マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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調子に乗って書き足したら流石に長すぎると感じまして。

キリがいいところで投稿します。


第5話 教練と息抜き(前編)

1週間後、メッサー中尉の教練は続いていた。その間に『ワルキューレ』のライブがあったりしてデルタ小隊がスタントとして飛ぶ事があったが、俺は地上要員に回り、サポートを行っていた。もちろん、スタントが終了して『エリシオン』に戻っても教練を行った。

 

「多少改善されてはいるが、まだまだエンジン出力を出し惜しんでいる。EX-ギアを信じろ。」

「了解。」

 

その言葉を皮切りに今日の訓練は終了した。

 

 

その後、俺はシャワーを浴びていたが、

 

「おっ?」

「ん?チャック?」

「だいぶこってり絞られているな。」

「そりゃね。この世界の機動兵器にも慣れないといけませんから。」

「まぁ、無理はいけないぜ?」

「無理してるように見えます?」

「見えるね。」

「そんなことはないんですけどね~」

 

どうやら、そのように見えたようだ。

 

 

一方その頃

アラドはメッサーとカナメと話し込んでいた。

 

「メッサー少しは休んだらどうだ?」

「そうですよ。ライブが終わってまた訓練だなんて。」

「他の隊員達を実戦で生き延びさせる為です。しかし、自分でもそう思いますね。」

「何がだ?」

「ルシウスは少し無理をしているように感じます。無理というか焦りですね。」

 

そう、おそらく彼が抱いているのは、焦りだ。何が彼をそうさせているのかまではわからないが。

 

 

『ストライクノワール』が保管されている格納庫。ここでまたもや『ワルキューレ』のメカニック担当とハッキングはお手の物な2人がなにやらいじっていた。

とそこへ。

 

「マキナさん?レイナさん?」

「お~ミラミラ~。」

「どしたの?」

「それはこちらのセリフです。彼が載っていた機体に何をしてるんですか?」

「リバースエンジニアリング。」

「修復するつもりですか?」

「頼まれちゃってね~」

「6日ぐらい前」

 

~回想~

マキナとレイナはルシウスに呼び出されていた。

「ルシルシ、どうしたの~?」

「どしたの?」

「もはやそのあだ名は確定ですか?まぁいいですけど。2人に頼みたいことがありまして。」

「いいけど。」

「いや、内容を聞きましょう。この機体『ストライクノワール』を修復して欲しいんです。」

「え?」

「だけど、君はメッサーからVFの操縦の仕方習ってるよね?」

「少し不安なんです。こいつが壊れたままだと。」

「ん~~~~~ん。わかった。艦長にはこちらから話を通すよ。」

「技術的に抜き取れる部分があったら取っていい?」

「構いません。軍機といっても誰も咎めないでしょうし。」

「わかった。けど、時間かかるよ。」

「お願いします。」

 

~回想終了~

 

「そんなことが。」

「何が彼をそんな不安にさせてるのかね~?」

「だけど、彼の気持ちも少しわかり気がします。自分が搭乗する機体が壊れたままだとどうすればいいのか、分からなくなってしまいますから。」

「だけど、ルシルシはVFに載る予定じゃないの?」

「でも、今まではこれに載っていた。」

「簡単には割り切れないですよ。」

 

そう言って、ミラージュは『ストライクノワール』の顔の部分を見つめた。

 

 

マキナとレイナの機体の構造・部品解析・修理が進む中、メッサーの教育は続いていた。

 

「エルロン・ロール時に左エンジンの出力が甘い。もう少し出力を上げれば、さらに鋭くロールを行うことができる。」

「わかりました。」

「とはいえ、少し根を詰め過ぎたようだ。明日からの2日は休め。」

「宜しいんですか?」

「自分から見ても無理をしているように見えるからな。」

「・・・・」

「沈黙は肯定と受け取るが?」

「そんなふうに見えますか?チャックにも同じ事を言われました。」

「見えるな。まぁ休め。」

「わかりました。」

 

その言葉の通りに俺は明日から休みをいただいた。

 

次の日に俺は街に出ようとしていた。ゴンドラに載る直後、

 

「あっ。」

「ん?あれ?ミラージュさん?」

「そう言えば今日はお休みをいただいていたんでしたね。」

「そうですよ。ミラージュさんもお休みですか?」

「1日だけですけどね。そうだ、この後街に出るなら少し付き合ってください。」

「荷物持ちですか?まぁいいですよ。」

「助かりますよ。」

 

その後、ミラージュさんと街を回り、息抜きで食べ歩きしたり、ミラージュさんが欲しいと言っていた服や日用品等を買ったりと、日常を謳歌していた。

海が見えるベンチで休憩している最中、

 

「少し歩き疲れましたね。」

「正味3時間は歩きつづけましたからね。」

 

ミラージュさんと話しをしながら、水を飲んでいると

 

「ルシウスは少し焦ってません?」

「みんなに無理をしているとか焦ってるように見えるって言われますけど、そんな分かり易いですか?」

「ええ。最初は元の世界に戻りたいから無理をしているのかと思いましたが。」

「『ストライクノワール』に次元を渡るとかそんな都合の良いのなんか積んでませんよ。この世界の情報を知った時に元の世界に戻る事は諦めました。」

「そんな・・・。しかし、元の世界にも友人や家族がいたのでは?」

「いたにはいたのですが、両親は2年前に他界してしまいまして。友人達も自分が軍に入ってから完全に音信不通状態でしたから。」

「あっ・・・すみません。立ち入った事を。」

「仕方がありませんよ。実は2年前に俺が所属していた軍の国『オーブ連合首長国』が攻め込まれまして。その時に避難が間に合わずに。自分は運よく助かりましたが。」

「そうだったんですか。」

 

少し気まずい雰囲気になったが。

 

「あとは何か買うものがあるのですか?」

「えっとこの後は特にはありませんね。」

「じゃあミラージュさんの行きつけの店とかありません?男でも入れる店で。」

「あ・・・ありますよ。この先に。荷物持ちをしていただいたお礼です。奢りますよ。」

「ありがとうございます。」

 

俺が強引に話を切り、話題を切り替えさせた。

 

 

夕方、『エリシオン』に戻ると。

「お?」

「あれ?チャック?メッサー中尉?」

「どうしたんですか?お二人共。」

「書類仕事が終わったから戻るところさ。」

「ルシウスは休めたか?」

「ええ。いい気晴らしになりました。」

「ならいい。」

 

その言葉で、メッサーはゴンドラに向かった。

 

「あ、そうだ。ルシウス。寮の方に部屋の準備ができたからタイミング見てこっちにも来いよ。」

「わかりました。艦長にも許可をとります。」

「ああ。」

 

その後、ミラージュさんと『エリシオン』内で別れ、自室に向かい、自室のドアを開けた。その瞬間、

 

「私を差し置いて、デートとは良いご身分ね。」

「うあ!!!」

 

美雲さんが俺のベッドに腰かけていた。

笑顔で。

・・・笑顔で。

・・・・・・飛び切りの笑顔で

・・・・・・・・・目が笑っていませんでしたが。

 

「えっと美雲さん?」

「何かしら?」

「鍵かけたはずなのにどうして?俺の部屋に?」

「レイナに言って開けさせたわ。」

「・・・」

 

あっさり犯人特定。

 

「えっと?美雲さん?」

「なに?」

「・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

怒っていらっしゃる。間違いなく。恋愛経験ゼロの俺でもわかる。

 

「明日時間が空いてます。」

「で?」

「・・・外に出かけませんか?」

「・・・・・・まぁ及第点ね。」

 

どうやら、最低限の物()は守れたらしい。

 

「じゃ明日よろしくね。」

「はい。」

 

そう言って美雲さんは出て行った。

 

「・・・・・・・」

 

何故かドッと疲れた。

 

「あれ?何故疲れが?」

 

息抜きしたはずなのに?

 

 

オマケ?

 

私は『エリシオン』内の自分のスクランブル待機用の自室に入ろうとしたところで、声を掛けられた。

 

「ミラージュ。」

「?美雲さん?・・・・ひっ!」

 

そこには『ワルキューレ』のエースが・・・・エースが・・・・いらっしゃる。

とびっきりの笑顔で。

 

笑顔?笑顔じゃない。たぶんあれは笑顔じゃない!!

 

「何勝手にルシと遊びに行ってるのかしら?」

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

 

なにやら触れてはならない一線に触れたらしい。

 

 

 




アカン。

キャラを間違えた?

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