side禊
あの日…コカビエルとの戦いが終わってから、もう数日の月日が経った。
「それは本当か?曹操」
俺は今、曹操と携帯で電話していた。
『あぁ、どうやら、今日、駒王学園で3種族の首脳会議が行われるらしい…』
「そうか…」
俺は小さく相槌をうつ。
『そろそろ君も此方に来たらどうだ?メディアさんも、坊やが来ないと嘆いていたよ…』
「あの女…俺じゃなくて、咲目当てだろ…」
俺がそう言うと、曹操は大笑いする。
『ハハハハハハハハッ!確かにそうだな…俺にこの事を伝えた時に、数多くの服を持っていたからな』
「やっぱりかぁ〜…まぁ…近々そちら側に行くよ…」
俺がそう伝える。
『そうか!了解した。待ってるよ…』
曹操はそう言うと、電話を切った。
「咲をメディアに預けとくか…」
俺はそう呟くと、自分の姿を偽る魔術をかける。
「あーあー…よし…さて、行くか…」
俺は、変装している時の口調に戻す。
「咲…話がある。出て来てくれないか?」
俺が扉にノックをし、そう言う。
「はい!今行きます!」
咲はそう言うと、部屋から出てくる。
「何か用ですか?言峰さん」
咲は部屋から出てくると、俺にそう聞いてくる。
「あぁ、私は近々大仕事があってな…だから、お前をメディア預ける…今日の夜には、迎えに来る。準備をしといてくれ」
俺は、そう言うと、自分の部屋に戻った。
side咲
今日、突然言峰さんに呼ばれる。どうやら、仕事の関係で、私を知人のメディアさんの所に預けるらしい。
「また他人行儀…兄さんは気づいてないのかな?」
私は、自分の部屋で小さく呟く。言峰綺礼…私が初めてあった時に、兄さんが名乗った。でも、私は見てしまった…あの日……二年前…
ある日の夜、私は、目が覚めてしまい、夜風に当たるために、外に出ようと、地下から出る。すると、そこには、言峰さんが、神に涙を流しながら、祈りを捧げていた。
「今日は、咲の誕生日だ……咲を救ってから…もう一年経った。まだ、俺たちの事を思い出してない……あぁ…主よ…どうか……咲を……妹を…救って下さい」
「言峰さん?泣いているの……」
私は、いつも堅物で、麻婆好きの姿とはかけ離れた弱い姿に、私は驚いてしまう。
「妹⁉︎私が?どういう事?」
私は、あの日から自分の事を調べた。自分が悪魔に攫われる前までの家族の事を…
「家族構成…父親…母親…兄!!!」
私は、家族のことの書かれた資料を、言峰さんが留守の間に部屋から失敬した。
「春風禊……グッ!!!頭が…割れそう……でも……思い出さなきゃいけない……アァァァァァァァァァ!!!」
私は、強烈な頭の痛みに、私は叫ぶ。すると、私の頭の中に、とても懐かしい…そして、大切な記憶が蘇る。
「全部……思い出した…そうだ…私には…兄さんがいたんだ……」
「はぁ〜あの日から…結局記憶が戻ったことを言えてないし…でも…今度は私が兄さんを助ける…その為に…私は…」
私はカードを握りしめながら、そう呟いた。
side out
side禊
俺はあの後、咲をメディアに預け、今は、駒王学園の上空に来ていた。
「やわい結界だな…」
俺はそう呟くと、結界をすり抜ける。どうやら、もう禍の団のテロ活動は、開始しているらしい。
「さぁ…始めよう…俺の復讐を…悪魔達よ…俺の復讐の炎で焼き尽くしてやろう…」
俺はそう小さく呟いた。