では、ドゾー
私が戻ったころにはすでにキャンプファイヤーが始まっていた。
みんなで手を繋ぎ、火の周りを囲いながら定番の曲に合わせて踊っている。
楽しそうだが、私はそれを横目に通り過ぎ、木の近くで休んでいる平塚先生の所へ向かう。
「…お?帰って来たか、お疲れさん」
「お疲れです。…どうにかなりましたか?」
「うむ、なかなか話の通じやすい先生が居てな。ドッキリとして通すことに成功した」
私はそれを聞き、肩の荷が下りる感覚がした。
森の中で人体実験している男が居る!と騒ぎになったら…まあ仲直りどころじゃないよね。
しかも顔見られてるし…まずいことにならなくてよかった。
「しかし…随分無茶な賭けをしたもんだ」
「…すいません」
「まあ、時間が短い中であれだけできれば上出来だと思うがな」
平塚先生はそう言ってある場所を指さす。
そこには、今までの雰囲気とは違ったあの女子グループが見えた。
お互いの汚い心の内を見てしまったのか、少し人間不信になっているようだ。
…まあ、うん。狙い通りだけど…ここまでうまくいくと思ってなかったよ。
「だが…あまりいい方法とは言えないのは確かだ。次からは一人の教師として止めるつもりだからそのつもりでな」
「…うす」
こんなこと、私だって二度としたくないよ。
それにしても疲れた。早く軽めの応急処置をして早く寝たいよぉ。
「…疲れただろう、自室に帰って今日はもう寝るがいい」
そう思っていると、頭の中を読んだのか丁度したいことをドンピシャで先生が言ってくれた。
先生、あなたは神ですね(確信)
「言葉に甘えさせてもらいます。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
私はそのまま自室に向かわず、先に医務室に向かった
中に入ると誰もいなかったので、包帯だけをとり、包丁で傷つけた場所を包帯で巻いた。
自分なりにきつく巻き付け、最後にピンでとめて…よし、終了。
さーてと、そろそろ出てきてもらおうかな?
「医務室の前に居るのは誰だ?隠れてるつもりかしらんがバレバレだぞ」
「まあばらすつもりで近づいたしね♪」
扉が開かれるとそこには陽乃さんが居た。
あれ?予想していた人と違う(予想由比ヶ浜)
「陽乃さん?ここに来てたんですね」
「君が居るって聞いて飛んできちゃった♪」
「ごめんなさい理由が理解できません」
この人私の事好きなの?
ごめんなさい理想の殿方見つかるまでは小町と一緒に暮らすって決めてるんです。
「それにしても花菜ちゃん…なかなかやること大胆だねぇ。私もびっくりしちゃったよ!」
「…期待通りってことですか?」
「ううん、期待以上だよ!さすが花菜ちゃんだね!」
…この人が何を考えているか本当にわからない。
いい人なんだろうけど、思考が読めないせいかこの人に恐怖を抱いている私が居る。
どこまでがこの人の中での予想通りなのかな?そう考えるだけで背筋が少し冷える感覚に襲われる。
…誰か来ないかな?
「でも、自傷は見逃せないなぁ。私でも怒ることあるんだよ?」
私怒ってますアピールを見せながらそう言ってくる陽乃さん。
ただただかわいいだけで、全く気持ちが入っているようには見えない。
「自分自身を傷つけないために…堕としちゃおっかな♪」
「!?」
だけど、さっきの言葉には感情が入り混じっており、余計に恐怖が倍増した。
怖いという感情が何度も何度も浮き出る。
陽乃さんは手をこちらに差し伸べ、私の手を掴む。
「ふふふ♪さーて、何からする?」
「いや、いやぁ」
私は何度も首を横に振る。
だが力で勝てるはずもなく、陽乃さんの方へと近づく私。
陽乃さんは再びふふふと笑うと
「じゃあ、行こっか!お風呂場に!」
「……え?」
正直、予想外デース
「つ…つかれた」
「もう、花菜ちゃんったら。一緒のお風呂だからってはしゃいじゃって」
「誰のせいですか、誰の」
まさかお風呂の中で陽乃さんに胸を揉まれたり体を触られるとは思ってなかった。
傷がまた少し開いちゃったじゃないですか…、少し痛い。
「いやぁね、あんなにいい喘ぎが帰ってくるとは思ってなくてさ。ついやっちゃった♪」
「…いつか倍にして返します」
お風呂場の前で二人仲良く座っていると
「「…あ」」
留美ちゃんに出会った。
部屋に居ずらくなってここに来たんだろうなぁ。
私としては今じゃないときにゆっくり話したかったけどね。
「留美ちゃん、こんなところでどうしたの?」
「私は部屋から出たくてここに来たけど…、花菜はどうしてここに?それとこの人は?」
呼び捨てかい、と思いながら質問に答える。
「この人は雪ノ下陽乃さん、名前でわかるかもしれないけど雪ノ下雪乃さんのお姉ちゃん。陽乃さんと一緒にお風呂に入って出たとこなんだよ」
「ふうん…!?ってその傷どうしたの!?」
あ、そういえば今丁度傷が開いて血が滲んでるんだった。
言い訳、言い訳…あ、ねえわ\(^o^)/
「まあすこし、ね。気にしないでいいよ」
とりあえず留美ちゃんのせいじゃないと言い聞かせるように右手で頭を撫でる。
留美ちゃんは少し罪悪感に押しつぶされそうな顔をしながら
「…うん」
そう言ってくれた。
まあ、返事くれたからいっか。
私は立ち上がり、近くにある男子の服を持ちながら二人に別れを告げる。
「これ以上遅くなったら小町に心配かけそうなんで自室に先に戻らせてもらいます。留美ちゃん、暇だったらいつでもメールしてもいいからね。それじゃ」
それにしてもあれだね。
私のメール帳悲しいことになってるね。
家族、スパム、小学生の知り合い
…そろそろ普通の人が欲しい。
部屋に戻ると小町に左腕の傷を見られ、二日連続で妹から説教をいただきました。
最後に
「お願いだから…お願いだからもう少し自分を大切にしてよぉ…」
と泣かれたときは反応に困った。
だけど、姉としてこれ以上心配かけるわけにもいかないので
「…ごめん、これからはこういうこと無いようにするよ。私もこういうことはあまりしたくないしね」
と言い、小町の頭を撫でた。
はい、29話目でございます。
あぁ、書きたい!凄く書きたかった!
陽乃さんと花菜ちゃんがお風呂でイチャついてるシーンを!( ゚Д゚)
…R指定が超えそうなのでやめましたorz
はい、やっと千葉村編終了でございます!
次からやっと文化祭!…とその前に夏祭り編がありますね(歓喜)
ネタが少ないですが頑張ってストーリー練っていきますよ!
とりあえず俺ガイルの原作を読まなくては…。
はい、今回はここまで。
最近後書きのカッコの数や顔文字が増えたと感じているのは私だけじゃないはず…。
少し自重しなくては。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回、30話でお会いしましょう。
では、サラバダ~ノシ