魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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今回のデートは2人かがりです。


デート・アルフ&リニス編

「え?……2人?」

 

 リニスから電話が来て、待ち合わせの場所のマンションの前に着くとそこにはアルフとリニスがいた。

 

「はい、今日は私達とデートしてくださいね♪(コダイさんの絶食ぶりは1人では無理です――)」

「いや~モテモテだね~♪(それなら複数で掛かればいいだけの話さ)」

 

 ………何だろう。狩りの直前にテンションが上がっている獣が2匹いるな。

 

「あ、コダイさん。これをどうぞ」

 

 何の前触れもなくリニスが渡してきたのは1つの小さな瓶だ。

 

「これは?」

「栄養剤です……最近お疲れの様ですし」

「そうそう、さぁググっといっちゃいな!」

 

 疲れては無いが…………

 軽く瓶を振り中身の液体があるのを確認する。

 

「…………何か入ってる?」

「―――何の事でしょうか?」

「―――アタシ達がそんな事するわけ無いじゃないか」

 

 やっぱりそうか………

 だがこいつ等の事だし飲んだとしても面白い事しか起きないだろ。

 瓶の蓋を開けて栄養剤を一気に飲み干す。

 

 

――PON!!

 

「…………?」

 

 あれ?………視線が高い……という事は。

 

「大人になったの?」

 

 大体、闇の書の事件後の時と同じ見たいね。

 髪の毛は黒のまま見たい……けど何で服まで同じ大きさなのよ?

 やっぱり何か入ってたみたいね……この2人が持っているのかを考えると―――

 

「さっきのってロリシア―――じゃなくてプレシアが作っていた薬ってわけ?」

 

「はい。でも、栄養剤と混ぜていたので栄養剤でもあります。(あの薬は精神も引っ張られるので大人のコダイさんなら意識してもらえる可能性は高くなります!)」

「えっと……騙す様な事をして……ごめん(前の白い髪も良いけ黒髪も捨てがたいね~)」

「良いけど。貴方たちが隠す気が無いのが分ったわ」

 

 動物部分が嬉しそうに動いてるもん。

 

「えっと……まずは何処に行くの?」

「その……ペットショップです」

「ペットショップ?何で?」

 

 答えたリニスは何故か言いずらそうにしていた。

 

「私達は普段は主の負担を減らすために留守を任されている以外は動物形態で居る事が多いんです、そしてこの時期になると色々と……その……毛とか」

「生え変わりの事ね、大変ね~」

 

 使い魔でも起こるんだそういう時期。

 動物形態の2人が自分の抜け毛をコロコロで掃除する面白い絵面を想像しちゃった……今度やって貰おうかしら?

 

「後ドックフードもね!」

「アルフ……相変わらず食べてるの?」

「結構いけるよ?ねぇリニス」

「たまに食べる美味しいですよ?キャットフード」

「――もしかして動物関連の人って皆こんな感じ?」

 

 ザフィーラは『保存食の様な物だ』って言ってるし………ユーノは……あ、彼は元々人だったわね。

 ペットショップか………懐かしいわね。行ったのは最初にも最後にもフェレットのユーノを飼うのに色々と買っただけね。ユーノが帰った後のケースを如何しようと今も処分に困っているけど。

 お店はここから歩いて数分の所にあるショッピングセンターの一角。入ると犬や猫だけで無く、鳥やハムスター……更に熱帯魚まで結構な種類が置いてある。

 

「むー……やはりいつものカリカリにするかな」

「たまには味を変えた方が良いかもしれませんよ?」

 

 アルフとリニスはペットフードと睨めっこしていた。

 会話の内容は普通に聞こえるんだけどさ………事前に理由を聞いていると物凄くシュールよね?

 終わるまで猫と遊んでよ………あ、マンチカン(猫の種類)だ。

 

 

 

~10分後~

 

 

 

「だから小動物は反則よ……」

 

 時間忘れたわ………

 と言うか猫を撫で回していると周りからの視線――特に男からの視線が非常に気持ち悪かった。あのマンチカンも言ってたし………

 

 

「あの2人はもう終わっているのかしら?」

 

 2人の方に向かうと、真剣に何かを見ている様子。

 

「どうしたの?」

「あ、コダイ丁度良かった」

 

 私に気づいてアルフが振り返るとその手には数種類もの首輪が握られていた。

 

「今新しい首輪を見繕っているんだけど中々良いのが見つからなくてね~」

「首輪については分らないけど色んなのを日替わりで付けたら?」

「それじゃ駄目さ。服とは違ってずっと付けるもんだからキチンとしないと。ホラ、リニスだって」

 

 アルフが指したリニスの方を見ると―――

 

「ん~……これは少し派手ですね。かといって無難なのを選ぶと地味になってしまいますし……」

 

 何か自分の首に宛てがって見てるし………

 

「あ、コダイさん。この5つの首輪の中から似合うのを選んでください」

「結局選ばなきゃいけないのね………」

 

 首輪なんて良く分らないし………

 考えた結果、2人の手に持ってある候補の中からアルフには黄色、リニスには紫の首輪にした、理由は互いの主人の魔力光。

 

「ありがとうねコダイ!」

「大切にしますね」

「別に私は選んだだけだし―――ってえ?」

 

 ちょっと待って?何で貴方たち何で付けているの?

 

「それって動物用よね?今付けるの?」

「そりゃあそうさ、首輪何だし……」

「元々動物ですし」

 

 アルフとリニスがさも当然と言った感じに付けているし。

 

「ほら、人も付けているじゃないですか」

「リニス、それチョーカーだから別物だから」

 

 言いたい事は分るよ?

 

「そう言うのは人が使うと防虫作用で皮膚が被れるから。チョーカーならそこで似たの買ってあげるから」

「本当かい?!」

「良いんですか?!」

「本当だからその首輪を外してちょうだい」

 

 アルフとリニスが首輪を外してくれた。やっぱり動物の意識の差なのかしら?

 アクセサリー屋は直ぐ近くにあったのを見たのでそこに入りさっきの首輪に似たチョーカーを買って上げた。

 

「えへへへ(コダイからのプレゼント~何かフェイト達とは違う嬉しさだね~)」

「フフフフ(好きな異性にプレゼントを貰えるだけで心満たされるなんて……山猫では味わえない喜びですね)」

 

 2人とも嬉しそうだけど……今度は付けないんだ。

 

「それで?次はどこなの?」

「次はアタシ!」

 

 私が聞くとアルフ元気よく手を上げた。

 

「ここだよココ!」

「ここって……ケータイショップ?」

 

 アルフが指差した先はケータイショップ。

 

「何からしくないわね。何かあったの?」

「あははは、実はこの前のは寝ぼけて壊しちゃって――」

「目覚ましと間違えて全力で叩き壊したんですよこの子は」

「こらリニス!」

 

 リニスにバラされて真っ赤になったアルフ。

 何かアルフらしい壊れ―――と言うより壊し方ね。

 

「もしかして全員持ってるの?携帯」

「人間形態で出かける時はね」

「此処で念話していたら怪しまれますし」

 

 え?………普通にレイとしていたけど?変だったのかしら?

 …………良いか別に、他人の視線何か気にしてないし。

 

「もう買う機種は決まったの?」

「カタログで強い衝撃に耐えれるケータイってのがあったからそれにするつもりさ」

「私のもそろそろ変えようかと……」

「リニスも?私はどうしよう……小学生の時から変えてないわね」

 

 最初の形態が溶けて時以来変えて無いから……4年位。

 

「よし私も変えよう」

 

 そう言って私も新機種にする事になった。

 アルフはオレンジでリニスはどこかのブランドとコラボした薄い金色で私は前と同じ白の携帯を購入した。

 私の携帯が以前買った時よりも安くなっていたわ……

 

「あんな状態で良くメモリーとか無事だったわね」

「い、言うなってばっ!!」

 

 アルフの前の携帯は店員が軽く引く位ボロボロになっていた……流石の私もそこまでボロボロにした事は体以外無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと………まだ?」

「も、もう少しです!」

「急かすなって!」

 

 場所が変わってショッピングセンターの屋上に連れてこられて目を瞑れと言われて瞑っている所。

 屋上は日差しや気温がキツイ所為か人が余り少ない。

 

「えっと……よし。アルフ大丈夫ですか?」

「………よし。いつでも行けるよ」

「では―――」

 

 あ、結界を張った。ここ最近魔力に結構敏感になっているのよね~

 

「はい。いいですよ」

「目を開けな」

 

 言われるがまま目を開くと――――

 

 

 

「ふふ~ん♪」

「じ、じゃ~ん」

 

 

 

 大体10歳前後の腰に手を当てドヤ顔の赤い髪の少女と少し照れ気味に両腕を開いて見せた薄い茶髪の少女がいた―――

 

「………アルフにリニス?」

 

 さっきの結界は阻害系だし2人の魔力は本人の魔力だし。

 

「どうだい?新形態の『子供フォーム』は?」

「普段は小動物形態で過ごして用事がある場合に子供形態と分ければより負担を減らせますしね」

「何でまた………」

 

 分けるなら子供形態とか要らない様な―――

 

「フェイトはもう強くなったしアタシはアタシで帰る場所を守ろうかな~って」

「私も似たような感じですアリシア達に教える事はもう無くなりました。魔法を使う機会も減るのでこの形態を開発しました」

 

 成程……けど本当に使い魔って便利ね。

 

「それで、何で私にその姿を見せたの」

「それは――――早速買ったこの携帯で一緒に写真を撮るんだよ」

 

 意気揚々と購入したばかりの携帯を見せるアルフ。

 今の容姿と相まって新しいおもちゃを自慢する子供にしか見えないわね……

 

「別に良いけど?」

「ホント?ならコッチコッチ!」

 

 アルフがリニスに携帯を渡して私の手を引き近くのベンチに座らされる。

 

「コダイはこうしてアタシは―――」

 

 

――ポスッ!

 

 

 アルフが私の膝に飛び乗り、両腕を首に回して頬をくっ付けてきた。

 

「あー!!」

 

 それを見たリニスが突然叫んだ。

 

「何してるんですか?!」

「こう撮って欲しいんだよ♪ちゃんと交代するからさ」

「撮りますけど―――ちゃんと交代ですよ!」

 

 少し拗ねながらもしっかりと撮影をしたリニス。次にアルフと交代したリニスの体勢はさっきのアルフと同じだった……

 交代しながらの撮影を終えて、未だ子供形態のままの2人の手を繋ぎ送る事になった。

 あ、子供形態の2人の背はヴィータより少し大きい位だったわ。今の私の胸位?

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 アルフ&リニス帰宅後……

 

「「………」」

 

 コダイに送られた2人は真剣な表情で携帯を操作していた。

 その首にはコダイに送られたチョーカーが付けられている。

 

「や、やっぱり定番の待ち受け……」

「ダメです。それでは見られてしまいます」

「そうだよね……じゃあフェイト達の画像を……」

「それだけではありませんこの宝を厳重に保護して隠さなければ」

 

 リニスは手慣れた様に先程撮った大人コダイの画像をアルフと送り合い手早く保護、そして隠蔽のための囮の空フォルダを製作していた……

 アルフもリニスに見習い保護を掛けて見られない且つ自分でも分り易いように隠した。

 

「しっかし……プレシアに薬を頼んだ依頼主って一体……」

「ああ、それならあの2人ですよ」

 

 アルフの問いに。あまり興味無さそうに携帯から目を離さずリニスがサラりと答えた。

 

「へ?2人?」

「残りの人から考えて大人コダイさんに落とされた人はあの2人………いえ、あの2匹しかいません」

 

 リニスが『2人』を『2匹』と言い換えた時、アルフの中に答えが導き出された……

 

「アイツらかい………ま、コダイなら大丈夫だろ」

「そうですね、コダイさんならやられるよりやらかす人ですから……」

 

 特に問題無いと結論に至った使い魔'sだった……

 その数分後、帰って来たフェイトとアリシアに子供形態が見つかり思いっきり可愛がられ。更にリンディとプレシアに玩具にされたのは別の話………




ミラ ランドラス様、鍛冶様、頭翅様、七夜士郎様、アキ様、アルクオン様、桜日紅葉雪様、零崎 式様、子爵様、シラカンバⅡ様、機構 永遠様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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