ハイスクールD×D 英雄の力を使うもの 凍結   作:鯵の干物

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中華屋言峰

「言峰さん!!三名ご案内です!!」

 

とある中華屋の中に、1人の少女の声が響き渡る。

 

「了解した。どうぞ…ラーメンだ」

 

そんな中、一人の男が、真っ赤なラーメンを別の客に出しながら返答する。そう…その男の名は…言峰綺礼…

 

 

 

 

 

 

side禊

 

あの日…教会を出た日…俺たちは、早速、生命の危機になっていた。

 

「言峰さん…教会を出たはいいですが、この後どうするんですか?」

 

「うむ…一応拠点はあるが…」

 

「それじゃあ、取り敢えず、その拠点に行きましょう…夜になると寒いので」

 

「そうだな…」

 

俺はそう言うと、近くにある拠点に向かった。

 

 

 

「随分とボロボロですね…」

 

ぼろ家に着くと、咲はぼろ家を見ながらそう呟く。

 

「先ずは、掃除だな…」

 

俺はそう言うと、二人で掃除を始めた。

 

 

 

 

「ふぅ〜」

 

掃除が終わり、俺たちは、一息つく。

 

「何とか掃除は終わりましたけど、これからどうします?」

 

俺が綺麗になった拠点を見ていると、咲がそう尋ねてくる。

 

「ふむ…一応私に案がある」

 

そう…これが、中華屋言峰の誕生した理由だ。

 

 

 

 

「今日は随分とお客が多いですね…」

 

店の中にいる客を見ながら、咲がそう俺に言う。

 

「遂に、我が麻婆の素晴らしさが皆に知れ渡った訳だ…」

 

客が多い事が、自分の麻婆のお陰だと思い喜ぶ。

 

「いや〜ここのラーメンは死ぬほど辛いけど、咲ちゃんに会うためと思えばいける!!!」

 

ある客が咲を見ながらそう呟く。俺は、そんな客の前に行く。

 

「お客様…今日は店が混んでいるので、食事が終わったなら御会計を…全部で3000円だ…」

 

俺が少し殺気立って言うと、客は涙を流しながら、客は店から出ていった。

 

 

 

 

「ふぅ〜今日の営業もおしまいっと」

 

営業時間が終わり、咲は椅子に座って息を吐く。

 

「今日の売り上げは、今まで以上だった…」

 

俺は今日の売り上げを見ながらそう言う。

 

「そう言えば、今日教会の人から連絡が来ましたよ…仕事ですって」

 

「分かった。後で確認する。今日は客も多かった。もう休め」

 

俺は、疲れている咲にそう言う。

 

「ありがとうございます。それじゃあ、お言葉に甘えて…」

 

咲はそう笑顔で言うと、部屋に戻っていった。

 

「私だ…」

 

咲が部屋に戻り、俺は教会に連絡を取っていた。

 

「何!!コカビエルが!!それで…この私に何をして欲しいんだ?」

 

俺が仕事の詳細を聞くと、コカビエルに奪われだ聖剣の奪還だった。

 

「ほう…そんな少人数でコカビエルと…我々に死ねと…」

 

俺がそう聞くと、電話相手は狼狽える。

 

『まぁ…いい、私達を拾ってくれた恩は返すさ…まぁ…これが最後の様だしな」

 

俺はそう呟いて、電話を切った。

 

「ミカエルめ…悪魔と同盟など…」

 

俺は店の中で小さく呟く。

 

「明日も朝が早い…今日はもう寝るか…」

 

俺はそう言うと、自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

次の日、俺は調理器具の整理をしていた。俺は、営業中の看板に変えるため、店の外に出る。すると、そこには、ローブを被った二人組が倒れていた。

 

「どうした?行倒れか?」

 

それが、教会の二人組との出会いだっだ。

 

 

 

「ありがとうございます!!私たちを運んでくれて…」

 

「あぁ、感謝する」

 

俺が2人を店に入れ、ラーメンを作っていると、二人の女が俺にそう言ってくる。

 

「構わん。空腹なのだろう?ラーメン屋店主として捨て置けん」

 

俺はそう言いながら、麺を茹でる。

 

「いい匂いだな…これはなんだ?イリナ」

 

青い髪の女が、隣の茶髪の女にそうたずねる。

 

「ラーメンよ。ゼノヴィア」

 

「ラーメン?」

 

どうやら、青い髪の女は、ラーメンを知らないらしい。

 

「なんだ?君はラーメンを知らないのか」

 

俺がそう聞くと、ゼノヴィアと呼ばれた女は頷く。

 

「そうか…出来たぞ…存分に楽しむが良い」

 

俺はそう言うと、完成したラーメンを出す。すると、イリナと呼ばれた少女は、目を丸くしていた。

 

「赤い…あの…これは?」

 

「うん?麻婆豆腐だが?」

 

俺がそう答えると、イリナは大声で叫ぶ。

 

「ラーメンを出してくれるんじゃないの!!」

 

「麺など飾りだ。麻婆の海の底に、申し訳程度沈んでいる」

 

俺がそう答えると、イリナは、麻婆を見ながら叫ぶ。

 

「わぁ!!!本当に申し訳程度しか無い!!」

 

「あむ…ゴホッ!!辛い!!辛すぎる!!!これも主の試練なのですね!!!」

 

イリナは、麻婆を食べながら、涙目で叫ぶ。

 

「う〜ん、文句の多いい客だ。連れを見習ったらどうだ?」

 

俺がそう言うと、イリナはゼノヴィアの方を見る。すると、其処には、麻婆を一気飲みするゼノヴィアの姿があった。

 

「イリナ…ラーメンとは…食べると口とお腹の中が、焼けるような感覚になるのだな…」

 

「ゼノヴィア!!それはもはや、食べ物を食べた時の感想じゃないわ!!!」

 

俺は、全然食べていないイリナに、少し殺気を放って言う。

 

「言うまでもないが、食べ残しは許さん。どうしても無理なら、私が直々にお前の口に流し込んでやろう」

 

「ヒィ!!!分かりました!!!食べます食べますから!!!」

 

イリナはそう言うと、我が麻婆を食べ進めた。

 

「ご馳走さまでした」

 

麻婆を食べ終え、イリナは汗をかきながらそう言う。

 

「喜べ…君達は1日分のカロリーを摂取できた。あぁ、それと、麻婆ラーメン二人で3000円だ」

 

俺がそう言うと、イリナ達は叫ぶ。

 

「「有料なの!!!!!!」」

 

こいつらは何を当たり前のことを言っている?

 

「当たり前だ。まさか…文無しじゃああるまいな…」

 

俺がそう聞くと、二人は狼狽える。

 

「喰い逃げとは舐められたもんだな…丁度豚骨が切れていた所だ…」

 

俺がさっきよりも大きな殺気を放ちながらそう言う。

 

「ラーメン屋が放てる殺気じゃない!!!」

 

「ほう…中々の殺気…是非手合わせをしてみたい」

 

「何言ってるのよゼノヴィア!!!」

 

「最後の晩餐が私の麻婆だった事を、幸運に思いながら逝くがいい!!」

 

俺がそう言って、二人に中華包丁を向ける。その時、店の扉が開いた。

 

「すみませ〜ん。ここに、ローブを被った二人組っています?」

 

それは、教会で俺に突っ掛かってきた悪魔だった。

 

 

 

 

 

 

 


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