マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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サブタイトルが結構難しい。




第3話 街へ

翌朝。

6時には目が覚めた。体を少し動かしてからシャワーを浴びる。それからまた端末で情報を見る。

統合戦争以前の話。第2次世界大戦に関してはやはりコズミック・イラと同じのようだ。やはり分岐点は『ASS-1』の落下だろうと自分の中では位置づけた。とそこへノックが響いた。

 

「ルシウスさん。起きてますか?」

「起きてます。どうぞ。」

「失礼します。」「失礼するよ。」

 

声と共に、二人が入ってきた。

 

「おはようございます。朝食一緒にいかがです?」

「助かりますよ。えっと。」

「失礼しました。『ケイオス』ラグナ第三航空団所属 ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です。」

「同じくチャック・マスタング、階級は少尉です。」

「オーブ連合首長国第2宇宙艦隊『スサノオ』所属ルシウス・ペンドラゴンです。階級はニ尉になりますが、タメ口でいいですよ。この世界の階級じゃないし。」

「いえ、ですが。」

「ちなみに俺は17歳です。」

「なぁ、ミラージュ。こう言ってんだから。」

「チャック。・・・わかりました。よろしく。」

「こっちもよろしくな。」

 

俺は二人と握手を交わす。

 

「じゃあ、互いの自己紹介も終わらせたことですし。行きませんか?食堂。」

「そうですね。」

「じゃあ、行くか。」

 

俺は3人と共に食堂へと向かった。食堂に入ると桃色の髪をした人物がミラージュさんを呼び止めた。

「ミラミラ~、こっちこっち。」

「おはよ~。」

 

呼んだ方には先程の桃色の髪をした人物と薄い緑の髪をした人物がいた。

 

「おはようございます。マキナさん。レイナさん。」

「おはよ~。」

「おはようございます。」

「おはよ~。お~。新入り君も一緒か~。」

「オーブ連合首長国第2宇宙艦隊『スサノオ』所属ルシウス・ペンドラゴンです。」

「ん?オーブ?」

「この世界とは別の世界の地球にある小さいな島国からなる連合国家です。」

「へ~。」

「ねぇ。それより朝ごはん食べようよ。」

「そうですね。取ってきます。チャック、手伝ってください。」

「あいよ。」

「あっと俺も・・・。」

「座っておいてください。マキナさん、レイナさん。彼の相手を頼みます。」

「はいは~い」

「任された。」

 

そういい、チャックとミラージュは朝食を取りに行った。

 

「結構皆さん仲がいいんですね。」

「そりゃ~ね~。戦場で歌うって一人じゃできないことだから。」

「チームワークは大切。」

「そうそう。でねルシルシ。」

「???」

「マキナ、初対面の人にそれはないと思う。それに私達は自己紹介してない。」

「あっ、そうだった。じゃあ私から。マキナ。マキナ・中島。『ワルキューレ』に所属しているメカニック担当よ。」

「レイナ・プラウラー。同じく『ワルキューレ』に入ってる。ハッキングはお手の物」

「さっきも言ったけど。ルシウス・ペンドラゴンです。」

「で?さっきの続きだけど、あの機体は何?」

「うんうん。」

「俺達がいた世界の人型機動兵器です。通称『モビルスーツ』と呼ばれています。」

「ヘ~じゃああのOSは?」

「遊び心にしては出来過ぎている。」

「以前、開発を担当した軍が作り出したものですね。特殊部隊ように開発したものです。」

「え?じゃああの機体は?」

「簡単に言えば譲渡された機体です。」

「そうなんだ。」

 

とそこへ。

 

「やっぱりあの機体の事で盛り上がってますね。」

「だな。」

 

ミラージュとチャックが朝食をもって戻ってきた。その後、朝食を挟みながら俺達は会話を楽しんだ。

 

「そうだ。君のIDカードできたから確認しておいて。」

 

レイナさんからIDカードが渡された。

 

「助かりました。身元不明状態はいやですからね。」

「そうだね~。」

「じゃあこの後、少し出ないか?店とかも教えてやるよ。」

「助かるよ、チャック。だけど任務とかは大丈夫なのか?」

「大丈夫さ。まだ時間はあるし。」

「じゃあ頼む。」

 

そういい『ワルキューレ』の2人はレッスンへ、デルタ小隊のメンバーは一旦ミーティングの為、俺達は解散した。

 

 

 

自室で端末内の情報を読んでいると

 

「ルシ。今大丈夫か?」

「開いてるよ。」

「時間取れたから今から外出てみないか?」

「いいね。頼む。」

 

俺とチャックはエレベーターへと向かった。チャックの道案内で『エリシオン』の中を歩いていると、外へと通じる扉がありそこには街に続くゴンドラが設置されていた。チャックと俺はそれに乗り込むとゴンドラが動きだした。ふと『エリシオン』があった方を見ると

 

「大きいな・・・。」

「俺達の母艦、『マクロス・エリシオン』。その外観だな。」

「地球に落ちたのもあれと同様のサイズなのか?」

「若干大きいらしいぜ。形も似て非なる物らしいからな。」

「なるほど。」

 

街についた俺達はチャックの案内で街を見て回った。

 

「やはりいろいろの種族がいるんだな。見たことない生き物だっている。」

「そりゃね。いくらマクロスが新天地を目指したといっても原住民がいないわけじゃあない。この星ではそんなことがないけど、テロ組織が跋扈している星だってあるんだからな。」

「やっぱそんなものか・・・。」

「それよかあっちの店にには服とかが・・・。」

 

チャックの道案内の説明を聞きながら俺はあることを考えていた。あらゆる惑星にマクロスが降り立ったのだろう。そのマクロスがもたらした恩恵を吉と捉えるか、凶と捉えるか、難しいところだった。

 

 

 

一方その頃。

メッサーは半壊の機体から取り出された映像を見ていた。

 

「・・・・・・。」

 

やはり接近戦闘用の機体だけに近接戦闘が目立つ。ただし遠距離攻撃も行っていないわけじゃない。

 

「・・・・・・。」

「ずいぶん熱心に見ているわね。」

 

そこに涼やかな声が響いた。

脇に目を向けると『ワルキューレ』のエースとリーダーが立っていた。

 

「アラド隊長から聞きました。彼にVFの取説を閲覧させる許可を取ったらしいですね。」

「ええ。」

「彼をこちら側に引き込む気?」

 

美雲は映像から目をそらさずにそう尋ねた。

 

「この戦闘映像だけでも彼は相当量の技量を有しているのはわかります。戦場で培われたのでしょう。下手に訓練された者よりか信用ができます。」

「そう。」

 

その答えだけで十分だったのか。美雲は部屋から出て行った。

 

「・・・・・美雲、なんだか機嫌良さそうね。」

「そうなんですか?」

「ええ、彼が来てからですね。」

 

まぁ、ワルキューレ内の団結がより深いものにできるのであれば彼の存在は必要不可欠なものになる。そういった点では彼の来訪は喜ぶべきものなのだろう。

 

 

 

場所がかわり、半壊の機体『ストライクノワール』が保管されている格納庫。

その場所にデルタ小隊隊長 アラドとミラージュ、『ワルキューレ』のマキナとレイナがいた。

 

「それじゃ、空間を転移するような装置、又は時空を転移するような装置の類は積んでいなかったのか?」

「はい。純粋な戦闘兵器ですね。超長距離移動装置の類もありません。注入可能な推進剤の量からしても地球圏を出られるかどうかって量ですね。」

「それよりおもしろいものがある。」

「「???」」

 

首をかしげながら、アラドはマキナとレイナに促されるままコクピットに入った。

 

「コクピットの兵装画面に装甲が表示されたかと思うんですけど。」

「ああ、あったな。確かヴァリアブル・フェイズ・シフト装甲って。」

「で、コネクターも装甲に繋がれていたかと思う。」

「そうでしたね。私も見て確認しました。」

「そこで、試しにこの機体のバッテリーを充電してみたの。バッテリー本体には損傷が入ってなかったし。」

「で、このボタンを押すと。」

 

アラドが言われたボタンを押すと、機体が瞬く間色付く。

右腕と右足は灰色に。胸部は黒を基本とした黒、赤、灰のトリコロールに。『ノワールストライカー』も同様に色付いた。

 

「これは!?」

「機体が色付いた!?」

「装甲に一定の電圧の電流を流すことで相転移する装甲みたい。これによって物理ダメージ、ミサイルとか機銃とかのダメージを無効化できるみたい。」

「俺達のVFシリーズのエネルギー転換装甲みたいなものか?」

「似たようなもね。ただ、高エネルギーのビームは防ぐ事ができないみたい。実体弾に対する防御はバッテリーが続く限りは大丈夫みたいだけど。」

「動力源がバッテリーである以上、活動限界があります。ビームライフル等の火器にも電力を回している以上、一定量の電圧を回し続けるこの装甲はデメリットが大きいと思うのですが。」

「たぶん開発者は高性能機であるが故の優位性を容易く失いたくなかったんじゃないかな?」

 

コクピットから出てアラドに代わり、今度はミラージュがコクピットに入った。シートに座った瞬間、アラドと同じ感想を抱いたのだろう。顔をしかめていた。

アラドは改めて自分達の使う経緯をたどった機体を見上げた。

 

「OTMを使った俺達の機体とは違う。純粋に人の技術の発展の生末か。」

 

アラドはそう言い、格納庫から立ち去った。

 

 

オマケ

夜、デルタ小隊の紅一点であるミラージュとワルキューレの美雲以外のメンバーがデルタ小隊男子寮兼中華飯店の『裸喰娘々』のドアを開けると、

 

「あれ?チャック?」

「なんかドス黒いオーラが出てる?」

「なのに何で突っ伏してるの?」

「しかもビールのピッチャー空け過ぎです。」

 

四者四様の反応が示す通り、チャックがテーブルに突っ伏した状態でビールのピッチャーを数杯分は開けていた。ドス黒いオーラをまといながら。

 

「イケメン嫌い、イケメン嫌い、イケメン嫌い。」

 

訂正。呪詛も含まれていた。

 

「チャック!?どうしたんですか!?」

 

デルタ小隊の仲間の洒落にならない状態にミラージュが慌てると

 

「俺、ルシの事嫌いになりそう。」

「「「「なんで?」」」」

「あいつ、俺をほっぽり出して美雲さんとデートしやがった!!!」

「「「「・・・・は?」」」」

 

空気が凍るとはまさにこの事。

 




ヒロインもうこの人でいいかな?

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