マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

24 / 37
今回の話は戦闘はありません。

FGOでは復刻の水着イベントがやっていますね。

以前、ZEROイベで自分はあることをやらかしました。


間幕の物語

趣味を見つけよう

 

 

デルタ小隊に入隊して、早数週間。俺は寮で端末である教材を読んでいた。表題には『TAB譜』と書かれている。

 

「・・・・」

 

以前はプラントの代表的な歌姫 ラクス・クラインくらいしか音楽に関しては知らなかったが、戦術音楽ユニット『ワルキューレ』が行うライブを間近で聞いて、恋人が歌姫というからには、やはり興味がわいてくる。

 

「・・・弦を押えないで3弦を弾く。」

 

教本をみて、TAB譜の読みを覚える。

 

「ハンマリング・オン・・・」

 

動画を再生。

 

「プリング・オフ・・・」

 

動画を再生。

ギターの弾き方を覚えていく。まぁ、覚えていくが、実践して弾いてみない事には始まらない。どこかで借りれないかな?

 

「ルシ兄~~~。ご飯できたよ。って何読んでるの?」

 

エリザベスが部屋に来た。

 

「ありがとうございます。直に行きますよ。あと、ギター関連の書籍を読んでいました。」

「へぇ~~~。じゃあ弾けるの!?」

「弾けませんよ。」

 

そう言いながら、食堂に移動。席にはハヤテとメッサー中尉。

 

「紅一点と隊長は?」

「隊長は艦長やアルファ・ベータ小隊と今日も会議だ。紅一点は『ワルキューレ』の護衛だ。街に買い物で出ているからその護衛だ。」

 

納得。そして食を進める。少ししてから俺はチャックに聞いた。

 

「チャック、この辺でレンタルギターを借りれる場所ってあります?」

「あるにはあるけど、なんだ?ギター弾きでも始めるのか?」

「最近興味が出始めまして。軽く弾けるようになってみたいと。無趣味っていうのもつまらないですし。」

「確かに。あちこち転々としていた俺が言うのも何だけど。楽しめることがないとな。」

「お前は仕事先からクビを言い渡されることが趣味かと思っていたが?」

 

ガンッ!!!!

メッサー中尉の予想だにしないツッコミが入り、ハヤテは机に突っ伏した。ハヤテ以外は笑いを堪えていた。

 

「んな訳ねーーーーだろーーーー!!!!!」

「メッサー中尉、その根拠は?」

 

ハヤテの叫び声が『裸喰娘々』どころか外にまで響いていた。俺はそのように言ったメッサー中尉に問うた。

 

「カナメさんから聞いたが、コイツの資格免許の数と種類が尋常じゃなくてな。」

 

反応炉整備職関係、電装ケーブル設備関係、食衛生関係等々の資格免許。挙句の果てにはEX-ギア整備関係まで。ただし、その資格を取ったバイト先では全て雇い主から解雇を言い渡されている。

 

 

 

解雇理由:サボり多数の為。

 

 

 

「「「「「・・・・・どんだけバイトクビになってんだよ。」」」」」

「・・・・・・ウルセー。」

 

完全に不貞腐れたハヤテではあった。

 

 

朝食後、俺はチャックから教えてもらった店に向かった。歩いて10分ぐらいの距離にあるところだった。その店はエレキギターの他にもクラシックギターやフォークギター、フラメンコギター等も扱っている弦楽器の専門店だった。

 

「ごめんください。」

「おっ?いらっしゃい。」

 

店主と思われるラグナ人の男性に挨拶をし、店内を見て回る。展示されているのは購買目的の品。種類は豊富だが、やはりそれなりのお高い値段となっている。

 

「やっぱり借りるか。店主、レンタルの物ってあるんですか?」

「あるにはあるが、今品薄でな。アンタ素人かい?」

「ええ。仕事を始めてから趣味と呼べるものが無くて。『ワルキューレ』の曲を聞いてたらやってみようと思って。」

「最近の客連中は皆そうさ。あの歌姫達の曲を聞いてやり始めたって連中多いぜ。」

「・・・・・・なんか気分的に沈むな。」

 

俺もそんな連中と変わらないって事か。

 

「とまぁ、レンタル品の話だったな。買わないのかい?」

「ド素人ですよ?買うのはちゃんと練習してからにしますよ。」

「そうかい。ただまぁ、今あるのがフラメンコギターしか貸出できるのがないんだが。」

 

おおぉう。

 

「そこまでか。もしかして、ギターを使う歌手に憧れているんですかね?」

「『熱気バサラ』だろ?男客からは『ファイヤー・ボンバー』に憧れてるって奴もいるからな。」

「正直、自分はあの人のようにはなれないですね。度胸うんねんの問題じゃなくて。」

「はっはっはっ。まぁそう言ってやるな。結果的に見れば、あの熱気バサラが率いる『ファイヤー・ボンバー』の活躍で『バロータ戦役』が終結したんだからよ。」

「結果を見ればですけどね。とりあえず一月でいくらです?」

 

『熱気バサラ』の活躍に対して思うことは人それぞれだ。

俺は店主と話しをし、ヘッドホンをして外に音が漏れないタイプのフラメンコギターを1月程借りることにした。更にオマケとしてフラメンコギターの初期入門の教材データをもらうことにした。

 

「だいぶ違うな~~。まず練習だな。」

 

まず弾き方で違いが出ていた。ピックを使うかと思っていたが、フラメンコギターだと指の腹と爪を使って弦を弾く方法だった。一から弾き方を覚えなおしてから練習をやり始めていた。夕食までの時間軽く没頭していた。

 

夕食後、再度やってみようと思い、フラメンコギターを再度担ぎ、順々に弾いていく。

 

「C・・・D♭・・・E♭・・」

 

たどたどしく少しずつだが順々にやっていくのが一番の近道だろう。約2時間程練習した後、夜も遅くなったので、就寝することにした。

 

 

 

 

そこから更に1週間程たった。デルタ小隊としての任務もあるので毎日練習とまではいかなかったが、とりあえずの基本的な音階の左指移動方法はできるようにはなったと思う。今日も練習をしていたが。

 

「何してるの?」

「!?」

 

いつの間にかレイナさんが来ていた。傍にはマキナさんも。俺はヘッドホンを外し、更にフラメンコギターのコネクターを外した。

 

「ギター?」

「フラメンコギターですね。趣味と言えるものがなかったんで、この際挑戦してみようと思って。」

「「へ~~~~、やっぱりクモクモ(美雲)の影響?」」

 

やっぱりそう思われる。

 

「まぁそうですね。」

 

否定しません、できません。

 

「それはそうとして、楽器を触って弾くのは初めてだったので練習してたんです。」

「「なるほどね~~~。」」

 

また音階順に音を弾いていく。

 

「じゃあ、リズムをあげてみよっか?」

「はい?」

 

マキナさんが唐突にそのようなことを言ってきた。

 

「今から手を叩くからそのリズムで弦を弾いていってね。」

「え?ちょっ!?まっ!?」

 

「次、今から言う音を弾いていって。」

「ちょっと待って!?レイナさん!?」

「さんはい。D・・・。」

 

「更にテンポをあげるよ~~。」

「待って!?」

 

こちらの有無を言わさず、歌姫達の特訓が始まった。

そこから3時間程経って本日の練習という名の特訓が終わった。ちなみにそこに至るまでに俺の指は大丈夫だったかというと。

 

「いたい・・・・・。」

 

大丈夫ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

デルタ小隊のトレーニング

 

 

『ケイオス』所属の戦闘員達には義務付けられた体力トレーニングは存在しない。各支部が主契約を結んでいるクライアント側のオーダーを完遂できるだけの能力値があれば許される。ただし、現在ウィンダミア王国との戦争状態に突入しているラグナ支部に関しては例外的に体力トレーニングがある。その日も俺達デルタ小隊の隊員は体力トレーニングに励んでいた。ちなみに隊長と副隊長は会議に参加中だった。

 

「で?お前フラメンコギターはものにできたのかよ?」

「辛うじて滑らかに音を出せてるって程度ですね。まだまだですよ。」

 

チャックと会話をしながらランニングマシンを使い、汗を流している。

 

「今まで、趣味といえるやつは、持ってなかったのかよ?」

「う~ん?子供の頃は友達の影響でそれ相応の遊びとかでハマったりはしたんですけどね。11歳頃だったかな?段々と止めてしまったんですよね。」

 

ハヤテはシットアップベンチを使い腹筋を鍛え、尋ねてきた。

 

「でも、実際そうですよね。軍人になったら禁欲生活ですから、趣味と言えるものが最初に消えますから。」

「そういう教官殿は何か趣味みたいなのはあるんですかね~?」

 

ミラージュさんはショルダープレスを使っている。

 

「自分の好きなことと、仕事がマッチしているですよね。私の場合は祖父母の影響が大きいですから。子供の頃、よく個人で所有していたVFに乗せてもらいました。」

「そうなのか?」

「ええ、私の家はVF乗りでは有名処ですから。」

 

少し、自慢げに話すミラージュさん。

 

「ジーナス家。第一次星間大戦で活躍したVF乗り、マクシミリアン・ジーナスは私の祖父です。そして祖母はミリア・フレア・ジーナス。祖父母ともVF乗りとしては有名な伝説です。」

 

一旦水を含み再度話を続ける。

 

「祖父母は、ロールアウトした最新のVFを個人資産で買って自分達用にカスタマイズしています。私も子供の頃、それに載せてもらったことがありました。そのせいもあってか趣味がVFを操縦することになってしまって。」

「ほ~~。」

 

ハヤテは納得顔。

 

「まぁ、恵まれてから良いことだったんですけど逆に嫌な事もあってね。家のしがらみもあって新統合軍から『ケイオス』に移ったんです。」

「ん?どういうことだ?」

 

ハヤテがその言葉に思わず、トレーニングを止めてしまう。

 

「家が有名処だと、回りからの期待というのも強くて。そのプレッシャーに負けちゃったんです。」

「あ~~~。そういうことか。」

 

チャックは成程なーと、うんうんと頷く。

 

「けど『ケイオス』に移って良かったと思いますよ。気持ち的に楽になったというか。」

 

本当の気持ちなのだろう。ミラージュさんの顔は明るい顔だ。

それからも軽い会話を交わしながらトレーニングを続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワルキューレ』のトレーニング

所変わって同じ『アイテール』内の『ワルキューレ』達のトレーニングルーム。歌姫達は揃ってランニングマシンを使っていた。通常のライブだけではなく、戦場を駆け抜ける程の体力が必要となってくる彼女達は、並みのアイドル達とは比べられないトレーニングを積んでいた。

 

「じゃあ、クモクモ。ルシルシに告白されたの!?」

「ええ。と言っても先に告白したのは私の方だけど。」

 

とは言ってもやはり普通にトレーニングするだけでは気持ちがダウンしてしまう。故に会話というものは必要になってくる。ただ、彼女達の場合走りながら会話をするというのも重要なトレーニングとなる。戦場で移動しながら歌を歌う必要性があるため、トライアスロン以上の体力と音を聞き分ける集中力が必要になるからだ。(パフォーマンスのみを行い、音声録音を流してるだけでは効果激減の為。因みにランニングマシンの設定はそれなりに早いスピードになっている。)

 

「ほっほぅ~~~。」

「な、なによ?」

 

カナメのニヤニヤ顔が美雲に向けられる。

 

「どんなシチュエーションで?」

「言えないわ。大切な思い出ですもの。」

「「「ええええぇぇぇぇ~~~~~。」」」

 

美雲はすまし顔で答える。その答えにマキナとレイナ、フレイアからは悲鳴じみた文句が放たれる。

 

「そういえば、あなたの方はどうなの?リーダー?」

「そこで私にふるの!?」

 

『ワルキューレ』のリーダーは突然の切り返しに戸惑いの声が上がった。顔も心なしか赤くなっている。

 

「ま、ま、まだ軽く飲みに行った程度よ!!!そそそそそ、その、美雲とルシ君程の関係にはまだいってないから!!!」

 

半ばヤケクソ気味にリーダーは叫ぶ。

 

「しかし、このペースだと。」

「次はあの場面?この場面?(想像したのは比較的甘いシーン。)」

「レイレイ甘い~~。きっとこの場面だよ~~~(想像したのは少しだけ危ないシーン。)」

「あるいはこの場面かもしれないわね?(想像したのはかなり危ないシーン。)」

「きっと・・・いんや・・・もしかすると・・・・いんややっぱりこっち・・・・(甘いシーンと危ないシーンを交互に想像してしまった。)」→ルンの状態:真っ赤&光ってます。

「ちょっとやめなさい!!!!あんた達!!!!!!想像禁止!!!!!」

 

マキナとレイナの絶妙なコンビネーションはここでも発揮され、美雲は冷静に想像し、フレイアは暴走状態となった。一番の被害者であるカナメは涙目になって皆を止めに入った。

 

 

 

 

ウィンダミアの一時の休息

キース・エアロ・ウィンダミアは城のテラスで、向こう側にそびえ立つ雪山を眺めていた。

 

「どうした、白騎士?らしくもなく黄昏ているではないか。」

「ヘルマン。」

 

傍にたったのは空中騎士団一の老兵。

 

「先の戦闘について少しな。」

「あの時の『黒騎士』はやばかったな。」

 

ヘルマンも思い出したのだろう。先の戦闘で起こった異常性を。地球人と比べたらはるかに高い身体能力を持ち、一騎当千の力を持った6人の空中騎士団。それをたった一人でなぎ倒したデルタ小隊の『黒騎士』。

 

「あの時、俺は『死神』に必殺の一撃を与えた。躱せる距離じゃなかったし、防げるとも思っていなかった。それを奴は想像もしなかったやり方で防いだ。」

「『防いだ』というよりかは、『切り払われた』だがな。だが、あの時確かにあの場の風の流れは変わったとルンで感じたよ。」

「変わった?」

「ああ。なんというか、全ての風の流れが『黒騎士』に流れ込む感じだった。」

「・・・・・・・・。」

「そうあれはまるで・・・・。」

 

ヘルマンは一旦言葉を切り、息を吐いてからこのように先の戦闘で見せたあの『黒騎士』をこう称した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・戦場の支配者。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偶然にもキースも同様に思っていた。ただの一兵士だというにはあの戦闘能力は強すぎたのだ。

 

 

「・・・・戦場の支配者か。・・・・・・・ヘルマン。」

 

次の瞬間、キースのルンは少しばかり強い光を帯び始めた。ヘルマンは白騎士の様子を見て姿勢を正した。

 

「はっ。」

「次なる戦いでは、必ず『黒騎士』を落とすぞ。『死神』よりも先にだ。」

「了解!!」

 

空中騎士団のエースの称号を持つ者として、『黒騎士』は必ず落とさなければならない。

次なる戦いに向けて空中騎士団は牙を研ぐのだった。

 

 

 




やらかした事。

ZEROのキャス元帥に対してジャンヌ・オルタをぶつけたことですね。

あれは気まずかった。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。