそのクイントの答えは間違いなく正解にだろう……だけど俺はどうしてもその答えが『生きる事』を認めて『産まれた事』を否定する事にしか聞こえないんだ。そう思うのならありのままを受け入れるべきだ」

 

 自分自身も作られた存在だし、その言葉は何となく救われる気がする……

 けどそれらを『人間』と認めた瞬間、自分も『人間』と認める事になる……それだけは何か嫌だ。

 そう思うと詭弁にしか聞こえなくなるな………

 

「意味があって産まれてくる。それを否定したら意味が無い。それに―――あいつ等は馬鹿だからどう言っても理解できるとは思わない」

「あ~特にレイちゃんね~……う~ん、途端に難しくなったわね。相手側としては人間として見て欲しいか、ありのまま受け入れて欲しいか――」

 

 クイントが唸っている……

 

「難しく考える必要は無い、クイントだってこんなに難しい事考えてその子供を引き取った訳でないだろ?偶々自分の遺伝をもった娘の様な子だったから。こっちも同じ偶々魔導書の主になってそこから出てきたのを責任もって住まわせている………ほら?この行動にさっきの問答が入る余地無いだろ?」

「……………」

「ん?……どうしたクイント?」

 

 難しい顔をしていたクイントが突然間抜け面をさらした。

 

「いや~……何か難しく考えてた自分が可笑しくなって。難しく考える必要は無い………か。ん~!!母親って難しいわね」

 

 吹っ切れた様に座ったまま伸びをするクイント。

 

「頑張れよ母親初心者」

 

 クイントが引き取ったのを逆算すると一緒にいたのは約3年ぐらいか……それは短いな。

 

「頑張ります♪たけど……全部受け入れるってさすがは幼女から人妻まで落とした天然フラグ母神!器が大きいわね♪」

「なんだその天然フラグ母神というのは」

「あら?ただのフラグビルダーじゃ面白くないから考えたんだけど……フラグビルダーにお母さんと言わせる母性の持ち主―――まさしくフラグ母神よ!」

「フラグって何だよ………あとお母さん違う」

 

 こんな会話が数10分続いた。

 

 

 

 

 翌日、強襲隊の間で『フラグ母神』が流行りそれがマテリアル経由でなのは達にも伝わった………




アルクオン様、零崎 式様、ミラ ランドラス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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