ハイスクールD×D 英雄の力を使うもの 凍結   作:鯵の干物

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この話は、少しグロテスクな描写があります。苦手な方は、注意してご覧ください


そうだ…京都、行こう

side禊

 

あの日……冥界での戦いが終わり、もうそろそろ、学校は修学旅行の時期となった。そして、俺たちは今、英雄派の計画の手伝いで、京都まで来ていた。

 

「兄さん兄さん!!!凄いです!!!私初めて京都きました!!!」

 

俺の肩を叩きながらはしゃぐ咲、俺はそんな咲を眺めながら、感傷に浸っていた。

 

「今思えば、あの修学旅行最終日が、今の俺の始まりだったんだよな…」

 

俺はそう呟くと、家が燃えている光景がフラッシュバックする。

 

「グッ…」

 

俺がそう頭を抑えると、咲が心配そうに見てくる。

 

「兄さん…大丈夫ですか?」

 

俺は心配してくれる咲に、大丈夫と言うと、咲にカードを渡す。

 

「これ持ってろ…今から俺らは妖怪共の巣窟に入る。そのカードは、日本の英霊…玉藻の前だ。それを使えば、妖怪共にはバレないだろう。あぁ、それと、万が一もあるから、後で変装用の魔術もかけとけ」

 

俺が咲にそう言う。

 

「さて…少しばかし時間があるから、旅行でもするか…」

 

俺はそう言うと、咲の手を引き、京都の町へと繰り出した。

 

side out

 

 

side咲

 

私は、初めて来た京都に目を輝かせる。すると、兄さんが態々時間を作ってくれた。

 

「ありがとね…私のために…」

 

私がそう言うと、兄さんは、私の手を掴み言う。

 

「いいんだよ…俺の夢だったんだ……家族で旅行するの…俺さ…二回も家族奪われて……どっちも、旅行できなかったから…これでいいんだよ…ほら!そんな辛気臭い話は無しにして、色々みて回ろうぜ!!!」

 

兄さんは少し悲しそうに言うと、私の手を掴んだまま、歩道を走り始めた。

 

side out

 

 

side禊

 

あの後、俺たちは、有名な名所を回った。そして、今は休憩の為に,公園に来ていた。

 

「俺、飲み物買ってくるから、少しの間待っていてくれないか?」

 

俺がそう言うと、咲は元気に笑顔に頷く。

 

「うん!」

 

俺はその笑顔に見惚れてしまう。っといかんいかん!!!血が繋がっていないとはいえ、妹だ。

 

「それじゃあ行ってくる」

 

俺はそう言い、近くにある自動販売機へ向かった。

 

side out

 

 

side咲

 

兄さんが飲み物を買ってくる間、私は公園のベンチで座っていた。

 

「はぁ〜兄さんとデート……いつか…この想い……伝えたいな…」

 

私が座りながらそう小さく呟く。すると、突然声をかけられる。

 

「ねぇねぇ!君1人?」

 

私は驚いて、声の聞こえた方を見る。私に声をかけたのは男の人だった。私はその人を見ると、突然手の震えが起きる。何故だかわからないが、私は、男性を見ると手が震える。兄さんや、仲間の人達は平気でも、初めての人は怖い

 

「いえ…連れを……待っているので…」

 

私は、震えながらだが、連れがいることを説明する。しかし、男はそれを聞いても諦めず、私に絡んでくる。

 

「えぇ!いいじゃんそんな奴…俺たちと遊んだ方が絶対楽しいぜ…」

 

最初の男がそう言うと、後ろの男たちも頷く。

 

「だから、ね」

 

男はそう言うと、私の手を掴んでくる。

 

「やめて…やめてください!」

 

私は、駆り立てられる恐怖を耐えながら、男の手を叩く。すると、突然の痛みに驚いたのか、男は私から手を話す。

 

「このクソアマ…少し優しくしてやれば調子に乗りやがって……テメェら!この女を車に乗せろ!!」

 

男は、私をにらみながらそう言う。私は怖くて、なんとか逃げ出そうとするが、再び、男に腕を掴まれる。

 

「へっ!二度とそんな態度が取れないように、しっかり躾けてやる」

 

私はその言葉を聞いた瞬間、今までにない程の震えが起きる。

 

『主人の俺に逆らいやがって…二度とそんな態度が取れないように、しっかりと躾けないとなぁ〜』

 

私の頭の中に、忘れていた記憶が蘇る。そうだ…私…一回逃げようとして…あの時に…無理矢理…

 

『やめて!!!痛い!!!それだけは…お願い!!!私は兄さんに!!!』

 

『へっ!お前の兄は死んだよ!!!代わりに俺がもらってやる!!!感謝しろ!!!』

 

私は、記憶が戻ると、さっきよりもさらに震えが酷くなる。

 

助けて………怖いよ………助けて……お願い……

 

兄さん!!!

 

私がそう思い目を瞑ると、男達の悲鳴が聞こえる。

 

「グハァ!!!」

 

「ガハァッ」

 

「お願いします!!!やめてください!!!た…た…助けて!!!!!!」

 

男達の声が聞こえなくなり、私は、恐る恐る目を開ける。するとそこには、男達の返り血が顔についた兄さんが立っていた。

 

「おい…立てよ……まだ終わってねぇぞ…」

 

それはまるで、京都に現れた、一匹の鬼だった。

 

side out

 

 

side禊

 

「なんの飲み物にしようかなぁ〜取り敢えず、無難にお茶でいいか」

 

俺は、そう言いながら、自動販売機でお茶を買う。

 

「結構遠かったな…咲も待ってるし、さっさと戻るか…」

 

俺はそう言うと、咲のいる方に走って行った。

 

「あれ?咲が絡まれてる?まぁ、あいつも可愛いしな…仕方がない…あいつも怖がってるし、さっさと済ますか…」

 

俺はそう言いながら、男達のところに向かう。すると、ある一言を聞き、俺は我を失う。

 

「へっ、そんな態度が二度と取れないように、しっかりと躾けてやる」

 

俺は、その言葉を聞いた瞬間に、自分の中にある理性が壊れた。俺は、そのまま、強化の魔術を全身に掛け、咲を掴む男を殴り飛ばす。

 

「オラァ!!!!!!」

 

「グハァ!!!」

 

俺がそう叫びながら、男の顔面を殴り飛ばす。すると、仲間であろう奴らが、俺に殴りかかってくる。しかし、俺はそれを難なく避け、そのまま、腹に蹴りを入れる。

 

「ガハァッ」

 

俺は腹を蹴られ蹲る男の頭を踏みつける。そして、最後の一人に目を向ける。

 

「お願いします!!!やめてください!!!た…た…助けて!!!」

 

こいつ…何言ってやがる?こいつらは咲を泣かせた…咲に怖い思いをさせた…それを…頭を下げるだけで許していいのか?いや…それはダメだ…こいつらに…絶望を…

 

俺はそう考えると、男達を睨みながら言う。

 

「おい…立てよ……まだ終わってねぇぞ…」

 

俺はそう言うと、最初の男の腕を掴み、それを曲がらない方向に無理矢理曲げる。

 

ゴギッ!!

 

そのような君の悪い音がなった瞬間、男は悲痛の叫びをあげる。

 

「ガァァァァァァ!!!!痛い痛い痛い!!!」

 

「1000引く7は?」

 

俺はその男にそう言いながら、淡々と骨を折る。

 

上腕骨

 

「993」

 

「ほら…そのまま続けろ…」

 

俺はそう言うと、再び骨を折り始める。

 

「986」

 

尺骨

 

「979」

 

手根骨

 

「972」

 

中手骨

 

「965」

 

基節骨

 

「958」

 

中節骨

 

「951」

 

未節骨

 

「944」

 

バキッ

 

ゴキッ

 

ボキッ

 

そんな音が、男の骨からなる。すると、俺は咲によって、骨を折る手を止められる。

 

「兄さん!!!もういいです!!!これ以上は…」

 

俺はその言葉で我に返り、辺りを見渡す。幸い、人通りが少なくバレるような事はなかった。男は、折るのをやめているのにも関わらず、未だに計算を続ける。その後、俺たちは、男から記憶を抹消し、救急車を呼んで、その場を後にした。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作9巻見つかったぁ!!!!!!

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