ハイスクール・フリート~自衛艦隊 彼の地にて斯く戦えり~   作:Honorific88

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もう宿題なんて知らないぜ


とある男と女の解析2

宗谷一等監督官と上里君が会ってからちょうど一週間の今日。

彼女は一週間待ってくれといったが本当にちょうど1週間たった日に再び上里の病室を訪れた。  

 

「というわけで準備が出来たわ。これがあなたの身分証だからちゃんと間違いがないか確認してください」

「了解しました」

 

氏名   上里勇樹

年齢   25歳

生年月日 平成元年5月5日

住所   神奈川県横須賀市ブルーマーメイド横須賀基地

職業   ブルーマーメイド 準監督官

     横須賀基地航海科訓練生及びテスト訓練生

 

 

「航海科の訓練生なのは前世で航海科だったから問題ないけどこのテスト訓練生は?」

「それはあなたがブルーマーメイドに所属するために必要なの。前にも話したけどうちは女所帯だから男子なんて事務方くらいしかいないの」

「それでですか・・・分かりました。それではそういうことで。それより俺はいつから訓練生活に入るんですか?」

「明日が入隊式だから今日このあと退院してから生活用品を確保してからホテル移動して宿泊。翌日の早朝には基地に移動するわよ」

 

つまり私が彼と一緒に行動できるのはあと少しなんだ・・・せいぜい1,2時間ってところかしら・・・

 

「それと明日の入隊式までの行動には引き続き北里舞子三等監察官が行います」

「へ?」

「分かりました」

 

えー。なんか今何気なく落ち込んでいた自分がバカみたいに感じる・・・

でも一緒に行動できる時間が増えたからいいかな?

 

「それでは私はこれで。あとは任せます」

「は、はい」

 

・・・なんか妬ましい視線を監督官から感じたんだけどきっと気のせいだよね?

気のせいであって欲しいと願いましょう。っていうかそれしかないと思う・・・

 

「どうかしたのか?怖い顔して」

「ううん、何でもないよ。気にしないで」

「そうか?」

 

それよりもこれからどうしましょうか。要は私は彼の監視役だから現在職務中。そうなったら彼に同行動するか決めてもらうしかないわね

 

「上里さん、何か買っておきたいものはありますか」

「・・・一応衣類等、洗面用具を。おそらく訓練生となれば必要になるので」

「分かりました。とりあえず退院の処理をしてから行きましょう」

 

今彼はこの世界に来た時の世界の服装でティーシャツにジーンズの状態。

これだったら別に外に出ても大丈夫でしょう・・・

ということで退院の書類作業を終えてショッピングモールへと向かう。彼が買ったものは一応こちら側で持って後から返してもらうということにした。買い物ということでかなり期待していたが(何がとは言わないが)彼は下着等の最低限の生活必需品だけを購入したため期待(何がとは言わない)は打ち砕かれてしまった。

そのあともただ淡々と彼と行動して気づけば翌朝、横須賀基地の前で彼との別れの時になっていた。

 

「北里さん。これまで何から何までお世話になりました」

「いえいえ、上里さんもこれからですから頑張ってくださいね・・・」

「はい、ありがとうございます。それでは、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 

こうも簡単に終わってしまうとは思ってはいなかった。せめて何か話すことがあればよかったのに。

そう諦めて帰ろうとしたとき彼は言ってくれたの

 

「そうそう、言い忘れてた。この訓練生活が終わったらどこかに飲みに行きましょう。それで同じ職場になれたらいいですね」

「へ・・・!?」

「それじゃ」

 

最後の最後で彼はとんでもないことを言ってくれた。その時だったかな?私が彼のことを好きだって本当に自分で気づくことになったのは・・・

いつでもいいから最終的には結ばれたらいいな~なんて思っていた時期が私にもあったけどそのあとはそんなことも考えられなくなるくらいに忙しく彼との連絡も途絶えていた。そんなこんなで一年もの日にちが過ぎて私は昇級して二等監察官になった頃。「ちょうど彼と出会ったのは一年前のこの頃だったな~」なんてことを考えていたとき私が乗艦している教育艦『さるしま』の艦長である古庄館長は全員を後部甲板に集合させて朝礼を行った。どうやら新人が入るかららしいが新人はいったい誰なんだろう?とかぼーっと考えていたら新人が後部甲板に入ってきて自己紹介をした

 

「この度教育艦『さるしま』に配属になった上里勇樹三等監察官です。男性ではありますがよろしくお願いします」

 

彼だった。一年前に基地の前で彼が私に言ってくれたことが実現したのだ。最初は夢なんじゃないかと私は思っていたけど実際に夢なんかじゃなかった。

彼と一瞬ではあるが目があったとき彼は私を見て笑ってくれた。

やっぱり彼しか私にはいない。そう確信した私はこれからどうするかを少しずつではあるが考えるようになった。




前回から思ったのですが実際にあるかは知りませんが勝手に階を作りました
上から考えて
監督官
 ↑
監察官
 ↑
警視官
 ↑
巡査官

の順で階級を作ります。それぞれの中にも位の差はありますが区別は数字の1~3で分けて位の順は自衛隊と同じです

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