ドゾー
相模さんは私の方を見て、嫌そうな顔をした。
それは私が来たことに対してなのか、委員関係の人が来たことに対してなのかはわからないが、とにかく前者ではないことを願うのみです。
「なんだ、あんたか。どうしたの?」
「…時間がないから単刀直入に言わせてもらう。体育館に戻れ、セレモニーが始めれない」
「私抜きで始めればいいじゃない。どうせ雪ノ下さんがいればどうにかなるんでしょ?」
「お前が持ってる集計結果はお前しか知らないことなんだ。それが無いと困るらしい」
「ならこれを持っていけばいいでしょ!」
そう言い相模さんは折りたたまれた紙をこちらに投げつける。
んー、貴方の為にも無理やり連れて行ったほうがいいんだけど…
そう思いながら私は紙を拾い、相模さんに声をかける。
「お前はどうするんだ?」
「あなたに関係無いでしょ」
…これ以上は無駄かな。
ごめん、小町。約束早速破ることになるかも。
「そんなこと無いと思うけどな」
「…何言って」
「だってお前を友達よりも早く見つけてやったんだぜ?正直友達よりもお前の事を分かってるような気がするぞ?」
「…っ」
先ずは悪口を相手に叩き込む。
これで相模さんがセレモニーに遅れた理由を作ることが出来る。
「お前が待ってた慰めてくれるような友達でもなく、ましてや優しい優しいあの葉山でも無い。あまり関わっていない俺がお前を見つけたんだよ」
「…めろ」
「今頃そのお友達とやらは文化祭を楽しんでるんじゃ無いか?お前の失踪なんか気にも止めずにさ」
「やめてよ…」
「どうだ?見下していた奴にこうやって責められる気持ちってのは。友達(笑)に見つけられず俺に見つかった気持ちは」
「もうやめてよ!」
そう叫び、相模さんはその場にヘタレ込んだ。
これで終わりじゃ無いんだよなぁ、心が痛む。
「ま、お前の事はどうでもいいんだよ。これさえ貰えればこんな文化祭締めくくれるんだからよ」
「っ!」
さて、最後の締めくくりに入ろうか。
『誰も傷つかない世界』創り、この言葉で終わらせてあげる。
「じゃあな、歴代最低の文化祭委員長」
そう言いながら扉を開け、ポケットの中のインカムのスイッチを切る。
これで少なくとも今体育館で作業しているものにさっきの会話が聞こえていただろう。
これでヘイトは相模ではなく、私に向くはず…。
扉を閉め切る前、私は相模さんに最後の言葉を送る。
「ごめんなさい、これしか方法がなかったの」
由比ヶ浜に集計結果の紙を渡し、今すぐ雪ノ下に渡すよう言った。
これで文化祭は無事に終わるはずである。
私は誰もいない場所に行き、一人ため息をつく。
「あー、疲れた。なんでこんなに疲れてんだろ?」
今頃相模さんと文化祭委員はどんな話ししてんだろ?
相模さんは立ち直ってくれることを願うだけかな。
文化祭委員の間で私の批評が広まれば楽だなぁ。
でも、これで相模さんが文化祭のことで虐められることはないだろうし、文化祭の悪かったことが殆ど私がいたからだと言い訳できるだろう。
これで完成、だね。
「『誰も傷つかない世界』の出来上がりだよ」
小町にいったら怒るだろうなぁ。
二人はどう思うんだろう?私らしいって言うのかな。
戸塚君に怒られるのはやだなぁ。
目の前が歪む。自傷気味に頬が緩む。
…嫌だなぁ。こんなこと思っちゃだダメなのに。こんなこと考えちゃダメなのに。
「これから、どうやって学校耐えようかな?」
私の頬を何かが滴った。
はい、文化祭編終了でございます。
中途半端な終わり方?知らない((((;゚Д゚)))))))
次の投稿まで期間が空いてしまうかもしれませんが、投稿した時読んでいただくとありがたいです。
では、サラバダ〜ノシ