マクロスΔ 黒き翼   作:リゼルタイプC

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初投稿です。

マクロスΔの世界にこの機体ぶっこんだらどうなるか少し想像して書いてみました。

よろしくお願い致します。


プロローグ

懐かしい夢を見ていた。

 

----ルシはさ、夢ってある?

 

----あるよ。なりたい夢じゃなくてやってみたい夢

 

----どんな?

 

----星の海を泳いでみたい。宇宙に行って新しい星を見てみたい。

 

----それって結構壮大な夢だよね。

 

----それぐらい夢を持ちたいんだ。スウェンは天文学者になりたいって言ってたし。

 

----そっか。

 

----そっちは?

 

----僕は水泳でオリンピックに出たいんだ。お父さんに勝ちたいんだ。

 

----そっちも壮大だね。

 

----そうだよ。ずっと負けてるんだ。

 

 

また懐かしい夢を見た。

 

 

----オーブに?

 

----お父さんの仕事で行かなくちゃならなくなったんだ。

 

----いつ?

 

----一週間後には。

 

----また会えるよね?

 

----もちろん。すぐには無理だけど必ず戻ってくるよ。

 

----約束だよ。

 

 

 

西暦2067年

---ブリージンガル球状星団 惑星ラグナ

 人類の守護神 マクロス・エリシオンがバレッタシティに鎮座するこの星の近くでひとつのデフォールド反応が検知された。星間複合企業体『ケイオス』所属 アルファ小隊が偵察に出動したが、そこには奇妙な光景が広がっていた。

 

「この辺りだろう。デフォールドの反応があったのって。」

「ああ。しかし、デフォールドした後もその物体が動かないってどういうことだ?」

「わからん。だけど・・・・っておいあれ。」

「ん?」

 

アルファ小隊の面々はその光景に首をかしげた。明らかにおかしいのだ。そこには中破した機体が宇宙空間を漂っていた。主に地球人が使う『可変戦闘機』『可変爆撃機』ゼントラーディが使う『リガード』『グラージ』『クアドラン』。逆のパターンもまた存在するが、この漂っている機体は明らかに違った。

 

『人型』なのだ。『可変戦闘機』のバトロイド、『クアドラン』も違う。より人型に近い機体。機体の基本配色は黒。顔にはバトロイドのようなバイザーや単眼型ではなくデュアルアイ、右手にはライフルを持ち、左手は肩の部分からなくなっていた。足も同様で右足はあっても左足は膝より下が完全になくなっていた。片方の羽はなくなっているが、背中には一対の羽があったであろう。

 

「なんだ、この機体?」

「初めて見る。該当データ無し?」

「こんなの見たことがない。破壊するか?」

「っておい!?」

 

パイロットたちを余所にその機体に変化があった。機体の色が変わったのだ。黒から灰色に。だがそれだけだった。色が変わっただけで他は何も起きなかった。『VF-31A』(カイロス)に乗るアルファ小隊はガウォークモードにしライフルを構えながら警戒するが、何も反応を示さなかった。

 

「動かない?」

「油断するなよ。」

「ちょっと待て。中に生体反応だと?」

「じゃあ誰かがこの中にいる?」

「本部。応答を、こちらアルファ2」

 

 警戒しながら、本部に連絡し回収部隊を寄越してもらい正体不明の機体を回収する。

それでもその機体は動かなかった。

 

「なんだ?この機体は」

「明らかに新統合軍、SMS等で運用している機体ではなさそうですね。」

 

 正体不明の機体を回収したという知らせを聞いたデルタ小隊の隊長 アラド・メルダースとデルタ2のメッサー・イーレフェルトは機体をみながらそう話す。

 

「生体反応があったっていう話だが。」

「今マキナ姉さんが生体反応があった付近に操作パネルがあったので、操作してます。」

「見たことないね。こんな機体。」

「確かに初めて。」

 

言い方は十人十色だが大抵はみんな同じことを言っている。

 

--見たことがない機体。

 

皆がこの正体がわからない機体を前に言いようのない不安を抱えていた。

 

「ハッチ開きます。」

「保安要員はスタンバイしておけ。」

 

ハッチが開き中を覗き込む。

 

「・・・っ!?」

「少年?」

「見たことがないヘルメット。」

「ヘルメットだけじゃないっす。パイロットスーツもっすよ。」

「だけど完全に気絶しているね。」

「銃はいらないかも。」

「メディック!ストレッチャーを」

 

 白と黒のパイロットスーツに身を包んでいるパイロットと思しき少年を中から引き摺り出し、ストレッチャーに乗せヘルメットを取る。その顔は明らかに少年だった。まだ、20歳はいってないと思う。銀髪に一部の髪を三つ編をしている。

 

「こいつがこの機体を動かしていたってのか?」

「現状ではそう断ずるしかありませんね。」

「話はこいつの意識の回復を待ってからだな。」

 

 少年は既に医務室に搬送し、保安要員がそばを固めていた。その間にアラドとメッサーは少年の機体に近づき既にコクピットに入って解析を進めていたレイナに話しかけた。

 

「レイナ、機体の解析はまだか?」

「プロテクトがすごい。ちょっと時間かかるかも。」

 

 レイナがコクピットに入り機体を解析している間にメッサーは足部分に近づきあるものを見つけた。

 

「アラド隊長」

「?どうした?」

「これ見てください。」

「装甲にコネクター?ケーブルで繋がれている?」

「少なくてもVF系の技術じゃありませんね。」

「だな。しかしどこの所属だ?」

「プロテクト解けた。もう少ししたら報告する。」

「よろしくレイナ。」

「カッター隊長。あのパイロットの尋問と機体の解析はこちらで対応する。」

「よろしく。アラド隊長。」

 

アラドとメッサーは機体が保管された格納庫から去り、医務室に向かった。

 

 

 




多分この時点で放り込んだ機体が何なのか、すぐに分かるかも。

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