魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
レクリエーションルームに入ると、そこに居たのはアースラ所属のエイミィの他に無限書庫司書長になったユーノとその手伝いをしている子供形態のアルフとリニス。
そして最近アースラを降りて総務統括官になったリンディ。そしてエプロンを付けてリンディと料理を運んでいるプレシアもいた。
中央には沢山の長いテーブルに所狭しと置かれた料理の数々……七面鳥、ローストビーフ、焼き鳥、おせち等と季節とか国とか色々無視したラインナップである。
「お~!」
「はい待った。その前に手を洗ってこい」
「は~い!」
それを目にした瞬間に飛びかかるレイを捕まえて、手を洗いに行かせる。マカロンはこっちが預かっている……
「なに?この色々とツッコミを入れたくなるようなメニューは……」
「半分はアコース君の差し入れよ」
「任務を終えたエース達に……ですって」
そこに料理を運び終えたリンディとプレシアがやって来た。
「アコースって査察官の?」
「あら?もう会っていたの?」
「ついさっきな……近い内にまた会う予定だ」
「そうなの?さ、もうすぐ皆が帰って来るから他の子達に挨拶してらっしゃい♪」
リンディに軽く背を押されて他の奴にも声を掛けに行くことにした……。
「あ、ヤッホ~お久~元気にしてた~♪」
「いつも通り」
近くに居たのがエイミィだったから、声を掛けようとしたら逆に掛けられた。
「アハハハ、相変わらずだね~」
「そっちもな……これで来年結婚する奴だとはな」
「な………ななななななななな何でそれを――――まさか?!」
突然エイミィが真っ赤になって湯気を吹き出し、バッっとアルフの方を見た。そのアルフは首を横にブンブンと振っている。
「誰かから聞いた。とかではないぞ?と言うかそんな情報調べれば1発だ」
懐から『DEATH NOTE Ver.308』と書かれたノートを見せる。
「出たー!!相手を(社会的に)抹殺するノート!?それ知り合いにも適応されるの?!」
「当り前だ」
「と言うかもう3桁行ってたんだ……」
最近色々あったから……主に暗躍で。
「洗って来たよ~」
そこに手を洗ってきたレイが戻って来た。その後ろにユーノを連れて………
「………またか?」
「またなってた」
俺が聞くとサラリと答えたユーノ。
またレイが迷子になってたか……今回は探索が得意なユーノがいてくれて本当に助かった。
「全く何時まで経ってもレイはガキンチョだね~」
「うゆ~でもでも。今はアルフも子供だもん」
次に笑いながらやって来たのはアルフだ。そんなアルフに少し頬を膨らませたレイ。
「ふふ~ん、それでも中身は大人だよ~♪」
「む~!お……おっぱいなら負けないもん!」
胸を張るアルフに胸を張り返すレイ。
「ぐっ………相変わらずだけど本当にムカつくねその巨乳は」
それを悔しそうに見るアルフだった。
「そう言うアルフだってレイが来るまでずっとお肉を見て尻尾を振っていたんじゃないですか」
その声にアルフがバッと振り向いた。そこには子供形態のリニスがフリフリのエプロンを着て溜息を付いていた……あのエプロンはプレシアが着せたな。
「妹分みたいなのがいる手前、情けない姿を見せたくないのは分りますが。そいうのは何時もしていれば―――」
「リニス―――!!」
「ちょっ……図星突かれたから私に当たらないでください!」
犬歯を出して両手を振り上げて吠えるアルフから逃げるリニス。
止めるべきだが。子供形態だからただのじゃれ合いにしか見えないのが、何とも情けない………
その光景を笑いながら見ているのはユーノ、エイミィ、リンディ、プレシア。
すると入口の方から大勢の声と足音が聞こえた……これは。
「じゃれ合いはそれ位にしておけ。主役の登場だ」
「ただいま戻りましたー♪」
扉を指すとタイミング良くはやてを先頭に制服に着替えた任務のメンバーがどやどやと入って来た。
「おかえり!」
「おつかれー」
「準備は出来ているわよ?」
「フェイト♪」
リンディ、エイミィ、プレシアが声を掛け。アルフはフェイトに駆け寄って抱き着いていた。
「リイ~ン♪」
「レイちゃ~ん♪」
レイもリインを見つけてリインも妖精モードからアウトフレームなり駆け寄った。
「おお!何だこの食事の量!」
「すごいわね~」
何処を向いても料理が眼に入る光景に驚くヴィータとシャマル。
「このへんはアコース君から」
リンディが指でここからここまでと範囲を指した。
「あっ、ロッサ来てるんですか?」
「クロノ君と一緒に本局に護送だって」
エイミィがそう言うと少し悩む仕草をしたはやて。
「そっか~あ、コダイ君ロッサとは会って無かったけ?」
「俺もついさっき道中で会って来た」
「それは良かった。でもロッサもクロノ君と一緒なら会いに行ってもオジャマかなぁ」
「ん?何か用事でもあるのか?クロノにならこの後会う約束があるし伝言なら伝えるぞ?」
「あ~そんなやなくて、ただ挨拶にいこうかな~って」
そう言えばはやてとも仲が良いって言ってたな。
周りを見てみると各々色んな人と話していた。
フェイトは抱き着いているアルフの頭を撫でながらリンディとプレシアに挨拶をしていて。アリシアはリニスを抱き締めて頭を撫で繰り回していた。なのははユーノとハイタッチしていた。
「アースラ、本局直通ポイントに到着。クロノ君とアコース査察官、転送室から無事出立!――――と言うわけで、皆は安心して食事を楽しんでね~」
護送の報告をエイミィから受け取り、なのは達はコップや皿を取り飲み物をついだり料理を取り分け始めた……
「肉~!」
「ごは~ん!」
アルフとレイは我先にと肉を取って齧り付いていた。
「はい、ザフィーラ」
「む、すまない」
あの2人だと肉が消える事必須なので2人より先に取った肉をザフィーラに渡した。
因みに俺はプレシアにポテトサラダと取り分けて貰った。
「コダイ君、こっちこっち」
「は?」
なのはの声に振り替えるとフェイト、アリシア、はやてと固まっている所に手招きをしていた。
「はい、コダイ君」
呼ばれて来て見れば突然なのはに飲み物が入ったコップを持たされた。
「「「「おつかれ~♪」」」」
それでなんか強制的に乾杯されているし……
「みなさんおつかれさまです!」
そこに妖精サイズに戻ったリインが飛んできてなのは、フェイト、アリシア、はやてとリイン用の小さなコップで乾杯していく。
「とーさまもリインと乾杯しましょう!」
「え?しなきゃダメ?」
「はいです!」
フンスと鼻息荒く即答されてしまった。
「……はい」
「かんぱ~いです!」
リインがご機嫌に乾杯をしてきた。
「えーとそれでですね、なのはさんにまたちょっと教わりたい事があるです」
「いいよーなぁに?」
また?……そう言えばあのレリックの時も教導してたな。
「なのはさんが所属されている『戦技教導隊』って良く考えたらりいんは漠然としか知らないんですが、やっぱり教官さん達の部隊なんですよね?」
「ん~……一般イメージでの『教官』は教育隊の方かな?私達戦技教導隊の主な仕事は―――」
となのはが指折り数え始める。
「魔導師用の新装備や戦闘技術をテストしたり。最先端の戦闘技術を作り出したり研究したり。それから訓練部隊の仮想敵として演習の相手、想定される敵の能力や陣形をシュミレーションするから、色んな飛び方や戦い方をするんだよ。後は預かった部隊相手に短期集中での技能訓練……これが1番教官っぽいかな?私はこれが好き」
「人間相手に砲撃を撃てるからか?」
「そうそう、相手を自分の射程に誘い込んで思い通りにはまってくれて、そこに最大の砲撃を撃つと結構―――ってコダイ君!!」
俺が隣で呟いたら得意げに話した後にノリツッコみが返って来た……もう完璧に魔王だな。
「ま、まあ要はあれだ。戦時のエースが戦争の無い時に就く仕事だ。技術を腐らせず有用に使うためにな」
「うーん、まあ……そんな感じではあるんですが……」
シグナムがフォローに回るが身も蓋も無い物言いになのはが苦笑いしていた。
「でも、うちの航空教導隊にもいろんな年齢や経歴の人がいるんですけど。みんな飛ぶのが好きなんですよね……空を飛ぶのが好きで一緒に飛ぶ人や帰り着く地上が好きで。だから自分の技術や力で自分の好きな空と地上を守りたいって―――そう言う思いはみんな一緒なの」
「なのはがずっと憧れてた夢の舞台だものね」
嬉しそうに語るなのはを見て微笑むフェイト。
「夢はまだまだこれからだけどね!」
「勉強になりました!ありがとうござますなのはさん!」
「どういたしまして―――」
なのはの前で敬礼をしたリインだった。
「…………ユーノとしては複雑な心境じゃないか?」
「うーん……まあ少しね」
隣にいるユーノに聞くとほんの少し肩を竦めた。
少し前に皆から離れてユーノの隣に移動した。
「僕がコダイやなのはをこっちに引き込んだ訳だし……もしもって思う時があるんだよね。2人が魔法に出会わなかったら―――って」
「………ユーノ」
「どうしムグッ!」
持っているポテトサラダをフォークで多めにとってユーノの口に突っ込む。
ナッツの歯応えや刻みパセリがアクセントになったヴェロッサ作のサラダだ。
「その先は言わない事」
「ムグムグ―――ンク、うん分ってる。なのはやコダイが自分で決めた道だからね……それを否定するつもりは無いよ」
「アム………分ればいい。こっちは魔法に触れて色々面白い事があり過ぎて手が付けられない状況なんだから」
「うん、知ってる。でもね逆に出会えたからコダイやなのは……それだけで無くいろんな人と友達になれて良かったって。そう思う事もあるんだよ」
「良いんじゃないそれで……」
「あははは……ありがとう、コダイ」
――ナデナデ
「……何で頭を撫でる?」
「良い位置に頭があったから。僕がフェレットの時良くしてもらったし……嫌だった?」
「嫌じゃないけど?」
……これは遠回りにフェレットの時の仕返しか?アリサやすずかにバレない様に色々とフェレットっぽくさせてたから。
「コダイ、ユーノ何やっているの?」
女子達の輪を抜けてアリシアがこっちにやって来た。
「ユーノに頭を撫でて貰ってる」
「コダイの頭を撫でている」
「ユーノ良いな~ねぇコダイ私も撫でていい?」
「ダメ」
「ぶ~まあいいや。今フェイトがエリオ達の写真をみんなに見せているから見に行こう!」
アリシアが手を取って向こうに引っ張っていく。
「別に良い。エリオの写真ならあるし……」
「それは別として言った方が良いよ?ほら――」
ユーノが指した方を見るとレイが頬袋を作ってハムスターになって写真を見に行こうとしていた……
「そのようだな……」
アリシアに引かれてフェイト達の元に集まる。まず……
「ふぇふぃふぉのふぃふぇふぇ!(えりおのみせて!)」
「レイ、まずは口の中の物を飲み込んでから喋れ」
「――――」
――ゴックン!
「ちゃんと噛めよ」
まあいいや……飲み込んだし。
フェイトとアリシアが待機状態のデバイスから幾つものモニターを展開した。
「執務官の仕事で地上とか別世界に行った時にね、事件に巻き込まれちゃった人とか、保護が必要な子供とか……」
「保護や救助をした後お手紙くれたりすることがあるの、特に子供だと懐いてくれたりして……」
エリオやエリオと同年代の子供がフェイトとアリシアと一緒に映っている写真を皆で見ていた。
「2人とも子供に好かれやすいもんねー」
なのはが納得した様に笑う。フェイトとアリシアが子供に好かれるか………
あいつ等怒らないからイタズラで驚かされるフェイトに同じく被害を受けて悪ガキを追い掛け回すアリシアしか思い浮かばない…………
好かれると言うより馬鹿にされてるなこれは。
「あー!エリオしばらく見ない内に大きくなったなー」
その内の1つの映像、フェイトとアリシアが両側から笑顔のエリオを抱き上げている物にはやてが大きく反応した。
「あーこいつもその手の子供か―――エリオ・モンディアル6歳祝い?」
ヴィータが写真のファイル名を読み上げる。
「エリオだ―!」
「レイの知り合いか?いつ会ったんだ?」
「私のおともだち!」
「あー……そうじゃなくて」
ヴィータがこちらを見てくる……
「フェイトとアリシアに頼まれてエリオを一時的に俺の家に住まわせたんだよ」
「いろいろ事情があって私と姉さんで保護者って事になっているの。法的後見人はリンディお母さん。コダイの所で預かって貰ったのは少しでも人に慣れて貰う為にね……」
「そうそう、今では元気で優しい良い子!そう言えばコダイの家に居る時の事良く話してくれてるんだ。『お友達と3人のお姉ちゃんが出来た』って」
「あ~……そのお陰であいつ等3人にブラコンが追加されて。保護施設に送る時苦労したよ……」
それを聞いて『あ~』っと想像してたのかアリシアが微妙な顔をしていた。
「それは保護施設の人から聞いてるよ~壊せばエリオともっと居られる~とかだよね?」
特にエルが張り切っていたな。末っ子ポジションだったから
「フェイトちゃんやアリシアちゃんが専門の
「うん、悲しい事なんだけどね。特に強い魔力や先天技能のある子供は……」
はやてとフェイトが顔を曇らせる………こいつ等は当事者というか首謀者の片棒担いでたもんだしな。
「だから私とフェイトで救って回ってるんだよ!」
そんなフェイトとはやてを後ろから抱き着いて2人と頬を寄せ合うアリシア。
「子供が自由に
「成程な………さすが試験を『2度』も落ちた奴は言う事が違うな」
「そうだな『2度』も落ちた時はもう駄目かと思ったが」
俺が2度を強調して言うとシグナムもそれに乗って2度を強調した。
こいつ等照らし合わせた様に試験に落ちたしな、さすが双子と言うべきか……
「あぅ……!2人はそうやって事ある毎に……」
「2人には写真見せてあげないよ!」
顔を赤くしたフェイトとアリシアが俺とシグナムから写真を隠してしまった。
「うむ、嫌われてしまったな……」
「そうだな、さてシグナム。嫌われた同士トキガワ家のエリオの写真でも見るか?エリオの七五三の時に撮った袴姿のエリオを―――」
「ほう、これはまた……」
今度は俺とシグナムが隠す様に袴姿のエリオの写真を見せる。直立不動で口を引き結びガチガチに緊張している袴姿のエリオだ。
「え?!何それ聞いて無いんだけど!!」
「なし!見せないの無し!だからその写真見せて!」
態度を一変させてフェイトとアリシアがこっちに詰め寄って来た。
「し、試験の時期に私が色々心配かけたりしましたし―――」
「本当にそうだな」
「うぅ……コダイ君ちょっとはフォローとかして欲しいの」
「何で?その色々の最大の被害者の俺が?」
「………何でも無いです」
目に見えて落ち込むなのは。フェイト、アリシアと同様に影を背負い目に見えて落ち込んでいるのが分る3人だった。
「その点、はやてさんは凄いわよね」
「上級キャリア試験1発合格!」
「ふぇ――私はそのタイミングとか色々運が良かっただけですからー……
リンディとエイミィ突然言われたはやては間抜けな声を上げた後両手を前に振って慌て始める。
「はやてスッゲー勉強してたもんな」
「あの時から試験と聞くともう心配で心配で―――」
その当時を思い出しヴィータとシャマルが深いため息を吐いた。
「試験の1週間前に俺が以前試験を受けていた事を聞いて教えて欲しいと土下座で拝み倒された日は『何やらかした?』とか思ったしな」
「え~……その節はとんだご迷惑を」
「ちょっとはやて、それってズルくない?!」
「あはははは………」
苦笑いするはやてに聞き耳を立てていたのかアリシアがはやてに詰め寄っていた。
はやては笑って誤魔化すだけだった。
「……せやけど。
『ちょっと失礼』とはやてが椅子に座った。
「はやてとヴォルケンズの悩みどころだなー」
アルフが肉を両手に頬張りながら言う。両手の肉は片方が自分もう片方が狼形態のザフィーラの為に保持している様だ。
「でも、はやてちゃんの目標通り部隊指揮官になれば……」
「そのための研修も受けてるじゃない」
いつの間にか復活していたなのはとフェイトが会話に参加した。
「準備と計画はしてるんやけどな~まだ当分は特別捜査官としていろんな部署を渡り鳥や」
「はやてちゃん色んな場所に呼ばれちゃうから。お友達とか出来づらいのがねー」
「心配いらんてシャマル。友達はもー十分恵まれてるし」
「でも経験や経歴を積んだり人脈作りが出来るのは良い事ですよね」
「まあ確かに」
そうフェイトに言われたシグナムが指の間に焼き鳥を3本挟んだまま同意する……どんな食べ方だよ。
「地上部隊は海や空と違って部隊ごとに縄張り意識みたいなもんも強いし。そのへん肌で感じてみるといい……てクロノ君も教えてくれたしな。まあ、部隊指揮官はなったらなったらで大変そーやし、どこかで腰据えて落ち着けたらそれはそれで……ゆー感じやね」
はやてが持っている料理を箸で小さく摘み上げると、はやての膝辺りでリインがそれを口に咥え食べ始めた。
「落ち着ける場所が見つかると良いよね」
「私もみんなに追いつかなな~特にコダイ君は自分の部隊もっとるよーやし」
「強襲隊は部隊長のクロノが提督や執務官で時間を割けない代わりに代理で動いているものだし自分のとは少し違うな」
実際、部隊を作るように言われたのはクロノだしな。
「部隊と言えばとーさま。リインはとーさまに聞きたい事があるです。あ~んです」
リインが抱えてたフォークに肉団子を刺して差し出しながら目の前に飛んできた。
「あーん……で。聞きたい事とは?」
それを口に含むと満足げにフォークをゆっくり引き抜いたリインに話を聞く。
「とーさまの強襲隊……犯罪事件強制襲撃隊はどんなお仕事をされているんですか?話を聞いた限りだと武装隊とも執務官とも違うと聞きましたが……」
「そこは地球の機動隊やSATと同じだな。テレビで見るだろ?テロリストと派手に戦う奴」
「お~!あのドラマとかに出てくるカッコいい部隊と同じですか?!」
基本は間違っていない。事件の鎮圧か犯罪組織の制圧が主な仕事で。特定の所轄担当区域を持たず、直轄部隊として機動的に活動を行うという共通点がある。
「それに『同部隊以外の指揮には従わなくてもいい』と言う特殊な規則がある」
「そんな規則があるんですか?」
「それが無いとただの武装隊と変わらないしな。ハイジャックや立てこもり事件とか一二を争う自体に態々許可とか取らずに現場に着きすぐに強襲を掛けて制圧するのが目的。あとは犯罪を未然に防ぐために犯罪組織を探しこれを制圧………色々あるけど表立っているのはこれだな」
後、『暗殺』とか『情報を流失』させたりとか『不慮の事故』で施設を爆発させたりと言えない事盛りだくさん……だって本当は三提督公認の犯罪組織だしね。
「………ん?それならさっきの合同任務は?その規則なら私達と許可を貰わなくてもコダイはすぐにあの未確認体を破壊できたよね?」
話を聞いていたフェイトが首を傾げ聞いて来た。
「あの未確認体についてはこっちもまだ不透明な部分が多い。性能を見る為に出来るだけ長い時間の接触が必要なだけだったまで」
その必要が無ければ蹴り壊していた。それにあの施設で見た白い奴も気になる点が多い……まあでもその為にレイに録画させて無駄に長く戦った訳だしな。それは後で強襲隊に見て貰うか。
「……それにただ襲撃すればいいって訳でも無い。例えばの話だがもし大規模な犯罪組織のメンバーが事件を起こしたとする、皆は当然拘束して連行するよな?」
皆が真剣な顔で頷く………レイは呑気にまだ食べていた。
「強襲隊は犯罪組織の壊滅が基本だから、ここは敢えて逃がして泳がして組織の本拠地まで逃げた所を襲撃して一網打尽にするのが強襲隊。でも情報を持ってない末端だった場合もあるからそれを素早く判断する必要がある。どんな状況でも単独で制圧できる力、状況を理解して行動に移せる判断力、そして絶対に生き残れる能力……とまあ色々必要な訳」
「んーと………つまり通常の局員では対処しきれない事件に対して幅広く動けて、鎮圧や制圧に適した高い能力を持った部隊と言う事ですか?」
「大体そんな感じだな」
「ありがとうございます、とーさま!」
先程なのはにしてた様に目の前で敬礼をするリイン。
「けどまあ、そんな事しているから色々周りがうるさいけど………」
でも『愚痴溢している暇あるなら仕事しろ』って言って全部無視してる……
「それもそうやな……けど実際、強襲隊のおかげで大規模な事件を未然に防げたって事もあるしな~」
はやてが感慨深い顔をしている。何か思う所がある見たいだな……
「あ!そや、今度のゴールデンウィークの連休!」
「あー!」
そんな表情を見せたのは一瞬だけで、突然はやてが話題を変える。それにフェイトが思い出した様に呟く。
「はやてちゃんの研修先近くの温泉地だよね?」
「みんなお休みの申請出してあるよ~」
なのはとアリシアもその日を待ち遠しそうにしている。
え?というか……仕事中毒のこいつ等が休みを申請しているだと?
「ホテルはあそこで良いんだよな?なのは達の名義で予約入れて置いたぞ?」
そういう俺も参加する予定で……緊急な仕事が入らなければ。
「アリサちゃんやすずかちゃんも来れたな良かったんやけどな~」
「ユーノ君も―――」
アリサとすずかは地球での用事があるので断りの連絡が来てたのではやてが残念そうな顔をしている。
なのはも俺と誘ったユーノが来れない事に剥れている………
「まあ、女の子達だけで……って言う事で」
「おい待てユーノ、俺も一応だが男のカテゴリーだぞ」
「コダイなら胸にタオル巻いただけで問題無い、9.9割女の子だから大丈夫」
言うようになったな……って全員納得してるし。
「ごゆっくりどうぞ」
「私達も緊急任務が無ければ途中からでも合流します♪」
シグナムとシャマル達は1日遅れで合流する様だ……ちなみにアイン達もその日に合流すると言っていた。
「リインと温泉~♪」
「レイちゃんと温泉です~♪」
レイとリインは呑気に予定の話をしていた……
っと、このまま長居してはダメだな。
「レイ、そろそろクロノの所に行くぞ」
「OK♪またねリイン」
「またですレイちゃん!」
リインと挨拶をかわして俺の方に駆け寄った。
「ユーノはどうする?確か呼ばれてただろ?」
「んー………まだ時間あるしもう少しいるよ」
「分った。じゃあ俺達はここで」
「またね~」
一応全員に用事がある事を告げてレクリエーションルームを後にした。
さて、次の連休の為に報告を済ませるか……
鍛冶様、灯火様、機功 永遠様、アルクオン様、零崎 式様、松影様、ミラ ランドラス様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~