マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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投稿してない間にFGOのイベントが多数ありましたね。

自分もガチャ引いたのですが。

最近自分の引きは爆死とすり抜けを交互に発生しています。


第31話 反攻開始

作戦開始まであと数時間になった。アイランド船のフォールドリアクターの修理も完了した。そんな中、俺はミラージュさんに呼ばれた。

 

ハンガーに来てほしいと。

 

VF用のハンガーに向かうとそこには

 

「ルシ・・・・。」

「ルシさん。」

「あれ?ハヤテにフレイアさん?なんでここに?」

「私が呼んだんです。ハヤテの件で。」

「・・・・・・・・・ハヤテの暴走の件ですか?」

 

ハヤテの暴走。

カナメさんからはその事を聞いていた。ハヤテの暴走は、俺が戦闘中に感じ取れる相手の思考の先読み、相手の声、視認性の強化等の感覚が鋭くなる現象とは違うようだ。その暴走をカナメさんは『感覚拡張』と称していた。

『感覚拡張』とは脳の処理情報が急激に上昇したことによる現象。その現象の特徴として視覚や聴覚が鋭敏になったり、時間感覚に変調をきたすことがある。

 

本来、『ワルキューレ』の歌は鋭敏化した感覚器官を沈静化させる為の物。強化される為の物ではない。それは『ウィンダミア』の風の歌の性質になる。

『ケイオス』側の上層部や医療部門は、『ワルキューレ』の歌の影響でこの症状が進行して自我意識を失えば、ハヤテがヴァール化する危険性がある事を懸念していた。

そこで、作戦前に実験を行いフレイアさんの歌でハヤテがヴァール化しないことを証明する必要性があったので、その実験を行ったのだが。

 

結果、証明が出来なかった。

 

フレイアさんの不安。その所為で歌を歌える状態じゃなくなった。これがとてもじゃないが、戦闘中で歌える状態ではない。

 

「・・・・先の実験。実験その物は証明不可の結果で終わりましたが。」

「ハヤテ少尉に出撃許可をいただきました。」

「・・・・・・・どう取引したんだよ、あのスルメ親父と。実験の結果はまだ出てないんだろう?」

「ある条件に、あなた達の出撃許可をいただきました。」

「ある条件?」

「最初は私が全責任を持つつもりだったんですが・・・・。」

 

そこで言葉を切りこちらを見た。その泣きたくなるような顔で俺は事情を察してしまった。

 

「まさか・・・・。」

「そのまさかです。全部隊と新統合軍。市民に危険が及ぶようならルシウス中尉に撃墜してでも止めろということです。」

「「「・・・・・・・・・・。」」」

 

一旦言葉を切り、顔を伏せる。次から出た言葉を必死になって出そうとしていた。

 

「その際の、ハヤテ少尉の拘束か撃墜の判断はルシ中尉に委ねるとのことでした。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・わかった。でも二度と暴走なんてしない!」

 

ハヤテの決意とは裏腹に、事態はそう楽観視できないものがある。

俺はそう思いつつも、ある事も考えていた。

そして、ある事をアラド隊長に頼みに行った。

 

「何だ、頼みって?」

「先程ミラージュさんから聞きました。ハヤテの出撃許可と暴走した時の撃墜を俺に委ねたそうですね。」

「ああ。最初はあいつがやると言っていたが・・・・。」

 

隊長の横にいるメッサー大尉が話に割り込んだ。

 

「俺がお前に変更させた。」

「やはり、メッサー大尉の判断でしたか。」

「ああ。俺も正直メッサーの判断は間違いではないとは思ってはいる。今のミラージュに味方を撃たせるのは酷だ。」

「・・・・・・・・・・。」

「何か言いたそうだな。」

 

メッサー大尉は俺の表情を見てそう言った。

 

「まぁなんだ。お前の言いたいことは何となくだが、俺もメッサーも分かっている。」

「「お前が撃墜判断を下す前にミラージュ(中尉)を説得の為に、フォローに回って欲しい、だろう?」」

「・・・・・・・・やはりバレバレでしたか。」

 

俺は、二人の洞察力に感心し、姿勢を正して二人に頭を下げる。

 

「ですが、お願い致します。」

「んなことは、お前に言われなくても分かっている。」

「実はある人が、お前が頼み込む前に同じような事を忠告した人がいてな。」

「・・・・・・・・それは。」

「「まぁ、お前が想像している人物だ。」」

 

俺が言う前に、先手を打たれた。まぁ俺が想像した人物は十中八九あの人しかいない。

 

「ついでにその人曰く『絶対ルシも同じ事言うから。』ということだ。」

「愛されてるな、お前は。」

 

メッサー大尉は苦笑を浮かべて、こちらの肩を叩く。

まぁ、隊長達が了承しているならいいか。ハヤテはミラージュさんに任せよう。

 

俺は何となくだが、歩く向きを変える。

歩いた先は展望台。

 

そこから見えるのは、あらゆる生命の存在を許さぬ黒き海。

初めて宇宙に上がった時は不安があった。が、今はそんな事は無い。

 

「・・・・・しかし、落ち着かないかな。」

 

ガラス越しとはいえ、目の前の真っ暗な空間は俺の精神衛生上落ち着かない物がある。

 

「・・・・・・・・・あなたには、宇宙空間の闇は慣れない物かしら?」

 

後ろから声を掛けられその隣に立つのは紫髪の恋人。

 

「・・・・・・・地球暮らしが長かったせいですかね。白の雪景色と、蒼の海と空には落ち着く物があるのに。それ以外の色が目の前に広がると確かに落ち着かないですね。」

「大丈夫。あなたは直に慣れるわ。私の伴侶ですもの。」

「ありがとうございます。」

 

美雲さんの確固たる自信は不思議とその気にさせられる。

少しの間、揃って宇宙空間を眺めていたが。

 

「・・・・・珍しいな、お前がここにいるなんて。」

「あれ?ハヤテ?」

「あなたこそ、ここに来るなんてね。フレイアと一緒じゃなくていいの?」

 

ああ、と言いながら手すりにもたれる。

 

「逆にあんたらはいつも一緒にいるな。」

「そうですか?」

「そう?そうかもね。」

 

美雲さんは嬉しそうな声音になった。

 

「あなたは元気なさそうね。」

「・・・・そうだな。なんかいろいろあり過ぎて、大変だからな。」

「まぁ、数週間前は完全に民間人でしたからね。ハヤテは。」

「ああ。」

 

そう言いながらハヤテは目を閉じて、深呼吸しながら目を開く。

 

「でも、これでもう一度飛べる。ミラージュや隊長には感謝しねぇと。」

「「・・・・・・・・・・・。」」

「ま、あんたは歌って俺とルシは飛ぶ。俺達にはそれぞれできることしかできねぇもんな。」

「・・・・・単純で羨ましいわ。」

「・・・・・・そりゃどうも。」

 

肩をすくめながら苦笑いを浮かべる。その顔は自分でもそんな事は自覚してますと言っているような顔だ。

 

「でもそれでいいのかもね、今は。」

「だろ?」

 

お互いに悩みを持っている者同士。辛い心境もあるだろう。それはお互い分かり合っている状態だった。俺は少し外に離れて話を聞く事にした。

 

「ずっと不思議だったの。私の歌の方がヴァールを沈静化出来て銀河にも響き渡っているのに。何故あなたはフレイアの歌に反応したのか。」

「・・・・・・・あいつとはなんか繋がってる気がするんだよ。」

「・・・・・・・そう。」

「けど、あんただってすげーじゃん。プロトカルチャーの巨大システムと繋がるなんて。それに、ルシの機動だって怖いぐらいに上がるし。」

「ルシのは私が手を貸したのは最初だけよ。後はルシ自らが気が付いて、自分で発動できるようになってたし。」

 

美雲さんは俺に近づき、手を握り締める。

 

「・・・・だけど、プロトカルチャーと繋がるのは案外怖いのよ、あれ。」

「へぇ。あんたも怖いなんて思うんだ。」

「そうよ。だからしっかり守りなさい。私『ワルキューレ』で一番幼いんだから。」

「了解。しっかし3歳だったとはな~。」

「ハヤテ、茶化してはダメですよ。」

「んなことは分かってるよ。」

 

そう言いながら、美雲さんはこちらに腕を絡めて出口へ、そして皆が集まるブリーフィングルームに向かう。

既に俺達以外のメンバーは全員集合していた。

 

 

「さぁ行くわよ!私がいなければ巨大システムは反応させられないんだから!」

 

『ワルキューレ』の中でも、俺が最も信頼している彼女は例え自身の出生に疑問があっても決して挫けることはないだろう。

 

 

 

「どんな過去があっても私は私。今はただ歌うだけよ!」

 

 

その身に有り余る決意を抱いて、今反攻への凱歌の幕が上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アイランドジャックポッドとのドッキングアーム、リリース!』

『全艦、トランスフォーメーション!!』

『全リアクター、出力正常!!フォールドコンデンサー問題ありません!!』

 

 

『エリシオン』がアイランド船から離れていく。

 

 

『美雲からの情報では、現在風の歌い手は歌えない状態にあるらしい!』

 

 

風の歌が響かない事のタイミングがベスト。

 

 

『銀河をウィンダミアから解放するには今をおいて他にない!!』

 

 

『オーブ』のパイロットスーツに身を包み、コクピットに入る。

 

 

『これより『ケイオス』は全戦力を以って反攻作戦を開始する!!』

 

 

全システムを立ち上げる。

 

 

『相手は未だ謎多きプロトカルチャーのシステム、更に大きな戦力差もある!!』

 

 

『G.U.N.D.A.M. M.O.S.』の文字が浮かびあがり、顔の部分のデュアルアイに光が灯る。

 

 

『だが、銀河をくれてやる訳にはいかんのだ!!』

 

 

『ストライクノワール』が起動した。

 

 

『ラグナでは『クラゲを侮るカモメは海に引き摺り込まれる』という!奴等に我々の意地を見せつけてやろうではないか!!』

 

 

「全システム確認、オールグリーン!」

「了解!!武運を祈ります!!」

 

整備班の人員に敬礼を返し、コクピットハッチを閉じる。

 

 

『諸君の健闘に期待する!!』

 

 

慣れ親しんだコクピットは、不思議と心を落ち着かせるものだ。

『エリシオン』の前方にフォールド空間が広がり、惑星『ランドール』への道が開く。

 

 

 

 

『マクロスエリシオン!!発進!!!』

 

 

 

 

 

 

情報では既に新統合軍の『ヴォルドール方面軍』が戦闘状態に入っているらしい。

 

『デフォールド後、トランスフォーメーションを行い、艦砲射撃で進路を作り、目くらましを行う!!その後、速やかに航空部隊は発進!!発進にラグを入れるなよ!!』

 

艦内放送を聞きながら、発進待機していると美雲さんから通信が入った。

 

『ルシ!!』

「はい?」

『私の事をお願いね!』

「・・・・・はい。」

 

美雲さんの眼を見ながら、強く頷く。美雲さんも頷き返し通信を閉じる。

 

『全艦に通達!!30秒後にデフォールド!!』

 

軽い衝撃の後、『エリシオン』がデフォールドしたことを伝えられる。だが、俺達デルタ小隊はガンマ・シータ小隊と共に再度フォールドを行う。

 

『デルタ5、進路クリアー。発進どうぞ!!』

「サンクス!!ルシウス・ペンドラゴン、デルタ5!!『ストライクノワール』出る!!!」

 

 

 

 

 

惑星『アルヴヘイム』の近郊の宇宙空間のデブリ帯の間を縫うように『ノワール』を前進させ、敵を落としていく。ライフルを連射して、次々と落としていくが

 

「・・・・敵の動きが違う。」

 

こちらが出たことが相手側の指揮系統にも伝わったのだろう。敵の動きが新統合軍や『ケイオス』の部隊の相手より俺を抑えようとして多くの敵が襲いかかってくる。だが、不思議と負ける気がしない。

 

『デルタ4より5へ!!更に敵増援!!』

「了解!!・・・・って??」

 

デフォールドしてきた機体は約10機のただし、その機体は敵が使っている『Sv-262』とは違い、少し歪だった。

 

『こちらデルタ2。視認したが、あれは?』

「!!!全機ブレイク!!!!」

 

ある事に気付いた俺は無線機に向かって叫んだ。その直後に俺がいた空間にあるビームが薙いだ。

 

 

 

 

 

 

荷電粒子のビームが。

 

 

 

 

 

『あのビーム光は、荷電粒子!!??』

『ルシウス中尉と同じ種類の機体!!』

『!!!???あれは、フォールド用のブースター内蔵型のゴーストか!!!敵が外装をパージ!!!!!』

 

ブースターをパージした敵は顔の部分をこちらに向ける。一つ目の緑の機体。

 

「敵機照合、『ZGMF-1000/A1 ガナー・ザク・ウォーリア』!!」

『そんな!?このタイミングで投入してくるなんて!!??』

「敵の都合です!!こちらの都合なぞ全部無視してきますよ!!!」

『デルタ1より3・4へ。ルシウスの言う通りだ!!』

「更にきますよ。『ZGMF-1001/M ブレイズ・ザク・ファントム』!!くそ、『ウィザード・システム』まで『ウィンダミア』側に渡っているなんて!!」

 

俺は毒づきながら対艦刀を抜き放ち、『ZGMF-1000』の左腕を肩から切り飛ばす。

 

『デルタ1より5へ!!その『ウィザード・システム』ってなんだ!!??』

「5より1へ!!敵MSが背負っているバックパック!!あれがそうです!!」

『ルシ!!あの大砲みたいなやつか!!??』

「そうです!!考えてみればそうか。『ザフト軍』だってザク単体で運用何てしなかったもんな!!皆、あの大砲の砲口に向けられないようにしてください!!エネルギー転換装甲何て直に剥げますからね!!」

『『『『『了解!!!!』』』』』

 

俺は次々とMSを落としながら、更に自分自身のギアを上げていく。

 

「デルタ5より1へ!!ここは俺が防ぎます。『アルヴヘイム』へ!!」

『了解した!!死ぬなよ!!』

 

そう言い、俺以外のデルタ小隊と『ワルキューレ』を載せたシャトルを先行させる。その間にも敵のMSはこちらを落とそうと連射してくる。『ZGMF-1001』の胴体を横に薙ぎ、爆散させていく。

敵増援のMSを全て切り伏せた後、俺は『アルヴヘイム』へと機体を発進させた。

 

 

 

 

 

アラド SIDE

 

ルシウスを宇宙空間に残して、俺達は敵のプロトカルチャーシステムに到着した。

『敵の航空部隊は、ガンマ・シータ小隊でブロック中!!敵のMS部隊もルシウス中尉が対処中!!』

 

ルシウスは無事のようだ。とにかく抑えてくれる間に俺達も先を急がなくてはならない。

 

「了解。おし、『ワルキューレ』!!スタンバイを!!」

『了解』

「戦術ライブでフォールドゲートを展開させ、ウィンダミアに突入!!制風権の中枢システムを破壊する!!片道切符になるかもしれん!!腹を括れ!!」

『『了解!!』』

『ウーラ・サー』

「・・・・・・『アルヴヘイム』」

 

また、この星に来ることになろうとは。

 

『隊長、改めてありがとうございます。俺なんかをデルタ小隊に入れていただき。』

「気にするな。メッサー。お前をデルタ小隊に入れたことは俺の判断だ。お前が気に病むことじゃない。」

『それでも、ありがとうございます。』

 

向こうの心境もいい物ではないのだろう。だが、あいつを入れたことは結果的にプラスになった。

 

ガウォーク形態で滞空しつつ、『ワルキューレ』の準備が整うのを待つ。

 

『行くわよ、皆!!これ以上戦いを長引かせない為にも!!』

『『『『はい!!!』』』』

 

『ワルキューレ』のライブが始まった。徐々に遺跡に光が帯び始めてくる。

 

「システムの反応は!?」

『ダメダメ!!フレイアの生体フォールド波が安定しない!!』

 

やはり、フレイアの不安がここに来ても響いた。

 

「くそ、いつまでも抑えられないぞ!!」

『何やってんだ!!フレイア!!しっかり歌え!!』

『・・・・フレイアさん。』

 

このままではいつまでたってもゲートは開かず、敵の体制が整いかねない。

 

「(包囲殲滅。それだけは避けなければ!!)」

 

今は信じて待つしかない。

 

「デルタ2より1へ!!敵機正面!!『ウィンダミア』機!!」

「ちぃ!!」

 

こちらに向かってくる3機の『Sv-262』。だが、こちらに攻撃を仕掛けてくる前に更に直上から放たれたビームが敵機を貫き、爆散させる。

 

「ルシウスか!!!!」

 

スピードを上げた状態で上空から落下したきたが、遺跡の直上で制動をかけている。

『ワルキューレ』のステージの前に滞空し始めると、『ノワールストライカー』に収められている対艦刀を右手で抜き放ち、左手のシールドを掲げる。その姿は、さながら姫を護る騎士であった。

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 

 

 

 

「デルタ5より1へ、状況は!?」

 

『ワルキューレ』達の前で滞空しつつ、詳細を知ろうと連絡を取る。

 

『1より5へ!!まだゲートは開いてない!!』

「くっ!?分かりました!!」

 

まだ、時間がかかりそうだ。

 

『本気で歌え、フレイア!!お前が歌わねぇと気持ちよく飛べねぇんだよ!!!』

『でも、私の歌でハヤテが・・・・・ミラージュさんやルシさんが・・・・・。』

『ハヤテを信じなさい!!!フレイア!!!』

「信じる事も大切な想いですよ。フレイアさん!!」

『フレイア!!!』

『!?二時方向!!!敵影!!!』

 

―――『ウィンダミア』に攻め入ろうなどと!!

―――ふざけた真似を!!

―――行かせはせん!!

 

『来たか!!各機迎撃せよ!!』

『『『『了解!!』』』』

『ウーラ・サー!!』

『フレイア!!お前はお前の歌を信じろ!!』

 

ハヤテの言葉と、『ワルキューレ』達の言葉が良い刺激になったのだろう。いつもよりはっきりと声が響き始めた。

俺は『ノワール』のスピードを上げて交戦状態に入る。

ゴーストを敵は放って来るが、交錯する瞬間に切り捨てる。背後から迫る敵を宙返りをしてレールガンを放つが、こちらの砲撃タイムラグを解析したのだろう。ギリギリで回避される。

 

『デルタ6!!デルタ6!!』

「ミラージュさん!!どうしました!!??」

『今わずかにハヤテの様子がおかしかった!!』

 

そう言いながらもハヤテを追従していく。

 

―――大いなるルンよ・・・・・・我に真なる風を!!!

 

その言葉が響いた途端、ハヤテが相手をしていた機体に光が包み、スピードが増速した。

 

―――カシム!?

―――風があんな鋭く!!??

 

『よそ見厳禁だぜ!』

 

そんな敵機をアラド隊長とメッサー大尉が見逃すはずもなく敵機に装着されていたゴーストを吹き飛ばす。

 

『ぐあああああぁぁぁぁ!!!!』

『ハヤテ!!??まずい』

「ミラージュさん!!??ハヤテ!!??」

 

とうとう暴走してしまった。俺は迫ってきた空中騎士団以外の『Sv-262』を撃ち落とし、急いでハヤテ達の元に駆け付ける。

 

―――暴走・・・?しかし言ったはずだ!容赦はせんぞ!!

 

『ハヤテ!!』

「ちぃ!!」

 

俺は敵機とミラージュさんの機体の間に強引に割り込み、敵のビームをシールドで受け流す。そのままシールドを翻し、敵機に狙いを定めビームを放つ。

 

『ハヤテ!!ハヤテ!!ハヤテ!』

 

ミラージュさんが必死になって止めようとするがそれでも止まらない。そうする間にもハヤテの機体がミラージュさんをロックオンする。

俺はとっさにライフルをハヤテの機体に向けるがフレンドリーファイアの防御設定がされていたのだろう。照準が自動的に外れてしまう。

 

「くそ、新統合軍の機体ではできたのに!!」

 

俺はボヤキながら敵機の腹を蹴り上げ、ハヤテとミラージュさんに照準がかからないようにする。

 

―――ルシ。

 

「!?美雲さん?」

 

―――大丈夫。あの娘に任せて。

 

ふと見るとハヤテの機体にミラージュさんの機体が抱き着くような形で静止してしまっている。

 

「!!??ああぁぁぁもう!!」

 

俺はいつかの時と同じように、あの感覚を発動させる。頭の奥底で何かが割れた瞬間いつもよりもクリアな視界となり、更にスピードを上げ敵機を撃ち落としていく。

 

―――ありがとう。ミラージュ、フレイア。お前達の命懸けの想い。俺はもう絶対暴走したりはしない!!

 

その言葉が響いてきた途端、ハヤテの挙動が安定してきた。

 

『すまねぇ!!もう大丈夫だ!』

「ようやく復活しましたか!!後で奢ってもらいますからね!!」

『わーってるよ!!』

『行くよ!!デルタ6!!』

『言われなくとも!!』

 

そんなやり取りの中でも二人は息の合った動きを見せていく。

 

『ハヤテ!フォーメーション・クロスボーン!!』

『よっしゃ!!』

 

そんな短いやり取りで互いにフォローを行い、ゴーストを落としていく。

 

『やっと一皮剥けたか!!』

『生体フォールド波、臨界突破!!フォールドゲート解放!!』

 

ようやくゲートが開いた。これで奇襲作戦の第2段階に入ることができるようになる。

 

『総員シャトルに搭乗!!』

 

―――『ワルキューレ』め。ぐっ!?

 

俺は敵に載り、踏み台替わりにしながらゴーストや敵機を落としていく。

 

『敵機接近!!』

『邪魔させっかよ!!秘技・クラゲの嫁入り!!』

 

チャックがミサイルを乱射し敵機の進行を阻む。そんな中、俺は更なるデフォールド反応を見つけた。

 

『チャック中尉!!』

『皆急げよ!!』

『了解!!』

『よし、突入!!ってルシウス!!??』

「敵機照合!!『GAT-04 ウィンダム』と『ZGMF-2000 グフ・イグナイテッド』!!」

 

俺はフォールドゲートを後目に敵MS群に向かっていく。

 

『おい、ルシ!!』

「行ってください。ここは俺が抑えます!!」

『すまない。死ぬなよ!!』

 

ゲートが閉じようとした瞬間に敵機が2機入り込むが確認できたが、そちらに向かう余裕が今の俺にある訳がなく。

 

『抜かれた!!』

「あちらには隊長とメッサー大尉がいます!!遅れをとる事はありません!!」

『だな!!ここは俺達で!!』

「切り抜けますよ!!」

 

その言葉を皮切りに更なる戦闘を続行した。

 

 

 




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×ケイローン
〇アキレウス

〇ジャンヌ しかも2枚

ぐだぐだ
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〇アナスタシア

・・・・・・・・・おか・しい・でしょう!!!!!(2〇RO お〇いちさん風な叫び)


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