「はぁ〜やっとついた〜」
俺は今、学校の修学旅行で、京都に来ていた。家は、家族が仕事で忙しく、遠出の旅行はした事がなかった。そのため、俺は、初めての遠出に心を躍らせていた。
「それじゃあ、これから止まるホテルに行くので、ついて来てください」
俺が、体を伸ばしていると、担任の先生のそんな声が聞こえる。俺たちは、そのまま、止まっていたバスに乗り込む。
「雁夜…最初は、どこ回るんだっけ?」
俺が、隣に座っている友達にそう聞く。
「おいおい、忘れたのかよ!京都と言えば…やっぱり金閣寺だろ!!!」
「いや…確かに金閣寺は有名だけど、他にも名所あるだろう…」
俺は、自信満々に言う友達に、そうツッコミを入れる。
「それもそうだな…まぁ、取り敢えずこれから行くのは、金閣寺だ」
俺は、そのあと、友達と何気無い雑談をして、時間を潰した。
「おぉ!!スゲェー!!!本当に金ぴかだぁ!!」
バスに乗ってから、30分が経ち、俺たちは、目的地の金閣寺に到着した。バスから降り、道を進むと、そこには、黄金に輝く建物、金閣寺があった。友達は、それを見て大はしゃぎする。
「全く…はしゃぐなよ」
俺が呆れたようにそう呟く。すると、雁夜はこちらを向き、金閣寺を指差しながら言う。
「だってスゲェじゃん!!!あれ全部金箔なんだぜ!!!少しくらい持って帰ってもバレねぇかな?」
「気持ちはわかるけど、あんまり大声ではしゃぐなよ、それと、金箔を取るのは止めとけ、警察のご厄介になるだけだ」
俺達は、そんな話をしながら、金閣寺を見る。
「なぁ、禊…前から思ってたんだけど……銀閣寺ってあるじゃん」
金閣を見ていると、雁夜が突然そんな事を聞いてくる。
「なんだよ突然」
俺は、突然の事で、驚きながらも、用件を聞く。
「いやぁ〜さ、なんで銀閣寺は銀箔を貼らなかったんだろ?」
「お前…そんなの決まってんだろ。金がなかったんだよ」
「えぇ!!!そんな理由!!なんかもっとこう、深い意図があるんじゃねぇの?」
俺の答えが気に入らないのか、雁夜はそんな事を行ってくる。
「知るかよそんなこと…気になるなら、歴史の先生にでも聞けば」
俺がそう言うと、嫌な顔をする。
「えぇ〜だってあの先生、話し始めると、すごい話長いじゃん」
「知りたいならそれくらい我慢しろよ…」
俺たちは、その後、次の目的地まで行く。
「へぇ〜ここが伏見稲荷かぁ〜本当にあるんだな!!!あの鳥居」
「あるに決まってんだろ〜」
俺たちは、目的地の伏見稲荷に着き、班の皆で鳥居の中を歩いていた。
「それよりもよ…なんかさっきから、ちょろちょろリア充を見かけるんだが…」
近くにいるカップルを見ながら、雁夜は、顔を嫉妬に歪めながら言う。
「それは多分、千本鳥居とおもかる石があるからだな」
俺は、カップル達がいる理由を説明する。
「千本鳥居が?それと、そのおもかる石ってなんだ?」
「それはな、千本鳥居は、二人で歩くと願いが叶うらしい。それと、おもかる石は、願い事を言ってその石を持って、それが軽ければ、その願いが叶うらしいよ」
「なんだよ!!!そのリア充が好きそうな設定は!!!クソ〜爆ぜろ!!リア充!!!」
俺の説明を聞き終わると、雁夜は、そんな事を叫ぶ。
「はぁ〜そんなに羨ましいなら、お前も早く葵に告れば良いのに…」
俺は、叫ぶ雁夜にそう言う。すると、雁夜は苦い顔しながら言う。
「くっ!何も言い返せない!!」
「まぁいいや、ほら!さっさと行こうぜ」
俺はそう言うと、みんなでバスに戻る。
「いつか…家族みんなで…」
俺は小さく呟く、しかし、この願いは一生叶わぬ事になる事を…俺はこれっぽっちも考えてなかった。
友達の雁夜くんは、名前は一緒でも別人です。感想お待ちしてます!!!