やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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チェーンメール今回で終わりです
それではドゾー


絆を作るために要らないもの

「今日はここまでにしましょうか」

 

 

最終下校時間間際に雪ノ下はそう言った

私と由比ヶ浜はバッグを持ち、立ち上がる

すると、部室の扉からノックの音が響いた

…帰れると思ったのに

 

 

「どうぞ」

 

「やぁ、遅くにすまないね」

 

 

入ってきたのはサッカー部エース、コミュ力抜群、イケメンを兼ね備えた葉山隼人だった

うーん、少し顔合わせづらい

 

 

「ヒキタニくんも遅くてゴメンね」

 

「…別にいいけどよ」

 

 

ヒキタニくんって誰だ?

私の中学校のころ付けられていたあだ名かな?

なんで知ってんの?

 

 

「能書きはいいわ、早く要件を述べなさい」

 

 

いつもより雪ノ下さんが辛辣ですね

知り合いなのかな?

葉山は苦笑いすると、ここに来た理由を話し始めた

 

 

「クラス内で今チェーンメールが流行ってて、良くないことが書かれてるからクラス内の雰囲気が悪くなってるんだ」

 

「もしかしてそれって戸部っち達の事が書かれたメール?」

 

「ああ、それだな。それをどうか止めて欲しいんだ。良ければ犯人探しをしないでね」

 

 

犯人探ししないでチェーンメールを止めろ、か

 

 

「それは無理じゃないか?犯人を潰さないと収まらんと思う」

 

「比企谷君の言うとおりね、チェーンメールはそういうものなのよ。ソースは私」

 

 

チェーンメールに限らずこういうものは全部そうだ

いじめも主犯格の奴を潰さないと他の子がやるか違う子にターゲットが移動するかの話でいじめ自体は収まらない

本当にめんどくさい

 

 

「…じゃあ、丸く収める方法は無いか?」

 

 

本当なら無いと言いたいが一つ心当たりがあるので一応状況を聞こうかな?

 

 

「無い、と言いたいが策が一つ無いわけではない」

 

「あら、あなたにアテがあったのね」

 

 

アテと言うほどではないけどね

 

 

「葉山、メールを見せてくれないか?」

 

「ああ、…これだ」

 

 

そのメールを見るとそこにはある三人の悪口が書かれていた

【戸部は稲毛のカラーギャングの仲間でゲーセンで西高狩りをしていた】

【大和は三股をかけている最低の屑野郎】

【大岡は練習試合で相手校のエースを潰すためにラフプレーをした】

要約するとそんな感じな事が書かれていた

…全員葉山の周りにいる奴だ

 

 

「いつからこれが流れ始めた?」

 

「確か先週末くらいからだと思う」

 

 

先週はたしか職場見学のグループで争ってたような気がする

グループは三人、一人は抜けないといけなくなる

と考えると犯人はこの三人の中の一人か

そして一度見たことあるが、葉山が居ないとこの三人は話さないから葉山にはいて欲しいと三人共思っているんだろうなぁ

でも葉山自身がこのグループじゃないところに行くと言ったら?

三人は話さないといけなくなるから

…うん、これで行こう

 

 

「葉山、一個だけあるぞ。丸く収める方法」

 

 

私はドヤ顔でそう言った

ちょっと待って雪ノ下さん別に危ないことじゃないんでその携帯電話戻してくださいお願いします

 

 

 

 

 

ホームルーム中に三人を見ると、ぎこちないが楽しそうに話していた

これがそのままいい方向に進んで良い関係になれたらいいのにな

 

 

「ヒキタニ君、前いいかな?」

 

 

前を向くと相変わらずの爽やかスマイルで葉山がそこに立っていた

いや、座る気満々じゃん

 

 

「俺のじゃないし、自由にどうぞ」

 

 

苦笑いすると葉山は椅子に座り、こちらの方を向いた

 

 

「グループから抜けるって言ったら三人共驚いてたよ。でもおかげで三人話すことが多くなったし、良かったよ」

 

「それはよかったな。で、何の用だ?」

 

「一つはお礼を言いに。ヒキタニ君のおかげだよ、ありがとう」

 

 

真正面からお礼を言われたのは久しぶりなので少し照れくさい

顔、赤くなってるかなぁ

 

 

「ど、どういたしまして」

 

 

思わずそっぽを向いてしまった

遠くで鼻血を出してる女の子が見えた

大丈夫かな?致死量には達してないからいいと思うけど

 

 

「二つ目はなんだ?」

 

「他のグループはもう決まっちゃってて、良ければ一緒にどうかな?」

 

 

断りたい!けど私も現状一人なのでこれを断るとお互い損しかないので

 

 

「ああ、いいぞ。場所はそっちに合わせるから決まってたら言ってくれ」

 

「わかった、場所はーーーでいいかい?」

 

 

ちゃんと決まってんだなぁ

あれ?決まって無かったのもしかして私だけ?

 

 

「ん、あとは最後の一人なんだが」

 

「…ねえ比企谷君」

 

 

振り向くと戸塚が遠慮気味に話し掛けて来た

 

 

「戸塚か、どうした?」

 

「職場見学のグループなんだけど、一緒に行っていいかな」

 

 

決まって無い組最後の一人発見!

しかも顔見知りなので気まずいことにもならなくて済んだ

 

 

「いいぞ、ちょうど一人足りなくて困ってたんだ」

 

「よかった、もう決まってたらどうしようかと」

 

「じゃあ最後の一人は戸塚君で決定だね。俺先生に提出してくる」

 

 

葉山はそう言って先生の所に紙を出しに行った

 

 

 

 

 

 

「そういえば戸塚、グループに誰も誘われなかったの?」

 

「ううん。比企谷さんと一緒がいいって思って断って来たんだ」

 

「マジッすか…」

 

 

このかた私より女子女子してません?




はい、九話目なのです
ちょっと終わらせ方が雑かもしれないですけど…これで一応チェーンメール終了です
次は川崎編ですね
カットされたあの方が登場する予定なので良ければ見てくれるとありがたいです

後は個人の話などは活動報告にて
最後まで閲覧、ありがとうございました
では、サラバダ~ノシ

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