魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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この章のOP・EDとか考えた方が良いんですかね……?
因みにCriminal~日常編はOP『Tears' Night/水樹奈々』ED『ひとりあやとり/田村ゆかり』
デート編はOP『アオイイロ/水樹奈々』ED『Princess Rose/田村ゆかり』
と考えています………あくまでイメージですけど。


部屋に入る際はノックを忘れずにbyコダイ

 なのは達と別れてこっちの仕事現場近くまでたどり着いた。魔法で勘付かれると面倒くさいので一旦遠くに離れた後にデバイスを解除しここまで歩いて来た。

 

「何か便利な足でも探すかな~あ、でも身長足りない……っとこちら現場近くに到着した」

 

 秘匿の通信でモニタを開き、クロノと連絡を取る。

 

「了解。そこ周辺のエリアに未確認物体の目撃情報があった。さっきのとは違う奴だ」

 

 となるとあの犬型か………

 

「ところでシグナムから通信があったが何があった?」

「シグナム達が向かった現場はロストロギアのレリックの暴走で爆発、跡形も無くなったが怪我人は無しだ」

 

 クロノが焼け跡のクレーターの映像を開いて見せてくれた。

 

「ロストロギアの暴発でよくソレだけで済んだな」

「そうだな。それと通信によるとお前も遭遇した機械兵器があっちにも来ているらしい」

 

 やっぱりか……だがあいつ等が手こずる程でも無いし心配はいらないか。

 

「――やっぱり目的はレリック回収?」

「そうなるな」

「これから長い付き合いになりそうだな……行動の短絡さと武装の薄さから考えてもあの手の兵器は大量生産する前提だぞ」

「……そうだな。同じ事を考えてた。ロスロトギアを狙う未確認体……猟犬がいると言う事は狩人もいる」

 

 ホシは技術者型の広域犯罪者か………あの手この手と限りを尽くしているだろうし簡単に尻尾は見せないか。

 

「そういった事件になると管理局でも対応できる部隊はどれぐらいあるか……」

「強襲体は『発生してから』でないと動けないしな」

「もしそんな人材・機材があったとしても、動き出せるまでどれぐらい掛かるか―――そんな状況を想像するだけ頭が痛くなる」

 

 モニターのクロノの顔がどんどん険しい物になる。

 

「今はコッチを優先させよう。あの機械兵器程度ならフェイト達でも問題は無いだろう」

「そうだな。だって魔王に死神に破壊神に殲滅者がいるからな」

「………聞いたら殺されるぞ?」

「大丈夫、さっきなり掛けた」

 

 M.D.Oが勃発したけど何か?

 

「はぁ…………お前アホだろ」

 

 クロノが頭を押さえて大きな溜息を吐いた。さっきとは違う意味で険しい顔をした。

 

「でも事実だろ?」

「否定はしない」

 

 やっぱりクロノもそう思っているか。

 10になるかならないかの子供が訓練室を半壊させるほどの魔法を当たり前の様に使われたらな。

 

「後、今回は早く片付けろよ?」

「ん?……今日はそんなに忙しいのか?」

「いや、フェイト達が集まっての任務は久しぶりだから……」

「あ………リンディ辺りが『もう無いかもしれないから終わったら賑やかにしましょう♪』って言ったのか?」

「良く分ったな」

 

 同類だからな。

 

「仕事が終わり次第にアースラに転移させる。速くしないと全部食べられるぞ?……アルフに」

「それもそうだな。フェイトが(アルフ)を抑えている内に――」

 

 コートから銃……今回はべレッタM92Fを取り出し、セフティーを外す。

 

 

――ガサガサッ!!

 

 

「コッチの犬を躾けないと」

 

 気配に気付き飛びだしたのは。以前クイントを見つけた施設で見たあの犬だった。

 あのタイプ……やはり目的は同じレリック?いや、そんな利口そうな感じじゃないな……完全な鼠捕り用か。

 前に3、後ろに4で7匹か。

 

「ご丁寧にAMF付き………盛大に嫌われてるな」

「大丈夫なのか?」

「問題無い……」

 

 通信を切る。

 

「ガァッ!!」

 

 1匹が飛び掛かってくる。

 

「その為の質量兵器(これ)だ」

 

 

――ダゥン!!ダゥン!!

 

 

 飛び掛かって来る犬に狙いを定め2発撃ちこんだ。1発は胸、もう1発は目に命中した。

 

「グ………ガァ……」

 

 やはり死骸を利用してるだけあって、内側はかなり脆い。犬は血とオイルが混ざった様な異臭がする赤黒い液体を吐き出し地面へ落ちた。

 普通なら即死の負傷も約半分を占めている機械部分が無理やり犬を生かし動かしている。

 

「やっぱり響くな………勘付かれない様にデザートイーグルはやめたんだが……」

 

 魔法使うとバレるし………アレ持ってきたか?

 コートの中を探ってある物を探す。そのついでにさっきの犬と前に控えてたもう1匹が飛び掛かったきた.

 

 

――ダゥン!!ダゥン!!

 

 

 残っている生身の部分……目を狙って撃ち込む。

 最初の1匹は銃弾は目を貫通し頭部から赤黒い液体を噴き出してついに動かなくなった。

 2匹目は目には貫通したが外側に逸れて目を抉るだけになった。

 

「あ、ヤバい引っ掛かった――っと。何とか取れた」

 

 コートから出した黒い金属製の棒を銃口に取り付ける。

 

「これで少しはマシだろ」

 

 後ろにいる犬に振り向きざまに撃つ。

 

 

――タァン! タァン! タァン! タァン!

 

 

 さっきよりも小さく乾いた音が響き後ろにいる1番近い犬の両前足、目、眉間と当たりその場で崩れ落ちた。

 ベレッタの銃口に取り付けたのは減音器、サプレッサーだ。便利なのは良いが手入れがな………

 熱を持つと消音効果に悪影響が出るから、やたらと連射が出来ない。

 

「贅沢言って――っと、られないか」

 

 屈んで後ろから飛び掛かった2匹の犬を避けてこちらを振り返って来た所を見計らい、機械からむき出しの生体部分の目や口の中を狙い撃つ。

 

 

――タァン! タァン!  タァン! タァン!

 

 

 だが犬はこれを後ろに飛んで回避した。

 

「避けたか……今2匹仕留めた……残り弾数は3発」

 

 マガジンは後5本。

 

「「「「グルルルルルルルル………」」」」

 

 近くから順番に犬に狙いを定める。

 残り5体の犬は唸るだけで襲い掛かってこなかった。

 

≪掛ってこないね≫

 

「来たらやられるって今覚えたんだろ?」

 

≪良い事したら頭撫でないと!≫

「それは飼い主のみだ」

 

 前には4匹、後ろには1匹。

 1匹平均2~3発か……威力は期待してなかったが。

 

「一気に決めるか………」

 

 

――タァン!

 

 

 上空に空撃ち1発残り弾数2発。

 

「「「グルァッ!!!」」」

 

 それが合図の様に、前から2匹、後ろから1匹同時に襲い掛かった。

 

「そらやっぱり。利口に銃弾に反応した」

 

 袖から大型のナイフを取り出して後ろから来た犬の首を切り落とし。前に向き直り銃で遠くの犬を目と口を狙って撃ち落とす。残りは近づいたら蹴りで地面に叩き落としそのまま頭を踏み潰す。

 

「残り2………って」

 

 残っていた5体の内2体は飛び出して来た所に踵返してもう小さくなるまで逃げていた。

 

「本当に賢いな……クロノ」

「どうしたんだ?」

 

 そう呟いてから、クロノに通信を入れる。

 

「敵2体を取り逃がした」

「そうか……いったん戻るか?まだあっちは任務の途中だが」

「いや、このままあの犬を追う。逃げると言う事は拠点があるかもしれない」

 

 あの犬が目撃されたのはロストロギアや戦闘機人絡みの場合だ。もしかしたら手がかりがあるかもな。

 

「分った……あの犬をサーチャーして見る」

「問題無い、1匹は手負い。あんな異臭をまき散らせている犬は嫌でも覚えさせられる……臭いで追える」

「…………お前の方が犬だろ?」

「狂犬注意か?」

 

 人肉を生でしかも直で食べるしな。

 

「じゃあ帰ったら頭でも撫でて貰おうかな~」

「ちゃんと出来たらな」

「え、マジ?」

「嘘だ」

「だよね~」

 

 そんなやり取りをクロノとしてあの犬から流れ落ちた液体の跡とその異臭で後を追った……

 ………たどった先は古い研究施設だった。

 

「やけに静かだ………最近まで人がいた形跡が無いな」

 

 もうサプレッサーは必要ないな。

 施設の内部はもう、破棄されたのか通路が暗い………さっきの犬も入口近くで死んでいた。

 

「弾が変な所に当たって作動させたら困るし、コレにするか」

 

 ベレッタをコートに仕舞い、代わりにさっき出した大型のナイフを取り出した。

 施設の入り口は開きっぱなしで吹き曝しなっている。ここからだと中の様子が見れないので奥に進む。

 埃はこの吹き曝しでは意味ないな……壁の風化具合からだとここを捨てたのは最近かもな。

 

≪コダイ!そこの奥の扉、何か光ってない?≫

 

 暗闇に慣れた目を凝らすと、扉らしき物の隙間から薄い光が見えた。

 

「機能が生きているのは此処だけか?」

≪誰かいるのかな~?≫

 

 人の気配は無い……

 

「開けるのが1番だろ」

≪そだね!≫

 

 隙間に指を入れて、かなり力を込めて扉を引く……

 

「……ん?」

≪あかない~?≫

 

 扉は1ミリも動かなかった………

 

≪どうして?≫

 

「扉がズレて噛み合って無いのか?………直してみるか」

 

 軽く扉を蹴る。

 

 

 

――ゴォォォォォォォォォッ………

 

 

 

 すると扉は鈍い音を立て『前』に開いた………

 

≪……………うゆ?≫

「………………は?」

 

 これは……かなりの力を込めても動かなかった扉が軽く蹴っただけで開いた。という事はコレは『引き戸』では無かった?

 あ……良く見たら取っ手付いてた。と言うかこんな近代技術の集合体みたいな場所に開き戸とか……今までの研究所の扉ってスライド式だったし……

 

≪うゆ~なんだろ~何かモニュモニュする~≫

「ツッコミが居ないからだろ……」

 

 そんな感じを引きずりながら部屋に入ると、予想通りにそこの部屋の機能だけ生きていた。

 壊れた生体ポッドが部屋の周りに並んで置いてあった。

 

「クローンの研究か?」

 

 部屋を入って真向かいにあるデータベースを操作してコピーしながら探る事にした。

 

「また戦闘機人に犯罪者のデータ……そう言えばこのデータがあった施設にも犬がいたよな……」

 

 未確認体……戦闘機人……犯罪者……何か共通するモノがあるのか?

 

「…………生体ポッドがあるって事は何かを創っていた筈だ。一体何を―――」

≪コダイ後ろ!!!≫

 

 後ろからの気配とレイの声一緒に来たと同時に横に跳んで避ける。

 

 

――ゴシャッ!!!

 

 

 間一髪。俺のいた場所に何かが通過してデータベースに突っ込んだ……

 データベースは見事に中破、小さな爆発と煙を上げている。

 

≪うゆ?!な、何?!≫

「俺が聞きたいぐらいだ」

 

 突っ込んだ何かがゆっくりと立ち上がる…………

 形は人………だが腕や脚、胴体……顔の全てが体のラインに沿う様な真っ白な流線型のプレートらしきものに覆われている。人間か?

 

「あ……もしかして此処に住んでいるのか?だったらもうちょっと片付けたら?いくら節電とはいえ暗す……っと」

 

 

――ブンッ!

 

 

 問いにはお構いなしの蹴りが頭へ迫ったのでバク転でかわして距離を取る。

 と言うか今の交わさなかったら頭が飛んでいたぞ。

 

「勝手に上がったのは悪いと思っているが、そもそも鍵が掛って無かったし、入ってくれと言わんばかりに扉も開いていたし、それに―――」

「……………」

 

 相手はただ無言で見てくる……

 

≪お部屋に勝手に入ってゴメンナサイ≫

「もう用事は無いのでこの辺で失礼させていただく」

 

 そのまま何事もない様に扉に向かう………

 

 

――ュッ!

 

 

「やっぱり駄目か」

 

 後ろから来る風切り音に察知して、ここに入る際に持っていたナイフを使って首筋に迫る何かを受け流して回り込んだ。

 

「……っとレイ、あれはあんな物持っていたか?」

≪ううん≫

 

 回り込む際によろけたのを直して俺が見たのは。

 さっきまで何も持っていなかった白いのがそれと同じ位真っ白で無駄な装飾の無いシンプルな槍を持っていた……もしかしてデバイスか?

 

「…………」

 

 槍を2,3度回してコッチに構える……その後ろには唯一の出入り口。

 

「―――『此処を通りたければ自分を倒せ』……か。実に分り易い≪レイ、記録の方を頼む≫」

≪えっと……え~っと…………出来た!録画開始!≫

 

 ナイフを逆手に持ち替えて新しい未確認体と対峙した。




頭翅様、更識 天様、機功 永遠様、鍛冶様、void0様、異夢様、アルクオン様、ミラ ランドラス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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