俺ガイル×ニセコイ   作:従属人間

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事故のくだりに特に意味は無いです。
ただ犬と比べたら抱えて助けるのは難しいかと思い
こういった形になりました。

ごめんなさい。
今回の展開は予想出来てた方も多い思います。
そして今後の展開も予想できると思います。

クロードさんのキャラは大分崩壊してると思います。
しかし、一般人にたいしてはこんなもんじゃね?と適当に書いてます。



7

クロード・リングハルト

 

この人との出会いは入学式前日。

 

その日は雨で、俺は図書館の帰り道の途中だった。

 

雨の中、傘を差さず鞄を傘代わりにしている女の子が小走りでいた。

 

交差点で車が気付かずに飛び出してしまった女の子の正面にいた俺が、その子を引っ張ったら代わりに俺が車の前に飛び出る形になってしまい、車に轢かれたのだ。

 

その日は雨という事もあって大したスピードでなかったのが幸いし、死亡事故にはならなかった。

 

その車に乗っていたのがクロードさんだったのだ。

 

入院中、何度か謝罪や見舞いに来てくれた。その時にアメリカンギャングの幹部であることを知った。

 

そういった経緯があり、なんだかんだ覚えてしまった。

 

 

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「先程、見かけた時からもしやと思っていたよ。

君のような目をしてる奴はこちらの世界でも少ないからね」

 

マジか…ギャングの世界でも俺みたいな目って珍しいのね。

 

それより

 

「お嬢って…もしかして桐崎のことですか?」

 

前にボスの一人娘がいるとは聞いていたが

 

「そうだ。あの方こそが我がビーハイブ・ボスの一人娘、桐崎千棘お嬢様だ!!!」

 

お、おう急にテンション上がったな。どんだけ大好きなんだよ。

 

「それが一体!一体!!どう間違ったらあんな野蛮な蛮族のヤクザのクソガキと付き合う事になるのだ!!!」

 

いや、知らねーよ。てか、一条ってヤクザの息子だったんだな。

 

それにしてもキャラ変わりすぎだろ。俺の知ってる紳士なクロードさんはどこ?お願い!早く帰って来て!それで右手に持ってる物騒な物も早急にしまって下さい!

 

「失礼、取り乱してしまった」

 

ホントだよ。命の危機を感じたからな。

 

「それにしても先程お嬢を助けて頂き、ありがとう。

今回といい、前回といい君には迷惑をかけてばかりで申し訳ない」

 

「迷惑だなんて、そんな事言わないで下さい。

前回だって俺が勝手に飛び出したのが悪いですし、今回だってただ自分の為にやっただけですから」

 

「そうは言ってもこういった事はちゃんとケジメをつけなければならない。

今日のことは今度なにかしらお礼をさせてもらうよ」

 

「別にお礼をして欲しいとか、そういったつもりは全く無いので気にしないで下さい」

 

「私も一組織で幹部を務める者だ。ちゃんとしなければ下の者に示しがつかない。

だから、なにかさせてもらえないか?」

 

一組織の幹部である人間がこんな事に…とも思うが、荒事のみならずこういった事がしっかりしているからこそ幹部なのだろう。結局ギャングなんだけど。

 

しかし、どうしたものかと悩んでいると

 

「ちょっ!クロード!?こんなところでなにしてるのよ!!!それにアンタも!」

 

桐崎がやってきた。どうもトイレに来たら聞き覚えのある声が聞こえたので見に来たようだ。

 

 

 

 

「ふ~ん。それで2人は知り合いだったのね」

 

簡単に知り合った経緯を説明し、納得した様子の桐崎。

 

「それにしてもアンタって結構お人好しよね」

 

…こいつは何を言ってるのだろう?

 

思っていることが顔に出ていたのか、俺の顔を見てから話す。

 

「だってその事故の事もそうだけど、今回だって一応…その…助けてくれたし…

それに!この前のペンダント探しの時だって、自主的に始めた訳でもないのにゴミ漁りまでは普通しないわよ?」

 

事故の事は咄嗟の出来事だから何考えてたか覚えてないが、今日は早く帰りたかっただけだし、ペンダントの時は小町に言われたからなんだが…

 

取りあえず、全ては自分の為という事を説明しようと口開く前にクロードさんが

 

「そうです!お嬢!このような人物そうはいません!なのになぜ、お嬢はあんなサルと付き合っているのですか!!!」

 

「ダ、ダーリンにはダーリンの良い所があるのよ!」

 

2人が口論をはじめ、結局言い出すタイミングを逃してしまった。

 

取りあえずこの場からドロンする機会を窺っていると

 

「そ、そろそろ戻るわ。

じゃ、またね」

 

そう言って逃げ出すように去っていく桐崎。

 

どうやら分が悪くなったようだ。

 

「お待ちください!お嬢!……全く…」

 

それじゃ俺もそろそろ…と思ったがクロードさんに引き止められる。

 

「私はできるだけお嬢の近くで守りたんだが、いかんせん校内となると手が出し辛い。

だから、学校内で何かお嬢が困っていたら助けてあげて欲しい。

ヒキガヤ君にこういった事を頼むのはお門違いな事だと分かっている。

だから君の迷惑にならない範囲で構わない。お願いできないだろうか?」

 

この人は本当に桐崎の事が心配なんだろう。

 

少し、本当に少しだが桐崎が羨ましいと思った。

 

「まぁ…俺なんかで良ければ…」

 

そう答えクロードさんから顔を逸らし、桐崎達を見る。いつの間にか小野寺と会ったようだ。

 

「そうか、ありがとう」

 

クロードさんも桐崎達に目を向けて

 

「おっ、丁度良い。あの娘にも話を聞いてみるとするよ」

 

丁度良い?あの娘?小野寺のことか?気になるので聞いてみる。

 

「あの…小野寺の事知ってるんですか?」

 

「おや、君は知らなかったのかね?事故の時に助けた少女の姉だよ。

事故の件で挨拶に伺ったときに会ったんだ。

では、私はこれで失礼するよ。」

 

去っていくクロードさん。

 

それより、小野寺が事故の時に助けた子の姉?

 

小野寺は俺が助けたと知っていたのか?

 

………高校に通い始めてから、声をかけられる事が多くなった。

 

入院して入学が遅れた上、中学の時から友達のいない俺を気遣っているのかとも思っていたが…

 

クロードさんが居なくなってからも暫く動けずにいた。

 

そうしているうちに小野寺は去っていく。他の3人はまだ残っている。

 

その内の1人に声をかける。

 

「宮本、ちょっといいか?」

 

「どうしたの?」

 

 

 

桐崎と一条の2人とも別れ、再び宮本と2人になった。

 

「で、なに?」

 

「小野寺は居眠りしてた奴の為にノートを写し渡すって事、良くあるのか?」

 

「そうね…見た事ないわ。

きっと特別なんじゃない?貴方は」

 

なにか期待するように語りかけてくる。

 

「そうか…」

 

 

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その後、特に会話も無く宮本と別れ、今は1人で帰宅中である。

 

先程のクロードさんの話と宮本の話について考える。

 

 

「きっと、そういうことなんだろうな…」

 

 

考えが纏まるのと同時に、何か冷めていくような感覚がした。

 

 

 




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