提督の副業   作:きんにく同盟

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書き溜めしておいたので、早めに投稿します。

平穏は新たな波乱の予兆…


何か要望がありましたら、お願いします。


微かな幸福と破滅

太郎は明後日に催されるパーティーに向けて、準備をしていた。勿論、盛り上げる為にではない。壊す為だ。

 

 

太郎「……」カチャカチャ

 

組み立てるのは高性能の望遠レンズを装着したカメラ。知り合いに貸して貰った。

 

⁇「持ってきましたよ。私が愛用している高性能のマイクです。」

 

それは、彼女が音楽指向性マイクを改造に改造を重ねて作った盗聴用の集音マイク……盗聴道具だ。

 

 

太郎「じゃあ、青葉。早速始めるか!!」

 

 

青葉「はい!久しぶりのコンビですね私達!」

 

 

 

太郎「ああ…提督業も忙しくてな…」

 

 

 

青葉「二人は元気ですか?」

 

 

太郎「田中ともどき…か?それなら知らん。最近、会ってない。」

 

 

 

青葉「そうですか……4人で色々しましたね。お偉いさんの息子をカツアゲしたり、脅迫したり……」

 

 

 

太郎「遠い昔さ……」黄昏

 

 

青葉「一体、何かあったんですか?」

 

 

太郎は悲しそうに笑うと、仕事の概要を静かに話し始めた。

 

青葉「なるほど…また弱みを握るんですね。相手は元帥…不足はないです。」

 

 

 

 

 

時間は経ち…夜10時

 

青葉「あのー…携帯鳴り続けてますよ。」

 

太郎「電源切っといてくれ…」

 

太郎はレンズを覗いたまま、目を離さなずに言った。

 

 

素っ気ない態度に青葉は少しイタズラ心を出したのだろう。

 

自分が太郎の背中に抱きついている写真を携帯で撮り、送信してしまった。

 

 

シャッター音とメール送信する際の音により、太郎は振り向く。

 

 

太郎「なにやってるん…だ?あ……おば??」

 

 

青葉「えへへ〜送っちゃいました❤️」

 

太郎「誰に?」

 

 

青葉「ん〜陸奥さん!」

 

 

 

太郎「……」白目

 

フラッシュバックする昨日の事…そして、今までの常軌を逸した行動の数々。

 

 

 

 

太郎「あああああああー!!」白目

 

青葉「え?」

 

太郎「あー!!ぼ、ぼくのニンジンが……ぼくのニンジンが……」白目

 

 

青葉「太郎さん……」

 

 

太郎「ぼくのニンジン……痛い!!やめて!!!」白目

 

 

太郎「ぼくはイヌじゃあないぞ〜!」白目

 

 

 

青葉「……狂った。」

 

 

青葉はいたたまれなくなり、元帥の監視に逃避した。

 

しばらく経つと、元帥は妻の榛名と寝室に来た。

 

 

青葉「太郎さん!!来ましたよ!!!」

 

 

太郎「バ、バター…」白目

 

 

青葉「……っの!しっかりして下さい!」往復ビンタ

 

 

 

太郎「……ハッ!!一体俺は…」

 

青葉「よほど疲れてたんですね…」

 

 

太郎「済まない…寝てたのか…」

 

 

青葉「それより、元帥がきましたよ!!」

 

 

太郎「本当か!!マイクのスイッチを入れろ!!」

 

 

 

カチ!!

 

ザー、ザーッ、ザーッ…………

 

 

元帥『明日はセレモニーか…緊張するな…』

 

元帥『私は弱い人間だ…寝むれないのだ……榛名、今日も頼んで良いか??」

 

榛名『はい!榛名は大丈夫です!!』

 

 

元帥『わかった着替えてくる!』

 

 

 

5分後……

 

元帥『どうだ!私の真の姿だ!!』

 

 

 

 

 

現れたのは、涎掛けだけの上半身に下半身はオムツらしき物を着用し、おしゃぶりとカラカラいう例の赤子のおもちゃを持った元帥………いや、赤ちゃんだった。

 

 

 

 

 

元帥?『う〜!まーまーー!!」飛びつき

 

榛名『はい!榛名は大丈夫です!!』

 

 

元帥『ボク……あたまナデナデしてもらわないとねむれないよ〜ママ〜』

 

 

榛名『はい!榛名は大丈夫です!!』

 

 

元帥『キャッ!キャッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太郎、青葉「ぎゃ〜あはっはっはっははははは!!!ナンダあれなんだよぉ〜!!」

 

 

 

太郎「いや〜!!あれを記事にしようぜ!!」

 

 

青葉「そうですね!!では早速!!」タタタタ

 

 

 

太郎「あれを会場に撒けば……フフフ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪徳不動産

 

 

店員「保証人なし……で、国籍不明。名前が……ゴッドバード・鈴木・ジャスティス……いや、オススメの物件なんてないよ!!」

 

 

 

もどき「日本人です。確かにそれらはないですが、俺には希望があります。だから、どんなボロいアパートでもいいんです。」爽やか

 

 

 

店員「だけどねー…希望じゃ飯は食えないんだがな…」

 

 

 

もどき「一生懸命に働きます!!どんな物件でもいいんです!!」

 

 

店員「本当だね…付いて来なさい……物件の下見に行こう」

 

 

もどき「……はい!!」

 

 

 

 

物件1

 

店員「……ここは、隣人が変な宗教をやっててな…」

 

 

⁇「皆んな!ラブラブアンドピースピース…」

 

⁇2「ピースピース…」

 

 

もどき「……パス。」

 

 

 

物件2

 

店員「前の住人が謎の失踪をとげたんだが、謎のメッセージが……」

 

 

メッセージ

あと1人……1人で…フフフ。

 

 

もどき「……パス。」

 

 

 

店員「……あと一つは……普通のアパートですが…自殺したんですよね〜1人で…」

 

 

もどき「……うーん。」

 

 

 

もどき「……ちょっと考えさせていただけますか?出来ればキープしたいのですが。」

 

 

店員「わかりました。」

 

 

 

 

 

もどきは仲間を呼んだ

 

 

もどき「……田中、その頭はどうした?」

 

 

田中「ああ…少し思う所があってな。」

 

 

もどき「色々あるんだな…太郎は?」

 

 

田中「昨日、青葉と逢うって出かけてたんだが、それから連絡がつかないんだ。」

 

 

 

もどき「ああ…」

 

 

田中「戦艦はガチという奴か…」

 

 

田中「ところで何の用だ?」

 

 

もどき「実は…俺、提督辞めるかもしれん。」

 

 

田中「理由を話してみろ……」

 

 

もどきは有りのままを話した。バイト先で天使と出会って駆け落ちする事。もう、あの海外勢にはうんざりな事。

 

 

田中「……気持ちは分かる。だがな…あの娘たちは……いや、今はお前の事だ。」

 

 

もどき「……本気なんだ!鹿島さんを幸せにしてあげたい!前途多難だけど、働いて働いて頑張る!!」

 

 

田中「……そこまで言うなら、最早なにも言うまい。」

 

 

 

もどき「英語の塾講師の空きがあるらしくて、名前的に内定貰った。それに、早朝から新聞配達をする。」

 

ホストの一件で、ブラックリストが回っているらしいが、まさか塾講師や新聞配達員までは回っていないらしい。

 

 

 

田中「おめでとう……で、住居は?」

 

 

もどき「それなんだ。ここしかマトモな物件がなくて困ってるんだよ。だけど、ここも事故物件だし…」

 

 

 

田中「なるほど…これくらいならいけるか。」

 

 

田中は少し待ってろと言い。走って裏路地まで行く。

 

 

田中「南無阿弥陀……ブツブツ……。」

 

 

田中「ヘアッ!!邪気退散!!」

 

 

 

瞬間、アパートが青白い光に包まれる。

 

 

 

 

もどき「うわ!?なんだこの底知れぬパワーは…」

 

 

 

通行人「……なに…体が重い。」バタリ

 

 

田中「しまった…女性に憑いたな!!出て行くのだ!!」っ粗塩

 

 

 

通行人(霊)「……悲しかった…」しゅうう〜

 

 

 

 

田中「また罪深きことを…」

 

 

 

 

 

見物人「スゲぇ!!動画投稿しとこ…」

 

 

 

田中は全てを終え、もどきの元へと戻る。

 

田中「もう平気だ…成仏した。」

 

 

もどき「一体、お前は何になったんだ……まあいいか、じゃあ契約しておくぜ。」

 

 

 

もどき「さらばだ!!俺をバカにした奴らめ…帰らない俺を待ち続けるがいい〜!!」

 

 

その頃…もどきの鎮守府では

 

愛宕「うふふ…提督。有給とって何かしようとしてるのかしらー?」

 

 

高雄「く…携帯の電源が切られてて、GPSが使えませんね…」

 

 

ビスマルク「大丈夫よ。映画のチケットを2枚買ったらしいから。」

 

 

Z1「⚪︎mazonで色んなの買っちゃた!」

 

 

 

グラーフ「お前たち…ここの秩序は…!!」バン!

 

Z3「……」ガタガタ

 

 

 

 

 

 

同時刻、青葉が発行した新聞を手にパーティの会場へと向かう太郎。この時の為に、全員に海域突破の為に戦闘へ行かせたのだ。

 

 

太郎「俺を止める者は誰もいない。」

 

 

太郎は建物の上へと行く。風が程よく吹き、紙が綺麗に舞いそうだ。

 

 

新聞を取り出す。

 

 

太郎「発艦せよ……ふぁ〜ふぁふぁふぁ!!」

 

 

 

バサバサバサ……

 

 

招待客「何だこの新聞は!?」

 

 

招待客「上から来るぞ気を付けろ!!」

 

 

 

招待客「せっかくだから、俺はこの新聞を読むぜ。」

 

 

 

元帥はタキシードを着てキメる。まだ若きエリートな自分は成功者であるという誇りを胸に秘め、今舞台に上る。

 

 

 

元帥「皆様!今日は私のセレモニーにお集まりいただき誠にありがとうございます!!」

 

 

クスクスクス…… ひそひそひそ……

 

ざわざわざわざわ……

 

 

 

招待客「榛名ママは一緒じゃないのかぁ〜!!」

 

 

元帥「……え?」顔面蒼白

 

 

元帥は自分の足元の新聞にようやく気付き、拾い上げ読む。

 

 

 

元帥「………」スタスタ

 

 

黙って舞台上から去り、榛名に電話する。

 

 

元帥「……そうだ。直ぐ探し出してくれ。」ピッ

 

 

 

元帥「ケ…イヒヒヒヒヒ……見つけたら食ってやる。」

 

 

 

 

 

太郎 鎮守府内

 

 

太郎「……そろそろ、長門達が帰る時間か……」

 

 

時計を見ると、時間は午後2時になっている。どうせ、戦艦勢が帰れば自由は遠のくのだ。太郎は久しぶりに外食でもしようかと思っていると、携帯が鳴った。

 

 

太郎「……青葉からか…」

 

 

太郎は通話ボタンを押さない。

 

プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル

 

 

計画を企てた時、青葉と決めた事があった。通話やメールの盗聴を免れる為だ。

 

それは、青葉からの着信音が1分を超えた場合は、鎮守府から脱出する事態に陥った時……

 

 

時計を再度見る。時間は1分を既に超えている。

 

 

太郎「……ヤバい!!」ガサゴソ

 

 

金を集めてアタッシュケースの中に詰める。後は貴重品に少数の衣服。

 

最後に机の上に紙に一言書いた。

 

《探さないでください》

 

 

 

 

 

 

一時間後……

 

太郎の鎮守府

 

 

榛名「……逃げたようですね。本当にここなんですか?」ドサッ

 

そこには、捕縛された青葉

 

 

青葉「間違いないです。」

 

 

 

元帥「太郎く〜ん、太郎く〜ん、どこ〜?」チェンソー

 

 

 

太郎の執務室にて、チェンソーのエンジン音が鳴り響く

 

 




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