魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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どんのな時でも事前の確認は重要byコダイ

 俺となのはがユーノそしてレイに出会った次の日の朝、今日は少し早めに家を出た。

 なのははあの時、飛び出したままで制服なんか持ってるわけ無いので一度家に帰らなければいけない。

 コッチもユーノを預けたいので一緒に行く事にした……

「まさか、ユーノ預けるだけでこんなに体力使うとは」

「にゃははははは……」

 

 苦笑いするなのは……何かあったかと言うと。簡潔に言うなら…

 なのはが泊まった事で士郎と恭也に質問攻めされながら詰め寄られる。それで桃子に連行される二人、直後に悲鳴。

 次にユーノは美由希に拉致られ愛でられもとい、玩具にされてた。念話で助けを求められたが諦めろと言えなかった……

 

「それとレイ学校にいる時は念話で話してくれ」

≪え~!?なんで~!?≫

「貴様みたいな奴はこの世に居ないからだ」

 

 制服の右袖を捲ると、手首辺りに埋め込まれた菱形の青い宝石が不機嫌そうに点滅する。

 昨夜に手に入ったばっかりの俺のデバイス、レイ・モモ・ブラッドだ。

 ユーノから聞いた話だと。デバイスには種類があって、なのはのレイジングハートはインテリジェントデバイスと言い、高性能だが使い手を選ぶ代物らしい。他にもストレージデバイスと言うのもあり、コレが一般的らしい……

 変わって俺のデバイスはその二つとは属さないデバイス……と言うかロストロギアがデバイスになるとか前代未聞――とユーノが言っていた。

 

「分かったら静かにしろ」

≪ぶ~≫

 

 不貞腐れるレイ。

 宝石には『(-ε-)』と言う文字が浮かび上がった。

 そんなレイを包帯で巻いて隠す。

 レイは俺の右手に付いてるので包帯を巻いて隠すしかない。指摘されたら適当に嘘をつくさ。

 

「何か小さい女の子みたいだねレイちゃん」

「子供その物だろ……」

 

 なのはが包帯の上から宝石の部分を突いている。

 あ、スクールバス来た……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教室に入ると、俺達に気付いたアリサとすずかが近づいてきた。どうやら今日は車だったらしい。

 

「昨日の話聞いた?」

 

 アリサが突然聞いてくる…いきなり言われても分らないぞ。

 

「昨日言った病院で爆発事故が起こったらしくて、壁とかが壊れちゃったんだって」

「何か銃弾があったらしくて…それでフェレットが心配で……」

 

 すずかとアリサが詳しく教えてくれた……うん、間違いない昨日の事だ、更にに付け加えるなら爆発の犯人は俺だ。でも壁を壊したのは昨日の思念体だ。

 バレて無いから問題無い。

 

「え~と……それは……≪どうしよう!コダイ君!≫」

「≪慌てるなバレるぞ≫その事についてだが」

 

 念話でなのはとその場で打ち合わせしながら、多少脚色して話した。

 

「へぇ~まさに間一髪って訳ね」

「それでコダイ君に懐いたんだ~」

 

 アリサとすずかは一先ずホッとしたようだ。

 俺が言ったのは、フェレット…ユーノを引き取る時嫌な予感がして、ユーノを抱えて病院から飛び出して、ギリギリ爆発を免れたと言った。ついでに俺が飼う事になった。

 

「そう言えばユーノって言ったけど…フェレットの名前?アンタが決めたの?」

「ん?まぁ…そうなるな」

 

 自分から名乗ったけどな。

 

「へぇ……可愛い名前ね」

「うん、可愛いよユーノ君♪」

「可愛かったし…ピッタリだね」

 

 アリサ、なのは、すずかがユーノに関して盛り上がってる。あいつオスだぞ?…ってペットに関係ないか。

 

 

 

 

 

 

「≪―――つまり魔法は、自然摂理や物理法則をプログラム化して、それを任意に書き換え、書き加えたり消去したりすることで作用に変える技法と言う事か?≫」

「≪うん、その通り≫」

 

 授業中、物凄く面白く無いから。

 ユーノに魔法の事を念話で教えて貰ってる。

 

「≪なのはが理系が良いのはソレが関係しているのか?≫」

「≪それは制御と構築に重要なだけで、資質があるか無いかって話になっちゃうね≫」

 

 成程、つまり『頭いい奴=魔法が使える』と言う訳では無いと。

 そうなってしまうとアリサもすずかも魔法が使えると言う事になるからな……

 

「≪聞くが俺はどうなんだ?≫」

「≪詳しくは見て無いけど、なのはと同じかそれよりも低いかな?≫」

「≪……それは凄いのか?≫」

「≪凄いよ……それもとんでもなく≫」

 

 何故だろう、なのはと比較されても全く実感が沸かない……

 

「≪ねぇ、コダイ君……コダイ君≫」

「≪なのは?≫」

 

 今まで静かにしていたなのはが、念話に割り込んできた。

 

「≪授業ちゃんと受けなきゃダメだよ?≫」

「≪だって面白くないし……≫」

 

 面白ければ受けるのにな。

 

「≪え!?ちょっと待っ――たすけ――≫」

 

――ブツッ…… 

 

 突然ユーノの念話が切れた。

 

「≪な……何があったんだろう?≫」

「≪大体想像つくけどな≫」

 

 美由希とかにおもちゃにされてたし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってアンタその手どうしたの!」

 

 昼休み、いつもの屋上で、突然アリサが叫んだ……

 手?何言ってるんだ、特に何も……ってレイを隠すために包帯してるの忘れてた。

 

「これか?爆発から免れたが破片とかが色々刺さったんだ」

 

 当初から考えていた答えを出した。

 

「ちょっと!何でそんなこと黙っていたの!」

「そうだよ!大丈夫なの!?」

 

 アリサとすずかがこれでもかっというぐらい詰め寄ってくる…ってコレもう押し倒されてるぐらいだ。

 

「詰め寄るな、押し倒すな……大事な部分には刺さって無いから問題はないが……傷口酷いからしばらくは包帯必須だな」

「「よかったぁ~」」

 

 何とか落ち着いたか……後、いい加減離れてくれ。

 

 

 

「「「「毎度毎度イチャつかないと気が済まんのか貴様はあああああああ!!!!」」」」

「お、前回より人数多いな」

 

 いつもの狙ったのごとく現れる男子軍。

 

「質問、何処をどう見てそう言える?」

 

 

「美少女に押し倒される時点でそうだろうが!!!」

 

 

「小さ……」

 

 

 毎度の如く逃げるフリ……こいつらにジェルシード集めさせればいいんじゃないか?

 なのはが頼めば草の根を分けて探すだろうな……

 あ――でも願望で発動するからあいつらが見つけたらどうなるんだろう……探しやすいからいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにこの事をなのはに言ったら真面目に却下された……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、バスから降りるとユーノがやってきた、どうやらジュエルシードの反応を見つけたらしい。

 なので、二手に分かれて探すことにした。ユーノはなのはと一緒だ………大丈夫だと思うけど………

 

 

――グルルルルルルルルルルルルルルルルル

 

 

 こっちが大丈夫じゃない、何だアレ?昨日の奴より数段ヤバそう何だけど…ってあそこいるの人か?気絶してるみたいだし………手に持っているのは……リード?

 もしかして…今気絶中の人間の飼い犬?…でいいのか?その犬の願望を叶えたという事か?

 

「にしても大きいな……どんな願望だよ」

 

 目とか四つあるし……幸いこっちに気付いてないから今の内になのはを呼んで≪これいぬ!?おっきぃ!!≫この馬鹿。

 

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

 

「大声出すなよ、気付かれただろ」

≪えっと、まて!おすわり!ふせ!≫

「えっと……じゃあハウス」

 

 獣の突進を横に跳んでかわす。

 

≪えっと…え~と…だったら…おて!≫

「アレにされたら殺される」

≪じゃあ、おかわり!≫

「それも同じ」

 

 もう一回突進をかわす。

 思念体と比べて俊敏性が段違いだな、生物を取り込んだことでその特性を引き出しているのか?

 なら黙らせる。

 懐からデザートイーグルを取り出して、狙いを定める。

 

――シュッ!

 

「っと」

 

 後ろにも目があるのか?

 獣は尻尾でデザートイーグルを弾き飛ばし、粉々に砕いた……あれかなり頑丈にカスタムしてるんだけど。

 

――グルルルルルルルルルルルルルルルルル

 

 もう一丁は昨日の連射のせいで壊れたし打つ手が無いな。

 

≪チン「立たせてどうする」うゆ~≫

 

 レイがギリギリアウトな発言を遮る。と言うかよく知っているな……あ。

 

「デバイスがあるから起動すれば良いんだ」

≪そっかぁ~≫

 

 すっかり忘れてた。

 袖を捲りレイを隠していた包帯を取り前に伸ばす。

 レイの宝石から浮かび上がった文字を順に読み上げる――

 

 

 

「この身は魔となるモノ」

 

 

 風が止んだ――――

 

 

「血は魔に体は力に――命を贄に――」

 

 

 獣の動きが止まった、こちらを伺っている――

 

 

「このモノは、奇跡を掴むためにある……」

 

 

 右腕の宝石が点滅する度に光が強くなり――

 

 

「奇跡を―――この手に」

 

 光が虹色に輝いた――

 

「レイ・モモ・ブラット―――Access(アクセス)

Now Loading...Complete(ナウ ローディング...コンプリート)

 

 聞こえたのは無機質で流暢な声。

 その瞬間、虹色の光が炎に変わり俺の周りを囲む様に円を描き燃え盛る。

 それに煮えを切らした獣が襲い掛かった。

 

 

――ガアアアアアアアアアアアア!!!

 

 

 だがそれは虹色の炎に遮られ弾き飛ばされた。

 

「何だこの炎は……全然熱くない、コレが魔力か?」

 

 炎が消えて、そこに現れたのは黒に赤を施された謎のパーツの数々……

 それらが一斉に向かい、右腕、左腕、右脚、左脚、胴体と次々に俺に装備される。

 最後に頭部が装備たと思ったら視界が一瞬暗くなると。今度は大量のウィンドウが視界全部に展開される。

 そこに表示されていたのは……

 

『疑似神経との伝達――正常』

『装甲強度状態――正常』

『装備者の状態――不明』

『機能の状態――正常』

『シンクロ率――88%』

『現在の形態――ブレイザー』

 

 最後に現れたウィンドウは、全身を黒い中世の様な甲冑姿……恐らく俺の今の姿。

 全部のウィンドウが消えて視界がクリアになる。試しに伸ばしていた右腕を握り込むと。

 硬質な物がぶつかる特有の音を立てて右手が拳を作った……間違いなく俺だ。

 

「これは……どうなんだ?」

 

 第一杖っぽいのが無いし……あっ右腕に付いてるからこの甲冑がデバイスになるんだ。

 

≪うゆ~しらないよぉ~あ!まえまえ!≫

 

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

 

 俺がレイを起動させた事で危険を感じたのか一気に仕掛けてくる獣……

 

「さて…どんな性能か見せて貰うぞ」

 

 突進してくる獣を顔を掴み、真正面から受け止める。

 衝撃で、後ろに数センチ下がるだけで、獣の突進を受け止めた。

 

「頑丈な様だが、目立った性能は無いな。次は攻撃だ」

 

 顎を殴り跳ね上げ、ガラ空きになった腹にとび蹴りを放つ。

 

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 

 獣は数メートルも吹き飛び後ろの樹を2,3本へし折り倒れた。

 

「良し、違和感は無いな……レイ、今の内に封印だ」

≪うゆ?ふういんってなに?≫

「………………………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え?こいつ今何て言った?

 

「封印だ、ジュエルシ-ドを封印するんだよ」

≪どうやって?≫

「どうやって?ってデバイスで封印できるだろ?」

≪うまれたばかりだからわかんない≫

 

 

 

――グルルルルルルルルルルルルルルルルル

 

 これ昨日もなかったっけ…あったなこれ……獣がもう傷が治ってるし………

 

「≪ユーノ、なのは、今どこにいる≫」

「≪うぇっ!?コダイ!?今なのはと君の所に向かってるけど…≫」

「≪どどどどどうしたの!?≫」

「≪早く来い、こいつ封印ってなに?とか言い出しやがった≫」

「≪ふえええええええええええええええええええええええええ!?≫」

「≪ちょっと待ってて!もう少しだから!≫」

 

 すぐそこまで来ているのか……ってこっちの都合お構いなしに突っ込むなよ。

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

≪え~と…はんせい!≫

 

「それは猿」

 

 って危ないな。

 今度は爪まで使ってきた……生き物を取りこんでるのからか学習してるのか?

 

「だったら待てとお座り位学習しろよ……」

≪おて!≫

「今してる真っ最中だろ」

 

 また振り下ろされた腕をかわして、その隙に股下を潜り抜けて尻尾を掴む。

 

「このまま投げ飛ばして、黙らせる」

「コダイく~ん!!」

「大丈夫!?」

 

 丁度その時に、タイミングが良いのか悪いのか、なのはとユーノがやって来た。

 

「大丈夫だったら念話なんてしないだろ。早く封印しろ」

「分った!なのは、今すぐ起動を!」

「え!?…………起動って何だっけ?」

 

 こっちもかよ。

 

「我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放て。風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に。この手に魔法を――これ位覚えとけ」

「え~!そんな長いの覚えてないよ~」

 

 そう言えばこいつ国語全然ダメだったな。

 

「なのはもう一度言うからね」

 

 ユーノはもう一度パスワードを教える。

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

 標的を完全にあっちに移したか。

 ヤバイ、引きずられている……大型犬に振り回される飼い主ってこういう感じなのか?

 

 

≪スタンバイ、レディ、セットアップ≫

 

 それに一番早く動いたのはレイジングハートだ。なのはの手に杖として現れた。これなら……ってまだだ、昨日見た服をしてない。

 

「なのは!はやく防護服を!」

「え!?」

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

≪バリアジャケット≫

 

 バリアジャケットが展開すると同時、なのはの目の前に桜色の円形の壁が現れて振り下ろしていた腕を弾いた。

 と言うかレイジングハート高性能過ぎだろインテリジェントだとしても……

 でも良いか、おかげで獣の体制が崩れたしな。

 

「散歩の時間は終わりだ、そろそろ寝ろ」

 

 そのまま一本背負いのように投げ、地面に叩き付けた。

 

 

――ガアアアアアアアアアアアッ!!!

 

 

 獣は悲鳴を上げて口から何かを吐きだした………あれは、ジュエルシード。

 

「なのは、今だ!」

「うん!お願いレイジングハート!」

 

 ユーノに呼ばれなのははレイジングハートを構える。

 

≪イエスマイマスター、シーリングモードセットアップ≫

 

 レイジングハートから放たれた桜色のリボンがジェルシードを包み込む。

 

「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアル16封印!」

 

≪シーリング≫

 

 封印されたジュエルシードはレイジングハートに吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

「おっ終わった~」

 

 なのははバリアジャケットを解除してその場でへたり込んだ。

 ジュエルシードを封印すると、獣はただの犬に戻り、現在飼い主と一緒に寝ている。

 

「何か足引っ張ってるな俺……」

「そんな事無いって、僕にはあんなこと出来なかったし!」

 

 ユーノが俺の肩に飛び乗って来た。

 

「そう言えば、コレがコダイのデバイス?」

「そう見たいだな、起動したら勝手にこの姿になった。どうだ?」

「どうって……カッコいいかな?」

「えぇ!?」

 

 ユーノの言葉になのはが立ち上がった。一体どうした?

 

「コレがカッコいいの!?むしろ少し怖いの!」

「そうかな?僕はカッコいいと思うよ?」

 

 確かに全身こんな鎧だったら、見ようによっては怖くもカッコ良くもあるか。それは男女の感性の違いからだな……

 

「そう言えばコレどうやってとるんだ?」

 

 体をあちこち触って確かめる………あ、この兜脱げるのか。

 兜を脱ぐと顔が外気に触れる。そう言えば髪の毛はどうなっているんだ?

 髪の毛を触ってみると、どうやら後ろに団子状にして一纏めになっている見たいだな。それに前髪もよく見える様に分けられていた。

 

「ユーノ、コレってどう解除すればいい?」

「レイに頼んでみれば?」

 

 出来るのか?封印も出来ないのに……

 

「レイ、コレ解いてくれ」

≪むむむ!――ていっ!!≫

 

 間の抜けた気合の声でバリアジャケットが消えて、元の改造した制服に戻った。

 とにかく、コレでジュエルシードをなのはが初封印したが……

 

 

 

 

 

 

「封印出来ないか、如何する……」

≪わかんないよ~≫

「いや、聞いて無いから」

≪うゆ~≫

 

 本当にどうするか……




不屈の心様、シーザス様、NACHT様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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