マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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遅くなりました。

FGOのCCCコラボを楽しんでました。

BB/GOの固さヤバイ。6人パーティが全滅する1歩手前でした。


第19話 再発

惑星ヴォルドールへの潜入作戦から2日。

デルタ小隊と『ワルキューレ』のメンバーはアラド隊長の先の作戦で宣言した通り、『裸喰娘娘』にて奢りの食事を楽しんでいた。しかしその中には、3人程のメンバーがいなかった。

 

デルタ小隊からはデルタ2 メッサー・イーレフェルトとデルタ5 ルシウス・ペンドラゴン。

 

『ワルキューレ』からは美雲・ギンヌメール。

 

美雲が消えるのはいつものことだからと、フレイアを除く3人は言っていたが、残念ながらいつもどこかに消える彼女でも、今回は理由がある。

 

ルシウスとメッサー、美雲は精密検査を受けていた。

 

「「・・・・・・・・。」」

「以上が私の結論。メッサー中尉、『VF-31』開発に携わった者として、あなたは『VF-31』に搭乗するには不適格です。」

「・・・・・・・・・。」

 

今俺とメッサー中尉はある人物の部屋で検査を受けていた。部屋の中心にある椅子にはメッサー中尉が座り、俺は壁に立ってその言葉に耳を傾けていた。メッサー中尉の目の前には検査を受けていた部屋の主がいた。

 

アイシャ・ブランシェット特務少佐。

 

民間軍事会社『SMS』の惑星『ウロボロス』にある『ウロボロス支社』からの出向中の技術者。

『VF-31』の前身『YF-30』の開発主任にして『VF-31』の開発にも携わった才女。皆は彼女のことを博士と呼んでいる。ラフな格好をしている彼女はとても技術者や博士には見えなかったのは、心に留めておく。今はそんなことを気にしている場合ではない。

 

メッサー中尉のヴァール・シンドロームの再発。

 

パラガナール遺跡での異常な発汗はそれが原因だったようだ。まさかメッサー中尉が感染していたとは。

 

「ですが、今は抜けることなどできません。まだ、デルタ小隊は育ち切っていない。」

「そこにいる新人君はほぼ完璧みたいだけど?それにハヤテ准尉も成長してるんだし。」

「ルシウス少尉のみです。アラド隊長とルシウス少尉を除いた他のメンバーはまだ、ヒヨコです。次点でチャック少尉がいいところですが。」

 

つまり、メッサー中尉の中では及第点:チャック、落第:ミラージュさんとハヤテというランク付けがされているわけか。

 

「あなたの思いがどうであれ、後日、正式に艦長に通達を出します。異論は認められません。近い内にヴァール発生確率が低い宙域への転属を要請します。これが私からできる最大限の譲歩よ。」

「・・・・・・。」

 

俺は何も言えなかった。

 

「分かりました。検査、ありがとうございます。」

「お大事に。」

 

メッサー中尉がアイシャ・ブランシェット特務少佐の部屋から出て行こうとしたが。

 

「ルシウス少尉。」

「はい?」

「この事は黙っていてくれ。」

「・・・了解。」

 

指摘するべきなのだろうが、俺は何も言えなかった。

 

「何も言わないのね。」

「正直掛ける言葉が見つからなかったです。」

「しょうがないわ。『ワルキューレ』の護衛部隊に爆弾を入れ込むわけにはいかないもの。」

 

博士のいうことは100%正しかった。このような事態では反論の余地がない。

 

「で、俺までこの場に残され、あまつさえ検査を受けさせた理由は?」

「前回と前々回での戦闘での出来事、覚えてる?」

「ええ、正直自分でもあの出来事が出来たのか分からないですけど。」

 

『戦闘中に通信越しではないのに、相手の声が聞こえる。』

本来有り得ないはずの出来事が2回の戦闘で発生した。偶然とは片付けることはできない事象。どうやらその答えをこの博士は持っているようだ。

 

「あなたからは異常は見受けられなかった。むしろ逆。あなたの血液検査からはそういった感染症には強いとの結果が出ている。あくまで一般人より強い程度だけど。あなたから聞いた『コーディネーター』って人種は皆そうなの?」

「大抵は。ですが、そのような能力格差が元で全滅戦争一歩手前まで発展したんですから、あまりいいものではありませんですけど。」

 

『コーディネイター』という名称に込められた本来の願いと、本来の願いとは裏腹に後の世界に広がった選民思想。正直『コーディネイター』とは生まれるべきではなかったのでは?と思ってしまうところだ。

 

「話を戻すけど、先の戦闘でもまたあなたの脳波とフォールド・クォーツの波長が同調した。前々回の戦闘時よりもね。原因は目下の所、『不明』。」

「正直、戦闘の最中に敵の声が聞こえてくるなんて願い下げなんですけど。」

「ぼやかないで。その能力は本当に貴重よ。確かに願い下げな事象もあるけど、貴方自身の意思が機体に介入できるという訳なんだから。」

 

博士が言いたいのは、俺の意思次第では、機体能力値を限界値以上に上げることができるということか。

 

「申し訳ないけど、技術者として提言できるのはここまで。後は貴方次第よ。せっかくの片鱗。物にして見せなさい。」

「・・・・・・了解。」

 

自分の身に何が起こるかはわからないが、博士はヴァールになるような事象ではないからその能力をコントロールしてみせろといっているのだろう。

 

「話は終わりですか?なら俺は寮に戻りますが。」

「ごめんだけど、この後すぐにメッサー中尉の件で艦長と会議する予定なの。彼女の世話をお願い。」

 

はっ?彼女?

 

「あら、話は終わったの?」

「なっ!!!???」

 

そこには美女がいた。美雲・ギンヌメール。

その人である。

別段いても問題ないが、彼女の恰好が問題だった。シャワーを浴びた後なのか、髪をタオルで巻き上げて、体はバスローブを着ている。ただ、バスローブも前が結ばれていない。男性が見ていいものではない。

 

「ええ、終わり。悪いけど直に艦長と会議があるから。後の事は彼にお願いしてあるから。」

「はい!?」

「分かったわ。鍵は?」

「しておいて。」

 

その言葉と共に博士は出て行った。

 

おいおいおいおいおい!?どうすんだよこれ!?

 

「じゃ、じゃあ俺も・・・」

 

俺も出て行こうとするが、その前にジャケットを捕まれた。

 

「髪、拭いてくれない?」

「・・・・・・はい。」

 

俺弱い。

かくして、美雲さんの長い髪を丁寧に拭いていく。美雲さんが椅子に座り、俺は正面から髪を拭いている。後ろに回ろうとしたら、何故か後ろに向いて俺の正面に来るのだ。

 

「それで?何の話をしていたの?」

「ヴァールに関してと、俺の体に関してですね。」

「何か問題があったの?」

 

美雲さんが不安な顔を見せてくるが。

 

「逆です。どんな病原体に対しても一般人よりも耐性があるみたいで。」

「あなたの居た世界における『遺伝子操作を受けた者』ね。その恩恵がこの世界でも生きている訳ね。」

 

髪の先端まで拭いていく。

 

「うまいじゃない。向こう側では恋人とか居たの?」

「ありがとうございます。戦後のゴタゴタが続いての直に開戦がありましたから、いませんでしたよ。」

「よかった。」

 

本当に嬉しそうだな。

ただ彼女の笑顔にはこちらの顔も綻んでいく。不思議なものだ。

髪を拭き終わり、彼女が着替えるのを扉越しで待つ。その時は何故か頬を膨らませていたが。

流石にご勘弁を。

 

 

『エリシオン』から出て、街を歩いていく。ただどことなく賑わいが大きい感じがした。

 

「ああ、もうすぐその季節なのね。」

「何かあるんですか?」

「お祭りよ。当日のお楽しみね。」

「・・・・・・。」

 

お祭りか。そのような空気を久々に感じ取れるとはな。

 

「懐かしいですね。」

「そうなの?」

「さっき言ったように俺達のいた世界ではお祭りなんて楽しむ余裕がありませんでしたから。」

 

どことなく皆が楽しそうだった。開戦してウィンダミアとの最前線になるが、そんな憂いは微塵も感じられなかった。俺と美雲さんは揃って遠くからその光景を見ていた。

 

「これが人々の営み。今までゆっくりと見てみる機会はなかった。見ようともしなかった。」

「・・・・・・・」

 

美雲さんはそう呟き、肩に頭をのせてきた。

暫くの間、そのままでその光景を眺めていた。

 

「その後、ウィンダミア・アップルと遺跡の水の軍への納入は停止された。卸した会社を調べた結果、実体の無いダミー会社に辿り着いたそうだ。」

 

翌日、前回の作戦から得られた情報をもとで調査を行った諜報部の報告がアラド隊長から答えられた。

 

「更に、先日の調査により林檎と水で合成されたセイズノールが、フォールド細菌の増殖を促し、ヴァール化を促進させることが判明しました。」

 

カナメさんからは技術・医療部門からの報告が出されていた。

 

「これで、証拠という意味では確定ということですか。」

「だな。フレイアには悪いが、人類へのヴァール化促進という罪状がウィンダミア政府に突き付けられたことになる。」

「ううん。大丈夫です。」

 

フレイアさんは気丈に大丈夫だということを伝えていた。ルン自体も曇ってはいないから確かに大丈夫みたいだ。

 

「ヴァール・シンドロームとは、細胞内に寄生したフォールド細菌が強烈な感情を亜空間を通じて伝播・増幅させ人間を凶暴化させる現象だと考えられています。」

 

話を聞けば聞くほど、コーディネイターの耐細菌感染力は太刀打ちできないのではと思いそうだ。ブランシェット特務少佐は感染の危険性は低いとは言っていたが。

 

「そして、私達ワルキューレのメンバーはその細菌の影響を抑える特別な因子、『フォールド・レセプター』の保有者から選出されている。」

「え?じゃあ私も?」

「ええ。あなたもそう。私達はこの因子のちからでヴァール化を抑制している。『ワルキューレ・オーディション』はレセプターの保有者を探すためのものでもあるの。」

「「へー。」」

 

選出条件をしらなかったハヤテとフレイアさんが揃って納得の声を出した。

 

「ハヤテ・インメルマン。」

「?」

「お前もその保有者の一人だ。」

 

え?マジか。

 

「え?ハヤテも?」

「ああ、済まなかったな。折を見て話そうとは思っていたんだが。」

「ヴォルドールでの戦闘中、ハヤテ君のレセプター数値は急激な上昇をした。どうやらフレイアと共鳴しているようね。」

「私が・・・ハヤテと?」

「共鳴・・・。」

 

対抗因子を持っている以上、ハヤテはヴァールにかかる心配はないだろう。

 

「えっと・・・レセプターを持ってる人間はヴァールになりにくいんだったら、もってない俺達は?」

「歌がある。私の歌を間近で聴いている限り問題ない。」

 

俺達デルタ小隊はそれでいいかもしれないが。

 

「歌での対抗手段は限界があります。現状はそれでいいかもしれませんが、ヴァール化した罹患者達へのワクチン開発は?」

「根本的な治療法はまだ。ウィンダミアの風の歌の影響を受ける可能性もあります。」

 

メッサー中尉の件、隊長に進言した方がいいかな。

 

 

ミーティングの後、俺は『ストライクノワール』が保管されている格納庫に向かい状況を確認していた。

 

「基礎フレームは完了。脚部の修復も完了。後は腕の分VPS装甲と『ノワール・ストライカー』の箇所か。」

「まぁ、あの翼も基礎は完了してるから、後は外装だけだぜ。」

「手持ち火器は?」

「構造的には容易だったらしくてな。ライフルの1丁は完全に新規建造した。」

 

コクピットに入って全システムを再確認しながら報告を聞いていた。ノワールは機体そのものは完了していた。ただ、外装であるVPS装甲が左腕の部分がまだ完了していなかった。ストライカーもまだだ。主兵装が『ノワール・ストライカー』に依存しているので、まだ時間がかかりそうだ。

 

「予定としては約2週間後には試運転可能になる。その後、不具合がないか確かめるがな。」

「出来るだけ早く頼みます。」

「任しておけ。」

 

俺はコクピットから出て整備主任と話してから格納庫から出て行った。

 

 

「な、なぁ、どうすればいいんかね?」

「わかりません。」

 

翌日、唐突だが相談をフレイアさんから受けた。

ハヤテとミラージュさんがあやしい(?)行動をしているとのこと。

 

「実際その現場を見たわけではないんですよね?具体的にはどのような?」

「それが、よくミラージュさんがハヤテの部屋に通ってるんよ。」

「内容聞いたんですか?」

「ううん。何も。」

「う~~~~~ん。」

 

彼らが内緒話を行う理由。デルタ小隊の中での問題か?

もしかして、ハヤテとミラージュさんにあの事がバレている?

 

「正直、完全に彼らが話してくれるのを待つしか思いつかないですね。申し訳ないけど。」

「それしかないんかね?」

「俺にはそれしか思いつかないです。」

「分かった。もう少し考えてみんよ。」

 

そういってフレイアさんは寮へと帰っていった。

 

翌日。

メッサー中尉が復帰した。表面上は大丈夫そうだが、挨拶もそこそこに直に模擬戦をやるのはどうかと思うが。

 

「当たらねぇのかよ!?4対1だってのに!?」

「この模擬戦まさか!?」

「ああ!メッサーの奴、俺達を白騎士に見立ててやがる!まだやる気かよ!あいつと!!」

「無駄口厳禁!!デルタ3、4、6!!上方注意!」

「くっ!?」

 

メッサー中尉 対 チャック・ミラージュさん・俺・ハヤテ

たった一人しかいないハンデを物ともしない機動で直にこちらが劣勢に変わっていく。一気に3機が撃墜判定をもらった。

 

「この!!」

「ぐぅぅうう!!」

 

俺とメッサー中尉との一騎打ちで模擬戦の続きを行ったが、結局は俺の撃墜で訓練は終了した。

 

「メッサー中尉。」

「言いたいことは分かっている。直に降りろと言うのだろう。」

 

夕刻。

俺とメッサー中尉は甲板に出て話をしていた。

 

「先の模擬戦でも感じ取れました。前に見せた冷静な機動がありません。荒々しさが際立っていました。」

「・・・・・・。」

「博士の言う通り、これ以上の戦闘行為は危険過ぎます。再発兆候が出ている以上、降りるべきです。」

「だが、まだだ。まだ降りる訳にはいかない。」

 

その言葉を最後にメッサー中尉は甲板から去っていった。

 

 

 

 

メッサー中尉が去って行ってしばらく経っていたが俺はまだ甲板に留まって海を見ていた。

既に日は沈み、回りは暗闇が広がっていた。

 

「どうする?」

 

隊長と艦長には恐らく、博士から連絡が行っているだろう。直に降ろすべきだ。ヴァール化した場合、アラド隊長を含めた俺達でメッサー中尉を止めなければならない。だが、圧倒的に技量は向こうが上だ。殺さずに止める事なんてできるのだろうか。

 

「こんなところにいた。」

「ん?」

 

声を掛けられて振り返って見てみると美雲さんがいた。

 

「どうかしたの?」

「少し考え事です。」

「そう。隣いい?」

「ええ。」

 

美雲さんが隣に座ったまではよかったが、俺の肩に頭を載せてきた。

 

「どうしたんですか?」

「なんで?」

「少し覇気がない感じがしたんで。」

「ごめんなさい。少しこのままで。」

 

俺はそれ以上は何も言わず、美雲さんの好きにさせた。

その時。

 

「空襲警報!?」

「!?行くわよ!」

 

俺と美雲さんはともに走りだし、それぞれの所定の場所へと急いだ。

俺以外のデルタ小隊は一旦寮に戻っていたため、俺一人で抑える必要がある。急ぎパイロットスーツに着替え、『YF-29B』に乗り込む。

 

「状況は!?」

「敵はウィンダミアの空中騎士団と思われる機体、6機です。防空システムの内側に直接デフォールドしたようです。『風の歌』は現在確認されていません。」

「ルシウス少尉。『ヘーメラー』は現在不在だ。デルタ小隊各機が現場に到着するまで、『エリシオン』に近づけさせるな。」

「任務了解。」

 

『YF-29B』のシステムを立ち上げ、『アイテール』のカタパルトへと接続される。

 

「デルタ5、カタパルト接続確認。進路クリアー。発進どうぞ。」

「サンクス。ルシウス・ペンドラゴン、デルタ5、出る!!」

 

急加速の後、夜のラグナへと飛び立つ。

 

 

 

 

相手が空中にスモーク弾を放ち、ウィンダミアの紋章を空へと作っていくが

 

「ご丁寧にどうも。」

 

紋章のど真ん中を撃ち抜き、紋章の形を崩す。

 

---おのれ、黒騎士!!

---先発は黒騎士か。

---白騎士様!!

 

「行かせるか!!」

 

俺は直に牽制弾を放つが容易く避けられる。

1対6の状態だが。現場を持たせるならまだ大丈夫だ。

 

「???」

 

だが、直に1機が離脱した。

 

「なんだ?」

 

だが、よそ見をできる状態ではなく。この場を持たせるので手一杯だった。

 

3分程経ったのだろうか。他のデルタ小隊機が上がってきた。

 

「ルシウス!!無事か!?」

「デルタ5よりデルタ1へ。すみません、1機も減らすことができていません。」

「気にするな。持たせただけでも十分だ。一気に行くぞ!!」

「「「「了解!!」」」」

「ウーラ・サー!!」

 

デルタ小隊機は連携を行い、空中騎士団と交戦していくが。

 

「ぅぅぅぅううああああ!!!!!!!!」

「!?」

 

まさか!!

 

「メッサー中尉!!??」

「中尉!?」

「メッサー!?」

「メッサー!?どうした!?メッサー!?まさか・・・。」

「デルタ1へ!!『ワルキューレ』への応援要請を!!」

「分かってる!!デルタ1より艦長!!『ワルキューレ』の出動を要請する!!」

 

こうしている間にもメッサー中尉のうめき声がまだ聞こえている。急がないと。

『ワルキューレ』の歌声が戦場に響き始める。

だが、依然として白騎士との交戦状態だ。

 

「白騎士・・・。」

 

俺は覚悟を決めた。『YF-29B』の4発の大推力を活かし、強引に割り込む。

 

スピリットS

インメルマンターン

ベクタード・スラスト

ミサイルを放つ

重量子ビームを放つ

 

---いい機会だ。この場で落とす。

 

「どけぇぇぇ!!」

 

絶やさずに白騎士に相対していく。

 

---くっ!やはり・・・!黒騎士から先に落とすべきだったか!

 

---ウラウラーー!!

---デルタ2!!応答せよ!メッサー中尉!!

 

---歌うなーー!!

 

「デルタ5より4、6へ!!『アイテール』に敵機が接近している!!援護に回れ!!」

「「了解!!」」

 

ハヤテとミラージュさんを『アイテール』の援護に回し、俺は引き続き白騎士と交戦に回った。

 

 

 

 

程なく、アルファ小隊が増援として現着したが、空中騎士団は直にその場を離脱した。結局白騎士は落とせなかった。だがそれ以上の問題が上がってしまった。

格納庫に戻ったメッサー中尉の機体が固定され、コクピットから出てきたが凶暴化を抑えるのに必死だったのだろう。疲労困憊の状態だった。

ふらつき倒れそうになるがアラド隊長が支えた。

 

「限界・・・だな。」

「・・・はい。」

 

無理もないだろう。

そのままアラド隊長は医務室へとメッサー中尉を連れて行った。俺は先の戦闘の報告書を『アイテール』内のミーティングルームで書いていた。

その前には二人の人物。

 

「結局、どうするんですか?」

「メッサー君にヴァールが完全に再発してしまった。艦長は正式に彼をデルタ小隊から外すとのことよ。後日メッサー君に通達するって。」

 

カナメさんから艦長の決定を聞いた。

 

「再発ってことは以前発症したってことですよね。何故、VFに乗せる決定をしたんです?」

「艦長とアラド隊長は前から知ってたみたい。再発の危険性がないか定期的に試験データを私達のボスである『レディM』に送る事を条件にVFに乗せる許可を出したみたい。」

「・・・・」

 

美雲さんからその話を聞き、俺は自身がもっと早く行動すればよかったと後悔した。

 

「カナメさん。」

「何?」

「メッサー中尉に、付いてあげてください。」

「・・・わかったわ。」

 

カナメさんが決意を込めた顔でミーティングルームを後にした。

 

「・・・あなたも知ってたの?」

「博士から聞かされました。もっと早く行動してればよかった。」

 

俺はPCから目を離し、顔を両手で覆った。

今の内にあるのは、後悔だけだった。

 

「・・・・・・。」

 

美雲さんは何も言わず俺の頭を抱きとめてくれた。

今はその温かさが何よりもありがたかった。

 




みなさんはガチャ引きましたでしょうか?

自分はとりあえず鈴鹿御前以外は、1枚ずつヒットです。




正直、この小説を書いてて思います。次話が、一番の山場なのではないかと。

さーて、ここからが、「マクロスΔ」だ!!!!!

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