いよいよCSMファイズギアの発送日メールが届きました。今月の25日発送となっているので、26、27日くらいには届くのでしょうかね?
さてさて話は変わりまして、突然ですがこの話で新キャラが出ます。
どういう奴かは見てのお楽しみということで、ではどうぞ!
ヨハネこと津島善子が正式にAqoursに加入し、微々たる変化ながらも前に進み続ける千歌たち。そんな彼女たちとは他所に、新たな問題が起きていた。
「どういうことですの!?」
浦の星女学院の理事長室にダイヤの声が響く。彼女が噛みついている相手、理事長の小原鞠莉は淡々とその事実を告げる。
「沼津の高校と統合して、浦の星女学院は廃校になる」
改めて現実を突きつけられ、思わず黙り込むダイヤ。そんな彼女の様子を見た鞠莉は「でもね・・・」と言葉を続けた。
「まだ決定ではないの。まだ待って欲しいと私が強く言ってるからね」
鞠莉は座っていた理事長席からおもむろに立ち上がり、ダイヤに歩み寄りながら言葉を紡ぐ。
「この学校は無くさない。私にとって、どこよりも大事な場所なの」
鞠莉はそう言いながら、過去を振り返る。自分が言う大事な場所にはダイヤと果南、そして自分がいた。
そんな事とも知らず、鞠莉の強気な発言に対してダイヤはその方法について聞いた。
「方法はあるんですの?入学者はこの2年どんどん減っているんですのよ?それに例の怪物騒ぎもありますし。乾さんは既に東京へ向かわれて居ないんですよ」
ダイヤが懸念している事に対して、鞠莉は一言だけ返した。
「だからスクールアイドルが必要なの」
浦の星女学院の統廃合の噂はその日のうちに既に広まっていた。もちろん、その噂は部室にいる千歌たちにも。
『統廃合!?』
驚くメンバーに、いち早く噂を聞きつけたルビィが詳しい説明をする。
「沼津の学校と合併して、浦の星女学院はなくなるかもって・・・。一応、来年の入学希望者の数を見て、どうするか決めるらしいんですけど」
その話を聞いたAqoursメンバーは何とも言えない空気に包まれる。しかし、それを打ち破ったのは意外にも千歌だった。
「・・・キタ!ついにキタ!!廃校・・・!?学校のピンチってことだよね!?」
千歌はそう言って、校内を「廃校だよー!」とか「音ノ木坂と一緒だよ!?」などと叫びながら走り回る。
やがて部室に戻ってきて言い放った。
「これで舞台が整ったよ!私達が学校を救うんだよ!?そして輝くの!!あの、μ’sのように!!」
全員がここで理解する。千歌はこの状況を望んでいたのだ。そして、喜んでいる人物はもう二人。
「合併ということは、沼津の高校になるずらね!?あの街に通えるずらよね!?」
「そりゃ統合した方が良いに決まってるわ!私みたいな流行に敏感な生徒も集まってるだろうし」
そう言ったのは花丸と善子。案外、統廃合に賛成している生徒もいるのかもしれない。
「とにかく・・・Aqoursは学校を救うため、行動します!!」
千歌がAqoursメンバーに向けて、宣言する。もちろん本当に統廃合してほしい訳ではなく、かつてのμ’sのように学校を救うことが出来るのが嬉しいのだろう。
そんな千歌にふと、梨子が質問する。
「でも、行動って何するつもりなの?」
「えっ・・・?」
そこらへんはノープランだったのか、思わず固まってしまう千歌。とりあえず、自分たちで実践しながら模索していくことになった。
「μ’sがやったのは、スクールアイドルとしてランキングに登録して、ラブライブに出て有名になって、生徒を集める・・・。あとは・・・」
「はぁ・・・そもそも受験人数が減っているんですのね・・・」
ダイヤはパソコンのモニターを見ながら、歯がゆい想いを募らせる。そこに映し出されているのは浦の星女学院の入学志願者の人数だった。その数は年を重ねるごとにどんどん減る一方だ。
その時、生徒会室の扉が開く。そこに居たのはルビィだった。
「お姉ちゃん。今日もちょっと遅くなるかもって・・・千歌ちゃんが入学希望者を増やすためにPV作るんだって言ってて」
関係は良好とは言えないが、少しずつ良い方向に向かっている。確執があるのは確かだが、それでも姉として慕ってくれる健気な妹に、ダイヤは感謝していた。
「分かりましたわ。お父様とお母様に言っておきますわ」
ダイヤの了承を得たルビィは、元気よく返事をしてその場を離れようとする。しかし、それはダイヤによって阻止された。
「どう?スクールアイドルは」
突然の問いかけに一瞬ルビィはどう答えて良いものか困ったが、素直に自分の気持ちを言い表すことにした。
「大変だけど、楽しいよ。だから、この気持ちに気づかせてくれた、巧お兄ちゃんには感謝してもしきれないよ・・・お姉ちゃんも、そうじゃないかな?」
ルビィの言葉に、ダイヤは驚いた。極度の人見知りで、今まで男性との付き合いがなかったあのルビィが、乾 巧を慕っていることに。それがただ恩人としてなのか、恋心としてか。
(“お姉ちゃんも”って・・・その言い方では、まるで私が乾さんをす、好きだと言っているみたいではありませんか!?ま、まぁ?乾さんのことは嫌いではありませんし、ルビィも懐いているようですので悪い人ではないと思いますが・・・)
「お姉ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」
考え事に耽っていると、ずっと黙り込んでいるダイヤを心配に思ったのか、顔を覗き込むルビィ。ダイヤは何故顔が紅潮しているかを悟られないため、ルビィを威嚇する。
「ルビィ・・・早く立ち去らないと、末代まで恨みますわよ」
突然の犯行予告に驚くルビィ。
「ピ、ピギィィィッ!?な、なんでぇ?」
ダイヤの剣幕に驚いたルビィは、足早にその場を立ち去った。一人残されたダイヤは、ポツリと一言だけつぶやいた。
「まったく・・・こんな顔、誰にも見せられませんわ。この気持ちは何なのでしょう・・・?」
「・・・ハックシッ!!あぁ、風邪ひいたか?」
木場の言葉の通りに、一足先に東京に来ていた。もちろん東京に遊びに来た訳ではなく、木場からもらった情報を頼りに足を運ぶことに。
やがて、情報通りの場所へたどり着いた巧。そこで驚愕の事実をを確認する。
「おい・・・ここって、マジかよ」
その場所を見た巧は目を見開いた。
「“スマートブレイン社病院”・・・」
巧は苦い思い出を思い出してしまう。忘れもしない二年前、木場に捕まった巧は実験材料としてオルフェノクの滅びの仕組みを調べる実験をさせられた。そのせいでオルフェノクの力が消耗し、今もなお苦しんでいる状況なのだ。
「木場のやつ、ここに来れば助かるとか言ってたよな?仕方ねぇ、行くか」
巧は重い足取りで施設の中に入った。巧はスマートパッドに記された情報の通りに、見慣れない施設の中を進んでいく。
「えっと、通路を挟んで向かい側のエレベーターで3階に・・・これか?」
情報の通りにエレベーターを見つけた巧は乗り込んで3階のボタンを押し、閉ボタンで扉を閉める。ゆっくりと上がっていくエレベーターの中で、巧は様々なことを考える。再び現れたオルフェノクの事、草加の事、Aqoursの事など。
そんな事を考えていると、エレベーターが到着した事を示すように扉が開く。巧は警戒しながら目的の部屋の前に立った。
「いよいよか・・・よし」
巧は意を決して扉を開けた。部屋の中は薄暗く、物は散乱していて二年前から手付かずなのはすぐに分かった。ゆっくりと進んで行くと、目の前に人が佇んでいた。
「おい、あんた何者だ?」
巧は目の前で佇んでいる人物に問いかける。誰か人がいるなど木場からは聞いていないし、そもそも暗いせいで男か女かすらわからない。
巧の問いかけに答えるように、目の前の人物が巧の前に歩み寄る。
巧は思わず目を見張った。何故ならその人物とは確かに見覚えのある人物だったからだ。巧はその名を口にしていた。
「木村・・・沙耶なのか?」
巧は動揺していた。目の前の少女が 、二年前に巧にデルタギアを渡そうとしてオルフェノクに殺られた木村沙耶と瓜二つの容姿をしていたからだ。しかし、その存在は彼女によって否定されてしまった。
「木村、沙耶さんですか?いいえ・・・私は梅原沙希(うめはら さき)と申します。あなたのサポートを引き受けました。奥へどうぞ」
梅原沙希に促され、部屋の奥へと進んでいく巧。そこにあったのは人一人が入れるだけの大きさのケースが二つ。沙希のほうを見ると、ケースについて説明を始めた。
「このケースは、対象となる人物にもう一人のオルフェノクの記号を移植するものです。以前、警察関係者の中にオルフェノクと人間を分離させる装置を使っていたと聞いています。しかし、所詮は人間の作るもの。未知のものであるオルフェノクには十分な効果は期待できなかったと聞いています」
巧はその説明を間に受けて良いものかを考えてしまう。前に研究所で実験材料にされそうになった長田結花のことがあるからだ。巧は一つだけ質問した。
「その相手ってのは、死なずに済むのか?」
沙希はその質問に微笑を浮かべながら答えた。
「えぇ、完全に人間に戻ります。命も保証しますから安心して下さい」
沙希の答えに「分かった」とだけ答える巧。
すると、少し遅れて扉が開かれた。巧は相手が到着したのを確認して自然と言葉が出ていた。
「木場が言ってたのって、あんただったのか・・・」
巧の言葉に便乗するかのように、沙希が相手についてを説明した。
「お待ちしていました。今回乾さんの相手をする青木茂久さんです」
Open your eyes for the next φ’s
「まずこの街の良い所を伝えなきゃって!」
「暫くは体に違和感を感じると思いますが、少なくとも変身は控えてください」
「その牙・・・!そんなので噛まれたら・・・死」
「デルタ・・・三原か!いや、違う?」
第16話 復活する記号