マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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最初のサブタイトルを尋問にしようとしたけどダメだ。完全に質問になった。


第1話 転移と質問とこれからと

医務室の扉の前で保安要員からまだ目が覚めていない報告を受け、部屋に入るが先客がいた。少年が横たわっているベッドの傍らに美女が立っていた。

 

「?美雲さん。珍しいな。」

「変な機体を拾ったって聞いたから見に来たわ。まだ彼は目が覚めてない状態だけど。」

 

そう言い美雲は医務室から出て行った。

 

「相変わらずだな。」

「態度は珍しくありませんでしたね。」

「だな。ドクター、容体は?」

「軽い脳震盪を引き越していますが、命に別状はありません。ですが数日の安静が必要でしょう。」

「ってことは何らかの戦闘中だったってことか?」

「機体の破損具合は相当の戦闘だったと見受けられますが。」

 

その時、また新たな人物が入ってきた。

 

「あっ、こちらだったんですね。」

「カナメさんか。どうしたんで?」

「こちらの少年が乗っていた機体の解析が機体名称と武装に関しては終わりました。こちらになります。」

 

手元に持っていたタッチパネルをアラドに見せる。

 

「こいつは・・・。メッサー見てみろ。」

「?・・・・!?これは・・・」

 

内容は以下の通りだった。

MODEL:GAT-X105E+AQM/E-X09S

NAME:ストライクノワール (ストライクE+ノワールストライカー)

ストライクE兵装

M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器

M8F-SB1 ビームライフルショーティー

EQS1358 アンカーランチャー

175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル

ノワールストライカー兵装

MAU-M3E4 2連装リニアガン

MR-Q10 フラガラッハ3ビームブレイド

EQS1358T アンカーランチャー

装甲:ヴァリアブル・フェイズ・シフト装甲

 

「我々が使うバルキリー、ゼントラーディが使うリガードとも違う。そもそもこの世界のものかも怪しいものだ。」

「マキナがいうにはビームライフルもバルキリー系に使われる重量子ではなく、荷電粒子のものだそうです。さらに驚いたのが主動力源が熱核反応エンジンではなくバッテリーだそうです。」

「はぁ!?」

「バッテリーって、バッテリーであの機体が動くものなんですか?」

「胸部近くとノワールストライカーと呼ばれる箇所に大容量バッテリーが積んであるとのことです。」

「ますます謎になってきたぞ。こいつとあの機体が。」

「ですね。」

 

3人は未だ眠り続ける少年を見ながら、どうするべきか対応を決めかねていた。

 

 

 

 

 

夢を見ていた。

 

----キレイだね。星の海ってこんな感じなんだ。

 

----やっと夢の1つが叶った。次はもう1つの夢だ。

 

----だけど。

 

----この世界はまだまだ戦火で満ちている。

 

----もう、起きてもいいんじゃないかい?

「はっ!?」

 俺は息を大きく吸い、呼吸を落ち着かせる。息を整えたところで辺りを見回すが見たことのない機材で辺りはいっぱいだった。

 

「ここは?」

「目が覚めたようですね。」

「あなたは?」

「我々『ケイオス』が駐屯しているマクロス・エリシオンの医務室ですよ。そして私はこの医務室の医者です。」

「?」

「あれどうかされたんですか?首をかしげて?」

「いえ、聞き覚えのない名称が出たので。『ケイオス』ってなんです?それに『マクロス・エリシオン』って?」

「それすらも聞き覚えがないんですか?」

「?」

 

俺は首をかしげる。聞き覚えもないも初めて聞く言葉だ。

 

「少々お待ちください。」

 

と断ってその医者はどこかに電話をし始めた。しばらくすると。

 

「おぅ、目が覚めたらしいな。」

「あんたは?」

「『ケイオス』ラグナ第3飛行団所属デルタ小隊隊長、アラド・メルダース少佐だ。よろしく。」

「失礼しました。オーブ連合首長国第2宇宙艦隊『スサノオ』所属ルシウス・ペンドラゴン二尉です。」

「『オーブ連合首長国』?初めて聞くなそんな国。メッサー、お前は?」

「初めて聞きます。」

「?地球の赤道にある小さな島々からなる連合国家です。」

「はぁ!?」

「地球って・・・地球には既に国なんてないし。ここは惑星ラグナだ。地球じゃない。」

「えっ!?オーブがない!?しかもここは地球じゃない!?」

「おい、すまないがお前の事情を話してくれないか?気絶する前に何があったのかを。」

「は、はい。」

そこから俺は混乱しながらも自分の事情を話した。地球はいくつかの国家に集約され、地球軌道上にL1からL5のコロニー群を作り、宇宙に進出していたが、地球圏は主に人種の問題で2分されていたこと。遺伝子操作を受けた者『コーディネイター』と受けざる者『ナチュラル』。何度かの紛争及び戦争を行い、遂には全滅戦争の一歩手前まで行ったこと。その後、オーブの代表首長・カガリ・ユラ・アスハがL5コロニー国家『プラント』の最高評議会議長・ギルバート・デュランダルが提示した人それぞれ遺伝子に応じた役割につかせる『デスティニープラン』に反旗を翻した。オーブ・地球連合の混成部隊とプラントの軍、『ザフト』との月面のダイダロス基地に設置された軌道間全方位戦略砲『レクイエム』破壊作戦。戦況が膠着状態となり、機動要塞に割り込まれ、部隊は半壊状態に陥ったこと。破壊不可能かと思われたが、『アークエンジェル』『エターナル』部隊所属のモビルスーツ2機がレクイエム破壊したこと。自分は敵モビルスーツと友軍艦艇の誘爆に巻き込まれさらには左肩と左足をもっていかれ、自分はそこから気絶したこと。気付いたらこの場にいたこと。

 

「以上が俺の経緯ですね。」

「「・・・・・・・」」

「あの・・・?」

「いや、ちょっと待ってくれ。整理させてくれ。」

「自分もですね。訳がわからない事だらけです。」

「あの、こちらの事情は話しました。こちらからも質問ですが、ここはどこなんです?」

「あーっとそうだな。」

 

俺はアラド隊長からここの事を聞いた。なんでもここは地球から離れたブリージンガル球状星団のひとつ『惑星ラグナ』。地球の国家はすでに無く地球は一つの『新統合政府』でまとまっており、人類種の存続を目的である『銀河播種計画』で銀河を各方面に散っていたこと。なぜそんなことになったかというと謎の宇宙船が宇宙から地球に落下、そのサイズから巨人の兵士がそれを使っていたとのこと。そこから得られた知識・技術を理由に統合戦争が行われ、既に地球上に国家がなくなってしまっていること。ゼントラーディとのファーストコンタクトからの人類史上初の星間大戦。滅亡の危機に陥った人類とゼントラーディ側との和解。人類種の存続の為の旅。バロータ戦役。バジュラ戦役等。

 

「・・・・・・・・・(壮大過ぎてついていけていない)」

「っとまあこんなところか。っておい?大丈夫か?」

「え、ええ。ダイジョウブデス。」

「大丈夫ではありませんね。片言になってますよ。」

「一度に説明しすぎたな。また来るよ。」

「わかりました。・・・あの俺の機体はどうなりましたか?」

「あぁ、共に回収したからまだ半壊状態だ。すまないが、解析はやらせてもらうぞ。」

「そうですか・・・・。」

 

 しょうがないといえばしょうがない。こちらの身元は不明の状態だ。年号も違うし、所属の母艦がないどころか知り合いすらいないのだ。

 

「どうなるのかな。俺は・・・」

 

寝っ転がり、天井を見ながらこれからはどうするか考えていた。

 

 

 医務室を出たアラドとメッサーはそのまま半壊の機体が保管されている格納庫に向かった。

 

「さっきの話どう思う?」

「嘘をついているようには見えませんでした。おそらくは本当でしょう。」

「だな。俺も同意見だ。」

 

 さっきのルシウスからの話を思い出しながら格納庫に向かう。半壊の機体にとりついて解析を行っているのは戦術音楽ユニット『ワルキューレ』に所属するハッキングはお手の物なレイナ・プラウラーにメカニック担当のマキナ・中島だ。

 

「マキナ、レイナ。機体の解析は終わったか?」

「できてるよー」

「コクピットに入って。」

 

アラドは言われた通りコクピットに入った。

 

「操縦が複雑そうだな。この機体。」

「起動スイッチがこれ。」

「?これか。」

 

スイッチが押されると起動画面が映し出される。

 

「?なんだ?G.U.N.D.A.M. M.O.S.?」

 

そこにはある文字が羅列されていた。

MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM

///Version NV8-N099////

General

Unilateral

Neuro-Link

Dispersive

Autonomic

Maneuver

Synthesis System

 

この機体のメインオペレーション・システムだった。

 

「なんとまぁ。遊び心が効いてるじゃないか。」

「しかし、機体は実戦用そのものですよ。何かしらの意味があるんですかね?」

「直訳だと『単方向の分散型神経接続によって自律機動を行う汎用統合性システム』か。」

「モニターもまだ生きてますね。有視界性はVFシリーズよりかは下ですが。」

「だがまぁ、火力に関してはこの機体の方が上だな。兵装を見る限りでは近接戦闘に特化した機体か。」

 

コクピットから出て、代わりにメッサーが入った。アラドは機体の前に立ちその機体を見上げた。

 

「この機体のパイロットがこの世界でどうなるか。楽しみではあるな。」

 

ふと隣を見ると珍しい人がいた。『ワルキューレ』所属のエース 美雲・ギンヌメールだ。経歴等が一切不明の美女が機体を見上げていた。

 

「世界を渡った機体・・・私達がいる世界とは違った機体。世界が砕かれた音がする。」

「?」

 

アラドは意味深な言葉をつぶやく美雲を後目にその場を後にした。

 




暑いっすねー。
YF-29はまだまだ先の予定です。

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