ドゾー
雪ノ下さんの体調は良くなり、月曜日からまた張り切って作業を繰り返してます。
また倒れられたら困るから横から奪ったりしてるけど…。
私は特に体調に問題は無いのでいつも通りの仕事+α(手伝い)をこなしている。
今日は特に問題は無く(?)作業をしていたのだが、城廻先輩から
「そろそろスローガンとかも決めていかないとね」
の一言があり、急遽明日久しぶりの全員集合の連絡が入った。
当然休んでいる者も例外ではなく、参加している者に伝達係を頼んだ。
私は委員長様を呼ぶだけでいいらしい。
…正直一番外れくじだと思う。どうやったら説得できるかなぁ。
と思ったら意外とあっさり呼べました。
最初は嫌がってたけど委員長の座の話をするとすぐにやる気になってくれました。
私が言うのもなんだけど…単純すぎない?
「案がある人は手を挙げて~」
やる気なさげに相模さんが委員会全員に声をかける。
全員何も思いつかないのか下を向いたり隣と話したりしている。
んー、ひとりくらい言ってくれたら次々言い始めると思うんだけどなぁ。
「あ、そうだ!こんなのどう?」
相模がいい案思い付いたようでホワイトボードに自分が思いついた案を書いていく。
『絆~ともに助け合う文化祭~』
「…うわぁ」
「な、なに!?文句でもあんの!?」
だって…ええ?
今までサボってたあなたが言います?
頭の中で綺麗な花畑でも描いてるのでしょうか?あの方は?
…まああれが普通だと考えれば…ごめん、やっぱりないです。
「そんな事言うならあなた、いい案でもあるんでしょうね!?」
「は?」
思わずカウンターが飛んでくるとは思わず素の反応をしてしまう。
いい案…一つだけ思い付いたけど、これ言ったら全員ドン引きしそうだし言うのも恥ずかしいけど…まいっか。
「人~よく見たら片方楽してる文化祭~」
「は?」
その意味分からないんですけど?みたいな顔止めてくれませんか。
私にだってちゃんと理由があるからお願い雪ノ下さん顔を隠さないで!
…姉は後ろで何故かむっとした顔でこちらを見てます。何処までバレてるんだろう…
「えっと…どういうことかな?」
城廻先輩が私に何とも表現しがたいような顔で聞いてくる。
…まあうん。今の状況をどうにかするための一手だと思えばいっか。
「いや、人という字は人と人が支えあって、とか言いますけど、片方寄りかかってるじゃないですか。誰かを犠牲にすることを容認してるのが『人』って概念だと思うんですよね」
ということなのである。
まあ、この発表が酷すぎと全員が認識したのか次から次へと案が出てきた。
どうやら私のよりはマシだと思っているらしい。
…いいじゃん、私の案。
スローガンは『千葉の名物、踊りと祭り!同じ阿保なら踊らにゃsing a song!!』で決まり、時間が足りないという事で委員全員で準備のラストスパートへと入っている。
ここで私の発言が効いてくるのだよ。…後が少し怖いけど。
私ももちろん働くのだが、まじめな人が多いのか私に負けじと働いているのだ。
あんな発言をしたやつに負けたくない、劣りたくないと…ね。
それのおかげで今までの三倍以上作業が早く進み、文化祭一日前に…
「これで…おわりです!!」
全ての準備が整い、会議室に歓声があがった。
「ただいまぁ」
「おかえり、お姉ちゃん」
家に帰ると小町が出迎えてくれる。これが最近の日課なのである。
ここをみると仕事帰りの新婚夫婦に見えるから不思議。
「どーする?お風呂にする?ご飯にする?それとも…こ、ま、ち?」
「ご飯食べさせて…、後で一緒にちゃんと遊ぶから」
はーいと言いながらキッチンの方へ小町は走っていった。
私は着替えるために自室へと向かう。
…正直、自分の部屋があまり好きではない。
あまり人が入ることも無いので孤独感が漂う上に、毎回あの事を思い出すのもこの場所だ。
一度小町と一緒の部屋にするかと親に訊かれたこともあったが、そこまで迷惑かけるつもりもないので断った。
でも着替えるためには自分の部屋に行かないとダメだし…
仕方なく自分の部屋に入る。
それと同時に、華が無い自分の部屋に、ひときわ目立ってしまっている物が目に入った。
…最近自分の部屋があまり好きじゃない理由に入った一個の問題点。
布団だ。
「…十分だけならいいよね?」
布団の魔力に誘われてしまいいつも寝てしまうのです。
抵抗もせず、私はそのまま意識を手放した。
文才が…戻らない<(_ _)>
番外は日曜の昼に投稿予定です。
久しぶりに、サラバダ~