魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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新章突入!
時期はA'sエピローグからです


Alteration編
所詮周りの評価何てそんなモノbyコダイ


 中学校生活と言うのは本当にあっというまに過ぎる。気付いたらもう今年で中学3年生になっていた。

 そんな4月の中旬の早朝にクロノから任務の連絡が入り、アリサとすずかにメールを入れてから準備を済ませて早速任務に向かったが――――

 

「しゃむ~い!!!!」

「ぶっつけ本番でするんじゃ無かった……」

 

 ………なぜこうなったのかと言う前に、3年生に進級するまでの間にあった事を話そう。

 まず、エリオが管理局の保護施設に戻った。元々は人に慣れさせるのが目的だったしもう問題無いだろうと言う事になった。その際、レイが大泣きしてたけど―――

 更にサクラ達が『保護施設を破壊すればエリオとまだ居れる』とか言いだした………いくら弟の様に構ってたからってぶっ飛び過ぎ、勿論物理的に止めた。

 

 次に部隊の名前だ。クリミナルのままにするが、ミゼットにそのままではマズイと言われたので表向きの偽名を作り普段はそれで行く事になった。

 表向きの部隊名は『犯罪事件強制襲撃隊』通称『強襲隊』となった。名前の通り次元犯罪のみならず小規模から大規模の犯罪の犯罪者や犯罪組織を強制的に襲撃する部隊。

 簡単に言えば、どんな事件でも首を突っ込み、危険となれば即襲撃する部隊だ。コレなら高ランクが何人いても問題無い。こんな部隊だから、かなり評判悪いけど……

 

 最後に実は今年から中学3年に進級した。3年生なったと言う事でクラスについてだが………1年、2年と続いて同じで席も近い………祓った方が良いかと思ったがもう手遅れだよな?

 

「ガタガタブルブル!!!」

「だから、元に戻れって言ったのに……」

「でもぉ~!!」

 

 自分の体を抱き締めてガタガタと震えるレイ。

 なぜこうなったかの原因だが。昨日試作したばかりの転移魔法で任務先の第162観測指定世界移動する筈だったが。毎度の魔法のミスによって隣の極寒世界へ転移してしまった……

 

「取り敢えずもう1回転移だ。この距離なら外さないだろう」

「はやくぅ~!!」

「分っている」

 

 急いで調節した転移魔法で第162観測指定世界に座標を合わせて転移した………

 

「今度コレを実践する時はユーノ同伴でやろう……」

「しゃむかったぁ~」

 

 何とか目的に定置観測基地に着いた……

 震えているレイの襟首を掴み引き摺って基地に入ると2人の局員が敬礼して出迎えていた。

 

「遠路お疲れ様です。本局管理補佐官、グリフィス・ロウランです」

「シャリオ・フィニーノ通信士です」

 

 群青色の髪にアンダーリムの眼鏡を掛けたグリフィスと名乗る男とこげ茶色の長い髪に丸眼鏡掛けたシャリオと名乗る女の2人だ。

 これは名乗った方が良いか?一応部隊に所属しているし………

 

「強襲隊のコダイ・T・ベアトリスだ」

「ご休憩の準備をしておりますので、こちらへどうぞ」

「俺は良いが、コイツに暖かい飲み物を頼む」

 

 グリフィスがこちらに促すが、手で制してその手でレイの方に視線を誘導させた。

 

「―――くちゅっ!」

 

 レイはさっきの寒さがまだ残っているのか、後ろでクシャミをしていた。

 

「あ、私やります!じゃあ行こう……えっと」

 

 シャリオがレイと視線を合わせるようにしゃがみ、首を傾げる……あ、まだコイツ名乗って無かったな。

 

「レイ、挨拶」

「ズズ……うん。私はレイ・モモ・ブラッドって言うの。よろしくね!」

 

 鼻を啜った後、シャリオに向かって笑顔で名乗ったレイ……そう言えば実体化してからフルネームで噛まなくなったな。

 

「……………」

 

 

――ズッキュ~ン!!!

 

 

 え?今何か狙撃音の幻聴が聞こえたぞ?

 っていつの間にかシャリオがレイを抱き締めていた。

 

「わぷっ!」

「あの………何ですか?このワンコ見たいな天使は一体なんですか?」

 

 シャリオがレイを抱きしめながら聞いてくる。いきなりだからレイがもがいている。

 

「俺のデバイスだ」

「天使みたいで危ないオジサン達が連れ去ろうとしそうな子がデバイスなんですか!?」

 

 連れ去ろうとしそうじゃない。

 実際ギリギリ未遂になった……お菓子で誘われそうになってた所にマテリアルズが現れてそいつを袋叩きにしたけど。

 

「なんなら時間まで一緒に居てもいいぞ?こいつ迷子になるから見失わない様にな」

「本当ですか!?ありがとうございます!レイちゃんココア好き?」

「ココア!飲む~!」

 

 ココアと聞いて目を輝かせるレイ。

 

「じゃあ行こうか?」

「やった~ココア~♪」

 

 シャリオと手を握り向こうへ行くレイ……

 

「えっと……すみません。シャーリーはデバイスが絡むと……しかし何であの子は震えていたんですか?」

「此処に転移するつもりが、誤って隣の極寒世界に転移を……戦闘以外の魔法はまだ試行錯誤中だから」

「えっと………心中お察しします。両者に……」

 

 グリフィスが微妙な顔をした。

 

「それとは話が変わりますが。先日は母が飛んだご迷惑を―――」

「それなら問題無い。酔っ払いに何言っても無駄だから」

 

 話が変わると前置きしたグリフィスが申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「そう言っていただけると助かります。母も顔を出して謝りに行くと―――」

「そこまで気を遣わなくても――」

「あれ?お2人は知り合い何ですか?」

「コッコア~♪」

 

 話の途中で、カップを持ってるシャリオが来てその後にカップを両手で持っているレイが居た。

 

「どうぞ!」

 

 シャリオに差し出されたカップを貰う。

 

「何で俺の分まで?」

「レイちゃんから話を聞いて。ベアトリスさんも寒くなっていると思って」

「そうか、ありがとう」

 

 別に寒くは無いが。礼を言ってからココアを飲む……ん、甘い。

 

「で……さっきの話ですけど、何処で知り合ったんですか?」

「あまり思い出したくない話なんだけど……」

 

 遠い目で言うグリフェイス………そうだよな。

 

「知り合ったのは少し前で。リンディとレティに誘われて居酒屋に行く事になったんだが。2人が酒入ってたしこっちは免許持ってないからレティの端末から迎えをよこす様に連絡した時に応対したのがレティの息子のグリフィスだったと言う話」

 

 因みにその2人は飲みまくって泥酔し絡み酒をかまして女子会のノリから酔っ払いの烏合の衆に成り果てたのはリンディ、レティ、グリフィスの面子の為に黙って置こう。

 

「迎えに来ただけで知らなかったんですがそんな経緯が……それよりもリンディ提督を呼び捨てって……」

「ああ、アイツとは悪友見たいな感じだしな。レティも似た様な物だ、出会った瞬間に意気投合した……」

「ベアトリスさんまだ10代ですよね?」

「一応な………やっぱり変か?グリフィス」

「母親を悪友と名乗る子供が居れば反応に困りますよ………」

 

 ………あ~話が合うから年齢差を感じなかった。それ以前にあの見た目も立派な年齢詐欺だと思う。

 

「……ん!リインの声だ!」

 

 それからしばらく4人で話していると。

 レイが何杯目かのココアを飲みながら俺に言った。

 

「リインの?という事は今回ははやても来ているのか?」

「あっ!お出迎えしなきゃ!」

「僕も……それでは失礼します!」

 

 シャリオ、グリフィスは向き直り敬礼してからは走って行った……

 

「コダイ!早く行こうよ!」

「分った。取り敢えず飲みきったカップ寄越せ」

 

 転んで割りそうだしな。このカップは………どうするのか聞かないと……

 レイが付いて来ているのかを確認しながら来た道を戻るとリインとはやての他になのは、フェイト、アリシアもいた。

 グリフィスとシャリオは早速なのは達に敬礼をしていた。

 

「あ、レイちゃ~ん♪」

 

 あの中で1番早く気付いたのはリインだった。

 

「リイ~ン♪」

 

 レイが妖精サイズになってリインの元に飛び。

 

――ギュ~♪

 

「「わ~い♪わ~い♪」」

 

 何時もの様に抱き合ってはしゃぎだすレイとリイン。

 

「朝から仕事って聞いたけど、まさか私達と同じか」

「多分そっちとは別件。はやて達は?」

「この世界の遺跡発掘先にあるロストロギアの回収や。ついさっきエイミィさんに送られて着いた所や」

「場所は2か所あって。もう1か所はシグナム達が向かっているよ」

「今回は簡単だね~」

 

 フェイトとアリシアが今回の事を簡潔に説明してくれた。

 何その過剰戦力?

 

「こっちはこの世界に確認された未確認の反応の確認だ……探索のついでだからそっちに同行するか」

「本当に?!」

 

 突然アリシアのテンションが高くなった。

 

「何だいきなり……」

「実はさっき皆と任務が久しぶりでここにコダイいたらな~って話してたらコダイも同行してくれるって言うもん何か嬉しくって!」

「成程ね……」

 

 確かにもう全員殆ど自分の立場を持っている訳だし一緒に居れるなんて少ないしな。

 

「≪コダイ君……≫」

 

 なのはが何故か念話で話してきた。

 

「≪どうした?≫」

「≪ロストロギアの事なんだけど………≫」

 

 何かあるのか?そのロストロギアに―――

 

「≪―――また取り込んじゃだめだよ?≫」

「≪―――善処する≫」

 

 アレは無意識というか、いつの間にか取りこんでいたから言われてもな……

 

「はぁ~!」

 

 その声に振り返るとシャリオが目を輝かせてコッチを見ていた。

 

「本局次元航行部隊のエリート魔導師のフェイト・テスタロッサ執務官!単騎の破壊力は執務官№1と言われるアリシア・テスタロッサ執務官!いくつもの事件を解決に導いた本局地上部隊の切り札の八神はやて特別捜査官!武装隊のトップで航空戦技教導隊所属の不屈のエース!高町なのは二等空尉!更にミッド、ベルカに次ぐ第3の魔法体系『ベアトリス式』を創り上げた魔導師で更に凶悪犯罪組織をいくつも壊滅させた犯罪事件強制襲撃隊所属のコダイ・T・ベアトリスさん!そんな有名人と1度に会えるなんて光栄です!!」

 

 興奮しきって頭を左右に振り回すシャリオ。それに一息で良く言えたな………

 

「リインフォースさんの事も聞いてます!とっても優秀なデバイスだって」

「ありがとうございます!」

 

 レイと抱き合って回っていたリインがシャリオの元に向かいシャリオが立てていた指を握った。

 

「ねぇねぇ私は~?」

「レイちゃんは天使です!それと私の事はシャーリーで良いですよ~」

「えへへ~♪ありがとうシャーリー!」

 

 リインについて来たレイも同じくシャリオの指を握った。

 

「―――でも、あんな綺麗な人たちがあんな2つ名を持っているなんて……」

 

 

――ピクッ×4

 

 

 シャリオの呟きに反応する4人…………よし。

 

「レイ」

「ん?な~に~?」

 

 さっきまでリインの隣にいたレイがフルサイズに戻り俺に駆け寄った。それを抱き上げ……

 

「こいつを頼む」

「は?」

 

 グリフィスに抱かせ、その場を音も無く去った……

 

 

 

~おまけ~

 

「なぁ……その2つ名って何なん?」

「えっとですね……フェイト・テスタロッサ執務官は犯人が幼児誘拐等をした場合、地獄の底まで追いかけ鎌で斬り伏せる『管理局の金色の死神』。アリシア・テスタロッサ執務官は邪魔な物はとにかく破壊の『管理局の金色の破壊神』。八神はやて特別捜査官は歩くロストロギアと謂われ広範囲魔法を放ち草の根1つも残さない『管理局の白い殲滅神』。高町なのは二等空尉は例え相手が手負いだろうと子供だろうと全力全壊の砲撃を至近距離で放つ『管理局の白い魔王』と………」

 

 恐る恐るといった感じにシャリオに聞くはやて……予想が外れて欲しいと。

 シャリオが顎に手を添えて考える様な仕草で話し始めると。フェイト、アリシア、はやて、なのはの順に崩れ落ちた………

 はやての予想が当たってしまった。

 

「それ………誰から聞いたん?」

「皆さんがここに来る前にベアトリスさんが………アレ?ベアトリスさんは?」

「ベアトリスさんならさっきレイを預けてどこかに―――っ!!」

 

 振り返り探すシャリオに言ったグリフィスだがシャリオの背後に揺らめく4つオーラに顔を引き攣らせた。

 

「「「「フフフフフフフフフフ――」」」」

 

 

 怪しく笑いながら立ち上がりデバイスを起動して戦闘態勢に入る4人、そして………

 

 

「「「「コダイ(君)……………O☆HA☆NA☆SHIしようか」」」」

 

 そう言って凄い速さで飛んで行った。

 

「はやてちゃ~ん!待ってください~!!」

 

 置いてきぼりを喰らったリインが後を追う。

 

「あはははは……あながち間違っていないのかも……納得」

 

 乾いた笑いを浮かべながら頷いたシャリオ。

 

「うぅ~大丈夫かな~コダイ………」

 

 心配そうに向こうを見ているレイ。

 

「ベアトリスさんなら大丈夫じゃないか?」

「何でそんな事が分るの?」

「いや………あの人リンディ提督に似ているから……悪友とかいっているし」

「それも納得。次、私にレイちゃん抱っこさせて?」

 

 

 かくして、北部定置観測基地内でのM.D.O(魔王式ダークネス鬼ごっこ)が勃発した…………




畏夢様、外道男様、鍛冶様、頭翅様、つらら@ゆき様、ミラ ランドラス様、アルクオン様、機功 永遠様、零崎 式様、桜日紅葉雪様、不屈の心様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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