文才が犠牲になりました(;・∀・)
ドゾー
文化祭の当日は正直やることはあまりない。
先生の気遣いもあるのかもしれないけど、写真を撮れと言われた以外特に何も言われなかった。
というわけで久しぶりに自分のクラスへ向かってみた。
一度戻った時に劇をすることになったことは聞いたけど…内容は聞いてないから少し楽しみである。
ホームルーム?ああ、多分話していたよ?私眠くて寝てたけどね。
「あ!お兄ちゃん!」
声がした方を振り向くと小町がたこ焼き片手に手を振っていた。
楽しんでるようでなによりです(ほっこり)
「小町か、もう来てたんだな」
「お兄ちゃんが一日中暇だって言ってたから早く来たんだよ?あ、今の小町的にポイント高い♪」
「なんか久しぶりに聞いた気がするな、それ」
「まあ最近お兄ちゃん忙しそうだったしね。倒れるくらい」
「あれは悪かったと思ってる。すまん」
いいよ~と言いながら小町は私の横に立ち
「じゃあ、いこっか!まだまだ行ってないところあるんだよねぇ♪」
「…これ職務怠慢とか言われないかな?」
少し心配であります。
「へえ、お兄ちゃんのクラスは劇やってるんだ」
「まあ、当然ながら俺は出てないがな。ストーリーは…『星の王子さま』か」
「なにそれ?」
「有名な小説だ。まあ、こればかりは見たほうが早そうだな」
私は受け付けの方に向かう。
由比ヶ浜さんが一人で座っており、三浦さんはどこかに行ってるようでこの場にはいなかった。
由比ヶ浜さんはこちらを見ると嬉しそうに手を振る。
「ヒッキー!来てくれたんだ!」
「まあな。どういうふうに再現するか少し気になってな」
「ヒッキー本好きだもんね~」
由比ヶ浜さんは話しながらも二人分の受付を済ませ、案内してくれた。
中に入ると、戸塚君と葉山君が豪勢な服を着ながら手と手を交わしあってるシーンだった。
へえ、オリジナルの要素入れてるんだ。
「バオバブだって大きくなる前は小さいんだよ」
「でもどうして羊にバオバブを食べさせようと食べて欲しいんだ?」
「そんなの、わかるでしょ…」
恥ずかしがってるような素振りを見せながらそっぽを向く戸塚君。
んー、そんな恥ずかしがるようなセリフじゃないけど…まあ、周りの女子には受けがいいみたいだし、いっか。
ところで小町さん、どうしてそんなに出たそうな顔してるのでしょう?
「こんなところにも腐海が…」
「婦会?そこまで年取ってるか?」
「お姉…お兄ちゃん!ここは危険だから次行こう!」
小町さん後ろ押さないで!転んじゃうよ!当たっちゃうよ!
「ここは…えっと…」
「お化け屋敷か…よし、小町」
「「次行こっか」」
お化け屋敷から離れようとお化け屋敷に背を向けた時
「あ、八幡。やっと見つけた」
「ん?」
お化け屋敷の方から声が聞こえ、恐る恐る後ろを振り向くと留美ちゃんがこちらを見上げていた。
あれ?なんでここに?私誘ったっけ?
「鶴見ちゃんだ♪どうしてここに?」
「暇だったからという理由でお母さんに連れてこられた、ついでだから八幡の顔もみようかなって」
こんな時でも留美ちゃんは素っ気なく、だけどその中に隠されたデレは至福でございます。
…デレであって頬しいなぁ
留美ちゃんっていろいろ凄いと思う。
可愛い上に小学生とは思えない精神の成長ぶり、私の勝ち目なんてなかったんや(諦め)
「あ!そうだお兄ちゃん!私鶴見ちゃんと一緒に文化祭少し回ってくる!
「「え?」」
小町がそういって留美ちゃんの腕を引っ張って拉致していった。
終始留美ちゃんは助けて欲しそうな顔してたけど…ごめん、小町の行動が思ったより早かったよ。
…写真とろっかな。
写真を撮り続けて早一時間、特に目立ったイベントは無く、記念撮影のおにいさんと化している私は、再びさっきのお化け屋敷の前へと戻ってきてしまった。
…さっさとこの場を去ろうそうしよう。
そう思っていると後ろから肩を叩かれた。
「!!?」
「えへへ、おどかせちゃったかな?」
肩を叩いた犯人は戸塚君だった。
劇の合間休憩だったらしく、普段の制服姿と化している。
「おどかせるなよ…で、どうした?」
「あ、その…比企谷君が良かったらでいいんだけど…お昼ごはん一緒に食べに行かない?」
「ああ、そういうことか。別にいいぞ」
そういうと戸塚君は良かったと胸をなでおろす。
「じゃあ、いこっか。どこ行く?無ければ僕が見つけた店行くけど」
「特に希望無いからそれでいいぞ。行こうぜ」
「うん、行こっか」
…傍から見るとカップルに見えるのかなぁ。
そういうどうでもいいことを考えながら私は戸塚君について行った。
次は戸塚とのデート回になりそうです。
では、サラバダ~