ラブライブ!サンシャイン!!夢の守り人   作:自由の魔弾

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報告は特にありません。
早くファイズギア欲しいなぁー。


第12話 すれ違う堕天使

静岡県某所。とあるマンションの一室にてその物語は始まる。

 

「感じます・・・精霊結界の損壊により、魔力構造が変化していくのが・・・世界の趨勢が天界議決により決していくのが・・・」

 

 

暗闇に閉ざされた空間の中、黒翼を授かった?少女が真実を伝える。

 

「果の約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼が、その全てを見通すのです!」

 

そして、少女は最後に言い放った。

 

「全てのリトルデーモンに授ける。堕天の力を!」

 

少女はそう言って、静かに録画を停止する。そして、少しだけ悦に入った自分の余韻を楽しんだ後、窓を開けて叫んだ。

 

「・・・やってしまったぁぁぁ!!」

 

堕天使ヨハネ。今日も元気に不登校or堕天使ライフを満喫している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう高校生でしょ!津島善子!いいかげん卒業するの!!」

 

訳もなく、すぐさま自分の行いを反省する始末。もちろん本気で堕天使な訳もなく、せいぜい憧れている“キャラ”とでもいえばいいだろう。

 

「この世界はもっとリアル。リアルこそが正義!リア充に、私はなる!」

 

彼女のバラ色リア充ライフを全力で邪魔しているのが、時折見せる堕天使ヨハネ。これのせいで登校初日の自己紹介で爆死したのは言うまでもない。

 

「その為にも学校行かなきゃだし・・・かといってクラスのみんなにどんな顔すれば良いの?はぁ・・・あなただったらどうするのかな・・・?」

 

堕天使ヨハネもとい津島善子は、机の傍に立て掛けてある写真にその疑問をぶつける。何処からか隠し撮りした写真のようだが、そこに写っていたのは灰色の怪物と戦う仮面の戦士だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー・・・今日も上がってない」

 

パソコンの画面を見ながら曜ががっくりと肩を落とす。ルビィと花丸が加わり5人になったことで、正式に部としての活動を認められたAqours。しかし、目標である学校の統廃合を阻止するべく活動をするものの、中々成果として日の目に当たることはなく、今日もまたパソコンの画面に映し出される自分たちの順位とにらめっこ。

そんなこんなで、花丸がパソコンの画面をブラックアウトさせたり、人魚が3人から5人に増えたりしたが、ようやく練習を始めることに。

 

「ん?あれは・・・」

 

花丸は見覚えのある堕天使がこちらを覗き見している事に気付き、許可を取って追いかける。そして、教室に隠れた堕天使を表にさらけ出す。

 

「学校きたずらか」

 

隠れていたのはもちろん善子。本人曰く「来たっていうか・・・たまたま近くを通りかかったから、寄ってみたっていうか・・・」との事らしい。

それよりも善子は、クラスメートの自分への反応を確認しに来たとか。尚、自己評価では「私のこと!変な子だねーとか、ヨハネって何?とか!リトルデーモンだってwぷぷwとか!」と思われているらしい。

なので、安心させる事に。

 

「・・・誰も気にしてないよ?それより、皆、どうして来ないんだろうとか、悪いことしちゃったかなって心配してて」

 

それを聞いた瞬間、善子の様子が一変する。

 

「よし!!まだいける!まだやり直せる!今から普通の生徒でいければ・・・」

 

善子のリア充復活作戦はまだまだ続く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とか思っていた時期もありました。現在はAqoursの部室で待機中。結果から言うと、大失敗!より悪化したかも!といった感じだろうか。

そこら辺は回想で振り返っていただくとしよう。

 

善子:花丸に自分がヨハネっぽい事したら止めるよう頼む。

花丸:善子の頼み通りに監視を開始

クラスメート:そんな事とは知らず久しぶりに登校してきた善子を取り囲む

花丸:ルビィと共に善子の監視を強化

ヨハネ:趣味の占いの話から暴走&ヨハネっぷりを披露

クラスメート&花丸:善子の暴走にドン引きor知らないふり

 

回想終了!

 

それで現在に至る。せっかくのブレーキ役の花丸も呆れ顔をしている。善子の堕天使っぷりには効く薬がないのかと。しかし、そこに千歌が注目した。

 

「これだ!これだよ!津島善子ちゃん!スクールアイドルやりませんか!?」

 

千歌の言葉に、善子を始めAqours全員が驚いたことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるバーに1人の男が来店する。男はバーテンダーの顔を見ると、不思議そうな顔をしたまま言葉を発した。

 

「へぇ・・・こんなところにバーがある事から変だと思ってたが、まさかオルフェノクの店だとはな」

 

男はバーテンダーに向かって、挑戦的な態度をとる。しかし、バーテンダーは相手になるつもりはなかった。

 

「あなたを呼んだのは戦うためじゃないわ。それに、今は敵同士という訳でもないし・・・」

 

「フッ・・・確かに。それで?今更俺に何の用かな?“ラッキークローバー”の一員にでもしてくれるのかなぁ?欠員を補充する為に」

 

男はバーテンダーに自分を呼びつけた理由を問いかける。

 

「あなたが持つファイズのベルト、それをこちらに渡してもらいたいのよ」

 

男はその意図を探る事に。

 

「ファイズのベルトを使って、一体何をしようと言うのかなぁ?」

 

「それはあなたの知るべき事じゃないわ。それで、どうするつもり?」

 

「断る・・・と言ったら?」

 

バーテンダーは男の問いかけを冷酷に切り捨てた。

 

「その時は・・・また死んでもらうわ。あなたも、彼も」

 

バーテンダーの言葉に黙り込む男。しかし、すぐに口を開く。

 

「ま、考えておくよ。次に会う時はそんな立体映像なんかじゃなくて、本当の姿として会えるといいな」

 

男はそのまま店を後にする。

すると、バーテンダーの姿は消え、暗がりからエビを模したオルフェノク“ロブスターオルフェノク”が姿を現した。

 

「とっくに気づいてた・・・という訳ね。村上君を欺いただけの事はあるわね。でも、私まで欺けるとは思わない事ね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだあって、今は千歌の部屋。Aqoursに加えて善子と共に堕天使アイドルとして、自分たちを売り込む計画を立てていた。

 

「ステージ上で堕天使の魅力を思いっきり振りまくの!!」

 

千歌がそんな事を言っているが、善子が全力で阻止する。普段自分がひどい目に遭っている事が、教訓にでもなっているのだろう。

すると、突然千歌の部屋の障子が開かれる。

 

「おい、何だ?俺に用って?えぇ?」

 

招かれたのはもちろん巧だ。男性からの意見を取り入れるため、千歌が呼んだのだという。

すると、巧の姿を見たルビィが素早く巧に駆け寄る。

 

「巧お兄ちゃん!」

 

その発せられた言葉によって、本人と巧以外の人間が一瞬で凍りついた。この前の一件を境に、なぜかこんな呼び方をするようになった。

巧も嘆息まじりに訂正を求める。

 

「お前なぁ・・・勝手な呼び方すんな!誰が“お兄ちゃん”だって?だいたい俺がそんな柄かよ、えぇ?」

 

巧の言葉を聞いたルビィは、目に涙を浮かべて訴える。ウルウル。

 

「泣いたって駄目なもんは駄目だ!」

 

ウルウル。

 

「いや、だから・・・」

 

ウルウル。

 

「・・・あぁ!もう分かった!勝手にしろよ!」

 

その言葉を聞き、パアァと輝かせるルビィ。こうなってはいかに巧といえども、逆らう事は出来ないのだろう。

 

「この衣装、どうかなぁ?」

 

ルビィに感想を求められ、巧はもはや機械のように答える。

 

「ハイハイ、可愛い可愛い。で、そこのお前は誰なんだ?」

 

一悶着あったが、ようやく本題に入る。すると、巧が善子を見て説明を求める。

 

「フン・・・私の事を知らない?ならば教えて差し上げましょう!天界からのドロップアウター、堕天使ヨハネ!堕天降臨!!」

 

またもや、部屋の中の人間が凍りついた。自分の過ちに気づいたのか、慌てて取り繕うとする善子だったが、それよりも先に巧の言葉が放たれてしまった。

 

「何だお前。変な奴だな」

 

善子、ノックアウト。部屋の隅で体育座りをして、ブツブツと何かをつぶやいてしまっている。

その様子を見たAqoursメンバーは巧に謝るように急かす。

 

(巧くん!早く謝って!)

 

(はぁ?何で俺がそんな事を・・・)

 

(乾さん!全力謝罪、ヨーソロー!!)

 

(とにかく、謝っておいたほうが良いと思いますけど)

 

(乾さん、ファイトずら!)

 

(巧お兄ちゃん、がんばルビィ!)

 

見事に味方は居なくなった。巧は諦めて謝罪することに。

 

「あー、さっきは無神経なこと言って悪かったな。だから、立ち直ってくれよ」

 

善子はそれを聞くと、一つだけお願いを言う。

 

「じゃあ・・・私のリ、リトルデーモンになってよ!」

 

正直この時、巧には何の事だかさっぱり分からなかったが、また失言をするかもしれないので、仕方なくリトルデーモンなるものになる事を承諾する。

 

「・・・分かった分かった。なってやるよ、そのリトルなんちゃらに。お前、名前は?」

 

何やら勝手に騒いでいる横で、花丸が教えてくれた。

 

「津島善子ちゃんずら」

 

花丸の言葉に「ヨハネよ!」と突っ込みを入れる善子。面倒臭くなったのか、巧も気にせずに挨拶する。

 

「俺は乾 巧だ。よろしくな、善子」

 

「だから、ヨハネよ〜!!」

 

彼女の苦悩は簡単には解決しないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Open your eyes for the next φ’s

「それぞれ特徴があって、魅力的で、だから大丈夫じゃないかなって」

「こういうものは破廉恥と言うのですわ!!」

「この写真って、まさか!?」

「ようやくオルフェノクの謎に迫れるかもしれないってことだよな」

第13話 堕天と昇天

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