やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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夏祭りのお誘い

「わんわん!」

 

「よしよし、お腹減ったのか?まっててね、今用意するから」

 

 

今私の家の中には由比ヶ浜の犬であるサブレが住み着いている。

理由は簡単、家族で出かけるが犬は連れていけないという事で由比ヶ浜がうちに預けてきたのだ。

この犬…なかなか元気だった。

アプリのイヌリンガルで解読しても、毎回出る言葉は「あそぼ!」

壊れているのかと思い私が「わんわん」と言ってみると帰ってきた表記は「壊れてんのか貴様?」

…アプリといえども侮れないなぁ

 

 

「はい、お残しは許しませんよ」

 

「わん!」

 

 

まあ、近所に迷惑をかけているという事は今の所、特には無いので家の中でおとなしめにボールで遊んだりしているが…。

最近カマクラが寂しいせいか、よく甘えてくる。

小町がよく連れて行ってるのだけど…不満なのかな?今度モフモフしてあげよう。

 

 

「あぁ~。やっとおわったぁ」

 

 

宿題を終わらせた小町が二階から降りてきた。

お疲れさんと言いながら小町にココアを渡してあげる。

 

 

「ありがと~、お姉ちゃんは宿題もうとっくに終わってるんだっけ?」

 

「小町も宿題早めに終わらすようにしたら?計画立てるのも良いと思うけどさ」

 

「ん~、高校生になったらそうしてみるのもありかな?」

 

 

小町はカマクラを抱きながらソファの上に寝転がる。

カマクラが少し息苦しそうにしているので小町に忠告する。

 

 

「疲れてるのは分かるけど、カマクラを窒息死させないでね?」

 

「え?…ああ!ごめんよカー君!」

 

 

小町はカマクラをソファに寝転がせ、カマクラの診断を始める。

その時、私のスマホがポケットの中で振動した。

画面を確認すると、由比ヶ浜からのメールが届いた通知を表示していた。

 

 

『ヤッホー!ヒッキー元気にしてる?(*´ω`*)

もう千葉に着いたからもう少しでヒッキーの家に着くと思うよ(`・ω・´)ゞ

サブレのお世話ありがとう!じゃあ、またあとでね(^◇^)』

 

 

よかった、無事に楽しめたみたいで。

犬の心配ばっかで旅行楽しめなかったとかだったら何しに行ったの?ってなっちゃうからね。

とりあえず、いつ来てもいいように着替えようかな。

 

 

 

 

 

「やっはろー!」

 

「おう、楽しかったか?」

 

「うん!はい、ヒッキーの分のお土産!」

 

「ん、サンキュ」

 

 

由比ヶ浜さんからもらったお土産を開けることなく玄関の片隅に置く。

後で小町と一緒に食べようかな?

 

 

「サブレ今連れてくるからもう少し待ってくれないか?」

 

「いいよ~、ここで待ってていい?」

 

 

それを承諾すると私はリビングに居るサブレと貸してもらっていた犬の餌と遊び道具をもって玄関に向かう。

由比ヶ浜さんはサブレを見るや否や目を輝かせる。

やっぱり心配してたんだろうなぁ。一度死にかけたこともあるし…なおさらかな。

 

 

「ヒッキーありがと!サブレ、置いてってごめんねぇ!」

 

 

そういいながら由比ヶ浜さんはサブレを頬ずりしはじめる。

サブレは少し息苦しいのか悶えている。

ん?既視感をかんじる…。

 

 

 

 

 

そういえば由比ヶ浜さんに言ってないことがあった。

 

 

「そういや、雪ノ下は今花火大会に行ってる可能性があるらしいぞ。自治体主催のイベントだから雪ノ下家が参加している可能性が高いって平塚先生が言ってたぞ」

 

「ありがと、じゃあ行ってみ…」

 

 

ん?なんで言葉を止めて深呼吸するの?

なんか告白する思春期高校生みたい。そんな子見たこと無いけど。

 

 

「ねぇ…花火大会。一緒に…行かない?」

 

「は?」

 

 

思わず疑問の意を思い切りぶつけてしまった。

…いや、今思い返すとそんなに疑問に思う事は無いな。

知り合いが暇だから一緒に行く、これだけで理由は十分じゃないか!

…やる気が起きないのは事実だが、これを断ると後の始末が怖いので一緒に行くことに決定。

浴衣は来年までお預けかな?

 

 

「まあ、いいけどよ…、俺でいいのか?」

 

「う、ううん!全然大丈夫!むしろヒッキーとのほうが…」

 

 

??由比ヶ浜さんがぶつぶつ独り言をつぶやき始めた。

ん~、とりあえずさっさと現実に戻らせてかえって貰おうかな?

正直、真夏の昼間に長袖は暑すぎる…。

いつか私熱中症で倒れそう。

 

 

「ま、時間とか場所とかは任せるから。決まったら連絡してくれ」

 

「え?あ、うん!じゃあまたあとでね!」

 

 

元気な声を最後に、外に居る虫の叫びと世界を遮断する。

さてと、着替えますか。




はい、記念すべき30話目でございます。
なんだかんだこの作品も1ヶ月は続けているんですね( ゚Д゚)
今まで読んでくださった方、ありがとうございます。
これからも頑張りますので、よろしくお願いします。

戸塚が陰に隠れすぎて私でもどうしたらいいかわかりません(;´・ω・)
戸塚と花菜の番外編は一応作ってはいるのですが、どうしようか迷ってる次第でございますorz
…文化祭後に番外編投稿しましょう。

はい、こんかいはここまで!
正直、眠い上にネタが思いつかないというダブルパンチで文が意味分からなくなっておりますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
31話でお会いしましょう。
サラバダ~ノシ

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