八幡君はまた寝過ごします。
じゃなくて…今シリーズは、今回の話が原点になっております。
ですが、ハーメルン様は原作からの引用が多すぎると規制の対象になってしまいます。
今回の話はほぼほぼ原作からの引用になってしまっています。
ですので、今回の話を編集するか迷いましたが、やはりここは変えたくなかったので
規制覚悟で編集せずに投稿させて頂きます。
もし規制対象になってしまった時は…ごめんなさい。
規制がなんぼのもんじゃい!ヽ(`Д´)ノ
休日が終わり、学校が始まる。
時間は昼休み。
俺は今、屋上にいた。理由は桐崎と一条だ。
朝、教室に入るとやたら騒がしかった。
なんでも、この前の休日、桐崎と一条が出掛けてる所を目撃した奴が居たようだ。
なんで休みに一緒にいただけでデートしてた事になっちゃうんだよ、とも思ったが2人が演劇を始め、さらに周りがそれを信じてしまった。あの2人を見て、疑わしいと思わないのだろうか?
リア充の思考回路をアホらしく思いながらも、俺が宮本と一緒に居る所を目撃されなくて良かったと一安心。そんな話が出てきたらお互いに迷惑だしな。
そんなこんなで、昼休みになった今もあの2人の事でクラスで騒いでいる。
そういえば、何度か小野寺に話しかけられた。なぜか少し興奮気味だったが、対照的に俺は冷めていた。流すような対応をしていたら、宮本に睨まれた。訳が分からん。
朝から続くアホらしい空気が気味悪く、気分が悪くなるものを見せられたので、気分転換をしに屋上に来ていた。
今日は天気も良く風も心地良い。
横になりながら目を閉じる。
昼休みが終わるまで、少しだけ…
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やっちまった…
目が覚めるとそこには、綺麗な夕日が写ってましたとさ。
また、日原先生に面倒事を頼まれなきゃいいが…
取りあえず荷物を取りに。教室に足を運ぶ。
教室内にはまだ誰かが居るようで、話し声が聞こえる。
まぁ、誰がどんな話してようが俺には関係ないけど。
教室内に入ると中に居たのは、小野寺と宮本だった。
「比企谷君…!」
小野寺が呟くのと同時に宮本が
「じゃーーーね小咲。
私急用があるからすぐ帰らなきゃ
バイビーーーー」
と言い残し、物凄い勢いで出て行った。
あんなに急ぐなんて、随分大事な用なんだろう。
かと思ったら、一度戻ってきて怖い顔でこちらを見たと思ったらまた出て行った。
大分忙しい奴だな。
「そ、そうだ!比企谷君、午後はどこ行ってたの?
朝から調子が悪そうだったから、先生には保健室じゃないかなって伝えといたよ」
急に宮本が退場した為か、ややテンパった様子で話す小野寺。
そんな小野寺を見て、俺は思わず微笑んでしまった。
「小野寺は、優しいよな」
「え!?そ、そんなことないよ!」
夕日の所為か、顔を赤くして否定する。
なぜ否定されたのか全然分からんが、それでも小野寺は優しいと思う。だから、きちんと言っておくべきだった。
「あのさ、別に俺の事なら気にする必要ないぞ。小野寺の妹、助けたのは偶然だし、それにあの事故がなくても俺、多分ボッチだったし。小野寺が気に病む必要全くなし」
「ひ、比企谷君、知ってたの?」
目を見開き、驚きに満ちた顔で俺を見つめる。
「いや、知らなかったけど、この前クロードさんに会ってな。そん時に初めて知った」
「そっか…」
そう呟き顔を伏せる小野寺。
「悪いな、逆に変な気遣わせたみたいで。まぁ、でもこれからはもう気にしなくていい。俺がボッチなのもそもそも俺自身が理由だし事故は関係ない。負い目を感じる必要も同情する必要もない。………気にして優しくしてんなら、そんなのはやめろ」
ほんの僅か、自分の語気が荒くなったのを自覚した。ああ、いかんな。何をカリカリしてるんだ俺は。こんなのなんでもないことなのに。
俺は苛立ちを誤魔化すようにがりがり頭を掻いてしまう。さっきから流れているこの沈黙が気まずい。
初めて沈黙を苦手に思った。
「まぁ、その、なんだ…」
とりあえず口は開きはするものの、言うべき言葉が見つからず、具体的な事が出てこない。
お互い言葉に詰まると、小野寺が顔を伏せたまま話す。
「あ、あのね。別にそういうつもりじゃ…ホントに…そういうんじゃなくて…」
俯いているせいで表情は見えない。ただか細い声がちょっと震えている。
「そういうのじゃ、ないよ………そういうのじゃ、ないのに……」
小さな声で小野寺は言う。どこまでも優しい小野寺小咲は、多分最後まで優しい。
真実が残酷だというなら、きっと嘘は優しいのだろう。
だから、優しさは嘘だ。
「あー、まぁなn『ガッシャァァァン!!!』!」
「!」
声をかけようと思ったら、突如ガラスが割れ、お互い顔を見合わせる。が、すぐに小野寺は顔を伏せてしまう。
外で割ってしまったであろう人物達の声が聞こえるが、何を話しているかは耳に入ってこない。
「…先生呼んでくる。ガラスは危ないから触んない方が良い。……じゃ」
そう言って教室から出て行く。
返事はなかった。
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誰もいない廊下を、1人歩く。
それぞれ部活に励んだり、友達などと遊びに行ってるのだろう。けれど、俺には関係ない。
俺、騒がしいの嫌いだしな。
あと、優しい女の子も、嫌いだ。
ほんの一言交わせば気になるし、メールが行き交えば心がざわつく。電話なんてかかってきた日には着信履歴を見てつい頬が緩む。
だが、知っている。それが優しさだという事を。俺に優しい人間はほかの人間にも優しくて、そのことをつい忘れてしまいそうになる。
別に鈍感なわけじゃない。むしろ敏感だ。それどころか過敏ですらある。そのせいでアレルギー反応を起こしてしまう。
既にそのパターンは一度味わっている。訓練されたボッチは2度も同じ手に引っかかったりしない。じゃんけんで負けた罰ゲームの告白も、女子が代筆した男子からの偽のラブレターも俺には通じない。百戦錬磨の強者なのだ。負ける事に関しては俺が最強。
いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。
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