マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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暑いーーーー。

FGOのガチャは爆死した。orz

長期休みが貰えなかった。orz




第23話 ラグナ撤退戦

「おいおいマジかよ!?修理して直ぐに実戦に出したのかよ!?」

「なんだ!?あの機体!?」

 

チャックから静止する声と、ハヤテの驚きの声が上がる中俺はそんなことお構いなしに更に推力を上げる。前方からウィンダミア側の『ドラケンⅢ』。

 

「ミッション・スタート。」

 

俺は敵のミサイルを急激な方向転換で躱し、両腕に持つビームライフルを向け放つ。MSの装甲を貫通する威力で放ったが、わずかにそれてしまい翼を撃ち抜いた。が、パイロットは直に脱出した。そのまま更に加速して戦場の中心へと飛翔する。

『ワルキューレ』の『僕らの戦場』の歌が鳴り響く。敵は完全に手に落ちた新統合軍の機体も含まれている。余計な時間は掛けられない。

 

「デルタ5、右に2機、左から3機来るぞ!!」

「両方やります!!」

 

同時にロックし、両側にライフルを広げる。2射放ち、撃墜。下側を向き更に1射。右手のライフルを増設されたリア・スカートのハード・ポイントに固定し、フラガラッハ3ビームブレイドを抜き放つ。ビーム刃が煌めき、すれ違った敵機を切り裂いた。振り向きざまにビームを放つ。1機破壊。

再度、右手にライフルをもたせ、複数機をロックする。

 

「見様見真似だが。」

 

『ノワールストライカー』に装備された二連装リニアガンも展開し一斉に放つ。4機撃墜を確認した。

 

「ヤマト准将みたいには出来ないか。」

 

一人呟き、その場を移動した。

 

 

 

「・・・・・・・すげぇ。」

「あの複雑な機体を・・・あんな・・・簡単に」

「・・・・・・・つえぇ。」

 

 

キース SIDE

 

『死神』と対峙していたが、ルンから強き風を感じた。

 

「まさか、『黒騎士』か!?」

「白騎士様!!この感じは!!」

 

あの時、反応弾頭の爆発に巻き込まれたと感じたがやはり生きていたか。が、相手の機体は

 

「人型?」

「見たことない機体だ。」

「あの機体、ロイドの写真にあった・・・。」

 

人形とはいえ戦場に出てきた以上、敵対者だ。空中騎士団全員であの『黒騎士』を落としてくれる。

 

「臆するな!!相手は『黒騎士』だ。油断するな!!」

 

テオとザオが攪乱目的でミサイルを放ち接近するが、こちらの予想に反して急激な方向転換で攻撃を躱した。そのままこちらにライフルを向け放つ。容易くこちらも躱して見せるがその時、

 

「ザオ!!」

「なっ!?」

 

急な増速で接近され、ザオの機体が切り裂かれた。真っ二つに。相手の機体が持っているのはその得物は

 

「剣!?いや・・・太刀か!?」

 

ナイフではない。太刀だ。恐らくはビームの刃だろう。それを用いてザオの機体を二つにしたのだろう。ザオは脱出したようだが。

 

「あんな兵器を奴等は開発していたのか!?」

「!?テオ避けろ!!」

「なぁ!?」

 

『黒騎士』の機体は太刀をしまいライフルをテオの機体に丁度腹が見える位置で向けて放っていた。

 

「っ!?貫通した!?」

 

たったの二射。それだけでテオの機体は爆散してしまった。

 

「テオ!?テオ!!??無事か!?」

「マスターヘルマン!!大丈夫です。」

 

テオは無事のようだ。奴の後ろからカシムが迫るが、黒い翼についている砲を後ろに向けてライフルとは別の弾種をカシムにぶつけた。カシムの機体は損傷を受けて離脱してしまう。

やはりあの機体を落とすには今の戦力の倍以上はいるということか。だが、今はそのような戦力はない。

 

「ヘルマン!!奴を落とすぞ!!」

「はっ!!大いなる風に懸けて!!」

 

『黒騎士』!!ここが貴様の墓場としてくれる!!

 

 

SIDE OUT

 

 

空中騎士団の機体を3機落として『白騎士』ともう1機と対峙するが、なかなか落とせずにいた。『白騎士』は兎も角、あと1機も相当な腕前なのだろうが。

 

「パターンが分かりやすすぎる。」

 

俺は左側の推力を落とし、横向きにスピンさせる。その脇を敵機が通り過ぎるがその腹を蹴り上げる。バランスを崩した敵を撃ち、すぐさま『白騎士』と対峙するが

 

「!?あともう1機は!?」

 

見るとアイランド船の前に『アイテール』が浮遊し、敵戦艦の射線に入るように盾の状態となっていた。そこに1機迫っていた。

 

「くっそ!?」

 

俺は直に『ノワール』を加速して離脱を開始する。向かうは『アイテール』。

 

「ルシウス中尉!?」

「っ!?メッサー!!俺達で『白騎士』を落とすぞ!!」

「・・・!?そうか!!了解です、隊長!!」

「デルタ5以外の小隊機は『白騎士』を落とすぞ!!!『アイテール』はデルタ5に任せるんだ!!!」

「「「「了解!!」」」」

「ウーラ・サー!!」

 

その言葉を背に更に加速する。

 

―――腐った林檎のような者共よ!!今日こそ葬り去ってやる!!

 

「くっそ!!間に合わない!!」

 

敵がミサイルを放つ。アルファ小隊と『アイテール』の対空機銃がミサイルを撃ち落とすがその勢いのまま敵のビーム砲がピンポイントバリアを貫通し、ステージを破壊してしまう。

 

「美雲さん!!」

 

その瞬間、視界がクリアとなった。

 

―――くたばれ!!『黒騎士』!!

 

「同じ事しか言わないのか!?芸がない!!」

 

俺はビームを躱し、ビームと実体弾を放つ。相手は躱したが俺の機体はすぐそばに迫ってフラガラッハを抜き放っている。

 

―――な!!??

 

そのまま敵を真っ二つにした。敵は爆散する。

 

「相手を見下しすぎるからそうなる!!」

 

成果を確認せずに『ワルキューレ』に通信を入れる。

 

「美雲さん!!カナメさん!!みんな!!応答を!!」

「ルシ君!!こっちは大丈夫!!」

 

俺は一息をつけるが

 

「『アイテール』よりデルタ5へ!!敵戦艦砲撃態勢!!」

「なっ!!??」

 

見れば戦艦の4つの砲口から光が放たれる直前だった。だが、収束する火力は『ストライクノワール』では

 

「っ!!??防ぎ切れない!!??」

 

万事休すかと思われたが、その時

 

「まだまだ!!」

 

大気圏外からエリシオンが突入してきたが

 

「艦長!!速すぎます!!」

「止まるな!!突っ込めーーーーー!!」

 

こちらの静止など知ったこっちゃないと言わんばかりに強硬突入し、敵艦の砲撃を防いだ。がピンポイントバリア艦尾部に集中して防いだ為、そのまま失速してしまい海中へと沈んでしまった。

 

「艦長!!エリシオン応答せよ!!」

 

こちらから連絡を応答せず。代わりに敵に回った新統合軍の機体が群がってくる。すぐさまエンジン部を撃ち抜く。

 

「戦況はこちらが不利・・・か。」

 

『ワルキューレ』の歌も現在は沈黙状態が続いている。風の歌は強くなるばかり。こうなれば、敵艦を抑えることが唯一の解決策だろう。だが、敵艦にはバリアみたいなのが張り巡らされているので敵艦を破壊できるかどうかは分からない。それ以前に突入できるかどうかさえ怪しいのだ。だが、状況は待ってはくれない。

 

「やるか!!」

 

俺は覚悟を決め敵艦へと突入をかけようとするが、その時に待ったが掛けられた。

 

「・・・歌?フレイアさん?」

 

かすかに歌が聴こえてきたのだ。敵機を倒しながら『アイテール』を見ると

 

「ってはああぁぁぁ!!??」

 

なんと彼女は『アイテール』から飛び出したのだ。戦闘をしながらだった為、俺の機体は『アイテール』から若干高い位置にいる。今から回収に向かっても間に合わない。

 

「ハヤテ!!」

「分かってる!!フレイア!!」

 

ハヤテが何とか回収しようとするが、『白騎士』の攻撃でし損ねてしまう。

 

「デルタ6!!フレイアは私が!!」

 

すかさずミラージュさんがフォローに入った。

 

「ハヤテは思いっきり飛んで!!『白騎士』を倒しなさい!!」

「ありがてぇ!!ミラージュ!!フレイアを頼む!!」

 

ハヤテはスピードを上げるが、『白騎士』はこちらに向かってくる。

 

―――『黒騎士』!!

 

「『白騎士』!!」

 

ライフルを連射するが容易く躱され、ミサイルを放たれる。俺は両手のライフルをハードポイントに仕舞い、両腰についているビームライフルショーティーを放つ。近接戦闘に特化している『ストライクノワール』の設計思想に合わせた兵器だ。近接での取り回しは通常サイズのビームライフルより遥かに良い。

 

―――風が変わった?

 

「ハヤテ!!フォーメーションS32!!」

「了解!!」

 

俺がショーティーとリニアガンを乱射し白騎士のミサイルの猛攻を防ぐ。その間ハヤテが迂回し、ビーム機銃を放つ。設計思想も運用方法にも違いがありすぎる『GAT-X105E+AQM/E-X09S(ストライクノワール)』と『VF-31J(ジークフリード)』。

異なる次元の二つの兵器は、それぞれのパイロット達を思う歌姫達によって、設計者達が想像もしていなかった強さを発揮することになる。

 

 

 

そうしている間にも戦況自体も変化していた。『ワルキューレ』の歌声が力を増し、肉眼でも見えていた敵艦の次元バリアが消失したのだ。そしてさらには。

 

「マクロスエリシオン!!」

「やるな、艦長!」

 

海中へと没していた船が復活したのだ。皆の士気が徐々に高まり始めた。

 

「いくぜ、グラミアーーー!!!」

 

砲撃態勢を取るマクロスエリシオン

 

―――邪魔はさせん!!アーネスト!!!

 

この声はウィンダミア国王の声なのだろうか?初めて聞こえてきた声に戸惑っているを尻目に相手戦艦は火線を収束させ、撃沈しようとするが

 

「甘いわーーーー!!!!!」

 

敵の砲撃方向を読んだ艦長の采配が上回り、ブリッジへの直撃を躱した。そのまま『ヘーメラー』に内臓されている主砲を放つ。敵はバリアをはり防ぐがそれすらも貫通し、敵艦の中心部へと吸い込まれたが

 

「浅い!!」

 

威力の割に敵艦の被害が軽微過ぎた。バリアのせいで主砲の威力の大部分が持っていかれたのだろう。だが、戦況の主導権は完全にこちらが握った。

 

「見えるぜ!!この感じ!!」

 

―――こいつら、私の風を!!??

 

「お前らの感覚器官、ルンといったか!?」

 

更に増速し乱射する。敵の進行方向を塞ぎ、ハヤテが更に機銃を放つ。『白騎士』も更に増速していくが、ハヤテの動きの方が若干早い。背部ライフルを吹き飛ばす。

 

―――何!?

 

フラガラッハビームブレイドを抜き放つ。敵もバトロイド形態になり実体剣を抜くがハヤテが更に上空からナイフで切り付ける。『白騎士』は防ぐがそれが命取りだ。

 

「それに頼り過ぎだ!!!」

 

ハヤテはエンジンをカットし、相手の勢いに乗せられ弾かれる。丁度振り抜いた状態に俺が滑り込んだ。そのまま剣を振り抜いた右腕を切り裂く。

 

―――ぐっ!?

 

更に左手でもう一刀抜き放ち、左腕を切り落とす。

 

「前にも言ったが!!」

 

ハヤテが態勢を立て直し、スピードを上げながら顔となるセンサーが集中している部分を切り落とす。

 

「「相手を見下しすぎだ!!」」

 

次いでと言わんばかりにハヤテと一緒に両足を切り落とした。

 

―――ぐああぁあぁぁ!!

 

動力源を失った『白騎士』はそのまま自由落下状態となる。

 

「ハヤテ!!本隊と合流します!!」

「了解!!」

 

少し、アイランド船と離れすぎた。『ストライクノワール』には大気圏離脱能力はない。先に着艦する必要がある。

 

「デルタ5よりデルタ1!!これからハヤテと一緒に合流します!!」

「了解だ!!大金星共!!後でなんでも奢ってやるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

戦闘が終わった。

相手のエースパイロットを落とし、戦況が有利になったとは言え、全体から見たら完敗だった。

 

相手が一枚上手をいった行動をとったことによる作戦の崩壊。

新統合軍の遺跡爆破に伴う人的被害。

惑星ラグナの占領。

住民の避難は全体の7割程しか完了もしていない。

 

俺は『ノワール』のコクピットで甲板に待機していた。もうすぐ緊急フォールドを行うからだ。

 

「・・・完敗ですね。」

 

『ノワール』のバッテリーも残り少ない。ラグナでの初戦闘とはいえ、よくもった方だろう。

 

「・・・ラグナ。必ず戻ります。」

 

 

 

 

 

船団はフォールドし、ラグナを離れた。

その間に収容された小隊各機のパイロット達はコクピットから降りていく。俺も同様にコクピットから降りた。

 

「ふぅ。」

 

ヘルメットを取り、脚部のみ固定し駐機された状態でVPS装甲がカットされた『ノワール』を見上げた。

 

「・・・・・・。」

「ルシ大丈夫なのか?」

 

そんな声がかかり、振り返るとアラド隊長とメッサー大尉が立っていた。

 

「ええ。大丈夫です。」

「そうか、それにしても凄いな。この機体は。」

 

メッサー大尉はそう言い、『ノワール』を見上げる。大尉は『こちら』側に来る前の戦闘データを確認しているが実際に見るのとは感じ方が違うのだろう。

 

「詳しい開発経緯は分かりませんけど。エースパイロット向けに建造した機体らしいですよ。」

「成程。」

「だからか。あんな兵器がゴロゴロ転がっている世界かと思っていたよ。・・・と、こうしちゃいられないか。ほれルシ、お前さんに最愛の人だ。」

 

そういうとアラド隊長俺の後ろを指差すと紫髪の美女が飛び込んできた。

 

「ルシ!!大丈夫!!??怪我はない!?」

 

完全に心配していらっしゃる様子だった。

 

「大丈夫です。怪我もしてませんよ。」

「・・・・よかった。」

 

こちらは無傷だということを認めた美雲さんはそのまま抱き着いてきた。何とか踏ん張り、流されないようにする。

 

「・・・・・・・・。」

「「・・・部屋でしろ。そういうことは。」」

「「・・・・・///」」

 

アラド隊長とメッサー大尉のお言葉で、俺と美雲さんは直に頭から湯気が出てしまった。

とはいうもののメッサー大尉も、直にカナメさんから同じ事をされてしまい、アラド隊長から先程と同じ言葉をいただいてしまった。

 

 

SIDE OUT

 

 

ハヤテ SIDE

 

俺は機体が固定されると、直に大きく息を吐いた。

 

「はぁぁぁぁぁ。」

「よう、頑張ったじゃねぇ~か。エース君。」

 

ハリーからそのような言葉掛けられるが俺は笑いながらハイタッチをする。

 

「まぁ、俺達だな。一番の大金星はルシだぜ。」

「確かにな。あんな機体を自分の手足のように動かしてんだぜ。すげぇよ、ホント。」

「・・・・・・。」

 

俺はその機体の足元に立ち、『ワルキューレ』のエースと話しているルシを見つめていた。今彼は別のパイロットスーツを着ている。色々聞きたいことが沢山できたような気がした。

 

「『ケイオス』はいつの間にあんな機体を作ったんだ?」

「あれ?お前聞いてねぇの?」

「???何を?」

「あれはうちが作ったんじゃねぇよ。直しただけだ。あの機体はこの世界の物じゃねぇからな。」

「はあぁ!?」

「後は本人から聞いてくれ~。」

 

そう言ってハリーはミラージュの方に行った。ミラージュの機体も固定されたようだ。フレイアは大丈夫のようだ。

 

「ちゃんと本人から聞かねぇとな。」

 

後でルシに色々聞きに行こう。そう思いつつミラージュとフレイアの元に移動した。

 

 

 

SIDE OUT

 

ラグナ撤退戦。

 

結果を見れば、ウィンダミア王国側が勝利した。『ケイオス』側の被害も甚大であり、アイランド船は先の戦闘での損傷と30年以上宇宙を航海していなかった事による老朽化によりデフォールドした直後異常をきたし始めた。

 

 

 

だが、ウィンダミア側の被害も甚大だった。騎士達は全員が無事ではあったものの、空中騎士団の相次ぐ撃墜。更には『白騎士』専用機の大破。他の小隊機の損害。宰相のロイドはイプシロン財団と連絡を取り、補充を急ぐように依頼を掛けるのだった。

 

 

 

だが、なにより大きかったのが先の砲撃を受けたことによるウィンダミア国王 グラミア・ネーリッヒ・ウィンダミアの戦死が確認された。

 

 




歌マクロスをやってみようかと思う今日この頃です。

ただ、自分はリズムゲームをやったことがないので、インストールしてもしなさそうなんですよね。

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