ハイスクールD×D 英雄の力を使うもの 凍結   作:鯵の干物

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聞かされた真実

俺が、この家に来てから、早くも半年が経った。あの日、姉ちゃんに励まさせれからの俺は、見違える程に明るくなった…と思う。

 

「さて、今日も1日頑張りますか」

 

俺は、朝起きてからそんなことを呟く。すると、俺の部屋に親父が入ってきた。

 

「禊〜もう起きてるか?」

 

「あぁ、起きてるよ。親父」

 

俺は部屋に入ってきた親父にそう返す。

 

「ちょっと話があるから、地下室まで来てくれ」

 

俺にそう言うと、親父は部屋を出て行く。

 

「地下室?あそこは入るなって言われていたけど」

 

そ…この家に来てから、地下室に入ろうとした時に注意されたことがある。

 

「まぁ、親父の許可があるならいいか」

 

俺はそう言うと、部屋を出て、地下室に向かう。

 

「ここか…」

 

俺はそう呟き、部屋のドアを開ける。すると、そこには、高そうな機械や使い古された本が置いてあった。

 

「おぉ、来たか…まぁ、取り敢えず座れ」

 

俺は親父に言われた通り、近くにある椅子に腰をかける。

 

「それで、話って何?」

 

俺は親父に、ここに呼んだ理由を問う。

 

「話ってのはな………お前の親を殺したヤツのことだ」

 

俺はその言葉を聞き、驚きにより言葉を失う。

 

殺したヤツ?なんで親父はそんな事知ってんだ…

 

俺の頭の中に、多くの疑問が浮かび上がる。

 

「まぁ、突然言われたって驚くだろうが…まぁ聞け」

 

親父はそう言うと、俺に話して聞かせた。悪魔や堕天使といった異形の者の存在。自分達は、それを研究しているものである事、そして、俺の中にある力のこと

 

 

 

 

 

「悪魔…」

 

話を聞き終わると、俺はそう小さく呟く。

 

「そうだ…お前の家族を殺し、妹を奪ったのは悪魔だ」

 

俺はやっと見つけた復讐相手の情報に、喜びを感じていた。

 

「ハハッ!!そうか!悪魔!!!悪魔かぁ!!!」

 

俺がそう言って笑っていると、親父はどこか悲しそうな顔をする。

 

「だがな…俺はお前に復讐はさせない…これは親として譲れない」

 

俺はそう言う親父を睨む。

 

「なんでだ!!!!俺の家族を奪ったのは悪魔なんだろ!!だったら」

 

俺がそう言うと、親父は俺の口に人差し指をつける。

 

「それをお前の親は望んでいると思うか?自分の所為で復讐に走る子供を見ることを望んでいると思うか?」

 

俺はその言葉を聞き、何も言えなくなる。

 

「まぁ!!俺の言ってるのは、悪魔という種に復讐するのはダメってことだ!まぁ、話はこの辺しといて、あっ!ここの研究室はお前にやるから、好きに使ってくれ」

 

親父はそう言い残し、研究室を後にする。

 

 

その日から、俺は研究室に篭った。自分の神器と呼ばれた物がどんな物か、その力の使い方を…そうして、俺は遂に完成させた。

 

クラスカード

 

俺の神器 運命の杯 を使うことで、作ることが出来る。英雄の魂をクラスという枠組みに押し込めて、その力の一端を行使する事が出来る。

 

 

「これが完成したって事は、俺のご先祖様は、この神器の所有者だったてことか…あぁ〜疲れた〜」

 

俺はそう言うと、研究室から出て、リビングに向かう。

 

「あっ禊!」

 

俺のことを見つけ、姉の彩乃は俺の方に走ってくる。

 

「もう勉強は終わったの?」

 

「あぁ、今は休憩だよ」

 

どうやら、親父は、彩乃に悪魔の存在を教えていないらしい。それはそうだ。誰が好き好んで、自分の娘を危険なものに関わらせる奴がいる。

 

「そうかぁ〜禊は凄いねぇ〜私はまたテストで赤点取っちゃったよ〜」

 

俺の方を見て、笑う姉を見て、俺の心は安らぐ。俺はあの日…ある決心をした。この笑顔を…家族を守ると…俺の中にある復讐心は今も変わらない…でも…俺の中には、この家の人達は、俺のもう一つの家族だ。だったら…復讐じゃなく、この家族を守ると…その為に俺はこのカードを作った。

 

「それじゃあ、また俺と勉強しよ…姉ちゃんは、やれば出来るんだから…やらないだけで」

 

俺はそう言いながら、姉ちゃんの頭を撫でる。

 

「うん……ありがとう…禊」

 

俺が撫でると、姉ちゃんの顔が赤く染まる。

 

やっぱり恥ずかしかったのかな?

 

 

 

 

 

 

 




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