魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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デート編その後の対談。


特別編『結果報告』

「それじゃあ始めるで………『デート報告会』を」

 

 テーブルに手を着きはやての言葉に真剣な顔で頷くなのは含む18人。

 夏休みの前日にコダイの絶食っぷりにキレたはやてが提案したコダイとのデート『連日皆とデートでドッキ×2』作戦が終わり、コダイとのデートの報告会を始めた。

 並べられたテーブルにお菓子やら飲み物が置かれ、それを囲う様に立ち、一部は近くの椅子に座ったりと立食に近い配置だった。

 場所は桃子が快く(面白そうだから)翠屋を休日にして提供してくれた。桃子はリンディと妖精サイズのリインが一緒に遠くから見ている。

 コダイは今エリオと一緒に翠屋の買い出しに行かされた。

 

「でもまず誰から報告するの?」

「先ずは言いだしっぺでもありデート順ではやてからよね~」

「やっぱりそう来た?!」

 

 報告にするにあたり誰から話すかを決めておらず悩むフェイトだったが。

 意地が悪そうな笑みを浮かべたアリサにふられたはやてが驚く。

 

「まあええけど。なんや惚気話話すみたいで恥ずかしいな~」

 

 と照れ臭そうに笑いながらデートの報告をした。

 

 

~はやて報告中~

 

 

「………以上が私のデートや」

「な~んかフツ~もっと攻め攻めだと思ってたよ。ランジェリーショップで試着して見せる~とか」

 

 はやての報告を聞いた後ロッテが少し残念そうに呟いた。

 

「な~に言うてんや。そう言うんはオッパイ担当のシグナムやすずかちゃんがするもんやで!」

「あああああああ主ぃ!?」

「何言ってるのはやてちゃん!?」

 

 ドヤ顔ではやてに突然名指しされて慌てふためくシグナムとすずか。

 

「………うん、自分でも言ってちょっと落ち込んだ」

 

 苦笑いして、頬を掻くはやて。

 

「最後の自爆に関してはね~アンタとコダイって所帯じみてる所あるけど……流石に多感過ぎない?」

「なに言ってるんやアリサちゃん!この頃は敏感なんや!辞典でアレな単語調べたり保険体育でアレな部分を凝視したりレディコミのベッドシーンを熟読したりと―――」

「あ~もう分ったわよ!もういいから!!」

 

 身を乗り出して説明にも力が入るはやてを無理矢理座らせて落ち着かせるアリサ。

 

「全く……次行きましょ次。確かすずかだったわよね?」

「……えっ?!そ、そうだね私だね!?えっと―――」

 

 突然大きな声を上げたすずかに首に驚いて首を傾げたが、それを誤魔化す様にすずかは報告を始めた。

 

 

~すずか報告中~

 

 

「デートなのに迷子になるってアンタ……」

「だってライオンの赤ちゃん見たかっただもん」

 

 頭を抱えて呆れるアリサと唇を尖らせるすずか。

 

「ねぇすずか!ライオンの赤ちゃんは見れたの!?」

「うん♪アリーちゃんって言って。ちっちゃくて可愛くてね、コダイ君に撫でられてすっごく気持ち良さそうだったよ」

「お~!いいな~」

 

 エルが目を輝かせて聞いたので、嬉しそうに教えたすずか。

 

「……で、すずかは使ったの?」

「ブッ!!」

 

 和んだ空気をロッテの質問がぶち壊した。

 思わずすずかが飲み物を噴き出した。

 

「えっと……それは……」

「ホレホレ、おねーさんだけのヒミツにしてあげるから。デートは包み隠さず報告がルールだよん♪」

 

 手招きして猫にした耳をすずかに近づけたロッテ。それを聞いてプレシアを除く全員が近づいてすずかに聞き耳を立てていた。

 それを見たプレシアは『若いわね』と誰にも聞こえない様に呟いた。

 

「もう、みんな!!!」

 

 すずかが顔を真っ赤にして怒る。

 

「にゃるほど~♪って事でお次はツンデレ美少女のアリサ、どうぞ!!」

 

 キリの良い所で切り上げ――と言うより1人納得した感じのロッテは次の報告へと促す。

 

「ロッテさん誰がツンデレよ?!っとアタシよね、最初は――――」

 

 

~アリサ報告中~

 

 

「そ、それは――」

「凄い――」

「凄いって言うより――」

「ふぇ~―――」

「え~っと――」

 

 報告を聞いてはやて、フェイト、アリシア、なのは、すずかはどう言って良いか分らない状況だった。

 その5人は少なからず頬を赤く染めていた。

 

「な、何よ……何か言いなさいよ!」

 

 報告したアリサ本人も自分のした事を思い出して赤くなっていた。

 

「じゃあ言わしてもらうで?………コレはコダイ君云々より―――なぁ?」

「「「「「アリサ(ちゃん)が可愛い」」」」」

 

 はやてが目で合図を送り、5人同時に言った。

 

「声を揃えて言うなああああああああああああああ!!!」

「何言うとんや。お酒で酔ってデレデレとか、前半ののほほんとした感じが薄れる位のインパクトやで?」

「えっとさ、子供の様に甘えたって言うけど具体的にはどんな風に?」

 

 アリシアの質問に全員から目を逸らしながら、小さな声で言い始めた……

 

「――――ぁ」

「あ?」

「頭撫でてってせがんで……しないと悲しくて泣きそうになって……撫でてくれたら凄く嬉しくてニヤけちゃって………」

「え?……それって本当にアリサ?想像したら可愛過ぎなんだけど?」

「うっさい!可愛い言うな!こっちは酔った時の行動を全部覚えてて恥ずかしいのよ!!」

 

 聞いたアリシア自身が照れている。テーブルを叩き怒鳴るアリサの顔からはまだ赤さが引かない……

 

「普段はツンツン。2人きりになるとデレデレ……うん、やっぱりアリサは真のツンデレ美少女だね。強敵だわコレ」

 

 腕を組み何度も納得するように頷くロッテ。

 

「だからツンデレ言うなあああああああああああああ!!!」

 

 終始弄られっぱなしのアリサが遂にオーバーヒートを起こした。

 その後中学生組に冷却(飲み物を飲ませたり)されてクールダウンされた。

 

「次は私だね……オホン……」

 

 フェイトが空気を換える様に1つ咳払いをして自身の報告をした。

 

 

~フェイト報告中~

 

 

「フェイトちゃん、ドンマイなの」

「同情するぞ、テスタロッサ」

「うん……ありがとう」

 

 報告後、震えているフェイトの肩に手を置くなのはとシグナム。

 

「わ、私の遊園地のフリーパスと同じようにフェイトはチケット貰ってたんだ~」

 

 苦笑いしながら頬を掻くアリシア。

 妹が震えている原因の一端を担っているテスタロッサ一家も同じく苦笑いしている。

 

「うん……怖かった……」

「そのホラー映画は聞く所によると怖すぎて失神した者がいるらしいです、気絶しなかっただけで良い方ですよ」

「そうだよ!僕だったら始まった瞬間に気絶してるかも!!」

「ウム!我も最後まで見れる自信が無いぞ!褒めてつかわそう!!」

「凄いよフェイト!」

 

 サクラ、エル、アンズ、レイが手放しにフェイトを褒めている。

 そこには賛辞の他に同情やらが混じっていた。

 

「何があったんだ?」

 

 それを訝しげ思ったシグナムはその4人と暮らしているアインに耳打ちをした。

 

「実は猛暑の日に納涼の為にホラー映画を見ていて、それ以来苦手になった……私も含め」

「お前もか!?」

 

 小声で話していたシグナムが思わず大声を上げてしまった。

 以前、家のクーラーが壊れアンズが納涼の為にとホラー映画を流したが為にエリオを除く4人に多大なダメージを与え。

 その後、その映画を興味本位で1人で見てしまったアインもその日は家主のコダイにくっ付いて離れられなくなってしまった。

 

「それで帰る途中の夜の公園で、ビックリして腰を抜かしたフェイトちゃんをコダイ君がお姫様だっこで家まで送ったんだね」

 

 そんな話と並行して報告は進む。エリオの為に選んだ服をコダイに即座に扱き下ろされた事を愚痴を零していたが。その周囲の殆どの反応はコダイが正しいと一致。

 それを切り替える為になのがが次に進めた。

 

「うん……それで……リンディ母さんが余計な事言って……」

「だからそれはゴメンって言ったでしょ~……でもでもコダイとペアルックはすっっっっごく羨ましかったんだから」

 

 暗くなるフェイトに拗ねながら謝るアリシア。

 コダイとフェイトとエリオ。3人が同じコットンシャツを着て並んで歩く……一家の完成である。そんな光景を想像してしまい全員がアリシア同様に羨ましいと思ってしまった―――

 

「私はコレで終わり、次は姉さんだよね?」

「うん!皆ちゃんと聞いてね~!」

 

 

~アリシア報告中~

 

 

「「「「「っ!…………っ~!!………っ!」」」」」

 

 アリシアが話し終わった後。アイン、レイ、サクラ、エル、アンズ、ヴィータを除く全員が笑いを堪えてた。

 

「し………身長……制限……ブッ!!」

「アカン……現場や無くて良かった……現場だったら噴き出してまうところや……ブフッ!!」

 

 口を塞ぎ必死に笑いを堪えるフェイトとはやて。その他は呼吸困難寸前で崩れ落ちている。

 

「身長制限に引っ掛かるって……アイツどんだけ小さいんだよ」

「えっと制限が確か150cmだから……それよりもかなり低めだから140位?」

「だよな?私より大きい感じだし」

 

 死屍累々といった状況を眺めながら呟いたヴィータにアリシアが手を頭に翳して上下に動かしてコダイの身長を測っていた。

 

「それでも沢山乗れて楽しかった!!」

「身長NGを除いて全アトラクションをクリアとは凄い体力ですね」

「いや~遊園地なんて初めてだからテンションあがっちゃってさ~」

 

 パンフレットを指しながら何に乗ったかを説明を聞いて驚いたサクラにアリシアは照れくさそうに頭を掻いた。

 

「ん~……でもさ?何でアリシアは観覧車の隣のカップルを見て驚いたの?だってその観覧者ってカップルが良く乗るんだよね?」

「ふぇ?!」

 

 腕を組んで唸っていたエルのアリシアにとっての爆弾が投下され。アリシアの顔を真っ赤に染めた。

 

「あ、そうだ!私もそれが気になっていたんだ~なんで?」

 

 それにレイが首を傾げてアリシアに聞いて来た。エルとレイが見つめるその眼は子供特有の穢れ1つ無い無垢な瞳だった。

 

「あぅあぅ……」

「エル、レイ、その辺にしておけ。お前たちが知らなくていい事もあるんだ」

「「え~」」

「い い な ?」

「「はぁ~い」」

 

 顔を手で覆い小さくなるアリシアをジッと見つめるエルとレイ。

 その2人をアインが止めると唇を尖らせて不貞腐れるが再びアインが強く言うと渋々と言った感じに引き下がった。

 アインが何があったのが察したようだ。

 

「なぁ、アイツの感じからして触れなかったけど何かあったのか分るか?」

「いえ……私にはさっぱり」

「うむ……あの様子では知らない方が良いらしいな」

 

 空気を読んで触れなかったヴィータ、サクラ、アンズだが理由は分って無かったらしい……

 

「もうこれで私のデートは終わり!次行こう次」

「次は……ん~と、ん~……なのはだよ?」

 

 レイが指折り数えてアリシアに教えた。

 

「なのは~次だよ~ってまだ笑っていたの?」

 

 アリシアがなのは達を見ると未だに笑いを堪えていた。

 なのは達が落ち着くのに10分掛った………

 

 

~なのは報告中~

 

 

「「「「「「何(ですか)そのラブコメ」」」」」」

 

 なのはの報告聞いた全員の第一声である。

 

「お、お母さんと同じリアクションだ……」

「ふ~ん……だからソレ以来サイドポニーなんだね~♪」

「大人っぽくなっていて似合っているぞ」

「えへへへっ……ありがとうございます」

 

 ロッテとアリアに褒められ照れ臭そうに笑うなのは。

 

「服を選んでくれたのは嬉しいんだけど………その時に凄く危なそうな服を入れようとしてたの………」

「あ、やっぱり」

「何も躊躇無く行動に実行するよね~アイツ」

 

 それを聞いて今度は苦笑いをしたアリアとロッテ。

 

「はいはい!しつも~ん!桃子があげたリボンをなのはは着るの?」

「ふぇっ!!!??」

 

 レイの爆弾投下(てんねん)に全員がなのはを向いた。

 

「きききききき着る訳無いの!!!それにアレは服じゃ無いの!!」

「じゃあ私が貰っていい?何時の日かプレイに使うから」

「ろろろロッテさん!?プレイって何!?」

「それは勿論『プレゼントはワ・タ・シ♪』……っと言うプレイを」

「にゃあああ!!皆ロッテさんを止め………え?」

 

 なのはがさっきから会話に参加しない皆の方に視線を向けると……

 

「「「「「「…………………」」」」」」

 

 全員真剣な顔で考えていた……

 

「黙らないでよおおおおおおおおおおおおお!!!」

「……あ!ゴメンゴメン、なのはちゃん」

 

 1番早く気付いたはやてが詫びを入れる。

 

「うぅ~疲れたの……」

「あははごめんね~」

 

 そんな様子を見て、元凶であるロッテも謝っていた。

 

「さて、お次はヴォルケンリッターが将シグナムや!……期待しとるでぇ~」

「は、はい……」

 

 はやての文字通り期待しているニヤついた顔をシグナムに向けた。それにシグナムは少したじろいだ。

 

 

~シグナム報告中~

 

 

「あぁ~……ゴメンねシグナム、私が事前に説明しとけば……」

「いや、私が勘違いしなければ」

 

 報告後、真っ先にシグナムに謝るシャマル。

 

「つーかそれに勝負と結び付けるなんてどんだけバトル脳なんだよ………コダイの言葉を借りる訳じゃねーけど1度シャマルに脳を診てもらえ」

「ヴィータちゃん。言える立場じゃないけど、さすがに癒しが本分の私もシグナムのアレは治せないわ……」

「グッ………」

 

 ヴィータとシャマルの言葉に胸を抑えるシグナム。

 

「ま、まぁそれはもう終わりにして。コダイ君と2人でプリクラ撮ったんやろ?」

「は……はい」

 

 はやてが素早くフォローを入れる。

 

「んで、それは持ってる?」

「はい、報告の際見せた方が良いと……」

 

 シグナムが懐からプリクラを取り出して皆の前に見せた。

 ぎこちなくシグナムがピースをしている写真。

 シグナムがコダイに膝枕している写真。

 コダイが後ろに回ってシグナムの首に腕を回している写真。

 コダイの顔の横ギリギリにシグナムの顔が近づいている写真。

 

「はぁ~」

 

 それを見たはやてが一息を吐くその表情は非常に和んでいる……

 

「何やろ?何か青春しとると言うか娘にイイヒトができた母親の心境ってこんな感じなんやろな~」

「言いたい事は分るわ。だって微笑ましいもの………」

 

 唯一の子持ちであるプレシアがプリクラを見てはやて同様に微笑んでいる。

 

「しかしトキガワに迷惑を掛けたようにしか思えなくてですね……」

「初デートで成功何て奇跡に近いのよ?次に生かせばいいのよ次に」

「次にですか……」

「そう言う事。それでもまず貴女がする事は剣以外の事を学びなさい」

「ど、努力します」

「さて、次は貴女よね?」

 

 シグナムに恋愛教授を終えたプレシアは次の番のヴィータに視線を向けた。

 

「お、ついに来たか。私は………」

 

 

~ヴィータ報告中~

 

 

「おんぶかぁ……私達はコダイ君より背が高いから……チョット羨ましいな~」

「ふふん!どうだ!」

 

 羨ましがるすずかに胸を張るヴィータ。

 コダイは周りの同年代と比較しても明らかに小柄な体型なので運ぶ系統のスキンシップは体型より力が優先される横抱え以外は必然的に不可能に近い。

 

「よっぽど嬉しかったのか昔コダイ君からもらった黒いのろウサに報告してた程やしな~」

「はやて?!もしかして見てたのか?!」

 

 まさか見られて無い思いやっていた行動がしっかりとはやてに見られていた事に気づき顔を真っ赤に染めたヴィータ。

 

「終始バッチシ」

「あぅ~」

「ヴィータ可愛い~♪」

「うるせ~!それと頭撫でんなよレイ!!」

 

 ヴィータは自分より背が低いレイに頭を撫でられてる。

 

「黒いのろウサを抱きしめてゴロゴロしてたヴィータはホンマ悶える位可愛かったで~?」

「は~や~てぇ~!」

「あはははは……でもヴィータはホンマにコダイ君のこと大好きなんやね~」

「うっ……」

「そう言えばトキガワに初めて会った日以来、時々頬が緩む事があったな」

「うぅ……」

「コダイ君が家に来た時はずっと腕にくっ付いていたものね~」

「う~……」

 

 はやて、シグナム、シャマルと畳み掛けられて、若干涙目になるヴィータ。

 

「もうな、あの人見知りの激しいヴィータに好きな子が出来た~って思った時嬉しくてな~」

「だからアンタ所帯じみてるのよ」

 

 はやてがヴィータを抱き締めながらニヤけているとアリサが呆れながらツッコミを入れていた。

 因みに未だにヴィータの顔は赤い。

 

「でも、このままコダイ君ネタでヴィータを弄っていたら時間が足らんしな」

「じゃあ、次は私ですね?」

「シャマル!言ったれ!!」

「はい♪」

 

 

~シャマル報告中~

 

 

「シャマルに自殺(あじみ)を覚えさせたのか――」

「後、シャマルの料理と言えないアレを殆ど全部食ってるし――」

「しかもちゃんと評価しとる……私は1口食べただけで気絶してもうたからなぁ……」

「3人とも酷いです……クスン」

 

 シグナムとヴィータとはやての反応に泣きそうになるシャマル。

 

「さ、さすがに言い過ぎなんじゃ……」

「なのは……オメ―はアイツの料理を見てねーからそんな事言えるんだよ!!」

 

 ヴィータが苦虫を丼程噛み潰したような顔をした。

 まるで今までのシャマルの料理の味を思い出したかのように。

 

「アイツはシチューの材料で原形を留めて無い原色の何かが出来るんだよ!!」

「そんなに!?」

 

 どんな物かは今の説明で容易に想像できた。

 かつてなのは達は中途半端な料理の知識でコダイの家の火事寸前の火災を起こしフライパンを1つダメにして。アリサとすずかと一緒に桃子にきつく叱られた苦い記憶がある。

 それから3人は桃子のスパルタ実習(どれだけ厳しいのか想像お任せします)により今では1人でも任せられる程度にまで成長した。

 

「しかもシチューからはかけ離れたマズさなんだよ………コレでもまだマシなんだよ」

「それでも!?」

「最悪……結界張って無かったら異臭騒ぎで近所迷惑も良い所だぜ」

「そんなに!?」

 

 もう驚く事しか出来ないなのはだった。

 

「それで驚くのはまだ早いぞ高町」

「え?……シグナムさん?」

 

 シグナムもヴィータと同じ苦い顔をしていた。

 

「シャマルの料理は凄まじさは理解しただろ?そのシャマルの料理をトキガワは眉ひとつ動かさずに食べきるんだ」

「えぇ!?」

「それだけでは無い、しかもそれを我らでも食べれるように加工出来るのだ」

「……………」

 

 今度は驚き過ぎて、口が塞がらなかった。

 

「皆さん酷いです………コレでも頑張っているんですよ?」

 

 隅っこで影を背負って体育座りをしているシャマル。

 実は比較的に報告し終わって最初の方から消える様に隅に移動していたのは周りは知っていたが、ヴィータとシグナムの口から語られる惨状にフォロー出来ずにいた……

 そんな中をアインが意を決してシャマルの元に歩み寄り、優しく肩に手を置いた。

 

「それは私も主コダイからよく聞いている……私も修行中の身だ、お互いに頑張ろう」

「アイン………はい!」

「これは何時も主に言われているんだが必ず味見をする事だ」

「それはちゃんとしているんですけど……何故か味見をする前後の記憶が無いんですよ……」

「………………」

 

 アインは『それがいつまでも上達しない原因では?』と思った。

 

「シャマルそろそろ戻ろう。次の報告を聞いて盛り上がろう」

 

 その考えを一旦置いといたアインだった。

 

「そうですね……次は、プレシアさんでしたね」

「私ね…………これはデートと言うのかしら?」

 

 自分の番が来たプレシアはこれから話す事に頭を悩ませていた。

 

 

~プレシア報告中~

 

 

「その時のお母さん見たかったな~」

「うんうん」

 

 フェイトとアリシアが羨ましそうに言った。

 

「フェイト達にも見せたかったのですけど帰る頃には戻っていましたからね」

「小さい頃のフェイトにそっくりだったよ~流石親子だね」

「当り前よ……」

 

 幼児化したプレシア……もといロリシアを知っているリニスとアルフにプレシアは当然の様に言った。

 

「母様!もう1回子供になって!それで抱っこさせて!!」

「私も!!」

 

 アリシアとフェイトが手を上げる。

 

「残念だけど、まだ量産化に成功してないわ」

「ぶ~………だったらコダイにその時の母様の写真を撮って無いか聞いてみよう!」

「ちょ―――止めなさいアリシア!」

 

 携帯を取り出してコダイに連絡を取り始めるアリシアを慌てて止めに入るプレシア。

 ロリシアを幾つも写真に収められたが誰かに見せて貰ったと言う情報は無い、それが救いだがあの『性格最悪の完璧超人』の事だ……軽いノリで渡される可能性が高い。

 立場が逆なら自分でもそうするからだ。

 

「…………所でコダイさんから送られた、その件のプレシア――――もといロリシアの画像が此処にあります」

 

 場を変えるかの様にリニスが携帯を取り出した。

 

「何であるのよ!?」

「見たい方は挙手を」

「ちょっと聞いてるの?!」

 

 リニスとプレシア以外が即座に手が挙がった。

 

「ではどうぞ」

 

 携帯を皆に見せる。そこに映っていたのは……『自分より大きいファイルを抱き締めて涙目でこちらを見上げるロリシア』だった。

 

「もっとマシなのは無かったの?!」

 

 プレシアがデバイスを起動してリニスに詰め寄る。

 

「マシと言われましても……後あるとすれば『ニンジンが取れなくて半分泣いているロリシア』のとか『寝ている時にコダイさんが離れて泣きそうになるとかロリシア』など――」

「一体いくつあるのよ?!と言うか何よロリシアって?!」

「ロリータプレシアを略してロリシアとコダイさんが名付けました。あ、あと1番の傑作とすればコダイさんに運ばれて終始ご機嫌に鼻歌を歌っているのを動画で撮られてました」

「それ見せたら磔刑(たっけい)(なのポでのプレシアのフルドライブバーストです)よリニス!!!」

「リニス!!後で送って!」

 

 今度はアリシアが詰め寄る。

 

「それならコダイさんに頼んだ方がいいのですよ?送られた時に厳選した1部と言ってましたから」

「どれだけ撮っているのよ彼は?!」

「そっか!早速頼んでみるよ!」

「やめてアリシア!!」

 

 携帯を開きアリシアがコダイにメールを送る……

 必死に止めようとしたが……

 

「あ、返信来た『どうせリニスから聞いたんだろ?今からフェイトにも送るから待っていろ』だって」

「やった!」

 

 それも空しくコダイから即返信が来た。

 即座に来た返信の内容にガッツポーズを取るテスタロッサ姉妹。

 

「……はぁ」

 

 プレシアはもう諦めとばかりに深いため息を吐いた。

 

「ツッコミはやめたんですか?」

「疲れたのよ。私はもともとツッコミを入れるキャラでは無いもの……捌き切れないわよ」

「そうですか……では、次は私達の番ですね、行きますよアルフ」

「ふっふ~皆聞いて腰抜かすんじゃないよ~」

「そんな前振りをすると嫌な予感しかしないんですが……」

 

 アルフが意味も無く指の骨を鳴らした……それをみたリニスが嫌な予感を感じ小さく溜息を吐いた………

 

 

~リニス&アルフ報告中~

 

 

「「「「「「ちょっとO☆HA☆NA☆SHIしようか」」」」」」

 

 リニスとアルフ、プレシア以外が目に光を消してゆっくりと両者を見開いた目で見てくる。

 

「ちょっとまった!!タンマタンマ!!」

「落ち着いてください!!大人コダイさんの写真沢山撮ってるので後で送ります!!」

 

 早口で話す2人、逆に腰を抜かしそうになった。

 

「「「「「「…………………………」」」」」」

 

 取り敢えず目の光は収まったが未だにアルフとリニスから目を逸らさない。

 

「プレシアが依頼主によって作られた変身薬の余りを貰いまして、精神が大人になれば行けると思ったんですが……」

「何か見事に返り討ちにされたって言うか……」

 

 少し周りが落ち着いたところでリニスとアルフが大人コダイの経由を語った。

 

「それ子供フォームになった所為なんじゃ……」

「グッ………」

 

 全部聞いた後、フェイトに図星を突かれてたじろぐアルフ。

 意識してもらう為に相手の年齢を引き上げたのに見せる為だけに自分の年齢を引き下げる……誰もが本末転倒と思った。

 

「しっかし考えたね~人間形態のまま燃費を押さえる方法何て」

「子供フォームって言うんだよね?」

 

 ただアリアとロッテは違った。

 携帯に映されている子供フォームのアルフとロッテを見て感心していた。

 

「子犬でも良いんだけどさ―――っとやっぱり使える手足があった方が家の事手伝えるじゃん」

「小動物形態と併用すれば主への負担は最小限に抑えられますし―――しょっと、人型の分使える魔法も増えます」

 

 と言いながらアルフとリニスが子供フォームに変身した。

 

「なるほど……仕事上この姿の方が良いけどそれ以外は猫のまんまってのも味気ないもんね」

「私達も考えてみる?子供形態」

 

 子供になった2人を見ながら、密かに子供形態の案を練り始めたリーゼ姉妹だった。

 

「さてと………次は私達だ!おねーさんのミリキに驚くがいい!!」

「ロッテそれを言うなら『みりょく』……それとその発言は嫌な予感がするからやめて」

 

 高らかに宣言したドヤ顔のロッテの後ろで呟くアリア。

 

 

~アリア&ロッテ報告中~

 

 

「「「「「「……………………………」」」」」」

「……あり?皆ノーリアクション?」

 

 報告を聞いた全員が呆然といていて、開いた口が塞がらなかった。

 

「前の2人の感じで目がコダイっぽくなって睨むのかな~?と思ったけど……」

「誰も思わなかったからじゃない?デート中に女装するとか」

「あ~」

 

 周りが固まっている中、アリアの分析に納得したロッテだった。

 

「というか女装したんかコダイ君?!何で着せたんや!!」

「「面白そうだから♪」」

「ああさいですか」

 

 いち早く復活したはやてがツッコミを入れるが2人の一文字も乱れない即答に何も言えなくなった。

 

「ん~……レイちゃん、質問ええかな?」

「うゆ?」

「コダイ君って家ではいっつも女装しとるの?」

「ううん。時々やっているよ?毎日オシャレは疲れるって言ってたし……」

 

 レイが首を傾げながら答えた。

 

「え?疲れるだけ?そう言えば初対面の時も女装してたような………最近、ツッコムの忘れてたけどオシャレちゃうよな~」

 

 はやては思い返す、コダイの様々な女装(オシャレ)のラインナップ………

 初対面の時の服や小学校の制服、ワンピースタイプの水着、チアガール、ミニスカツインテールのサンタ衣装、ゴスロリ、ナースに紺のカーディガン、メイド服、メイド+猫耳のこにゃいくん、巫女服……

 大人状態でも女教師、和服など数えきれない程着ている。

 しかもそれが全て似合っていた、小柄な体型に人形の様に綺麗な顔立ち………そんなコダイを思い出してしまい頬が緩んでしまったので一旦振り払う事にした。

 

「あの時のコダイは顔は綺麗でスタイルは人形の様に細く小柄、胸も大きい……おまけに仕草が色っぽいと言うかエロい」

 

 アリアが指折り数えている。

 それとアリアの言うコダイのエロい仕草の代表は『クリームを指で掬って舐めとる』行為は報告していない。強すぎる刺激が及ぼす周りの影響を考えたが為だ。

 

「あと天然も萌えポイントだし……私達を差し置いてナンパ何かされているし……………アレ?ひょっとして私達、女装したコダイに『女』として負けてない?」

 

 ロッテの発言に全員影を背負った……

 

「だってアレだよね?あれだけ皆お母さん言ってるし……」

 

 更にロッテの追い討ちに黙ってしまう………

 

「あー………女装した大人コダイの写真いる?」

 

 場の空気を変えようとしたアリアの提案に全員が黙って頷く。

 

「んじゃあ後で送っておくから………次アインお願い」

「私か……先ほどの2人よりはインパクトに欠けると思うが……」

 

 そう言ってアインが報告を始めた。

 

 

~アインス報告中~

 

 

「誰だよオメー!色んな意味でインパクトデケーよ!!」

 

 アインの報告を聞いたヴィータの第一声である。

 

「い、言うな……言って置くけどな…………私なんかよりインパクトが凄かったぞあの夫妻は………」

「私の母が前回のメイドや今回もおかしな事を教えたようですみません……」

 

 なのはがアインに深く頭を下げた。

 

「謝る事は無いぞ?それを機に家事の手伝いを任せてもらえる様になったしこの服も初めは戸惑いもしたが。着てみると意外と動きやすくて良いんだ」

「あ~アインさんのメイド服って桃子さんが原因か……それもそうね、コダイなら着せるより着る方だもの」

 

 頭を下げているなのはに嬉しそうに答えるアインを見て。アリサが納得した様に呟いた……

 

「まだ全てを熟せてはいないが料理、掃除、洗濯と少しずつだが身に付けている。料理は量が多すぎてまだ主のお弁当だけを任せられているが、掃除と洗濯は主が居ない時に任せられている……最近では家の掃除は完全に私の仕事なんだ」

 

 まるで自慢するように自分の事を語るアイン……最後の方は若干ドヤ顔だった。

 

「変わったなアインス……前はそんなに自分を語るような事はしなかったぞ」

「そ、そうかシグナム?」

「ああ、我らも変わりはしたがお前は特に顕著だ」

「そんなの…………決まっているだろ?」

 

 シグナムに言われたアインが赤くなった顔を持っているトレーで口元を隠して―――

 

「主コダイの―――お役に立てたんだから―――」

 

 消え入りそうな声で呟くメイド服を着たアイン………

 

 ――――なにこの可愛い生き物?

 

 トキガワ家以外の全員が思ってしまった。

 周囲の知るアインのイメージは真面目で物静かな言動で。主の事を優先的に考え一歩引いて冷静に物事を見ているが、その為に主体性が無く半受動的な性格になっている……そんな人物だった。

 だが今のアインはどうだ?アインの為に誂えた様なメイド服を纏い赤くした顔の口元をトレーで隠す何て仕草をしている……

 因みにトレーを持っている理由はデート報告会で消費されるお菓子の補充や他の皆に新しい飲み物を渡したりと言われるわけでも無く率先して動いていたのだ。

 ―――良い意味でイメージを壊した瞬間だった。

 

「だって主は何でも出来過ぎて、役に立てる隙が無かったんだ………デバイスだってユニゾンは強すぎて周りから止められてるし……」

 

 目に見える程落ち込むアイン。さながら構って貰えない子犬の様だった……

 

「………何やろ、今物凄くコダイ君に弟子入りしたくなってきた。なんやこの乙女っぷり………コレが恋する乙女の力か」

 

 はやてが握り拳を固めて震えていた。

 

「アインをここまで乙女化させるとは………近い未来、コダイ君のフラグが倍になるかもしれんな……」

 

 はやてが周りに聞こえない様に呟く………………実際増えますが。

 

「はっ!今幻聴が―――気のせいや気のせい。さて、最後はレイちゃん率いるロリ軍団。頼むで!!」

「は~い!」

 

 レイが元気に手を上げた。

 

 

~レイ&マテリアルズ報告中~

 

 

「「「「「「あはははははははははははっ!!」」」」」」

「もう!笑い事じゃないよ!」

 

 報告を聞いて爆笑している事に頬を膨らまして怒っているレイ。

 

「あははははははっ……ごめんごめん、けどレイ達らしいなぁって」

「アリシアー!どーゆー事だー!!」

 

 エルが腕を振り回してアリシアに突進するが。頭を片手で押さえれれるとエルの腕では届かずアリシアに向かってグルグルパンチを繰り出すしかなかった。

 …………押さえている腕を払うと言う方法はエルの頭には持ち合わせてはいなかった。

 

「皆同じ場所に回っているのに何で誰も気付かなかったんでしょう……」

「ん~それはシャマル、アレやろ。サクラちゃん達はコダイ君が取り込んだ闇の書の闇から産まれたんや。つまりコダイ君の天然がかなり入っとるって事や」

「くっ………実際に起こった事だから言い返せぬ!」

 

 アンズが握り拳を固めている。

 

「それに……その巨大打ち上げ花火の名前『数多亜羅威屠武零火亜(スターライトブレイカー)』?だっけ……アレだよね?なのはの……」

「それしかねーだろ世間って案外狭いな……」

「フェイトちゃんもヴィータちゃんも酷い!?」

「何を言っているんですか。アレで火事になり掛けていたんですよ?……結界を張っていなければどうなっていたのやら……まさに魔王の如しでした」

「サクラちゃんもひどいの~と言うかそれは自業自得!」

 

 3人の総攻撃により涙目になるなのは。

 

「それで……その後はどうなったの?」

 

 すずかが首を傾げて聞いてきた。

 

「主コダイがレイ達に説教をしていて、その後にレイ達に修復させた」

 

 アインが帰って来て見ればそこには所々壊れている我が家の縁側で正座している4人を『ふーん』と鈴を転がす様な声色で興味無さそうに呟くコダイ……

 その光景は(コダイ)の機嫌1つで4人の生殺与奪が決まる死刑執行寸前の光景を目の当たりにした……と語った。

 

「実はあの花火が他の打ち上げ花火にも当たって大惨事に……」

「水を掛けても全然消えなかった……」

「あの時の姫は怖かった………」

「直るまでデザートのスイカ無しって言われて……凄い必死にがんばったょ~」

 

 サクラ、エル、アンズ、レイが酷く疲れた顔をしていた……

 

「……だが、夏祭りは楽しかったんだろ?」

「「「「うん(はい)(うむ)!」」」」

 

 アインが聞くと4人が笑顔で頷いた。

 

「えっと………コレで全員ね、でもコレって」

「そやな………」

 

 アリサの呟きにはやてが腕を組みながら答えた。

 

「皆の報告を聞いた結果………『進展無し』……というかコダイ君の天然で更にコダイ君の事が好きになってしもうたって所やな」

「「「「「「ぁぅ……………」」」」」」

 

 その言葉に全員……言ったはやて本人も真っ赤になっていた。

 

 

 

 

 

 

「あらあらあらあら♪」

「流石リーダーね♪幼女から人妻まで守備範囲が凄いわね……いえ、この場合は攻撃範囲かしら?」

 

 それを遠くで見ていた桃子とリンディはとても嬉しそうな顔をしていた。

 

「一体コダイ君は誰と結ばれるのかしら~リンディさんは誰だと思います?」

「そうね…………いっその事全員と言うのはどうかしら?」

 

 リンディが意味ありげに笑う。

 

「そんな事が出来るの?」

「簡単よ……コダイ君の戸籍を一夫多妻が可能な所にすれば……」

「あらあら♪それは面白そうね……」

「「フフフフフフフフフフフフ」」」

 

 楽しそうに……怪しく笑う2人だった。

 

「シュークリーム美味しいです~」

 

 そんな話も耳に入らずリインは翠屋のシュークリームを妖精サイズのまま果敢に食べ進めていた。

 

 

 

~おまけ~

 

 

――グシャ!!

 

 エリオとザフィーラを連れて買い出しに出かけたコダイが手に取っていたリンゴを握りつぶした。

 子狼状態のザフィーラはエリオの背負ったバックに顔を出した状態でぬいぐるみのふりをしていた。

 

「こ……コダイさん?」

 

 異様な雰囲気におそるおそるコダイに尋ねたエリオだが………

 

「エリオ、ザフィーラ少し待っていろ……翠屋を襲ってくる」

「はぃ?!」

 

 その後、コダイが翠屋を襲撃。理由は………

 

「何か俺について散々言われてる気がした……」

 

 当たらずとも遠からずだったので反論出来なかった被害者達であった……




機功 永遠様、黒十字様、頭翅様、鍛冶様、アルクオン様、桜日紅葉雪様、天魔・夜刀様、ミラ ランドラス様、零崎 式様、鏡月様、更識 天様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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