提督の副業   作:きんにく同盟

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予告通りに間に合わせました。


特別編 バレンタインD

2月14日…いつからだかわからないが、この日には求愛する者にチョコレートを渡すという風習が根付いた。

 

 

何処ぞのお菓子会社の陰謀だか知らんが、迷惑なはなしである。

 

 

太郎「皆んなに集まってもらったのは他でもない。バレンタインデーについてだ。」

 

 

もどき「ああ…あるね。それがどうしたの?」

 

 

田中「今年は大漁の予感!!食費が浮くお!!!」

 

 

太郎は無言で田中に腹パンを食らわす。

 

田中「あああああああ!!」悶絶

 

 

太郎「馬鹿野郎!!来月には何がある!!」

 

 

田中「ホワイトデーだお…」

 

 

太郎「お返しに幾ら使う!!」

 

 

田中「ハッ!!おのれバレンタイン!!」

 

 

もどき「別にかえさなくてもいいんじゃね?」

 

非常識と思うなかれ…もどきには思うところがあるのだ。

 

 

 

 

もどき 苦い思い出

 

愛宕、高雄、ビスのチョコレート

 

 

もどき「……」腕組み

 

憲兵「あ〜提督さん。もてもてですねー。クソ、食ってやる!!」

 

伸ばした手をもどきに叩かれる。

 

 

憲兵「痛いじゃないですか!!確かに悪かったですけど…」

 

 

もどき「ちょっと待ってくれ…」

 

もどきは地面にチョコレートを落とす

 

 

もどき「やはりな…蟻が死んでいく。」

 

 

憲兵「ねぇ、これって犯罪じゃあ…」

 

 

 

 

回想終了

 

 

太郎「そこでだ!!艦娘からチョコレートを受け取らない為に急用を無理矢理作る。」

 

 

 

田中「おぉ!!」

 

 

太郎「幸い。その日は大本営に呼び出されているからな」

 

 

もどき「その後、適当に時間を潰すのか!!」

 

 

つまり、急用を作り休養するという訳だ。

 

 

 

もどき「だが、あからさまなのは無理があるだろ?」

 

 

太郎「だから、一緒に考えようではないか!!」

 

 

皆んなの為に集めた感じが漂ってはいるものの、そこには赤信号皆んなで渡れば怖くないといった臆病な本音があったのは言うまでもない。

 

 

田中「旅行とかどうだお?」

 

 

太郎「……」

 

 

太郎 空想

 

長門「私達が戦っているのに旅行とは…根性を叩き直してやる!!」

 

 

太郎「うわー!長門に連れていかれる!!」

 

 

陸奥「それはいけないわね。」

 

武蔵「何故なら」

 

大和「私達がイくのですから///」

 

 

太郎「うわあああああ!!」ズルズル

 

 

 

 

もどき「……」

 

もどき回想

 

 

もどきは旅行を終えて、鎮守府へと戻ると上から執務用の机が落ちてくる。

 

愛宕「提督の席ねえから〜!」

 

高雄「キャハ⭐︎」

 

ビス「フフフ…」

 

 

 

もどき「……」

 

 

 

 

 

太郎・もどき「ねぇな。」

 

 

 

田中「なんでだお!!」

 

 

太郎「バットエンドしか想像できないからボツ。」

 

 

もどき「右に同じ」

 

 

 

だが、この金なし信用なしの3人に相応の時間つぶしなんてあるはずもなく

 

 

太郎「町にでも繰り出すか。」

 

田中「意味ないお…」

 

もどき「まぁ、あそこに居るよりはいいか…」

 

 

 

2月14日 バレンタインデー

 

 

大本営

 

元帥「では、提督招集会議を開始する。始めに幹部挨拶を行う。」

 

 

幹部「この度は、お日柄もよく…」

 

 

 

 

太郎・田中・もどき「ZZZzzz…」

 

 

幹部「……」

 

唇を噛み締めている幹部。

 

 

 

元帥「……おい!お前ら起きろ!!」

 

 

そして会議は進む

 

幹部「このままでは敵勢力に制圧されそうである!!」

 

 

他提督「……ですが、手一杯でして…」

 

 

幹部「とにかくだ……頑張れ」

 

 

太郎「いよっしゃあ!!頑張れって言った。賭けは俺の勝ちな!!」

 

 

田中「なんで言うんだお!!」

 

もどき「グッドラックじゃなかったな…」

 

 

太郎「今日の昼飯は割り勘な!!」

 

 

田中・もどき「へーい…」

 

 

 

幹部「……」

 

幹部は悔しさのあまり涙を流していた。

 

 

 

会議 終盤

 

最後に乾杯でしめる。

 

幹部「では……乾杯と言いたいが、それでは完敗を連想させるので縁起が悪い。だから完勝と音頭をとらせていただきます。」

 

 

他提督「あははははは。」

 

 

 

幹部「せーの…かん」

 

 

太郎・田中・もどき「完敗!!」

 

 

幹部「……」じわ

 

 

幹部「……くうううう…」悔し泣き

 

 

他提督「あ!泣いた…」

 

 

 

太郎・田中・もどき「アヒャヒャヒャ!!」

 

 

 

元帥「ママ…助けて」

 

 

 

 

 

会議 終了

 

 

3人は町に繰り出していた。

 

太郎「しかし、どこも浮かれきってんな〜」

 

 

田中「チョコレート蕎麦、チョコレートハンバーガー…不味そうだお…」

 

 

もどき「居る奴らもカップルばっかり…」

 

 

男3人は異様だった。

 

 

太郎「昼飯って言ったっていくら持ってる?」

 

太郎 300円

 

田中 29円

 

もどき 500円

 

 

 

3人「うーん…」

 

 

田中「何を食って言うんだお!!」

 

 

太郎「しらね…」

 

もどき「落ち着けって…ん⁉︎アレは」

 

 

もどきが見つけたのは、ステーキ屋のチャレンジメニュー

 

 

ジャンボステーキ

 

30分以内に完食できたら会計無料。失敗したら……後で言います。

 

 

太郎「怪しいな…」

 

田中「誰がやるんだお…」

 

太郎「こんなの…大食い自慢のアメリカ人しか…あ!」

 

 

 

太郎・田中「……」もどきを見る

 

 

もどき「……?」

 

 

 

 

もどき「や、やめろ!!」

 

 

暴れるもどきを田中が羽交い締めにし、太郎が暗示をかける。

 

太郎「お前はアメリカ人なんだ……肉が好きなんだ…」

 

 

もどき「俺は…日本人…」

 

 

太郎「ほら…言ってみろ。USA!USA!USA!」

 

 

もどき「あ…あ…あああ」

 

 

 

太郎・田中「USA!USA!USA!USA!」

 

 

もどき「yeah! america is NO.1!!」

 

 

太郎「じゃあ、肉食うぞ!!」

 

 

もどき「this is jastice!!」

 

 

 

 

遠くの路地

 

Iowa「……cool…」

 

 

 

ステーキハウス

 

店員「では…ジャンボステーキ3人前です!制限時間30分です。はじめ!!」

 

 

太郎と田中は食えるだけ取り分けて、もどきに渡す。

 

 

太郎「はいよ〜」

 

田中「頼むお」

 

 

もどき「yes!yes!yes!!」ガツガツ

 

 

店員「す、凄い!!胃もたれ確実なニンニクこってり系のタレがかかったステーキ3キロを…」

 

 

もどき「yes!yes!yes!!」ガツガツガツ

 

 

 

 

他の客ももどきに魅入ってく

 

 

客「すげえ!!」

 

客「負けてらんねえな!ライスおかわり!!」

 

 

Iowa「……」///

 

 

 

 

 

 

店員「……クリアです。」

 

残り10分以上を残してもどきはステーキを完食した。

 

 

太郎・田中「やったなもどき!!」

 

もどき「……」コーヒーブレイク

 

 

 

会計は0円。3人は満足顔で店を出る。

 

 

 

太郎「悪かったよもどき」

 

 

田中「今度、何か奢るお。」

 

 

もどき「………」

 

 

そんな時、誰かの悲鳴が聞こえてきた。

 

 

野次馬「川で子供が溺れているぞ!!」

 

野次馬「……でも、誰も泳げない…」

 

 

母親「ハジメー!!」

 

子供「ぱあ!ママァ〜!」

 

 

海軍所属の3人は泳ぎは抜群だったが、自分がやらなくても誰かがやるだろうがモットーの3人は傍観者で徹しようと気配を消し始める。

 

 

太郎「誰も助けないな〜」

 

田中「腰抜け共だお…」

 

もどき「!」

 

その時、もどきがアメリカ人になる為の洗脳から解けたばかりだったので、微かに残った博愛の情が躍動し始めた。

 

 

もどき「i am strong!!」バッシャーン!!

 

 

太郎「あ…飛び込んだ。」

 

 

もどきは最速のスピードで子供に近ずくと引き寄せ、岸まで泳いだ。

 

 

子供「……お兄ちゃんありがとう!」

 

 

もどき「good luck」タタタタ

 

 

母親「あの…せめてお名前だけでも…」

 

 

もどき「……」ダッシュ

 

 

 

 

 

遠く離れた場所

 

 

もどき「ゲー!ゲー!!」

 

 

太郎「ほら言わんこっちゃない。食った後、直ぐに動くから…」

 

 

 

もどき「う…」バタリ

 

 

もどきは急に倒れた。

 

 

田中「大変だ!息してないお!!」

 

太郎「ダニィ!」

 

 

2人は考えていた。心臓マッサージのやり方は分からないが、訓練校時代に人工呼吸は徹底的に仕込まれた。

 

 

つまり…やれと……

 

さっき、こってりニンニクステーキを食ったもどきと…

 

 

 

太郎・田中(できない…)

 

 

田中「太郎やるんだお…」

 

 

太郎「できん…」

 

 

田中「やらないと…」

 

 

太郎「できーん!!!」

 

 

田中(なんて奴だお。気合いで押しきった。)

 

 

そこには、遅刻した人が何故か電車や目覚まし時計に怒り、上司の怒りをうやむやにする奴みたいな太郎がいた。

 

 

 

瞬間、太郎は田中の頭をつかみ、顔をもどきの口に近寄せる。

 

 

太郎「田中すまない……すまない…」

 

 

田中は何かを言おうとして息を吸い込んでしまった。

 

 

田中「はう!!」ゴロゴロゴロ

 

 

後ろに勢い良く転がって行き、頭を壁に思い切り打ち付けた。

 

 

田中「……」コテン ←血塗れ

 

 

太郎「た、たなか…」

 

 

 

太郎がオロオロしていると

 

 

愛宕「あらー、大丈夫ですよ〜」

 

 

愛宕はもどきの胸ぐらを掴み、無理矢理起こすと

 

往復ビンタを始める。

 

 

太郎「お、おい…」

 

 

愛宕「ほら…戻って来なさい!!」バシンバシンバシン!

 

 

もどき「……ハッ!!ここは?」

 

 

愛宕「ほら…帰りましょう。」

 

 

もどき「あ、ああ…」

 

 

訳も分からず連れて行かれるもどき。

 

 

太郎「なんでここが分かったんだ?」

 

 

太郎は田中の方に目を向けるが…

 

 

太郎「田中が…いない……」

 

 

 

そして、1人になった太郎に何処からともなく、声が聞こえてくる。

 

 

⁇「早く帰れと言っただろう!」

 

 

声の主は分からない…何処にいるのかも。

 

 

⁇「甘い甘いチョコレートを用意しておいたわ。」

 

 

⁇「だが、必要なかったな…」

 

 

⁇「チョコレートよりも必要なものがありますね…」

 

 

 

太郎「あ、ああああ」

 

 

 

 

 

 

数日後

 

 

太郎は虫の息で憲兵に救助された。

 

太郎「ナガト、ムツ、ムサシ、ヤマト…ジュッテーム…」

 

 

田中は

 

 

電「電達のチョコレートをもっと食べて欲しいのです。」

 

鈴谷「…」無表情で口に押し込む

 

 

 

田中「もう食べられないお…」デブ

 

 

田中は動けなくなるまで、チョコレートを食べさせられていた。

 

田中 200キロ 突入

 

 

 

 

もどき

 

 

愛宕「どう?私のチョコレートは…」

 

 

もどき「さ、寒くて震えが止まらない!!」

 

 

高雄「あっためるのはどの薬品かしら…」

 

 

ビスマルク「ニトログリセリン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も提督の戦いは続く




どうでしたか?

何かありましたら教えて頂けると嬉しいです。

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